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all 笑顔―プロローグ― - ナオ - 2007/01/03(Wed) 21:09:43 [No.262]
笑顔―第2話― - ナオ - 2007/01/05(Fri) 23:50:07 [No.266]
笑顔―第3話― - ナオ - 2007/01/06(Sat) 08:12:15 [No.268]
笑顔―第4話― - ナオ - 2007/01/06(Sat) 16:52:17 [No.269]
笑顔―第5話― - ナオ - 2007/01/07(Sun) 16:55:44 [No.270]
笑顔―第6話― - ナオ - 2007/01/19(Fri) 21:58:24 [No.273]
笑顔―第7話― - ナオ - 2007/01/26(Fri) 19:57:46 [No.283]


笑顔―第3話― (No.266 への返信) - ナオ

CG部に入ってからの淳平と外村は―――――暇だった


大事な仕事はすべて先輩がやってしまっている


大事な仕事といってもCG処理すべてで、二人には何もやらせてくれなかった


二人の唯一の仕事といえば、そんな先輩達の仕事振りを観察したり、次回CG映画の元となるキャラクター考案


あとは部屋の掃除だけであった


外村はたまに先輩たちに隠れ、自信の製作しているHP『めろん100%』の更新などをやっていたのでまだ暇を潰せていた


しかし淳平はHPなど持っていなかったし、本当に何もすることがなかった





――― 一ヵ月後 ―――



5月


二人がCG部に入部してから早くも一ヶ月が過ぎた


淳平はもう我慢の限界だった




放課後、いつもは外村と一緒に部活に行くのだが、この日は一人で行った


「須藤先輩!」


「……」


「…あり?」


部屋に翔太はいなかった 多分、どこかへ出かけたのだろう


他の部員たちも、淳平を見ようとはせずに黙々と作業をしていた


「あの……」


「……」


誰一人として返事するものはいない


淳平は少し切れ、大声で叫んだ


「あのっ!!」


「…なんだ」


一人の男が淳平に近づいてきた


この人は、CG部の副部長、田辺和彦先輩だ


無口でその表情は見るたびに変わらない


大らかな翔太に比べて、和彦は淳平にとって恐い存在だった


「用が無いなら俺は戻るぞ」


和彦が向きを変えたので淳平は慌てて言った


「あの!僕たちにもCG処理をやらせて下さい!」


この言葉には部員のほとんが驚いたらしく、何人かが淳平に視線を向けた


淳平はそんな視線などかまわず話を続けた


「僕たちも、もう入部して一ヶ月経つんです。簡単なアニメでもいいんでやらせて下さい!」


「今は映画を作ってるんだ。アニメを作る必要はない」


和彦は背を向けながら言った


「で、でも!それじゃいつやらせてもらえるんですか?」


「知らん。部長にでも聞いたらどうだ?」


和彦は淳平と話すのが面どくさいらしく、早く話を終わらせようとしていた







「こんなことなら……映像部に入ればよかった」


「なに?」


淳平の呟きに対し、和彦は敏感に反応した


淳平はそのまま続けた


「僕は映像部に入りたかったんです。でも、ないからCG部に入ったんです」


「……映像部はあったさ」


「え!?」


「お前らが入学してくる一年前までな」


和彦は向きをまた変え、近くのソファに腰を下ろした


「映像部は今の時代には無意味なんだ。これからはパソコンの時代だ。

        だから俺たちはCG部を作った。あいつらには悪いことをしたがな」


「あいつらって……?」


「映像部のやつらだよ。ここは昔、映像部の部室だった」


『どうりで』


淳平はそう思った


そしてだんだんと腹が立ってきて、気が付いたらこう怒鳴っていた


「CGは実写の映像を超えられない!CGで映画なんて作れない!」


和彦は少し驚いていたようだがすぐに余裕をかました


「フン…お前に映画の何がわかる?」





「俺は映画監督になる男だ!!」




言葉遣いが悪くなったことに反省したが、それ以前に周りの視線が不思議だった


今まで作業を続けていた部員も、最初からこっちを見ていた部員も皆淳平の方を見てクスクスと笑い出したのだ


和彦も笑っていた


「映画監督だって〜馬鹿みたい」


「夢見ることはいいことだべ!だはは」


「いまどきあんなこという奴がいるんだな」


周囲からはいろんな声が聞こえてきた


淳平はそいつら全員を殴りたかったが、拳を強く握り必死で堪えた


「実写はCGに負ける!これが現実だ」


和彦の言葉は痛かった


淳平は黙って部屋を出て走り出した


廊下で外村とすれ違った


「お前なんで先に行くんだよ!…って!おい、どこに行く?」


外村の問いを無視し、淳平は走り抜けた


校門から出て、拳に力を入れながらあの場所へ向かった


[No.268] 2007/01/06(Sat) 08:12:15

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