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BEST OF HERO 第17話 (No.182 への返信) - hiro

「・・・・・・・それ以来その人とは会ってないの?」

真中の質問にただ無言にうなずく

「この間の夏休みにね旅行を兼ねて会いに行こうと思ってたんだけど、結局見つけられなくて・・・・・・・・」


「東城は自分のせいだと思ってるけどそれは間違ってるんじゃないかな?」


「・・・・・・よく分かんないけど俺だって同じ立場だったら殴りかかってたかもしれないし・・・・・・まぁ俺の場合は逆にやられてたと思うけどね」

その言葉に綾が少し笑った。


「・・・・・・そうだ!」

綾は机の引き出しから一冊の古びたノートを取り出す。

「DVDのお礼にはならないかもしれないけどこれ良かったら読んでくれないかな?」

綾は真中にノートを手渡す。


6年3組  東城綾  と書かれていた[算数]のノートだった。

「あたしの初めて書いた小説だから下手かもしれないけど良かったら読んでみて」

「これが・・・・・・東城の初めての小説・・・・・・・?」

真中は何故だか感動した。

「ありがとう東城!」

真中はパラパラとページをめくってみた。


「感謝しなくちゃな」

「えっ?」

「・・・・だって俺たちの今があるのもその伊東隼人って人が東城の小説の道へと薦めてくれたお陰だろ?}

「うん・・・・・そうだよね!」

綾の表情が一気に明るくなっていった。

「いつか会ってみたいな、その人に!」

真中は心からそう思った。











ちょうど同じ時刻

北海道のとある牧場


世間ではまだ秋なのだがもうここ北海道には雪がちらつき始めている。

ここはそれほど大きな牧場ではないのだが牛や馬、羊などの家畜がいるうえ、経営しているのが夫婦と高校生の少年だけなので大忙しであった。


馬小屋では小屋の掃除が行われている真っ最中だ。


「ふう……あとはこれだけか…・・」

高校生の少年がなれた手つきで藁を回収していく。

「隼人ー、そこが終わったら牛小屋のほうも頼む」

事実上ここに経営者である叔父に話しかけられた。

「分かったよ叔父さん!・・・・・・・・ったく相変わらず人使い荒いよな」

少年は藁を片手に答えた。

服装はとても汚れていて黒いゴム長靴をはいていると言うお世辞でもカッコイイ格好ではなかったが少年は特に気にする様子もなく次々と作業をこなしていく。


「よいしょ」

馬小屋の掃除が完了した隼人は牛小屋の掃除に取り掛かった。



すると隼人の掃除している牛小屋に一人の男性が現れた。

「久し振り、隼人くん」

「外村さんじゃないですか!お久しぶりです」


隼人は作業を止め挨拶する。


「確か今日は富良野で仕事があったんじゃ…・」

「あぁ、そうだったんだが親戚の子が面白いものを送ってくれたんで隼人くんもどうかなと思って…・・」

「そうですか…・・じゃすぐに掃除終わらせるんで部屋のほうで待ってもらえますか?」


10分後隼人は着替えて外村さんのいる部屋を尋ねた。


「遅くなってすみません。それで何ですか?その面白い物って?」

「きみは私の親戚をしっているだろう?」

「たしか俺と同い年の男の子と1つ下の女の子でしたよね?」

「あぁヒロシと美鈴って言ってね、その二人が高校の映像研究部に入ってるんだ」

「へぇ…・・」


そういうと机にお茶を出し同じようにイスに座る




「その高校の文化祭で上映した映画っていうのがけっこう評判が良いらしくてふたりが見てほしいって送ってきてくれたんだ」

DVDROMを隼人に手渡す。

それは「夏に歌う者」というタイトルだった。


「あいにくこういうのには慣れてなくて再生方法がわからないんだよ・・・・・・」


「分かりました再生させます」

そういうとプレイヤーを起動させた。




40分後




「僕達が再び出会うことはないだろう・・・・・・」

「だからこそ忘れない、君の声、君の瞳、君と見たすべての風景」

「そして君と過ごしたあのまぶしい夏を━━・・・・・・・・・・・」




「くぅー・・・・・感動するなあ隼人!!」

「って叔父さん・・・・・いつからそこにいたんすか・・・・・」


隼人が呆れ顔で泣いている叔父に声をかける。


「隼人くん・・・・・どう思う」

「すごいですよね・・・・・高校生でここまで作れるなんて・・・・・」


ディスクを取り出しながら隼人が言う。

ふとケースを見ると製作者の名前が書かれていた。


「監督兼主役 真中淳平・・・・・助監督 外村美鈴・・・・・・って助監督じゃないですか!!すごいですねぇ・・・・」

「そうだろっ?でもやっぱり脚本が良いと思うんだよね・・・・」

「そうですよね・・・・・・えーっとたしか脚本は・・・・・」


ディスクで脚本者の名前を探してみる」


「とっ・・・・・・東城綾!?」


「あぁすごいだろ?確か小説の賞を受賞したりとすごい娘なんだよね・・・・・」


(東城・・・・・・・)

隼人はケースに書かれた 東城綾の3文字をじっと見つめていた。


(そっか・・・・・あいつも頑張ってんだ・・・・・・)


「・・・・・・・・隼人くん、君には映画監督に知り合いがいるそうじゃないか?」

「えぇまぁ、この前映画のロケがこの牧場であったんですよ・・・・・・そんな経緯で知り合いになって」

「じゃあその人にこの映画を見せてくれないか?そうすればヒロシも美鈴も喜ぶだろうし…・・」


子供のいない外村さんにとってその二人は自分の子供同然に接しているのだ。


「えぇいいですよ、今度また会う約束があったんで・・・・・」

「ありがとう!これで叔父の面子も保てるってワケだ!」


外村は興奮気味に話した。







「・・・・・・・・そろそろ俺も帰ろうかな・・・・・・・・・・・・・・・・」

隼人は誰にも聞かれないような声でつぶやいた。









「はい!東城さんこれお土産〜!」

真中を除く修学旅行から帰ってきたメンバーは翌日東城の病室に集まった。


「みんな疲れてるのに・・・・・・わざわざありがとう」

「いいのよ別に!どっかで風邪引いたバカと違ってね!」

「バカとはなんだよさつき!俺だってなぁ39度も熱だして大変だったんだぞ!!」


真中とさつきが言い争いをはじめる

「綾さん!!僕からのお土産も受け取ってください!!」

天地が大量のお土産を東城のベットの上に散乱させる

「あっありがとう天地くん・・・・・」

さすがに綾も困った様子を見せた。

「ほい真中、オマエ風邪大変だったんだってな・・・・・・これお土産」

小宮山が真中に声をかける

「さっすがぁ!小宮山!!オマエだけだよ俺のこと心配してくれてんのは…・!」

小宮山から渡された小包みをあける

すると中には円盤の形をしたものが何枚を入っていた

「小宮山・・・・・・・これって?」

真中が恐る恐る尋ねる


「あぁ奈良といえば鹿だろ?だからオマエにも奈良気分を味わってもらおうと思って」

「……っていうか鹿せんべいだろうがぁぁぁ!どんな土産だよ鹿のエサを普通土産にするか普通!!」

「けっこう素朴な味がしたぜ…・・奈良って感じで」


悪びれる様子もなく小宮山が言う。

「まぁいいんじゃないの?1度奈良には行ってるんだしさ……・・それに……・まぁ詳しいことはあとで聞いてやるとするか」

外村が笑みを浮かべながら言う。

「それで東城先輩・・・・・・・病気の方は?」

美鈴が会話をさえぎるように尋ねた。

「うん・・・・・・なんとか白血病の細胞がかなり減っているみたいだから今のところは順調だって先生が・・・・・」

「そうですか・・・・・・・それは良かったです」

美鈴が安堵の色を浮かべる

「あれっ・・・真中帰っちゃうの?」

帰り支度をしている真中に北大路さつきが声をかけた

「あぁ悪いな・・・・・・・ちょっと唯の奴と約束が・・・・・・」





真中は病院を出ると自転車にまたがった

「・・・・・・・・ったく唯の奴、いったい何なんだよ家に帰ってこいなんて!」

ブツブツ言いながら家に帰っていく

しかし家の前でまっているのは唯ではなく

「にっ・・・・・・西野!?」

あきらかに私服姿の西野つかさだった。

「そういやこの前から少し気まずくなってるんだった・・・・・・・どうする?」

西野はまだ真中の姿に気付いていなかった

ただ何度も何度も腕時計を見ている姿をみると誰かを待っているのは確実だった

「・・・・・・・やっぱ俺を待ってるんだよな」

路地に身を潜めながら真中がつぶやく

「でも・・・・・いかなきゃな」

意を決して真中は飛び出した

「あっ淳平くん・・・・・?」

西野も真中の姿に気付く

「あれぇ〜どうしたの?」

わざとらしく装う

「ほらっこの前桜海学園も修学旅行だったから・・・・・・・お土産を」

紙袋を真中に手渡す

「淳平くんは?修学旅行どうだった?」

「ごめん・・・・・・俺、熱出していけなかったんだよね・・・・・」

「そう・・・・・・けっこう期待してたのに・・・・・・・・お土産」


「ほっ・・・・本当にゴメン!あれだけ土産楽しみにしといてって調子乗ったこと言ったくせに・・・・・・・」

真中が必死に頭を下げて謝る








「・・・・・・・・・映画行こ」

「えっ・・・・・?」

頭を下げている真中が少しずつ顔を上げる

「今度の日曜日・・・・・・ね?」

「本当に映画なんかでいいの・・・・・?」

「そのかわり全部淳平くんのおごりね!」

「え・・・・・・・俺今こづかい2000円くらいしか・・・・・・」

「それじゃあ決定!楽しみにしてるねっ!!」

真中が何か言おうとしたが西野は帰っていった




「あ〜あ・・・・・・またややこしいことに・・・・・・・・・」

真中はふとみると電柱に身を隠している唯の姿を見つけた

「てっめぇ〜図りやがったな〜!!」

真中が唯を問い詰める

「だっだって・・・・・・・西野さんに頼まれたんだもん!!」

「西野が・・・・・?」

(西野が・・・・・・俺を??)







今度の日曜日

真中は何かが起こりそうな予感がした・・・・・・


[No.184] 2006/09/18(Mon) 11:21:28

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