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BEST OF HERO 第25話 (No.194 への返信) - hiro


「私の小説の・・・・・ファン?」

綾は不思議そうにその人物の顔をよく見た

不思議とどこかで見覚えがある顔だった


対照的に男は綾が悩んでいる様子を楽しそうに見ていた


「・・・・・・5年ぶりだよな?久しぶり!」


5年ぶりという言葉に綾はやっと確信した



「ひょっとして・・・・・・伊東隼人くん?」


綾の問いに対して男はただ笑ってコクンと首を上下させた



「嘘?本当に!?本当に伊東隼人くんなの!?」


「あぁ正真正銘の伊東隼人だ」


隼人は照れくさそうに答えた



「良かった・・・・・・やっと会えた・・・・・・・」


綾はペタンと座り込んでしまった



「驚きすぎて腰が抜けた・・・・てか?」

隼人も同じように地べたに座った





「帰って来れたんだね・・・・・・やっと」





「あぁ・・・・・・長かったけどな」



綾の目からは涙が流れていた

その涙は5年間綾が背負ってきた隼人に対する自己嫌悪をさらっていく感じがした









真中は廊下を走っていた

「どこいったんだ?東城」

真中は校舎中探したがついに見つけることが出来なかった




「あとは屋上だけか・・・・・」


真中は屋上までの階段を1段飛ばしで駆け上がってく


バンッ!




真中が扉を開けると


東城

それに伊東隼人の姿が会った



「おっ真中のお出ましか」

隼人は真中の姿を見てそうつぶやいた




「帰ってきてくれたんだな・・・・・」


「別に好きで帰ってきたんじゃねぇよ。牧場が潰れてお役御免になったから仕方がなく・・・・だよ」

照れくさそうに言う

「東城も・・・・・良かったな!」


へたり込んでいる東城に真中が声をかける

「うん!」

東城も笑顔で言った




「来いよ隼人!映研のみんなに紹介したいから来てくれよ!」

「いいけどよ、さっきみたいな騒ぎは御免だぜ?ここの女子連中はなんでこう群がってくるんだよ?」

隼人が真中の後姿に愚痴った











「あらためて紹介するよ。今日1組に転校してきた伊東隼人だ」


部室には映研メンバーに加え黒川先生が集まっていた


「北海道から来た伊東隼人です、ヨロシク。あと呼び方は隼人でも隼人くんでもお好きな方で」

とは言ったものの小宮山と北大路そして黒川先生以外はすでに面識があったため挨拶は余り意味は無かった



「コイツだな真中。去年の映研の作品をお偉い映画監督に紹介してくれた人物というのは」

隼人を指指しながら黒川先生が真中に言った


「紹介したというかなんというか・・・・・・結局外村の叔父さんに教えてもらわなかったら実現しなかったんで感謝するなら外村にしてください」

隼人が外村の顔を見ながら言う









「・・・・・・・なぁ。俺たちといっしょに映画撮らないか?それに今映研には女優は多いけど俳優がいないんだ。だから頼むよ」


真中が隼人に頼む

それは東城も、外村兄妹も望んでいることだった








「・・・・・・悪いけどパスするわ。話はありがたいけどやっぱ俺には出来ないよ」


真中たちを1人ずつ顔を見渡しながら隼人が言った

「どうしてだよ?北川監督だってオマエの演技力を認めてるんだぜ?出来ないってことじゃないだろ?」



「まぁ実家の手伝いもしなきゃなんないし・・・・・・・悪いけど勘弁してくれ」

隼人が真面目な表情で言う


「そっか・・・・・」


その言葉を聞いて真中は引き止めるのをやめた


「まぁ、協力できる範囲ではするからさ。また声をかけてくれよ」

そう言うと隼人は部室から出て行った






「惜しいことしたな真中・・・・・」

外村が隼人の後ろ姿を見ながら真中に言う

「確かに、有力な新入部員がいない中で隼人は良い戦力になったんだけどな・・・・・・なぁ美鈴!」


「まぁ私はまだ諦めてないけどね。やっぱ真中先輩と小宮山先輩だけじゃ不安だし」


美鈴が真中と小宮山を交互に見ながら言う

「まぁあたしは真中さえいてくれたらいいんだけどねー!」

さつきが真中の腕を無理やり組む

「やっやめろよさつき!」

真中がさつきを腕から離す



(そういやさつきにもいつか言わなきゃな・・・・・・東城のこと・・・・・・)


嬉しそうにしている北大路さつきを見るたびに真中は罪悪感で胸が痛んだ


そしてその気持ちは東城も同じだった



























(ちゃんと伝えなきゃな・・・・・・さつきに)


帰り道、真中は夜空を見上げながらつぶやいた


「ん?あれは・・・・・」


暗くてよく見えなかったが近づいていくに連れてその人物がだれか分かった


「大草〜!」

真中は大草と分かると声をかけた

「よう。真中」


大草も振り向いて返事をする


「大草、部活帰りか?」

「あぁ、今終わったところ、もう引退近いから忙しいんだよ」

大草も猛練習で少し疲れてるようだった

「西野とはうまくいってるのか?このごろ会ってないみたいだけど・・・・・・」


その問いにあきらかに大草は表情を変えた






「・・・・・ごめん真中、俺・・・・・・西野と別れたんだ・・・・・・」




「は?うっ嘘だろ??」


真中はそうであってほしいと大草を見た


だが大草の顔はとても悲しそうだった


「ちょっ待ってくれよ!俺、大草なら西野を安心して任せられるって信じてたのに・・・・・・・どうしてだよ!」


「ごめん真中・・・・・・・実はあのとき西野に断られてたんだ・・・・・・・・」


「でっでも俺は西野の口から直接・・・・・・」


「西野は俺のプライドを気にして嘘をついたんだろ・・・・・・・・」

「そっそんなこと・・・・・・」


真中はドサリとその場に座り込んだ



「・・・・・・西野はまだ真中のことが好きなんだろうな・・・・・・・・・」


「もう・・・・・・もう遅いよ・・・・・・・俺はもう東城と・・・・・・・」


真中は言葉を失ってしまった





あのとき・・・・・・・・



あのとき西野に[東城と付き合っている]といっとき




西野はどんな気持ちになったのだろうか・・・・・・




真中はそう思うと胸が張り裂けそうになった






































「泉坂ってけっこう遠いんだな・・・・・・・・」


隼人は時計の針を見ながらつぶやく


そして学校の校門近くで隼人は北大路さつきと偶然鉢合せとなった


「あっアンタは昨日の転校生!」

「そういうオマエは・・・・・・・・・北・・・北・・・・・・なんだっけ?」

「北大路です!!」

「そうそう北大路だったな・・・・・」

隼人は昨日のことを思い出す


「それよりアンタ、泉坂の映研の誘いを断るなんてけっこうやるじゃん!入部希望者はけっこう多かったのに・・・・・・」


「・・・・の割りには新入部員らしき人は昨日の部室には居なかったぜ?」

「あぁ、真中と美鈴が全員クビにしたの。使えないやつらだったから」


「へぇ・・・・・・じゃ俺はけっこう良い話を蹴ったわけだ・・・・・・・」


いつの間にか靴箱まで来ていた


「・・・・・・・・それにしてもアンタはいつも1人で来てるのか?」


「まぁ本当は真中といっしょに行きたかったんだけどねぇ・・・・・・・真中、東城さんに付きっきりだし・・・・・・」




「そりゃそうだろ?あいつら付き合ってんだから・・・・・・・・・・」


隼人は何気なく言ったつもりだった


だが・・・・・・・・



「うっ嘘でしょ?真中と東城さんが付き合ってるわけが・・・・・」




「なんだしらねーのか?本当だよ!なんでオマエに嘘をつかなきゃならないんだ?」


その言葉にさつきは一直線にどこかへと走っていった



「何なんだ?アイツ・・・・・・・・」


その姿を見て半ば呆れながらつぶやく





しかしこれが隼人の運命を狂わせる形となる


[No.196] 2006/10/10(Tue) 21:11:14

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