SS 成長 - あーまん |
「はぁ〜、明日は西野の誕生日か・・・・」
淳平は学校からの帰り道、つかさの誕生日の事を考えていた。
と言っても、淳平とつかさは昨年の12月に別れて以来、一度も会っていない。
しかし、淳平は約束しているのである。
『俺、今後二度と西野の誕生日忘れないから!!』
昨年のつかさの誕生日、淳平がその場で約束した事である。
外は、もう真っ暗である。
まるで淳平の心の中を表しているかのようだ。
「どうすればいいんだろ・・・・」
すぐ目前に迫っているつかさの誕生日、プレゼントをあげるべきかで悩んでいた。
実はプレゼントは買ってあるのだが・・・
「今更あげたところで・・・・別れた男からなんてもらいたくないのかな・・・」
「それに、別れてから一度も会ってないんだぜ・・・?」
「西野が他の男と付き合ってる可能性だってあるし・・・」
「でも俺は・・・・俺は・・・」
淳平は、別れてからというものつかさの事を忘れたことが無かった。
心につかさが住み着いていたのである。
そのとき、淳平にある考えが浮かんだ。
「そうだ!! これで行こう!!」
そう言うと、淳平は早歩きで帰っていった。
そして次の日、
「今日はあたしの誕生日だ・・・・」
「淳平くん・・・忘れちゃったのかな・・・・」
つかさも淳平の事は忘れていなかった。
重い足取りで家に帰っていた。
親衛隊や友達からも誕生日プレゼントはもらったものの、素直に喜べなかった。
「しょうがないよね・・・あたしから別れたんだし・・・」
そう思いながら歩いていると、家に着いた。
「ただいまー」
暗い声でただいまという。
「あら、つかさちゃん、どうしたの? 元気無いじゃない?」
母が心配そうにしている。
「そんなこと無いよ! 大丈夫♪」
つかさは強がってみせた。
「隠してたって分かるわよ。」
「でも・・・ これを見たら元気になってくれるかしら?」
そう言って、何やら手紙をだしてきた。
つかさは首をかしげて
(なんだろう??)
と、思いながらその手紙を受け取った。
その瞬間、つかさは今までの元気の無さが嘘のように元気になった。
「淳平くん!!!!!!!」
その顔からは笑顔が溢れている。
「あらあら、効果抜群なこと・・・」
母はつかさのあまりの変わりようにクスクス笑っていた。
しかし、つかさはそんな母の言葉など気にならないで、その場で手紙を開けた。
『西野へ
久しぶり、元気してますか?
別れたのに、手紙なんか送られて迷惑かもしれないけど、今日は、西野の誕生日だよな??
俺、今後二度と西野の誕生日は忘れない!って約束したから、どうしても気になって・・
誕生日プレゼント入れときました。 こんな形で申し訳ないと思うけど・・・
もし、西野が気に入らなかったり、迷惑だったら捨ててください。
そうだったら、もう来年からは送らないから・・・・
最後に、西野、誕生日おめでとう!!
真中淳平』
決して上手だとは言えない字、それでも、出来るだけ丁寧に書こうとしているのは分かった。
(迷惑なんかじゃないよ・・・ ありがとう・・・)
そして、手紙の封筒の奥を覗いてみると、いちごのペンダントが出てきた。
「わぁ〜・・・かわいい!!」
そして、そのペンダントを握り締めて、何かを決心した。
「お母さん!!ちょっと出かけてくる!!」
母も察したのか
「いいわよ。行って来なさい♪」
そう行って後押ししてくれた。
つかさは笑顔になり
「ありがとう!!じゃあ、行ってきます!!」
そう行って、駆け足で家を後にした。
その頃、淳平は家でごろごろしていた。
「西野・・・迷惑だよな・・・」
そんな風に考えていたときのこと、
ピンポーン
家のインターフォンが鳴った。
今日は、淳平以外家には誰も居ない。
(誰だよ・・・めんどくせぇな・・・)
そう思いながらしぶしぶドアを開ける。
「どちら様ですかー?」
その瞬間
「淳平くん!!!」
懐かしい可憐な声、忘れもしなかった声が淳平に降り注いだ。
「に・・・西野・・・」
そう言うと、淳平は固まってしまった。
セミロングに伸びた髪、さらに可愛くっていた。
「久しぶり・・淳平くん」
淳平は我に帰り
「久しぶり・・・」
淳平はつかさを見ると、首にはいちごのペンダントがしてあった。
「あ・・ペンダント・・・」
思わず口に出す淳平。
つかさはニコっと笑顔になり
「プレゼントありがとう・・・嬉しかった・・・」
そう言うと、ペンダントを右手でギュっと掴む。
「とりあえず・・・上がれよ・・・」
そう言って、淳平の部屋へ連れて行った。
しばらく、二人は何も話さなかった。
(うわ〜気まずいなぁ・・・)
会話が無くひたすら気まずく思っている淳平。
そんな時
「あのさ・・・ 本当に手紙とペンダントありがとうね!!」
「嬉しい!!」
つかさがとびっきりの笑顔で喜んでいる。
「そっか・・・良かった・・・」
淳平はよく分からなかった。
(何で・・・・あんなに普通なんだ・・・?)
「淳平くん・・・あのね・・・」
つかさが突然神妙な顔をした。
「何?」
「あたし・・・本当に嬉しかった・・・・でも・・・」
つかさの表情がみるみる暗くなっていく・・・・
「ど・・・どうしたの!?」
淳平は不安になる。
「あたしね・・・あたし・・・ペンダントよりも・・・」
突然つかさが泣き出した。
「ご・・・ごめん・・・ペンダントじゃ嫌だった??」
淳平はもはや焦りに焦っている。
「ううん・・・そうじゃなくて・・・」
「ペンダント凄くうれしかった・・・一生の宝物にする。」
「でも・・・それよりも・・・ あたしは・・・」
「淳平くんが・・・
欲しい・・・」
「え!?」
突然のつかさからの告白・・・
淳平は固まってしまった。
そんな淳平を見て
「ごめんね・・・ 迷惑・・だよね・・・」
「気にしないで・・・」
そう言うと、つかさは下を向いてしまった。
「俺・・・でいいの??」
「え?」
その言葉につかさが淳平の顔を見る。
「俺でいいの?? 俺だって、西野とやり直したいって思ってた・・・」
「ほ・・・本当に??」
つかさはどんどん期待が膨らんでくる。
「本当だよ・・・・」
「じゃあ・・・・」
「でも・・・」
その言葉につかさの顔が暗くなった。
「俺、あの頃から何も変わってない・・・」
「西野に釣り合う男になってない・・・」
「そ・・・そんなこと!!」
つかさが必死に淳平の言葉を否定しようとする。
「ごめん・・・・」
そして、また沈黙が流れた・・・・
そして
「俺、西野の事が好きだよ。」
「え・・・?」
「東城やさつきも好きだけど・・・・ 西野は何かが違うんだ。」
「西野は・・・俺の中で特別な存在なんだ。」
淳平はいつになく真剣な顔で話す。
「なら・・・・」
「だからこそ!!もっと西野に釣り合う人間になりたいんだ・・・」
「俺・・・西野と一緒に・・・成長していきたい!!」
決意を込めた淳平の言葉。
つかさの胸に深く突き刺さる。
(淳平くん・・・・十分成長しているよ・・・)
「やっぱだめだよな・・・こんな俺なんかじゃ・・・」
淳平は少しがっかりした感じだ。
つかさは淳平に顔を合わせて
「そんなことないよ!!」
「あたしだって・・・まだまだ淳平くんに釣り合う女じゃない・・・」
「だから・・・一緒に成長して行こう!!」
二人の気持ちは重なった。
「西野!」
「淳平くん!!」
その場で抱き合う二人。
「俺・・・もう、放さないから・・・絶対に」
「うん・・・あたしも・・・もっといい女になってみせるから・・・」
そして、二人はその場でキスをした。
以前までは、キスさえもできなかった二人。
一度は別れてやっと気持ちが重なった。
二人は共に成長していくことだろう・・・・
お互い・・・
二度と・・・
離れないで・・・・
完
SS書いてみましたww
引き続き、長編のほうもよろしくお願いします。
[No.523] 2007/09/24(Mon) 19:16:37 |