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BEST OF HERO 第27話 (No.198 への返信) - hiro


「お〜い!隼人ー」


翌日の放課後、さっさと帰ろうとしている隼人に真中が声をかけた


「あんだよ?今日は部活なしだろ?」


めんどくさそうに髪の毛を掻き毟りながら隼人が答える


「違うんだ・・・・・そうじゃなくて・・・・」


「あん?」


「美鈴から聞いた・・・・・・・さつきのこと説得してくれたんだってな」


「まぁそんなにたいしたことはしてないけどな」


「ありがとう・・・・・・礼を言うよ」


そういいながら真中が頭を下げる


「感謝される筋合いはない・・・・・・・・あれは俺の責任だから・・・・・・」


そう,冷たく言って改めて帰ろうとした


すると前方から東城の走ってくる姿が見えた


「隼人くん!今日の約束覚えてる?」


「あぁ・・・・・6時に行けばいいんだろ?分かってるよ」


それだけ言うとポケットに手を突っ込んで無愛想に帰っていった




「どうしたんだ東城・・・・・・なんか約束でもあるのか?」


「うん・・・・・・・今日隼人くんを食事に招待するの・・・・あたしの家族も隼人くんには会いたがっているし」


「そうか・・・・・・・・まぁ6年ぶりだもんな・・・・・・」


真中は少し羨ましい感じがしたが何も言わずに納得した







































「隼人さん!お久しぶりです!」


6時ごろ隼人が東城家を訪れると正太郎が出迎えた


「正太郎・・・・・・大きくなったな。6年前はまだ小5だもんなぁ」


そういいながら玄関にあがる


「隼人くん。今日はわざわざ来てくれてありがとう」


東城の母親も出迎える

「お久しぶりです・・・・・・・いいんですか?わざわざ招待してもらっちゃって・・・・・」


「いいのよ。6年ぶりに帰ってきてくれたんだし」


「はっはぁ・・・・・・」


半ば遠慮しながらリビングへと案内された

















「隼人さん!北海道の牧場で住んでいたんですよね?」


食事中、正太郎が隼人に質問攻めを繰り返した


「あぁ、馬や牛とか世話がけっこう大変だったな・・・・・・・・まぁ今は牧場は潰れてっからもうそんな心配はないんだけどな」


「確か映画にも出演したんでしょ?北川監督の」


「ほとんどエキストラに近いんだけどな・・・・・・セリフも二つしかなかったし・・・・・・」


隼人も正太郎の質問に飽きずに答えている


しかし東城だけはただ無言で箸を運んでいた



「・・・・・・・どうしたんだよ姉ちゃん!さっきから元気ないぜ?」


姉の異変に気付き正太郎が声をかける



東城は少し俯いていたがやがて口を開いた




「ごめんね・・・・・・・・あたしのせいで6年間も北海道に行かせちゃって・・・・・・・・」


北海道の話題をする度に東城はそのことばかりで自己嫌悪に陥っていたのだ




「・・・・・・あのな東城・・・・・・俺は今まで一度も北海道に行ったことを後悔したことはない。そりゃ寒いのは苦手だし朝から晩まで牧場で働いたりめんどくさかったけど今泉坂に帰ってきて始めて貴重な体験ができたんだなってすごく満足してる」



「隼人くん・・・・・・・・」


「それに俺が帰ってきたからいいじゃねぇか!気にしなくてもさ」


そういいながら隼人は東城母の手料理を口へと運んでいった
















30分後

デザートを食べ終えた隼人と東城はリビングで雑談していた


なんせ6年ぶりの再会なのだから話題はいくらでも尽きることがなかった





「そういえば隼人くんのお父さんってみたことないんだけど・・・・・・」


東城はさりげなく聞いたつもりだった。


しかし明らかに隼人の表情が一瞬変わったことを綾は見逃さなかった

























「・・・・・・・・・・死んだ」


ぶっきらぼうにそれだけ言った


「ごめんなさい・・・・・・・・嫌なこと思い出させちゃって・・・・・・・」


東城が慌てて謝る


そしてしばらく気まずい雰囲気が場を包んだ


























「・・・・・・・・俺の親父はな。刑事だった・・・・・・」


隼人がおもむろに口を開いた


「俺が10歳のときだ・・・・・・・・・殺人犯を取り押さえようとして逆に撃たれちまってな・・・・・・・・・殉職ってやつだよ」


隼人の言葉を綾はただ無言に聞いていた




「・・・・・・・・俺は刑事だった親父の姿に憧れてた・・・・・・・・だから将来親父のような刑事になりたい、それが俺の夢だ・・・・・・オマエが小説家になることや真中が映画監督になりたいのと同じくらいにな」







「夢・・・・・・・・叶うといいね」


「おっ?将来小説家の道がほぼ保障されているオマエにとっては余裕の発言だな」


隼人が皮肉った。ただ言葉とは裏腹に顔は笑っていた




「じゃそろそろ帰るわ。ありがとなわざわざご馳走になって」


そう言うと隼人は立ち上がった


「おばさん、ご馳走様でした。」


「隼人くん、またいつでもいらっしゃい」


「はい・・・・・・・ありがとうございました」




「あっそうそう明日部活だから」


靴を履いている隼人に綾が声をかける


「あぁ・・・・・・分かってる。放課後行けばいいんだろ?」


そういうと隼人は玄関のドアを開け帰っていった




































「あー・・・・・・・食いすぎちまったな」


そういいながら電柱に手をついた






「ぐっ!」


隼人は突然、喉の奥から何か熱いものが込み上げてくるのを感じた






しばらくその込み上げてくる熱いものを我慢して耐えていたが


(ぐっ・・・・・・・もうガマンできない)


ガハッ!!


ついに隼人は激しく咳き込んだ


そしてその熱い塊も一気に吐き出した




ゴホッ!ゴホッ!!ゴホッ!!!


隼人は激しく咳き込んで目を開けられなかった


そして咳も治まり恐る恐る目を開けてみる



すると恐ろしい光景を目の当たりにした






隼人のぶっかけた電柱の部分が真っ赤に染まっている


















隼人は吐血したのだ




「おっ俺が・・・・・・・血を吐いた・・・・?」


そう言って口元を拭ってみる




すると確かに袖の部分が真っ赤に染まっていた



「嘘だろ・・・・・・・俺が吐血なんか・・・・・」


しかし口の中に広がる血の独特的な味がこれが現実のものであると証明していた。






「ちくしょう・・・・・・・・・・ふざけるなよ」


隼人はただ呆然と血で染まっている電柱を見つめていた


















































この日


東城は通院治療のため泉坂中央病院に訪れていた


「ごめんなさい・・・・・・またせちゃって」


ロビーのイスに座っている真中、美鈴、外村に東城が声をかけた


「わざわざついて来てくれてありがとう」


「遠慮するなよ東城・・・・・・・・それに一応だけど俺たち付き合ってるんだし」


照れくさそうに真中が言うと東城も嬉しそうに笑顔になった


「それより今日塾だよ?真中くんちゃんと覚えてる?」


「明日から中間テスト1週間前だろ?いやだよなー本当に」


「まぁ受験に関わってくるからなー、ちょっとは真中も勉強しろよ」


「いいよな〜外村も東城も成績優秀でさっ!」


真中が羨ましそうな目で二人をみる









「あれって・・・・・・・・隼人先輩・・・・・・ですよね?」


美鈴が病院の入り口のほうを指差す


それは確かに伊東隼人の姿だった


「隼人ー!」


真中が大声で声をかける





「おっおう・・・・・・・」


声をかけられたことに少し動揺しながらも隼人は近づいてきた


「どうしたの?」


「いっいやぁ・・・・・・風邪引いちまったらしくて」


ゴホゴホと咳をしながら隼人が言う


「でもまぁいいや・・・・・・医者にみてもらうほどでもないしな」


そういうと隼人も加わり全員で帰ることにした




「そうだ、あなたも塾へ来ない?明日からテスト1週間前だし」


東城が提案した


「へっ!塾なんてまっぴら御免だよ!」


東城の提案をきっぱり断った


「へぇ〜たいした自信ですね!」


美鈴が嫌味ったらしく言う


「まぁ見てろよ今度のテストの結果をな!」


自信満面に隼人が豪語した




「それより東城、経過のほうはどうなんだよ?」


外村が東城に尋ねる


「うん・・・・・・今のところは大丈夫なんだけど無理はいけないんだって・・・・・・」


そういいながらぞろぞろ帰っていった
















「なぁ真中・・・・・・・」


おもむろに隼人が真中に話しかけた


「向こうにいるショートカットの女・・・・・・・・・確かおまえらの映画に出ていた女・・・・・・・・・だよな」


(西野!!)


隼人に言われ真中が目を向ける


それは確かに西野つかさの姿だった


見知らぬ女の子を1人連れていたが・・・・・・




「あっちゃ〜・・・・・・・修羅場だな」


「えっ?修羅場ってどういう意味だよ?」


外村がなにやら楽しそうに言っているのを隼人に尋ねる


「実は西野さんと真中先輩は・・・・・・・・・」


美鈴が真中と西野のこれまでの経緯を細かく説明した












「じ・・淳平・・・・・・・・・くん」




「西・・・・・・野」



真中と西野はただお互いの顔を見つめ合って棒のように固まっていた。


[No.209] 2006/10/20(Fri) 15:11:35

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