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約束 第5話「思わぬ再開」 (No.525 への返信) - あーまん

第5話「思わぬ再開」





「つかさ!今の誰よ??」

側に居たトモコが目を輝かせながら聞いてくる。

トモコにとっては、他のどんな面白い話しよりも今の目の前で繰り広げられたやり取りが面白かった。

何せ、つかさは今までほとんど男に興味持ったことが無かった。

どんなにかっこいい男でも、軽くあしらってしまう。

大草とも仲良くしているが、つかさは特別な感情を持っていないことをトモコは知っている。

それだけに、つかさが初めて男に見せた嬉しそうな表情・恥ずかしそうな仕草をトモコは見逃さなかった。

「い・・・今のは・・・えーっと・・・」

つかさは何とか誤魔化そうと言葉をはぐらかせていた。

(なんで・・・こんなタイミングに・・・)

内心、不快に思うつかさだった。

「西野!! 今のは・・・彼氏??」

大草がつかさに聞いてきた。

『彼氏』

その言葉を聞いた瞬間、つかさの顔が赤くなったのを大草・トモコは見逃さなかった。

「か・・・彼氏じゃないよ〜」

顔を赤くしながらも苦笑いをするつかさ。

つかさは、何とかこの場を離れたかった。

今の段階で淳平の事を説明するのは嫌だったのである。

そして、

「ご・・・ごめんね・・・今から用事あるから・・・じゃあね!!!」

そう言ってつかさは半ば強引に帰っていった。

「あ!!ちょ!!!」

トモコが叫ぶがつかさは走って二人の視界から消えていった。

「大草君も大変なライバルが出来ちゃったね・・・」

「え!?」

トモコの突然の発言に大草はびっくりして声をあげてしまった。

「トモコさんには分かるんだよ。」

「大草君はつかさの事が好きなんでしょ??」

トモコは何もかも見透かしたように大草にニヤリと笑いかけた。

「俺は・・・・」

「西野の事が好きだ・・・」

ボソッとつぶやくように言う大草、それを見てトモコは

「頑張んなよ!!」 

「でもなぁ〜あたし、今までつかさのあんな顔見たこと無いしなぁ・・・」

「それにしても、あんな男の何所がいいんだろ?? 大草君の方が全然かっこいいのに・・・」

「明日、つかさをとっつかまえて何もかも吐かせてやるんだから!!」

独り言なのに多弁になっていた。

「でもま、大草君は同じ学校なんだし・・・・頑張ってね!」

そう言って、トモコは帰っていった。

残された大草は

「西野・・・誰なんだよあいつは・・・」

そうつぶやくと、重い足取りで家に向かった。





翌日、つかさはトモコにつかまり、全てを吐かされたのは言うまでも無い・・・・






数日後・・・・・

放課後

つかさは、帰り支度をして廊下に出ていた。

そうして歩いていると、何やら男の声が聞こえてきた。

「お前、何でジャージなの??」

一人の男がジャージを着ている男に向かって笑っている。

「あぁ、これか・・・」

もう一人の男はきつい表情を浮かべていた。

「ほら、4組に東城って奴が居るだろ? あの、黒ブチメガネのダサい女。」

「あいつにさぁ〜 転んだ勢いでバケツにあった水ぶっかけられたんだよなぁ〜。」

「げーーー」

「美人ならトロイのも可愛いけどよぉ〜 ブスだとどうしようもねぇよな、マジで。」

「西野みたいな人に水かけられたら、笑って許してあげるんだけどなぁ〜」

そう言うと二人は笑っていた。

(何あれ?? 最低!!)

(やっぱり、男って顔だけでしか判断しないんだ・・・)

(でも・・・淳平くんは・・・・)

そんな風につかさが思っていたとき。

「きゃあ!!」

後ろから女の声がした。

思わず後ろへ向くと、何やら女が転んで男に水をかけていた。

その男は制服を着ていなくて、何故か私服だった。

「あぁ〜またやってるよ、あのトロイ女。」

後ろから声が聞こえてきた。

(あれが・・・東城さんか・・・)

そう思った瞬間、男の顔がはっきりとつかさの目に飛び込んだ。

(淳平くん!!)

淳平が学校に来ていたのだ。

すぐ駆け寄ろうと思ったつかさだったが、思わず静止してしまった。

「ご・・・ごめんなさい。」

東城が淳平に謝る。

「うわぁ・・・びちょびちょだなぁ・・・」

淳平は服を見ながら少し困っていた。

そんな淳平を見て、東城は

(また・・・怒られる・・・)

と、不安になり目を閉じていた。

しかし、

「大丈夫?」

思わぬ言葉が返ってきた。

そして、目を開けると笑顔の淳平が手を差し伸べていた。

「え!?」

思わず東城は声をあげてしまう。

「ごめんな〜 君は濡れてない??」

そうして、淳平は東城の手を取って立たせた。

「は・・・はい・・・」

「でも・・・あなたかが・・・」

東城はびっくりしながらも淳平のことを気にする。

「俺?」

淳平は笑顔で

「俺なら大丈夫! 今日、暖かいし、すぐ乾くよ!!」

そう言って、ハンカチで濡れた所をふき取っていた。

「じゃあ、これからは気をつけろよ?? じゃあね!」

そう言って、ポカンとしている東城の頭を軽く叩いて階段を降りていった。

今のやり取りを見ていた人は、みんな東城と同じ状態だ。

一部では

「すごい!! 顔はかっこよくは無いけどああいう人って良いよね〜」

と言う言葉も聞こえてくる。

つかさももちろんの事今のやり取りを見ていた。

(淳平くん・・・やっぱり君は他の男とは違うんだね・・・)

さらに、淳平に対する想いが深まるつかさだった。


[No.537] 2007/10/06(Sat) 01:41:42

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