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見えない明日・見える未来 第二部〜第3話〜 (No.136 への返信) - シン

第3話「小説」





入学から1週間が過ぎたある日の昼休み…


「(あ〜あ、あの時はノリで映像研究部に入るって言ったけどな…)」


「(まあいいや、屋上で少し考え事でもするか)」






一樹は屋上に上がってきた。


そこには先客がいた。


「ん?お前は……」


その少女の名は東瀬(あずせ)茜


茜は小柄でそのセミロングの黒髪を三つ編みにしている。


また、眼鏡をかけており少々地味である。


そして、今はなぜかノートを手に持っている。


また、おとなしくあまりクラスに馴染んでいないようだというのが
一樹の茜への印象だ。


「中岡くん……だよね」


「ああ。で、何でこんな所にいるんだ?」


「ちょっと…考え事をね……」


「…あっそ。で、そのノートは何だ?」


「え!?これは……なんでも………」


「………」


一樹は何かをそのノートに感じていた。


「……まあいい、見せろ」


そう言って一樹は茜から半ば無理矢理ノートを奪い取った。


「ちょ、ちょっと〜」


「………………これは…………小説…………」


一樹はその小説を読み進めていった。


「……………なるほどな…………」


「え?え?」


一樹は一旦ノートを閉じた。


「東瀬、お前………文芸部か?」


「……!」


「……ううん、あたしは………」


「お前………いい小説書くじゃん……」


「………え?…………そんな事ないよ………あたし、文芸部に入ってないのは自分の小説がダメだって分かってるからなのよ……」


「……………」


「あたし……東城さんにあこがれて書き始めたんだけど………やっぱりここで他の人との差を見せ付けられて………」


「ううん、小説だけじゃない。多分あたし自身……


「うるせぇ!」


一樹が茜の話をさえぎった。


「あ〜もう、うるせぇよ!」


「俺は自分がダメだとか言うヤツが大っ嫌いなんだよ!」


「え?」


「自分がダメだなんて言うのは俺だけで十分だ」


「俺は……家族もロクにいねーし、今はまだマシだけど友達もロクにいねー」


「おまけに先のこともロクに考えていねーんだよ」


「それに比べてお前は俺よりずっといいじゃねーか!」


「少なくともこの小説はお前が思ってるよりずっといいぞ!」


「それなのに自分がダメだなんて言うんじゃねーよ!」


「………そう……かもね………」





「………でもやっぱり文芸部はやめようかな」


「……ハァ!?」


「あたし………映像研究部に入ってみようかな………」


「……なんでまた?」


「だって…東城さんがいた部活なら……何かあたしがやりたい事が分かるかも知れないから……」


注・綾は文芸部でもありました!


「………なーるほどね………」


「で、東瀬はいつもここにいたのか?」


「うん、ここってあまり人が来ないから………」


「そうか………ま、お邪魔したな」


一樹は屋上から立ち去った………


その一樹の後姿を茜はしっかりと見ていた………














放課後……


「映研か……」


「ん?一樹、どうしたの?」


「どうした?」


「いや……映研に入ってみようかなってな……」


「映研か〜実はあたしも入ろうかなって思ってたのよ〜」


「えっ!?マジで!?それじゃあ俺も入ろうかなっと………」


「………便乗かよ………」


「まあいいや。確か入部希望者は今日部室に行くはずだし……行くか………」


「じゃあ急ごうよ!」


「だな!行くぞ一樹!」


[No.140] 2006/08/05(Sat) 05:25:02

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