[ リストに戻る ]
No.16へ返信

all 【おいしい苺】 第一話 - 麻奈実 - 2005/08/11(Thu) 10:00:19 [No.14]
【おいしい苺】 第二話 - 麻奈実 - 2005/08/12(Fri) 12:21:45 [No.16]
【おいしい苺】 第三話 - 麻奈実 - 2005/08/16(Tue) 18:43:41 [No.18]
Re: 【おいしい苺】 第四話 - 麻奈実 - 2005/08/21(Sun) 13:11:54 [No.24]
Re: 【おいしい苺】 第三話 - わたり - 2005/08/18(Thu) 13:15:13 [No.19]


【おいしい苺】 第二話 (No.14 への返信) - 麻奈実



ガタン ガタン ガタン…



窓ごしから見た外の世界は、
緑があって、川もあって、綺麗でカラフルだ。
見ているだけで、ワクワクしてくる。



それに比べて



ここにいる2人の女子は
まだ不機嫌そうに口を閉じたままだった。
見ているだけで、…情けない気持ちになる。




【おいしい苺】

 第2話




ガタンガタン…




― はぁーっ…やっぱ、怒ってるんだよな ―




西野つかさは 疲れきっていた。
ボーッと外を眺めながら、退屈そうに前髪をいじっている。



真中の視線が左にずれた。



一方の北大路さつきは ムッとしていた。
時々、チラっとこっちを見てくるから別の意味でドキッとした。




― 2人とも退屈そうなんだけど…気、気まずい… ―




ガタン ガタン ガタンという電車が揺れる音が
耳の中でやけに響いた。
ボーッと音を聞いてたら 眠気が襲ってきた。
何度もウトウトと夢の中に入りそうになるのを我慢した。




「真中」




沈黙を破ったのは さつき。




「…隣、座って良い?」




「え」



西野が、思わず声をもらした。
そしてすぐに あわてて口を押さえた。





「……」




なんともいえない 空気が流れた気がした。





「…ね、真中。座って良い…よね?」





「座るって…と、隣に?」





「うん、ダメ?」




さつきが甘えた声をだした。
色っぽくて、可愛い声で思わずドキッとした。


立った時に目の前で小さく揺れた
さつきのミニスカートに瞳を奪われた。





その真中の視線に気づいたのか
西野は また窓の方を向いてしまった。



「だ、だって もうすぐつくし…」


声が裏返る。
焦っているのがバレバレだった。



「だって、退屈なんだもん!」



さつきはそう言いながら、
むりやり真中の隣に座った。



「ちょ…さつき!」



「良いじゃんっ、ねー話そ!…西野さんも!」


いつの間に用意したのか、片手にスナック菓子を持って
機嫌良さそうに それを口に持っていった。



さつきの機嫌が治ったみたいでホッとした。



「気にしないでいいよ。…眠いの」



ポツリと呟き 西野はゆっくりと瞼を閉じた。



さつきが

「おやすみなさい、西野さん。」

って優しく言った後に

「お…おやすみ、西野」

と反射的に口が動いた。




「…ね、真中」


西野の存在に気にしてるのか
さつきは小声でつぶやいた。


「私ね、今日…記念日なんだ。」


予想外の さつきの言葉。


「え?」


「…"真中とLOVE LOVE記念"だよっ♪」


こっちを見ながら、
得意気にニッと目を細めて笑った。



こういう微笑みは、
だいたい何かを企んでいる笑顔だ。



「な、なんだそれ。そんな記念ない…だろ…」


なるべく 冗談だと流したつもりに言った。
しかし、言葉とは裏腹に 期待で胸が高鳴ってる自分がいた。



「だから、今日作るの!楽しみにしといて…ねっ♪」


グイッとさつきの顔が近づいた。




― わっ。か、可愛い… ―




西野がいるのに、
顔がデレッとして情けなく緩んだ。


近づいてきた時、さつきの長い髪の毛が
ふわりと自分の肌に当たって心地良かった。


― 良…良いにおい…っ ―


今日の記念日作り宣言のせいなのか
さつきの存在に妙にドキマギとしてしまった。


「…はい。真中も食べなよ」


スナック菓子を真中の方へやる。


「あ、あ、じゃあ。ひとつ…」



パリッ



「あ、そうそう真中。昨日の『笑いのパーク』見た?」


「見た、見た!」


「私ね『アイアント』のコントが好きなんだ〜!」


「おっ!『アイアント』!昨日あのコント見て爆笑した!」


「ウケたよね〜!なんであの時に…ってね!」


「そうそう!」


あはは と楽しい笑い声がおきた。
さつきと話していると、さっきまでの気まずさが薄れていった。




しばらく楽しそうに話していると、
目的地に電車が止まった。




「西野 起きて!」


「ついたから、早く荷物もってっ」


「…うん。もうついたんだね」



3人はそれぞれの荷物を肩にかけて、
足早に電車を降りた。





Next...


[No.16] 2005/08/12(Fri) 12:21:45

Name
E-Mail
URL
Subject
Color
Cookie / Pass

- HOME - お知らせ(3/8) - 新着記事 - 記事検索 - 携帯用URL - フィード - ヘルプ - 環境設定 -

Rocket Board Type-T (Free) Rocket BBS