A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第1話 - バル - 2005/09/04(Sun) 21:37:29 [No.29] |
Re: A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第2話 - バル - 2005/09/04(Sun) 21:41:34 [No.30] |
Re: A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第3話 - バル - 2006/02/22(Wed) 23:01:13 [No.58] |
Re: A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第4話 - バル - 2006/03/10(Fri) 17:20:42 [No.61] |
A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第5話 - バル - 2008/10/26(Sun) 13:38:36 [No.1160] |
Re: A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第6話 - バル - 2008/10/26(Sun) 13:40:32 [No.1161] |
A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第7話 - バル - 2008/10/26(Sun) 13:43:10 [No.1162] |
A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第8話 - バル - 2008/10/26(Sun) 13:46:01 [No.1163] |
A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第9話 - バル - 2008/10/26(Sun) 13:49:18 [No.1164] |
A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第10話 - バル - 2008/10/26(Sun) 13:54:11 [No.1165] |
A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜 あとがき - バル - 2008/10/26(Sun) 13:57:07 [No.1166] |
「おーーい! もうそろそろ帰ろうぜ、唯〜〜!」 来たときは太陽が真上からサンサンと照っていたのに、もうとっぷりと日は落ちていて、そろそろ闇がせまってこようとしていた。 「唯〜〜〜〜!」 さっきから何度も大声で川に入っている唯に帰ろうと呼びかけているのに、全く聞く耳を持ってくれない。ただザブザブと流れを掻き分けながら中腰で川底に目を落としている。 「もう帰ろうぜ〜〜〜〜! コスモスなんてまた今度探せばいいだろ〜〜!」 そもそもコスモスなんて咲いているわけがないんだ。だってオレが言った嘘なんだから。 でも、唯にはそんなことわかるはずもないから必死に探している。 あんな嘘なんて吐かなければ良かったと思う反面、あんな言葉に簡単にひっかかる唯にな んだか腹が立ってきた。 「おい、唯! オレもう帰っちまうぞーー!」 幾分かの憤りをこめた叫びでやっと唯の心にも届いたのか、ゆっくりと背をのばして、オレのことをしっかりと見据えた。その立ち姿はなんだか凛としていた。 「もう、暗くなってきたから、川底も見えにくいだろ? もう帰ろう!」 「ヤダ! ヤダヤダヤダヤダ!!」 「な……」 なんで。と口にしようとする前に唯がまた口を開く。 「だって、絶対見つけるんだもん! もし、帰った後に誰か他の人に見つけられちゃうとか、絶対ヤダもん!」 唯はその小さな体から、振り絞るように叫んだ。その声は、オレたちの他に誰もいない川原に大きく響いた。 第6話「唯の死の真実 2」 「な……」 体がカッカッと熱くなっていくのがわかる。全身の血液が全部熱湯になってしまったみたいだ。 「なんだよ……」 うまく口が開かない。 すごく、恥ずかしかった。唯の言葉が、オレの心の奥までソクソクと伝わってきて、体がむずむずして、なんだかもう、自分がこの場にいるのが凄く間違っていることみたいで、 「オレ、もう帰る!」 一目散にその場から駆け出す。背中のほうから唯の呼び止める声が聞こえるけれど、足が止まらない。 唯とはたしかに昔からいっしょにいたし、唯がいない毎日なんて考えられなかった。 でも、いきなりあんなことを言われても、どうしていいかわからない。「なんて言えばいいんだ?」 「どういったら唯は喜ぶ?」「でもそれはオレの本当の言葉?」「そもそもオレは唯のことを?」 そんな考えが頭の中をぐるぐると巡って、気付いたらそこに立っているのがこの世界で一番恥ずかしいことみたいに思えてきて、思わず走り出していた。 もうさっきまでいた川原は遠くに小さくなっている。 全力で走っているせいか、息はもうとっくにあがっていて、右のわき腹がシクシクと痛む。 それでも途中でとまったら、なにか得体の知れないものに飲み込まれてしまいそうで、必死に足を動かし続けて、家の中に転がり込んだ。そのまま自分の部屋に走りこんで、布団を頭からかぶる。 息も動悸も止まらない。 「唯はオレのことが好きなんだ」 真っ暗で息苦しい布団のなかで、呟いた。 じつはなんとなくだけど、わかっていた。唯はどんな男友達よりもオレと一番楽しそうに話してくれたし、なるべくオレの近くにいようとしてくれていた。 自意識過剰だと思って、自分の考えをいつもはぐらかしていたけれど、 「だって、絶対見つけるんだもん! もし、帰った後に誰か他の人に見つけられちゃうとか、 絶対ヤダもん!」 さっきの唯の言葉がまた頭の中でポウっと響く。と同時に、体に軽い痺れが走った。 「唯はオレのことが好きなんだ」 アホみたいに同じ言葉を繰り返した。 夕方の5時を告げる、時報の音楽が布団の中にいるオレにもくぐもりながら届いた。 もう唯は帰っただろうか? 帰っていてほしいような、まだ探し続けていて欲しいよな……。 悶々とした気持ちのままでそのまま眠りについてしまった。 本格的な眠りにつく少し前に、ぽつりぽつりと小刻みに心地よい雨が降る音が聞こえた。 [No.1161] 2008/10/26(Sun) 13:40:32 |