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見えない明日・見える未来〜番外編29〜 (No.214 への返信) - シン

番外編29







PHASEX7「あんなに一緒だったのに − ゆれる想い」









「・・・やってくれたわね・・・・!」


青木が吐き捨てた。


「野郎・・・・!」


「もう我慢できねぇ!今すぐぶち殺す!」


そう言うと裕紀は屋上を出ようとした。


「裕紀、やめろ!」


広樹がすぐに裕紀を止める。


「離せよ!お前はあれでいいのか!?」


「いいのかって・・・・・」


「よくねぇって事ぐらいは分かってるんだよ!」


「だけど・・・!俺たちが騒いだところで何ができる!?」


「あ・・・・・そ・・・ん・・な・・・・」


そう呻くと裕紀はその場にへたり込んだ。





「・・・・で、真矢は・・・・どうするんだ?」


英雄が真矢に尋ねた。


「・・・あたしは・・・・この話を・・・・・受けるつもりなの・・・・」


「でも・・・今はその事を隠してあと少しの間だけは健治くんの恋人としていたいの・・・・」


「でも・・・もうそういうわけにもいかないんだけどね・・・」


「そう・・・・か・・・・・・・・・」




「・・この事は・・・真矢の言うとおりに健治には内緒にしよう・・・・」


「ハァ!?」


英雄の言葉に裕紀が反応した。


「悔しいけど・・広樹の言うとおりだ・・・!」


「もう俺たちにどうこうできる問題じゃないんだよ!」


「・・そうだ・・・・もう俺たちにできる事は無い・・・」


今度は広樹が口を開いた。


「それに・・・健治がこの事を知ったら何をすると思う?」


「・・・・殴りこみ・・・・か?」


「そうだ。そうなったらどうなる?」


「・・・ま、まさか!?」


広樹の言葉に思い当たる節があった。


金場の母親はPTAの会長なのだ。


「退学・・・か・・・・・」


「ああ。そうなれば本当に止められなくなる」


「それに嫌な噂もあるしな・・・」


「噂・・・?」


「・・・気にするな。それより退散するぞ」


「・・・何で?」


広樹に青木が尋ねた。


「・・健治に知られるわけにはいかない」


「なんとしてもごまかすぞ」


「・・・そう・・するしかないか・・・・」


裕紀は諦めの表情を見せた。


「・・・・帰ろう。健治には悪いけどな・・・・」


広樹の言葉で一行は屋上を後にした。


























その頃


「ふぅ・・・これで映研始動か・・・」


校長室から健治が出てきた。


「さてと・・・戻るか・・・」


健治は屋上へ向かって歩き出した。





と、そこで健治は金場の姿を見た。


「・・・?」


健治は金場が笑っているように見えた。


「・・・・何だ・・・・?」


健治は嫌な胸騒ぎを感じた。
































「あれ?誰もいない・・・・?」


健治は屋上に誰もいないことに気づいた。


「・・・ドッキリか・・・?」


健治はそう思ったが、直後に『何か』を感じた。


「・・・嫌な予感がするな・・・・・!」


健治は急いで屋上を後にした。















健治は家路を急いだ。


すると、広樹に追いついた。


「広樹!」


「!健治・・・!どうしたんだ?そんなに慌てて・・・」


「何で帰ったんだ!?」


「!(知られる訳には・・・!)い、いや・・ちょっとな・・・・」


「ちょっと・・・何なんだ!?」


「さっき俺は金場を見たんだ!そしたら金場の奴・・・笑ってたんだ!」


「何が起こってるんだ!?金場に・・・真矢に!」


「・・何でもねぇよ・・・」


「・・・・まあ、恋人にあんまり心配を掛けるなよ・・・」


「・・・広樹・・・・・・」


健治は追及をやめた。


なぜならこれ以上言っても何も出てこないと判断したからだ。

























































「ん?電話・・・?」


健治の家(アパート)に電話がかかってきた。


「はいもしもし・・・」


[健治くん・・・あたし・・・]


「真矢か!?どうしたんだ!?」


真矢の声は今にも消えそうだった。


[・・・健治くん、ごめん・・・あたしと別れてほしいの・・・]


「・・・へ!?おい!何を言ってるんだ!?」


「いきなりどうしたんだよ!」


[ごめんなさい・・・理由はまだ言えないの・・・]


「お、おい!?どういうことだよそれは!」


「何があったんだよ!?」


「・・・ってオイ!?」


電話は切れていた・・・


「・・・何なんだ・・!?何が起こっているんだ・・・!?」






























































健治は夢を見た。





『健治君!助けて!』


『ふはははは!真矢さんは僕のものだ!(天地を想像してください)』


真矢が健治からどんどん離れていく。


『真矢!真矢!真矢ぁーっ!』


健治は真矢を追いかけるが身体が進まない。


そして、そのまま真矢は姿を消した。





「う、うわあぁぁぁっ!!」


健治は目を覚ました。


「・・・何なんだよ・・・・あの夢は・・・・」


その瞬間、健治の中である仮説が立った。


「(!まさか・・・・金場が真矢に何かを・・・!?)」


「(待てよ!確か真矢の親父さんの会社は経営難だったはず・・・)」





「・・・そういう事かよ・・・・!」


今、点と点が線でつながった。




健治はまず時計を見た。


7時30分ぐらいだ。


「ちっ・・・寝坊してたか・・・!」


それを見た健治は急いで支度をし、アパートを飛び出した。




























いつも健治たちが集まる場所へ到着するとみんな来ていた。


「よ・・・よぉ健治・・・」


まず裕紀が声を掛けた。


健治はそれに答えると周りを見渡すと一人いないことに気づいた。


「・・・真矢は!?」


「あ、ああ・・・今日は休みみたいだぜ・・・・」


英雄が平静を装いながら言った。


「休みか・・・・チッ!コイツは・・・マジで面倒な事になってるかもな・・・」


「健治くん・・・?」


青木が心配する。


「実はな・・・


健治は話を始めた・・・








「なるほどね・・・・」


「真矢から別れ話か・・・奇妙だな・・・・」


とりあえず平静を装いつつ裕紀と広樹が言った。


「・・・で、お前ら・・・・」


「本当の事を言え」


健治はただそれだけを言った。


「「「「!!!」」」」


「俺の中ではもう結論は出ている・・・!」


「金場が何かをやったってな・・・!」


「・・・・やれやれ・・・健治はそういう事をすぐに見破るからな・・・」


広樹がやれやれといった様子で答えた。


「・・・・真矢は・・・・・・・




























「やっぱりか・・・・!」


「・・・・行くぞ」


「ってどこに!?」


裕紀が尋ねる。


「真矢の家だ・・・!」


健治はただそれだけを言った。


「って、学校をサボる気なの!?」


青木が突っ込んだ。
































「健治です!真矢と話がしたいんですけど!」


健治は真矢の家の前に来ていた。


裕紀たちもついてきていた。







「一体どういう事なんですか!?」


「ちゃんと本人の口から説明してくださいよ!」





すると、扉が開いた。


「健治・・・くん・・・・」


真矢の父親だった。


「・・どういう事なんですか・・・・!無理矢理婚約って・・・!」


健治が怒りを顔に出していた・・・


「知っていたのか・・・・」


「なら・・・・詳しく・・・説明しよう・・・・・!」


真矢の父はそれだけ言った。










応接室で健治たちは話をしていた・・・


そばには真矢の姿もある。


しかし、いつものような気力は全く感じられない。





そして、健治はさらに詳しく話を聞いた。







「つまり・・・・どの道、真矢と金場の婚約は避けられない・・・と・・・」


「そういうことだ・・・・」


「完璧な政略結婚ですね・・・・!」


健治が皮肉った。




「・・・・真矢は・・・これでいいのか?」


「(・・・あたしは・・・健治くんと一緒にいたい・・・)」


「(でも・・・・そんな訳には・・・いかない・・・・)」


真矢はただ黙って頷いただけだった・・・











「やってられねーな・・・!」


突然広樹が口を開いた。


「・・・アンタはそれでいいんですか・・・・?」


「自分たちが安穏とした生活を維持するために自分の娘を差し出すなんて真似をして・・・!」


「はっきり言って真矢が生贄同然じゃないか!」


「それで真矢が幸せになれるとでも思っているのか!?」


「アンタのやってることは何千年も前の人間と同じだ!」


「自分の娘すら大切にできない奴が社長を名乗るな!」


「・・・ひ・・広樹・・・・お前・・・・」


広樹が自分の激情をあらわにした。


健治は広樹の意外な一面に驚いていた・・・


「な・・・!? そんな事は無い!」


「健治くんには悪いが・・・・将来を考えると金場くんの方が真矢のためになると思っている!」


「それに、君にそんな事を言われる筋合いは無い!」


この時、健治の頭の中で何かが切れた。


「・・・悪いが、俺はアンタの本性を見た」


「・・・・どうやら9年前の優しさは偽りだったみてーだな」


「なっ・・・・!?」


「それとも、俺みたいな孤児は東堂家の格を下げるからもう必要ないのか?」


「な・・・私はそんな事は一度も・・・・」


「なら、広樹に『君にそんな事を言われる筋合いは無い!』なんて言えないよなぁ!」


「・・・・・・・」




「・・・・・俺は勝手にやらせてもらうぞ・・・!」


「あと・・・最後にひとつだけ言わせてもらう・・・・!」


「アンタは・・・・人間としてはクズだ・・・・!」


「・・・健治くん、君は・・・いつの間にそんな人間になったんだね?」


「・・・・減らず口を叩くんじゃねぇよ!」


健治は真矢の父に殴りかかった。


もはや、育ての父として見ていなかった。





「・・・・やめろ・・・・健治・・・・!」


広樹がその拳を止めていた。


「広樹・・・何でお前が止める・・・?」


「・・・・いいからやめろ・・・・」


そう言うと広樹はどこからともなく鈍器のようなものを取り出して健治を殴っていた。


「・・・・しばらく黙ってろ・・・」


「・・・やれやれ・・俺としたことが・・・・熱くなりすぎたぜ・・全く・・・」


「・・とりあえず・・・・・・これで失礼します」


そう言って広樹が健治を引きずりながら出て行った。




























「ここは・・・・」


健治はしばらくして目を覚ました。


「・・・公園だ・・・・!」


「・・・広樹・・・何で止めた・・・!」


「お前だって相当怒ってたくせによ!」


「・・・・あそこで争っても何も変わらない・・・!」


「広樹・・・てめぇもか・・・!」


「こうなったら直接殴りこんでやる!」


「「ま、待てよ健治!」」


裕紀と英雄が必死で止める。


「うるせぇ!これ以上ふざけた真似をさせられるか!」


「・・・落ち着け健治・・・」


「落ち着けるか!」


「とにかく落ち着け・・・!」


「無策のままでは勝てる戦も勝てないぞ・・・!」


「そうかもしれねぇけど・・・・って無策!?勝てる戦!?」


「ひ、広樹くん・・・・?」


思わぬ言葉に4人の視線が集中する。








「・・・俺をなめるなよ」


広樹はただニヤリと笑っていた。


[No.218] 2006/10/25(Wed) 04:59:06

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