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約束 第10話「淳平の気持ち」 (No.621 への返信) - あーまん

第10話「淳平の気持ち」




「大草君!?」

つかさは自分の名前を呼ばれたので、声がする方へ顔を向ける。

そこにはどこか悲しげな表情をした大草がいた。

しかし、大草の目線は一直線につかさの方へ向けられている。

(なんで、大草君がこんなところに・・・)

つかさは驚く。

そして、部屋に入りかけた淳平も戻ってきた。

「あれ?」

「あの人・・・」

思わず言葉を出すと、淳平は少し笑い。

「おーい、君!!せっかくだから家に上がったら??」

と、大声で大草に声をかけた。

「ちょ!!淳平くん!!!」

つかさは、淳平との二人だけの時間を邪魔されたくなった。

つかさにとって、今の淳平との時間はとても至福のときなのである。

一秒でも長く淳平と一緒に居たかった。

しかし、淳平はそんなつかさの気持ちは分からないのか、

「まー、いいじゃん!! だって、西野の好きな人だろ??」

「んじゃ、俺ちょっと買い物してくるから、あの人と家で話しててよ!!」

「じゃ、頑張れよ!」

淳平はそれだけ言うと階段を降りていった。

「淳平くん!!!」

つかさは、必死で淳平を呼ぶが淳平は振り返らなかった。

「違うって言ったのに・・・」

「淳平くんのバカ・・・鈍感・・・」

元気が無いように呟く。

そうしていると、大草が階段を上がってきた。

「西野・・・・」

「とりあえず・・・入ろ?」

そう言うと、二人は淳平の家へ入っていった。





淳平は歩きながら考えていた。

さっきは、買い物があると言ったものの別にこれと言って欲しい物がある訳では無かった。

空は夕暮れの時間。

あてもなくぶらぶら歩く。

そして、目に付いた店に入っては、適当な品物を見て回る。

つかさと行ったデパートにも行ってみる。

そこには、以前行った時と同じようにいろいろな品物があった。

そして、しばらく店内をうろつく。





「あ!!」





思わず声が出た。

「いちごのペンダント・・・」

淳平がつかさにプレゼントした物がまだ売られていた。

それを見ると、淳平はつい考えてしまう。





(西野・・・)




実は淳平は、つかさの事が気になっていた。

しかし、淳平は必死でその思いを消そうとしていた。



(俺が好きになっちゃいけないんだ・・・・)



(俺には好きになる資格なんてないんだ・・・・)



ペンダントを手に取りながら一人考える。



(あんなに可愛くていい子は、俺なんかじゃダメなんだ・・・)



(俺には親も居ない・・・親戚も少ない・・・一人なんだ・・・)



(こんな俺に何が出来る?)



(俺なんかじゃ例え西野と付き合えたって、迷惑かけるだけだ・・・)



(それに西野はあの、大草って奴が好きなんだろ??)



(絶対そっちの方が幸せになれる。)



そう思いながら自分の気持ちを押し殺す。



(そろそろ戻ってもいいかな・・・)



そう思い、ペンダントをしまい、出口に向かった。

階段を降り、デパートから外に出る。

空はすでに暗くなっていた。



(ははは・・・まるで俺じゃねーか・・・)



淳平は空を見ながら、悲しげに笑った。

そして、帰り道をゆっくりとした足取りで歩いた。



(俺には、西野を好きなってはダメなんだよな?)



(父さん・・・母さん・・・・


・・・・唯・・・)


[No.641] 2007/11/25(Sun) 21:29:32

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