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見えない明日・見える未来〜番外編28〜 (No.213 への返信) - シン

番外編28!






PHASEX6「恋人の条件 − 混迷の泉坂」







とりあえず健治たちは泉坂高校に入学した。




「そーいえば・・・映画を作るにはまずそのための部を作らねーと・・・・」


「あ、そうだよね」


健治と真矢は改めてその事に気づいた。








この時、健治ですら気づかなかったのだが、


真矢の顔には悲しみが浮かんでいた・・・












ある日の放課後


屋上で健治たちは書類を見ながら話をしていた・・・


ちなみに、屋上で話をするのはこの頃から受け継がれている。


「え〜っと・・・部員は最低でも5人っと・・・」


「じゃあ、俺と健治、真矢、広樹、英雄でちょうど5人じゃん!」


「そうだな。とりあえず第一関門はクリアというわけだ」


「で、後の項目も・・・問題ないな・・・」


「おっ! っていうことは・・・・」


「ああ、書類を提出してくる!」


「行ってこい!健治!」


健治は校長室へ向かった。












「そういえば、健治のヤツ・・・最近バイトして金を稼いでいるみたいだけど何をやってるんだ?」


裕紀が真矢に尋ねた。


「健治くんね、最近一人暮らししてるの」


「は!?健治が!?」


広樹が叫んだ。


「うん。『あんまり迷惑ばかり掛けられない』って言ってるの」


「そっか・・・そういえばアイツは居候だったもんな・・・」


英雄が改めて気づいた。








「そういえば・・真矢ってずっと・・・」


裕紀が何かを思い出した。


「うん・・金場(きんじょう)くんでしょ・・・?」


「今もアイツに言い寄られてるんだろ?」


「うん・・でもあたしは・・・・」


「・・・ま、あんな金持ちのガキは正直ウザイけどな」


「いいかげん諦めろっての・・・」


裕紀が『金場』を罵った。


「アイツは一応やさしいところもあるけどな」


とりあえず弁明する英雄。


もっとも、弁明する理由は『もし聞かれていたら厄介なことになる』というだけの話なのだが・・・










金場とは中学からの同級生だ。


親は大会社の社長である。


そんな彼は真矢にずっとアプローチをかけている。


もっとも、真矢の気持ちは揺るがないが・・・


ちなみに、本人は後の天地にそっくりである。










「まあ、アイツは懲りないよね〜」


「・・青木さん・・いつの間に・・・?」


青木がいつの間にか真矢の横に来ていた。




「・・でも注意して・・・・」


突然青木の表情が真剣になった。


青木の表情が真剣になるときは決まって何か大きなことがある。


「金場だけど・・アイツの親の会社が真矢ちゃんのお父さんがやってる会社を買収しようとしているって噂よ・・・・」


「・・買収!?」


広樹がまたしても叫んだ。


ちなみに、真矢の親も社長である。




「でも・・・そんな事をしたからって何になるんだ?」


裕紀が尋ねた。


「・・反対して、他のところから融資を受けようとするのなら・・・多分、交換条件を出してくるわ・・・」


「ど、どういうことだ!?」


「そもそも、買収とか融資って・・・何が起こってるんだよ!?」


英雄がさらにたずねる。


「・・実は真矢ちゃんのお父さんの会社はもう・・・・」









「な・・何だって!?」


「倒産寸前!?」


「よりによってバブル崩壊に巻き込まれたのか・・・!」


三者三様の答えが返ってきた。


真矢はずっとうつむいている。


「断ったら・・・下手をすると倒産よ・・・・」


青木は次の言葉を言うのを少しためらった。


「・・それだけじゃないの。多分、出される交換条件は・・・」


「・・・・・真矢ちゃんと金場の婚約よ・・・!」


青木はやりきれない顔で言った。


「「なっ・・・!?何だって〜!?」」


「チィィッ!」


裕紀と英雄は思いっきり驚き、広樹は怒りを顔に出していた。


「ちょ、ちょっと待ってくれ!いくらなんでもそれは飛躍しすぎだって!」


「それに、真矢も金場もまだ15歳だろ!?」


裕紀が慌てて叫んだ。


そこには真矢と健治に対しての気遣いもあった。


「さ、さすがにそんな事は無いと思うよ!」


青木が慌てて否定する。





「・・・・・・実は・・・・・」


ここまで黙っていた真矢が口を開いた。


その美しい顔に悲しみを浮かべながら真矢は次の言葉を言った。




「もう・・・・その話は来てるの・・・・・」






「「「「う・・・ウソだろ(でしょ)・・・・!?」」」」


その言葉に4人は言葉を失った。







「き・・金場のヤツ・・・・・!」


「人の弱みにつけこむなんて・・・!!許せねぇ!!!」


「これが経済か・・・・やってられねーな・・・・!」


3人は怒りをあらわにした。


広樹も珍しく本気で怒っている。


「で、でも真矢ちゃんのお父さんは・・・・!?」


青木が慌てて尋ねる。


さすがの青木でもここまで話が進展しているとは思わなかった。


「うん・・最初は買収も・・・・『コレ』も反対だったんだけど・・・」


「でもやっぱり生活には代えられないからって買収を受け入れたの・・・・」


「まあ・・・賢明な判断だな・・・・」


広樹が客観的に言った。


「で、でもそれならもう終わりだろ!?」


英雄が尋ねる。





「・・・・・実は・・・・・」


真矢はその次の言葉を言うのを少しためらった。


「買収された後の経営資金を出すための交換条件をまた出してきたの・・・・・・」


そこで真矢の話は終わった。


いや、それ以上言えなかった。


真矢の目からは光るものが流れていた。


それは夕日に輝いて、美しく・・・悲しかった・・・





そして、真矢の話をこれ以上聞かなくてもこの先の話の内容は簡単に分かった。














「何なんだよそれはぁぁぁぁっ!!!!」


裕紀の絶叫がこだました。




























恋人の危機、


そんな事を知る由も無い健治は、


創部が認められたので浮かれていた・・・・


[No.214] 2006/10/24(Tue) 04:18:23

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