CLOTH EPISODE 第零部 概要 - シン - 2007/08/22(Wed) 16:03:09 [No.452] |
CLOTH EPISODE 第零部 プロローグ - シン - 2007/08/22(Wed) 16:24:02 [No.454] |
CLOTH EPISODE 第零部 第1話 - シン - 2007/08/22(Wed) 17:09:12 [No.455] |
CLOTH EPISODE 第零部 第2話 - シン - 2007/09/04(Tue) 22:27:33 [No.503] |
CLOTH EPISODE 第零部 第3話 - シン - 2007/10/18(Thu) 23:45:45 [No.560] |
CLOTH EPISODE 第零部 第4話 - シン - 2007/11/28(Wed) 22:25:31 [No.652] |
CLOTH EPISODE 第零部 第5話(中断中) - シン - 2007/12/02(Sun) 22:44:51 [No.671] |
第1話「それは全ての始まりとなる死」 季節は夏。 そして、今はお盆の終わり。 Uターンラッシュによる渋滞の中、一台の車が家路を急いでいた。 「マズいマズい……流石に仕事前に休息は取りたいが……」 一家の主は急いでいた。 明日から仕事に戻らなければならないというのに、時計は既に6時を示している。 当然の事だが、辺りは既に夕焼けに包まれている。 だが、それでもUターンラッシュの車は一向に減らない。 この車が渋滞を抜け出したのは、夜の9時だった。 ちなみに、今から急いで家まで帰ったとしても、家に着くのは10時を過ぎる。 夕食の事も考えると、就寝が相当遅くなるのは目に見えている。 とりあえず渋滞を抜け出し、一息つく主とその妻。 だが、後部座席に座る者たちは不機嫌だった。 「オイオイ、俺は明日からまた補習だってのに、これじゃ疲れが取れないぜ」 先に文句を言うのは3人兄妹の長男と思われる少年。 「ホントホント。いつになったら家に帰れるのよ」 続いて文句を言うのはその妹。 ところが、一番下の次男は、不機嫌ながらも冷静に状況を見ていた。 「(兄さんも姉さんも、田舎で散々楽しんでたくせに……)」 だが、そんな事を考えても仕方が無い。 まだ中学生と思われるその少年は、思案を中断して暫しの仮眠を取る事にした。 少年は夢を見た。 全身傷跡だらけの少年…恐らく、兄と同年代だろう。 その少年が、黒髪の少女と戯れている。 少女もまた兄や姉と同年代に見える。 だが、その少女は突然砂のように崩れ去る。 そして、少年の慟哭が響き渡る。 気になったのは、その少女の顔が幼馴染に似ているように見えた事だ。 だが、夢の中でそんな事を考えても頭が正常に働くはずも無い。 少年は、その夢をすぐに忘れてしまった。 …いや、忘れる事となった。 彼を夢から引きずり出したのは、父親の声だった。 「なっ!?車が……!?」 その直後、彼に横殴りの衝撃が襲い掛かった。 凄まじい衝撃で、彼の頭は本格的に覚醒する。 だが、同時に彼の意識は消えた。 覚醒した脳だが、今度はあまりの衝撃に耐えられなかったのだ。 [ニュースです。今夜9時40分ごろ、東京都○○区にてトラックと乗用車が衝突し、乗用車に乗っていた中間健さんなど4人が死亡、一人が重態との事です] [この事件でトラックに乗っていた運転手を業務上過失致死の現行犯で逮捕しました] [調べによると運転手は、酒に酔ったまま運転しており、信号に気付かず直進した結果、中間さんの乗用車に衝突したとの事です] その少女はそのニュースをただ呆然と見ていた。 その目は虚ろで、本当にテレビの内容が分かっているのか分からない。 だが、間違いなくある一点を見つめていた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 死亡 中間健さん(42歳) 中間裕子さん(41歳) 中間健人さん(17歳) 中間優実さん(16歳) 重態 中間健治君(13歳) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ただ、『重態』の部分だけを見つめていた。 彼女は気付かない内に、涙を流していた。 そして、彼女の家族もまた涙を浮かべていた。 続く [No.455] 2007/08/22(Wed) 17:09:12 |