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all 二つの心 - あーまん  - 2007/08/22(Wed) 02:52:26 [No.442]
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二つの心 第五話「三人の想いと一人の決意」 - あーまん  - 2007/08/24(Fri) 22:07:56 [No.474]
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二つの心 第七話「親友への報告」 - あーまん  - 2007/08/29(Wed) 01:40:05 [No.494]
二つの心 第八話「諦められぬ思い― そして行動へ」 - あーまん  - 2007/08/30(Thu) 00:55:42 [No.496]
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二つの心 第十五話「すれ違う記憶」 - あーまん - 2007/09/28(Fri) 02:52:20 [No.526]
二つの心 第十六話「記憶の書換え」 - あーまん - 2007/10/01(Mon) 10:57:45 [No.530]
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二つの心 第十八話「大草の作戦」 - あーまん - 2007/10/17(Wed) 23:50:17 [No.551]
二つの心 第十九話「苦悩」 - あーまん - 2007/12/05(Wed) 03:01:13 [No.684]


二つの心 第十八話「大草の作戦」 (No.542 への返信) - あーまん

第十八話「大草の作戦」




病院の屋上。

空は夕暮れに染まっている。

そこの隅にうずくまって一人泣いている美少女。

西野つかさ。

「ヒック・・・グスン・・・」

「そんなぁ・・・ こんなのって・・・」

「・・・ヒドイよぉ・・・・」

「淳平くん・・・ヒック」

その目からは大量の涙が流れている。

とてもじゃないがいつもの元気いっぱいのつかさの影は見えなかった。

淳平とむやみに会うことさえも出来ない。

何度もすれ違いの中でようやく結ばれた二人。

それだけに、つかさの思いはとても深かった。

深い絶望がつかさの心を蝕む。

「なんで・・・なんで・・・」

言葉にすら出来ない悔しい想い。

つかさは、これからどうすればいいのか分からなかった。



そんな時・・・・




「西野!!」


つかさを呼ぶ声がした。

(淳平くん!?)

思わず振り返る。

つかさは、どんな声でも淳平に思ってしまっていた。

しかし、つかさはまた落胆する。

「西野!! 大丈夫か??」

「大草くん・・・・」

大草だった。

つかさを探しに来たのだ。

そしてつかさはさらに泣き続ける。

「ヒック・・・・ヒック・・・」

そんなつかさを見て大草はつかさの側に寄り添って肩を掴む。

「西野・・・今は思いっきり泣きな・・・」

「俺が・・・しっかり受け止めるから・・・」

「だから・・・今は泣いていいよ?」

大草の優しい言葉。

その言葉がつかさの涙腺をさらに広げた。

「大草くん・・・・!!」

思わずつかさは、大草の胸に顔を埋めた。

今のつかさには大草の優しさがありがたかった。

「大丈夫・・・大丈夫・・・」

そう言いながらつかさの頭を撫でる大草。

しかし、顔は少し笑みを浮かべていた。 

もちろん、つかさは見えていない。

(とりあえず・・・・ここまでは成功だな・・・)

大草の作戦。

とりあえず、今はつかさに優しくするのに徹していた。

そして、徐々につかさに心を開かせるのである。

「俺が・・着いていてやるからな・・・」



しかし、次のつかさの言葉が大草を不快にさせた。

「淳平くん・・・・淳平くん・・・」

つかさは、大草の胸に顔を埋めながらもただ、淳平の名前を連呼していた。

(クソ・・・・ そう簡単にはいかないか・・・)

そう思いながら、大草はつかさの頭を撫でていた。







しばらく経った後・・・・

「あたし・・・どうしたらいいんだろう・・・」

つかさと大草は並んで座っていた。

「淳平くん・・・思い出してくれるのかな・・・」

呆然と独り言のように言うつかさ。

「それは・・・分からない・・・」

「でも・・・西野が辛い思いをするんだったら、忘れたほうがいいんじゃないか?」

「!?」

ストレートに言う大草。

それに対し、びっくりしてしまうつかさ。

「な・・・何で・・・」

思わず言葉が出る。

「俺だって、真中と西野にはうまくいって欲しかった!!」

「でも、・・・真中も辛い思いするんだろ??」

「もちろん・・・これは、最悪の場合だけど・・・」

それを言い終わるとしばらく沈黙が流れた・・・・





「でも・・・・淳平くんと別れるなんて嫌だよ!!」

突然つかさが立って大声で言った。

「あたしは・・・信じるよ・・・淳平くんの記憶が戻ることを・・・」

言葉では前向きである。

しかし、表情は依然暗いままだった。

大草はそんなつかさを厳しい視線で見ている。

「そろそろ戻らなきゃね・・・ ありがとう大草くん・・・」

そう言うとつかさは階段の方へ向かっていった。

大草はその場に立つと、少しため息をつき

「まだまだだな・・・・」

「でも・・・・いつまでその意志も持つかな・・・・」

そうニヤリと笑い、ゆっくり歩きながら階段のほうへ向かっていった・・・


[No.551] 2007/10/17(Wed) 23:50:17

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