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見えない明日・見える未来〜第26話〜 (No.102 への返信) - シン

第26話「絶望と失望」





完全に絶望に包まれた綾は地上45mはあるビルから


意を決して飛び降りようとした。






「あなたはまだ死んでは駄目……」


「え……?」





だが、それを止めようとする自分の『声』が聞こえた。


だが、近くには人などいない上、


自分がそんなことを言うはずがない。


だが、間違いなく自分の声が聞こえていた。


それも、空の上から……




「今のは…何?」


「何であたしの声が………?」






その声に綾は疑問を抱いていた。


そうこうしている内に……


「何だ!?ひ、人がいるぞーーー!!!」


「え?きゃーっ!本当よーーー!」


「と、飛び降りようとしてるぞー!!」


ビルの下の通行人が(あくまで偶然にも)綾の姿に気づいた。


その時…ビルの下では…





「ん?何の騒ぎだ!?」


英雄が騒ぎに気づいた。


英雄はあの後家で『何か』を準備した後単独行動をしていた。


その途中、上田の部下の若手警官の下村に出会ったので共に行動を


していた。


「ちょ、これって…まさか……飛び降り…ですよね?」


「……だろうな…だが、誰が…… あ!まさか!!!」


英雄は直感した。


「まさか!?だとすれば早く上田さんに連絡しないと…!」


英雄の言葉で気づいた下村は上田に連絡した。


「俺も連絡を入れておくか…」


英雄も裕紀達に連絡を入れ始めた。












「!下村!?」


「上田だ!どうした!?」


[上田さん!多分見つかりました!]


[●●ビルの屋上に飛び降りをしようとしている人がいるみたい


なんです!]


[ここからではよく分かりませんが、ほぼ間違いありません!]


「何だと!?飛び降り!?」


「わ、分かった!すぐに向かうから、待っていろ!!!」


そう言って上田は電話を切った。


「う、上田刑事…綾はどこに………?」


綾の父が心配そうに尋ねる。


「大体分かりました、今から向かいましょう」


「は、はい……」


「それから…」


上田はある携帯に連絡を入れた。


「…上田です」


[・・・・・・・・なんだって?]


「はい…そこで・・・・・・・・・」


[分かった、下手に刺激するなということだな?]


「はい……」


[それならマスコミには私から伝えておく]


[説得は…任せたぞ、一応中島を向かわせるがな…]


「…はい……!(何で俺が説得なんかしなくちゃいけないんだ…)」


「(いくら中島がいるからって……)」





















その頃…裕紀たちは携帯を持っている部員を中心にして


綾を探していた。


「!英雄から!?」


「おい!どうした!?」


[東城の居場所が大体分かった!●●ビルに来てくれ!]


[今…飛び降りようとしているみたいだ…!」


「何だってぇ!?わ、分かった、すぐに行く!」






「い、石原先生…綾さんは…?」


天地が裕紀に尋ねた。


「ちょっとヤバイことになってるみたいだ…」


「すぐに●●ビルに向かうぞ!」


「は、はい!」


「外村、他の連中にも連絡をすぐに入れろ!」


「わ、分かりました!!」


美鈴が他のメンバーに連絡を入れ始めた。















そんなこんなで、数分後……


●●ビルの屋上…





「(どうしよう…こんなに来ちゃった…)」


「(今飛び降りたら他の人まで巻き込んじゃう…)」


「(でも…もう苦しいのは……いや……)」


綾は迷っていた。







「綾ちゃん!無茶な真似はもう止めなさい!」


上田の元・部下の若手女性刑事の中島が綾を必死で説得している。


(つまり、中島は上田に比べてかなり出世が早い)


彼女は綾の母の知り合いで綾とも何度か会っており、綾の相談に


乗ったりもしていた。(これは主に真中の事についてである)


そのため、綾の説得に抜擢された。





「綾!戻ってきてくれ!」


「綾ちゃん!自分ひとりで抱え込まないで!」


綾の両親も説得していた。


「先輩!みんな先輩の帰りを待ってるんですよ!」


「そうよ!東城さん!あたしにできることがあれば


何でもするから一人で悩まないで!」


「綾さん!僕にはさつき君がいるって言ってもやっぱり綾さんが


いなくなったら……!」


さつきや美鈴たちも綾の説得に加わっていた。


だが、思うように行かない……


「くそっ……説得は俺の専門外だってのに…!」


上田が毒づく。


説得しようとしている者全員に焦りが見えていた。






















同時刻…


「ん、電話?誰から…?」


「つかさ?」


「外村くんから?なんでまた…?」


「もしもし、外村くん?どうしたのよこんな時に」


[に、西野!真中はそばにいるか!?]


その声からはただならぬ焦りが見えた。


「ど、どうしたの!?」


「外村!?どうした!?」


淳平もつかさの様子から異常に気づいた。


[真中も聞け!]


[まず、●●ビルに来い!]


「え!?それってどういう事!?」


[話は途中でする!だからとにかく電話を切らずに来てくれ!]


「あ、ああ!分かった!」


淳平達は走り出した。






「で、外村くん!どうしたのよ!」


[実は東城が飛び降りようとしてるんだ!]


「な、何だってぇ!?」


淳平は激しく驚いた。


「(なんだよそれ…東城…)」


「そ、そんな……東城さん…」


[だから、説得に来てくれ!俺たちでは駄目でも


真中が説得すれば何とか………!]


だが、ここで淳平はあることに気づいた。





「……無理だよ外村…俺は東城に嫌われてるんだぜ…」


「そんな状態で俺が行っても……」




[………真中……お前…本当に腐ったんだな……]


「!どういう事だ!?」


[俺の知ってる真中は簡単に人を見捨てたりしなかったぞ!]


[俺は本当にお前に失望したぞ!]


「そ、外村……」


「…ホント…外村くんの言うとおりだよ……」


「あたしが……好きになっていたのは…」


「こんな淳平くんなんかじゃないよ…」


「つ、つかさ………」


「(はは……俺って馬鹿だなあ……とうとうつかさにまで…)」







「…東城さんを救えるのは淳平くんだけだよ…」


「だから……まだあの頃の淳平くんの気持ちが残っているのなら…」


「東城さんの所へ…行ってあげて…!」








「(…!あの頃の…気持ち……)」


「(そうだよ…俺が最初に好きになったのは東城だ………)」


「(……なら……俺は……その気持ちを伝えるだけだ………!)」


「…分かった…!やっと分かったよ…!」


「俺の…本当の気持ちが…!」


「俺……東城のところへ…行くぜ……!」


「だから……それまで東城を止めてくれ…!」


[やっと分かったか…全く…]


[ま、分かったぜ……早く…来いよ……!]


「ああ…!」


そして、電話を切った。











「つかさ…ごめん……」


「ん?どうしたの淳平くん」


「今日だけは恋人でいてほしいって言ったけど……」


「もう、その約束は……果たせそうに……無いや…」


「……うん、分かってる」


「だから、あたしのことは忘れて東城さんを連れて帰ることに


集中してよ」


「大丈夫!さっきも言ったけど、東城さんは口では淳平くんの事を


嫌っていてもやっぱり淳平くんを待ってるはずだから!」


「ああ……分かったぜ………!」


淳平の目の前にはビルが写っていた…


















同時刻…泉坂総合病院前……


「……やっと来ましたね…黒笹先生…」


「健治君…久しぶりじゃのう……泉坂を旅立って7年半ぶりじゃ…」


「まったくだ……」


「で、一応病院には説明してある」


「だからそのまま行くぞ」


「うむ……」











「!あなたは…!まさか……」


病院に入ると驚きの声が聞こえた。


「ブ、ブラックジャック先生…!?」


と、そこへ青木がやってきた。


「違うわ、確かにそう呼ばれているけど、今は黒笹先生よ…」


「ああ、確かにな」


健治も青木と同意見だった。


「さて、黒笹先生、患者の説明をする」


「うむ、分かった」


健治は説明を始めた。







「・・・と、言うわけだ」


「なるほどのう…」


「まあその程度……今のわしには怖くは無い…!」


「……ただ…その余裕は…消えるぞ…」


「ん?どういうことじゃ?」


広男にはその言葉の意味が分からなかった。






「患者の写真だ」


そう言って健治は綾の写真を見せた。


「!!!健治君…これは……!」


「ああ、それは真矢じゃあないぜ…」


「なるほど…確かにこれは……」


「これなら健治君が黙っていたのもよく分かる……」


広男は健治の言葉の意味を理解した…


[No.104] 2006/06/18(Sun) 00:13:37

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