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all 笑顔―プロローグ― - ナオ - 2007/01/03(Wed) 21:09:43 [No.262]
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笑顔―プロローグ― - ナオ

ザ―――


その日の東京はとても冷たく、暗い夜だった


12月の雲は静かな雨を降らせていた


そう、静かでつめたい雨を……




時刻はすでに12時を過ぎ、日付が変わる


東京といっても町外れにある小さい田舎でほとんどの家の明かりは消えていた


ただ一つの家を除いては―――――





「イヤッ!!こんなのイヤァァ!!」


家の中では少女が一人泣いていた


いや、泣き叫んでいた


少女は立つ力さえ失いひざまずいていた


その横で少女の肩にそっと手を添えるのは母親らしき女性


彼女の顔にも涙が溢れていた


少女の後ろで立ち尽くしている男はおそらく父親だろう


その男の顔もまた涙でいっぱいだった





少女の目の前には一人の老婆が横たわっていた


しかしその老婆から生気は出ていなかった


どうやらこの老婆は少女の祖母らしい




時計の長針が一回りした時、ようやく少女は泣き止んだ


少女は祖母の頬をそおっと撫でてみた


頬は冷たく皺がたくさんあった


しかし祖母の顔は優しく、とても暖かそうだった


まるで祖母が少女に微笑んでいるかのように


「ぐすん……おばあちゃん……」


その夜少女の家の明かりが消えることはなかった


家の明かりが外に漏れ、すこしぼやけた表札が確認できた





「西野」





ザ―――


その日はとても冷たく、暗い夜だった


12月の雲は静かな雨を降らせていた


そう、静かでつめたい雨を……


[No.262] 2007/01/03(Wed) 21:09:43

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