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all A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第1話 - バル - 2005/09/04(Sun) 21:37:29 [No.29]
Re: A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第2話 - バル - 2005/09/04(Sun) 21:41:34 [No.30]
Re: A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第3話 - バル - 2006/02/22(Wed) 23:01:13 [No.58]
Re: A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第4話 - バル - 2006/03/10(Fri) 17:20:42 [No.61]
A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第5話 - バル - 2008/10/26(Sun) 13:38:36 [No.1160]
Re: A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第6話 - バル - 2008/10/26(Sun) 13:40:32 [No.1161]
A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第7話 - バル - 2008/10/26(Sun) 13:43:10 [No.1162]
A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第8話 - バル - 2008/10/26(Sun) 13:46:01 [No.1163]
A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第9話 - バル - 2008/10/26(Sun) 13:49:18 [No.1164]
A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第10話 - バル - 2008/10/26(Sun) 13:54:11 [No.1165]
A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜 あとがき - バル - 2008/10/26(Sun) 13:57:07 [No.1166]


Re: A.s.s.I.d.y第2幕〜TALE〜第2話 (No.29 への返信) - バル

「唯ちゃん。ほら、淳くんが来てくれたよ……」
 そう言って梢は鈴をチーンと鳴らし、手を合わせ目を閉じた。
 今でも慣れないこの場所。別に仏前がダメってわけではないけれど、やっぱり信じたくないから。


 
 『唯が死んでしまったなんて』



第2話「決心」 


*友*

 

 「ほら、淳くんもお線香、あげてあげて。唯ちゃんも待ってたと思うから、長い間……」
 「……わかってるよ……」
 俺はなるべく梢とは目を合わせないようにしていつもより重い足を仏前の座布団に下ろそうとする。その時、

 リリリリリィィリリリリリィィ

 田舎独特の耳をつんざくようなベルの音。
 「誰だろ?」
 そう言って梢は小走りで電話を取りに行った。
 それを見送り俺はやっと座布団に正座する。
 改めてみる観音開きの大きな箱。それはまるで絶壁の崖を前にするかのような威圧感を感じさせた。
 中においてある唯の遺影。小学生の頃の幼い顔つき、それにしてもあまりに幼い。幼稚園生だと言っても通じそうだ。
 だからこその無垢な笑顔。それはまったくこの静謐な空気に合っていない。それがますます俺から現実味を奪っていった。
「唯…………」
 堪えきれず呟く。もっと言いたいことがあるけど、全然言葉にできない。
 

 やっぱり、まだ早かったか……?

 いや、

 今しかないんだ。だって、

 『伝えなきゃいけないことがあるから』


 すぅっ、と大きく息を吸い長く吐き出す。唇を噛み締め、唾をごくりと飲む。


「唯、あのな、俺……」
「淳く〜ん! なんか変な人が電話して来たよぉ! なんか、『いいね、君の声! HPにアップしたいから1回会おう。大丈夫、怪しいもんじゃない。いま君の所にいるだろう真中淳平という男の友達じゃ!』とか言ってるんだけどぉ」

 開けた口の行き場の無い俺はそのまま固まる。

 何だって?

 HP? アップ? 俺の友達?

 たったこれだけの情報で誰かわかるわけ…………。


 「あいつかよ……」
 普通にわかってしまった。俺の友達、誰かまともな人いないのかなぁ。



『お〜〜っす、真中! なぁ、今の娘だれだ? ぜひ俺のHPにアップさせてくれい!』
 あぁ、この声。やっぱり外村か。
『用件は何だ、用件は!』
『なんだよぉ〜、そんな怒るなよぉ』
「うるせぇ! まったくせっかく後もう少しだったのに……」
『はっ? なに? まさか貴様、さっきの娘ともうそんなとこまで…………』
「違う違う違う!」
『わかってるよ。ちょっとからかっただけだって」
 そう言って豪快に笑う。はぁ、もう助けてくれ。
『んで? 用件は』
『あぁ』
 さも、忘れてました。と言わんばかりの返答。この野郎。
『沖縄のさ、お前なんかお土産とかほしいかな? って思って』
『あぁ。……じゃあ俺ちんすこうがいいな。あれ旨いし』
『おう。わかった。んじゃ…………』
『おう』

『『………………』』

『なんで切らないんだよ?』
 会話は終わったのに一向に受話器を置こうとしない外村に俺は言った。
『いや、なんか気になってさ……』
 は? 何を? まさかあいつまだ梢と俺のことを勘ぐってるのか?
『だからな外村。俺と梢は……』
『いや、そっちじゃなくてな』
 今までの会話とは打って変わってピシャリと俺の言葉を打ち消す。
『じゃあ、なんだよ?』
 何を言うわれるのかわからないのが少し怖い。
『お前。前に俺が「夏休み帰郷とかしねぇの?」って聞いたとき。「ちょっと行きにくくてさ」とか言って
 たじゃねぇか。それなのに夏休みに入るなりさっさと行くなんてどういう風の吹き回しかな? と思ってさ』
 ……あぁ。そういえば。夏休み前、俺がまだ帰郷を決めてない頃にそんなことあったな。
『ま、いいんだけどさ。どうでも』
『え?』
『言えるようになったらさ、いつでも言えよ。聞き役のポジションはキープしといってやっから! んじゃ!』
 そう言うと外村はまた豪快に笑って今度こそ電話を切った。

 宙ぶらりんのまま残された俺はツーツーとやかましい受話器を耳にあてたまま立ち尽くしていた。
 あの野郎。
 いい奴だよな、やっぱり。

 もちろん外村がどれだけ理由を聞きたいと思っているかは解っているつもりだ。だから、敢えて待ってくれる
 優しさにうたれた。


「言えるように、がんばるしかしかないよな」

 電話を切りながら、俺はこの帰郷のことを外村に少しも欠けることなく伝えてやろうと、日記をつける事を決心した。




 その時、これがどれだけ大きな事を生むかなんて、考えもしなかったのだけれど。


[No.30] 2005/09/04(Sun) 21:41:34

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