二つの心 - あーまん - 2007/08/22(Wed) 02:52:26 [No.442] |
二つの心 プロローグ - あーまん - 2007/08/22(Wed) 02:55:34 [No.443] |
二つの心 第一話「再会」 - あーまん - 2007/08/22(Wed) 02:59:45 [No.444] |
二つの心 第二話「二人の想い」 - あーまん - 2007/08/22(Wed) 03:03:29 [No.445] |
二つの心 第三話「引越し」 - あーまん - 2007/08/22(Wed) 11:33:13 [No.446] |
二つの心 第四話「繋がった心」 - あーまん - 2007/08/22(Wed) 11:34:09 [No.447] |
二つの心 第五話「三人の想いと一人の決意」 - あーまん - 2007/08/24(Fri) 22:07:56 [No.474] |
二つの心 第六話「電話越しの告白」 - あーまん - 2007/08/27(Mon) 01:30:16 [No.492] |
二つの心 第七話「親友への報告」 - あーまん - 2007/08/29(Wed) 01:40:05 [No.494] |
二つの心 第八話「諦められぬ思い― そして行動へ」 - あーまん - 2007/08/30(Thu) 00:55:42 [No.496] |
二つの心 第九話「間違った選択」 - あーまん - 2007/09/02(Sun) 17:30:39 [No.501] |
二つの心 第十話「始まり」 - あーまん - 2007/09/04(Tue) 01:45:56 [No.502] |
二つの心 第十一話「始動―――それぞれの想いが故に... - あーまん - 2007/09/06(Thu) 08:50:19 [No.506] |
二つの心 第十二話「長崎へ・・・」 - あーまん - 2007/09/09(Sun) 02:05:29 [No.508] |
二つの心 第十三話「差出人 西野つかさ」 - あーまん - 2007/09/12(Wed) 18:34:25 [No.509] |
二つの心 第十四話「目覚め」 - あーまん - 2007/09/21(Fri) 08:48:06 [No.513] |
二つの心 第十五話「すれ違う記憶」 - あーまん - 2007/09/28(Fri) 02:52:20 [No.526] |
二つの心 第十六話「記憶の書換え」 - あーまん - 2007/10/01(Mon) 10:57:45 [No.530] |
二つの心 第十七話「見えた希望」 - あーまん - 2007/10/09(Tue) 01:28:52 [No.542] |
二つの心 第十八話「大草の作戦」 - あーまん - 2007/10/17(Wed) 23:50:17 [No.551] |
二つの心 第十九話「苦悩」 - あーまん - 2007/12/05(Wed) 03:01:13 [No.684] |
第十四話「目覚め」 手紙を読み終える。 辺りは物音ひとつしなかった。 つかさは、一人涙を流しながらも考えていた。 (あの時の電話・・・あたしが・・・冷たくしたから・・) 電話というのは、つかさがバイトに遅刻しそうになったときにかかってきた淳平からの電話である。 そのときは、前日にトモコにからかわれてイライラしていたのもあり、電話がうとましく思ってしまったのである。 当然、つかさにはそこまで大事になるとは微塵も思っていなかった。 しかし、結果的にはあの時の電話が淳平の自殺未遂は引き起こした事になってしまったのは間違いないだろう。 (あたしが・・・淳平くんを追い込んだ・・・) (あたしのせいで・・・) 最早、自分を責め続けているつかさ。 そんなつかさを見ていたさつきは (西野さんは悪くない・・・むしろ・・・被害者・・・) (あたし・・・・どうすれば・・・・) さつきもまた悩んでいた。 まさかこんなことになるとは思っていなかった。 ただ、淳平とつかさが別れてくれればいいと思っていた。 しかし、甘かった。 淳平が自殺未遂をするなんて想像もしなかった。 しかし、それほどまでにつかさの事を愛していたということでもある。 (敵わないな・・・西野さんには・・・) 半ばさつきは諦めが付いていた。 (本当の事を言う? でも・・・言ったら・・あたし・・・) しかし、いくら諦めが付いていようが、真実を告げるのはとてつもなく戸惑われた。 自分が可愛いのである。 それは人間ならば誰でももっている感情だ。 さつきは、そんな自分と葛藤していた・・・ 「それで、真中の容態はどうなんだ?」 外村が口を開いた。 その言葉にみんなが唯の方へ向く。 唯は、なんとか流れてくる涙を止めて 「医者の話によると、命には別状はないそうです。」 その言葉にみんなは安心した。 「下が、芝生だったり、途中で木に引っかかったりして、医者に言わせれば奇跡だそうです。」 「しかし、頭から落ちたみたいで、頭を強く打って、意識不明みたいなんです。」 「だけど、いつ起きてもおかしくないみたいで・・・・」 そう言うと、みんなの表情が少し明るくなったが、 「だけど、何が起こるか分からないそうです。」 『何が起こるか分からない』その言葉に疑問を感じた。 「どういうことだ?」 外村がさらに聞く。 唯はその場でため息をつき、口を開く。 「淳平が起きて、淳平がどうなってるかは分からないってことです。」 「もしかしたら、記憶を失っているかもしれない、失明しているかもしれない、歩けなくなっているかもしれない・・・・ 数をあげればきりがありません。」 「そんな・・・・」 みんなはその残酷な知らせにただ驚き驚嘆した・・・・ 「でも、何も起こっていない可能性もある、って医者も言ってました。」 そんなみんなを見かねて唯は励ましの意味もこめてみんなに希望の言葉を投げかけるが、それも意味なかった。 どうしても、こういうときは、悪いほうに考えてしまうものである。 「あたしのせいだ・・・・」 つかさが声を出した。 「あたしが、電話であんな冷たいこと言わなければ・・・」 「冷たいこと?」 綾がつかさに聞いた。 「あたし・・・その手紙が書いてあるとおり、淳平くんから電話がかかってきたときに、バイトに遅刻しそうだったのと、友達にからかわれてイライラしていたのもあって、冷たくしちゃったの・・・・」 その言葉に誰もが静かになった。 「それにメールだって・・・・」 「あたしが、全部悪いんだ・・・あたしが全部・・・」 「ごめんね・・・淳平くん・・・こんなに追い詰めて・・・」 そう言うと、つかさは淳平に駆け寄り、淳平の手を握りながら泣き始めた。 「あたし・・・淳平くんの彼女失格かもね・・・」 「でも・・・それでも淳平くんが好きなの・・・どうしようもないくらい・・・」 「あたし・・・あなたに・・・謝らなきゃいけないことがたくさんあるの・・・」 「だから、起きてよねぇ・・・淳平くん・・・」 つかさはひたすら一方的に淳平に話しかけている。 外村がつかさに駆け寄り 「つかさちゃんは悪くないよ。 電話の事だってしょうがないよ。」 「だれだってそうだよ、そういうときはあるんだ。」 「たまたまそのときに真中から電話が着ちゃっただけ・・・」 「それに、メールだって、何かの間違いだよ。」 「俺・・・送ったやつを絶対見つけてやるから・・・」 つかさを必死で励ましていた。 大草は思っていた。 (真中・・・今の西野の側に居てやるべき人間はお前じゃない・・・俺だ。) (真中・・・西野を悲しませるような事をして・・・) (西野が真中の彼女失格じゃない、真中が西野の彼氏失格なんだ!!) そう思うことで、大草は自分の意思を確認していた。 綾もまた同じ (あたしが、真中君の支えにならなくちゃ・・・) ただ、ひたすらにそう思っていた。 そんな時、 「う・・・・・うぅ〜ん・・・・」 小さな個室に淳平の声が響いた。 [No.513] 2007/09/21(Fri) 08:48:06 |