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all CLOTH EPISODE 第零部 概要 - シン - 2007/08/22(Wed) 16:03:09 [No.452]
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CLOTH EPISODE 第零部 第3話 - シン - 2007/10/18(Thu) 23:45:45 [No.560]
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CLOTH EPISODE 第零部 第3話 (No.503 への返信) - シン

第3話「目覚ましは冷たい雫?」






健治はゆっくりと状況を飲み込もうとしていた。

目の前には、幼馴染の少女がいる。
どうやら、顔にかかった雫はその少女の涙だったらしい。

そして、周りでは看護婦たちが慌しく駆け巡っている。
恐らく自分が目を覚ましたのが理由だろう。

健治は何かを言いたかった。
だが、言葉は口から出なかった。
人工呼吸器が邪魔なのだ。

「健治くん…う、うわああああん……」

そんな声が耳に入った。
目の前にいる少女の声だ。

「(俺は…生きているのか?)」

顔にかかる涙の雫、
それが、健治に『生』を実感させた。



次に健治が始めたことは、状況の確認だ。
記憶がかなりあやふやになっているが、事故に遭った事は何となく覚えている。

「(ってことは…ここは病院で間違いない…)」
「(まあ、真矢も死んでいるってのなら話は別だろうけど……)」
「(それにしても、俺……どんな怪我したんだよ?)」

動こうにも全身に全く力が入らない。
痛みは感じないが、相当酷い怪我をしている事は容易に想像できる。

「(っと、俺の頭も大丈夫…だよな?)」

体が満足に動かない事が分かった健治は、何となく自分の記憶を探り始めた。

「(え〜っと、俺の目の前にいるのが東堂真矢……で間違い無いな)」

セミロングの艶やかな黒髪が特徴的なこの少女の名は東堂真矢。健治の幼馴染である。
その顔は、黒曜石を思わせる大きく濡れたような瞳が印象的で、顔立ち自体もとても整っている。
また、その身体もこの年にしては発育がよい。
それだけに、学校中でもかなりの人気がある。
とは言っても、彼女自身の控えめで内気な性格ゆえに、この状況にはあまり慣れていないというのが現状である。

「(…大丈夫だ、俺の頭も大丈夫だな)」

健治は真矢について思い浮かべながら、頭に障害が無い事を簡単に確認する。



それから数分の後、主治医であると思われる医師が病室に現れた。
丸い縁取りの眼鏡をかけた中年の医師である。

「あ〜中間健治くんだったね。聞こえるかな?」

健治はとりあえず無理が無い程度に体を動かし、聞こえていることを知らせる。
もっとも、身体が殆ど動いていないわけだが。

「ふむ、大丈夫なようだな」
「では…君に何が起こったのか……話すけどいいかね?」

健治は静かに、彼の言葉を受け入れる旨を伝える。
もっとも、やっぱり体が殆ど動かないので、伝えるのに一苦労な訳だが。





そして、健治は全てを知った。

家族が彼を残して全滅だと言う事、
1週間もの間、昏睡状態に陥っていたと言う事、
元のように体が動く保障はできないと言う事、

それらは、健治の心に暗い影を落とすには十分すぎた。






続く


[No.560] 2007/10/18(Thu) 23:45:45

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