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約束 第7話「説得」 (No.543 への返信) - あーまん

第7話「説得」





「うま!!!」

辺りに歓喜の声が響く。

つかさの料理を食べた淳平が思わず発する言葉だった。

「マジ美味い!! レストランみたいだな!!」

つかさの料理にがっつく淳平。

そんな淳平をつかさは微笑ましく見ている。

「そ・・・そんなこと無いって〜」

あまりに淳平が誉めるので逆に恥ずかしくなってくる。

「いや、才能あるよ!」

「なんか・・・ごめんな・・不味い俺の料理食べさせちゃって・・・」

淳平はそう思わずにはいられなかった。

こんなにつかさが料理が美味いとは思わなかった。

それだけに自分が半ば無理強いをして自分の料理を食べさせたのが恥ずかしくなってきた。

「そんなことない! 淳平くんの料理、美味しかったよ!!」

「何より・・・嬉しかった!!」

思わず言ってしまうつかさ。

「嬉しかった??」

その言葉に淳平は敏感に反応する。

途端、つかさは顔が赤くなる。

(つい思ったことを・・・)

「な・・・何でも無いよ・・・」

あわてて否定する。

淳平は少し腑に落ちない顔をしていた。

「そ・・・そういえばさ・・・」

「今日、泉坂高校に居たよね??」

とにかく話題を逸らし、聞きたかったことを聞いた。

「あぁ、行ったよ!」

「見学しに行ったんだ〜」

そう言いながら、バックから資料を出して少し読む。

「やっぱり〜 放課後淳平くん見かけたからさ〜」

「それに・・・すごいかっこよかったね!」

「え?」

資料から目を外しつかさの方を見る。

「だって・・・水・・かけられてたとき・・ 笑って許してた・・・」

つかさは、頭の中でその光景を思い出していた。

「あぁ・・・あれね〜」

「だって、あそこで怒ったってしょうがないし、転ぶのはしょうがないことじゃん?」

「それに、女の子のほうが濡れなくて良かったよ。 ハハハ・・・」

淳平は笑っていた。

「淳平くんって優しいね。」

トロンとした目で淳平の顔を見つめるつかさ。

淳平は少し慌てながら

「そ・・そんなことねぇよ! あたりまえじゃん!!」

と、言って否定する。

「でも、その子別の男子にも水かけちゃったみたいで、そのかけられた男子は、すっごい責めてた。」

「ブスにかけられちゃどうしようもねぇよなぁ〜とか・・・」

「美人にならかけられても笑って許すとか・・・」

「へ〜、そういうこと言う奴も居るんだ・・・」

淳平は少し驚いているようだ。

「そういう人ばっかだよ・・・」

少しつかさは暗くなる。

「でも、淳平くんは違うよね・・・」

「まぁ・・・確かに普通の人とは違うってよく言われるからなぁ・・・」

淳平は再び苦笑する。

「あたしは・・・そういう人、素敵だなぁ〜って思うけど?」

上目遣いで淳平の顔を見る。

途端淳平の顔は赤くなる。

(ちょ・・・そんな顔で・・)

淳平は目のやり場に困ってしまった。

(さりげなくアピールしてるのに気づいてるかなぁ・・・)

つかさはそう思いながらも次の淳平の反応を待った。

「と・・・ところでさぁ〜」


ガク!!


つかさは少し落胆する。

(やっぱり気づいてない・・・か・・・)

「泉坂高校ってレベル高いんだなぁ・・・・」

「俺・・・泉坂高校受けないかも・・・」

「え!?」

つかさは思わず驚いてしまう。

「な・・・なんで!?」

淳平と同じ高校に成りたい!

それだけを思っていた。

しかし淳平からは期待していた答えと違っていた。

「俺の頭じゃ・・・入れるか入れないかギリギリなんだよね・・・」

「だから・・・芯愛高校にしようかなと・・・」

淳平は申し訳なさそうに話す。

「そ・・・そんなのやってみないと分からないじゃん!!」

つかさは反論する。

「個人的には泉坂のほうが良かったよ。 でもさ・・・」

「西野と同じ高校に成れないのは少し残念だけど・・・」

「頭の方がさ・・・」

淳平が言い終わると、少しの間沈黙が流れた。




「じゃあ、あたしが勉強教えてあげる!!」

「へ!?」

突然の申し出に驚く淳平。

「確か・・・次の日曜日が試験だったよね?」

「だから、あたしが泊り込みで勉強教えてあげる!!」

「は!?」

さらに驚く淳平。

「で・・・でも・・・それはマズイんじゃ・・・」

「大丈夫だよ! きっとお母さんも分かってくれると思うし・・・ それにこう見えてあたし頭良いんだよ?」

つかさは目を輝かせながら淳平を説得していた。

「だ・・だからって・・・」

あまりのつかさの迫力にビビる淳平・・・・

「あたしだって、淳平くんと同じ高校が良いもん!!」

「だからさ、芯愛高校に行くなんて言わないで、泉坂高校を頑張ってみようよ!!」

(どうして・・・俺のためにここまでしてくれるんだろう・・・)

淳平はビビりながらも考えていた。

(俺だって・・・出来るならば、せっかく西野と友達になれたんだし・・)

「じゃあ・・・頑張ってみようかな・・・」

力なく答える淳平。

「本当に!?」

対照的に喜ぶつかさ。

「でも・・・さすがに泊り込みっていうのは・・・無理なんじゃない?」

「大丈夫大丈夫♪」

「じゃあ、一回帰って荷物とか取ってくるね〜」

そう言って笑顔で淳平の部屋から出て行った。

「ほんと、マイペースだなぁ・・・・」

淳平は苦笑する。

「でも・・・なんかこういうの心地良いや・・・」

そう思いながら、待つこと30分。





「ただいまぁ〜」

つかさが帰ってきた。

「どうだった??」

淳平が尋ねると、つかさは満面の笑みでピースしながら

「OKだよ!」

と、言った。

「それじゃあ・・・よろしくお願いします!」

淳平が頭を下げると

「まっかせなさぁ〜い。」

敬礼をしながら、輝いているつかさの顔があった。


[No.544] 2007/10/09(Tue) 16:34:45

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