CLOTH EPISODE 第零部 概要 - シン - 2007/08/22(Wed) 16:03:09 [No.452] |
CLOTH EPISODE 第零部 プロローグ - シン - 2007/08/22(Wed) 16:24:02 [No.454] |
CLOTH EPISODE 第零部 第1話 - シン - 2007/08/22(Wed) 17:09:12 [No.455] |
CLOTH EPISODE 第零部 第2話 - シン - 2007/09/04(Tue) 22:27:33 [No.503] |
CLOTH EPISODE 第零部 第3話 - シン - 2007/10/18(Thu) 23:45:45 [No.560] |
CLOTH EPISODE 第零部 第4話 - シン - 2007/11/28(Wed) 22:25:31 [No.652] |
CLOTH EPISODE 第零部 第5話(中断中) - シン - 2007/12/02(Sun) 22:44:51 [No.671] |
第3話「目覚ましは冷たい雫?」 健治はゆっくりと状況を飲み込もうとしていた。 目の前には、幼馴染の少女がいる。 どうやら、顔にかかった雫はその少女の涙だったらしい。 そして、周りでは看護婦たちが慌しく駆け巡っている。 恐らく自分が目を覚ましたのが理由だろう。 健治は何かを言いたかった。 だが、言葉は口から出なかった。 人工呼吸器が邪魔なのだ。 「健治くん…う、うわああああん……」 そんな声が耳に入った。 目の前にいる少女の声だ。 「(俺は…生きているのか?)」 顔にかかる涙の雫、 それが、健治に『生』を実感させた。 次に健治が始めたことは、状況の確認だ。 記憶がかなりあやふやになっているが、事故に遭った事は何となく覚えている。 「(ってことは…ここは病院で間違いない…)」 「(まあ、真矢も死んでいるってのなら話は別だろうけど……)」 「(それにしても、俺……どんな怪我したんだよ?)」 動こうにも全身に全く力が入らない。 痛みは感じないが、相当酷い怪我をしている事は容易に想像できる。 「(っと、俺の頭も大丈夫…だよな?)」 体が満足に動かない事が分かった健治は、何となく自分の記憶を探り始めた。 「(え〜っと、俺の目の前にいるのが東堂真矢……で間違い無いな)」 セミロングの艶やかな黒髪が特徴的なこの少女の名は東堂真矢。健治の幼馴染である。 その顔は、黒曜石を思わせる大きく濡れたような瞳が印象的で、顔立ち自体もとても整っている。 また、その身体もこの年にしては発育がよい。 それだけに、学校中でもかなりの人気がある。 とは言っても、彼女自身の控えめで内気な性格ゆえに、この状況にはあまり慣れていないというのが現状である。 「(…大丈夫だ、俺の頭も大丈夫だな)」 健治は真矢について思い浮かべながら、頭に障害が無い事を簡単に確認する。 それから数分の後、主治医であると思われる医師が病室に現れた。 丸い縁取りの眼鏡をかけた中年の医師である。 「あ〜中間健治くんだったね。聞こえるかな?」 健治はとりあえず無理が無い程度に体を動かし、聞こえていることを知らせる。 もっとも、身体が殆ど動いていないわけだが。 「ふむ、大丈夫なようだな」 「では…君に何が起こったのか……話すけどいいかね?」 健治は静かに、彼の言葉を受け入れる旨を伝える。 もっとも、やっぱり体が殆ど動かないので、伝えるのに一苦労な訳だが。 そして、健治は全てを知った。 家族が彼を残して全滅だと言う事、 1週間もの間、昏睡状態に陥っていたと言う事、 元のように体が動く保障はできないと言う事、 それらは、健治の心に暗い影を落とすには十分すぎた。 続く [No.560] 2007/10/18(Thu) 23:45:45 |