渦 - ニア - 2006/01/24(Tue) 22:40:56 [No.51] |
渦〜夢の中・・・。〜 - ニア - 2006/01/29(Sun) 14:26:45 [No.53] |
渦〜夢の続き〜 - ニア - 2006/01/29(Sun) 16:29:19 [No.54] |
渦【最終回】〜膨らむ恋心〜 - ニア - 2006/01/29(Sun) 19:27:07 [No.55] |
やがて、俺は大学入試に晴れて受かり、一浪ながら近所の泉坂大に合格した。一方、同僚の久保は、 「はぁ〜。」 どうやら、また落ちたようである。 「今度こそ楽しいキャンパスライフを送れると思ったのにぃ〜!くっそー淳平、俺が替わりに行く!」 「いいや。♪」 しかし、俺のキャンパスライフはあっけなく終わりかけた。それは今年の夏のことだった。 外村、小宮山、なぜか天地、東城、唯、そして俺で海へ出かけたときだった。その夜だった。 「綾さん、ちょっとよろしいですか。」 「どうしたの?天地くん。」 二人に流れる空気は妙にスローモーションで流れてゆく。これって・・・。 案の定、 「綾さん、付き合ってください!」 「え・・・。」 突然のことで東城もびっくりしたらしいが、東城はやさしく、 「はい・・・。」 と、承った。どうやら、東城はいつもの天然ボケで、 「買い物に付き合ってくれって行っているのかと思った」 と、話していた。正直、あせったのはこっちのほうである。そのころから、俺は東城に恋心を激しく抱かせていたのかもしれない。東城と一緒にいると、もう離れたくないと言う心が強くなっていく。まるで、渦が肥大化をしていくように・・・。俺は東城をいつまでも守りきれるのだろうか・・・。そんな思いで大学4年間を過ごしてきた。そして、その日が来た。 「俺、いつも思うんだ。」 「何を?」 「東城がこの世からいなくなってしまったら、どうしようって。」 「え・・・。」 「俺は、東城が好きだから。結婚をして欲しいんだ!」 東城は困惑した顔で俺を見つめていた。俺は声を荒げた。 「俺と一緒に来い。いいな?」 その時俺は、有無を言わせぬ強い口調で彼女にそう言った。たとえ彼女がそれを拒んだとしても。案の定、東城は首を横にふった。 「結婚を無理やり約束をされた人がいるの。」 涙目になりながら東城は言う。 「俺が東城の運命を変えてやる。俺は絶対君を1人にしない。君が死ぬまでずっと一緒にいてやる。だから、俺を信じてついて来い」 ・・・さっきから、妙な殺気を感じる。 「来た・・・!」 東城は顔を蒼白にする。ようやく俺は彼女の自殺の真相を突き止めた。約束されて人がどうしようもない奴だから、東城は拒んだ。だが、東城を脅迫して、東城をその人と無理やり結婚を申しこまさせられた東城。東城はそれなら死んだほうがマシと死のうとした。 「伏せろ!」 俺が言う。東城を探している黒服のマフィアみたいな奴らが2,3人。 「じゃあ、こうしよう。お前はあのマフィアみたいな奴らに囲まれて死ぬまでいたいか?それとも俺と一緒にいたいか?どっちだ?」 「わかった。」 そう返事をしたのが、10秒置いた後だった。漆黒の闇が俺たちを味方した。俺の車までは楽に到達できた。俺は車に乗り込むと、東城に身を隠せと言い、車を走らせた。そして、朝が近づいてきた。 「おきろよ。朝だぜ。」 「うーん・・・。」 東城は伸びをしておきた。 「あ、朝日が綺麗だね!」 東城が俺の前で久しぶりに笑顔を見せてくれた。それはとても子供っぽくて、人懐っこい笑顔だった。 その後、俺の家で同棲することになった。そして、数年後結婚をすることとなる相手だった。あの日、リストカットをした東城に会わなければ、どうなっていたのかわからない。今は、いつもと変わらない日々を楽しめる余裕まで出てきた。 「真中くん、行ってらっしゃい!」 「うん!行ってきます!」 毎日が楽しい。 肥大化した渦は、俺の幸せを呼び込んできた。 そして二人の愛は、永遠に・・・。 [No.55] 2006/01/29(Sun) 19:27:07 |