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見えない明日・見える未来〜第4話〜 (No.68 への返信) - シン

第4話「泉坂珍道中 (中編〜駄菓子屋『中屋』〜)」


テアトル泉坂を後にした一行はいろいろな所をまわっていた。

(道中、天地やこずえにどういうわけかでくわし、

修平と一馬を紹介するたびに「これが中三!?」と驚いた。)

「次はどこへ?」

修平が淳平に尋ねた。

「次か…」

「あ、ちょっと寄りたい所があるんだけど」

いきなり綾が言い出した。

「え?どこに?」

「ちょっとした駄菓子屋なんだけど…いいかな?」

「駄菓子屋?」

心当たりのない淳平は首をかしげた。

「駄菓子屋って…あっ!」

「ん?北大路、どうした?」

外村が尋ねる。

「東城さん、それって…」

「え?ひょっとしてあそこ?」

つかさと唯にも心当たりがあるらしい。

「???」

ますます訳の分からなくなる淳平。

「駄菓子屋…まさか…」

裕紀の顔色が変わった。

「どうしたんですか?先生」

顔色が変わった裕紀に美鈴が尋ねた。

「い、いや。なんでもない!」

慌てて、『何か』を否定する裕紀。

「じゃあとにかく行こうよ」

綾、つかさ、さつき、唯の4人が先導する。

「「「???」」」

わけも分からずついて行くしかできない

淳平、修平、一馬の3人であった。

(正確には小宮山と外村兄妹もだが)





しばらく歩くと1軒の駄菓子屋に着いた。

「なんだここ?『中屋』?」

「こんな所に駄菓子屋があったなんてな〜」

驚く淳平。

「やっぱりここかよ…」

対してうなだれる裕紀。

「「??」」

裕紀の行動が理解できない外村兄妹。

「とにかく入りましょ」

綾がうながした。


中屋に入ると若い店員が3人いた。

「いらっしゃい…って、久しぶりだな東城。…で、なんで

裕紀までいるんだ…」

まずこの3人のリーダー格(?)と思われる男が入ってきた綾に

声をかけた。

「(東城の知り合い?)」

「おいおい、今日は西野に北大路そして南戸までいるじゃん」

続いてどこか野球選手を思わせる体格の男が話しかけた。

「(???この人達との関係って…?)」

余計わけが分からなくなる淳平。

「で、何の用だ?」

そして、3人目の眼鏡をかけどこか無愛想な感じのする男が

言った。

「(この人達って一体…?)」


それから…

「そうか、映研メンバー総出で2人を案内してたのか」

「そういうことだ」

「おっと、言い忘れてた。俺は中間健治ここの店主だ」

「で、俺は松井英雄。健治や裕紀のガキの頃からのダチだ」

「一ノ瀬広樹だ」

3人が自己紹介した。

「ところで、東城達とはどんな関係が?」

淳平が気になっていたことを尋ねた。

「ま、お得意様ってところか?」

健治が答えた。

「ちなみにあたしは東城さんにこの店を教えてもらったのよ」

「えっ!?さつきちゃんも!?」

唯が驚く。

「あたしは唯ちゃんに教えてもらったから

最初に知ってたのは東城さんになるね」

「うん。そういうことになるね」

つかさの問いに答えた。

「そういえば、一つ訊きたいですけど…少なくとも松井さんは

泉坂出身ですよね?」

外村が英雄に尋ねた。

「おっ、よく知ってるな〜。確かに俺も健治達も泉坂出身さ」

「やっぱりか〜。何かで聞いたことがあるからな」

「そりゃそうさ。俺は10年前の高校野球で優勝した時の

一年生エースだったからな」

「「「「「「「「「「え!?」」」」」」」」」」

「もっとも、あの時に肩をやったから掛け持ちだった映研に

専念したけどな」

「映研って…松井さんもそうだったんですか?」

淳平が尋ねる。

「ああ、裕紀も含めてここにいるのはみんな元映研さ」

「そ、そうなんですか!?」

「ってことは、俺たちの大先輩かよ!」

小宮山も驚く。

「もっとも、あの時のメンバーの一人は…

「広樹、健治にとってそれは禁句だろ」

裕紀が制止する。

「…ああ、そうだな」

「(一体何があったんだろう…それに、中間さんの目からは

なんだか悲しい雰囲気が出てる…)」

淳平は健治の『悲しいオーラ』を感じ取っていた。


「それにしても、ここって品揃えがすごいな〜」

単純に驚いている一馬。

「確かに…そう見つからない物もありますよ…」

やはり驚く美鈴。

「ま、いろいろなルートで手に入れた物もあるな」

健治が答えた。

「ルート…?」

健治の言葉で裏があると直感した修平であった。

…もっとも、あるといえばあるのだが…

「(…バレてないよね…?)」

実は彼らの『裏』を知る綾は冷や汗を流していた。





「では、おじゃましました〜」

「いつでも来てくれよ〜」

そして、一行は中屋を後にした。


「…あいつが真中か…」

「…どうした?」

健治のつぶやきに広樹が反応した。

「確かに、裕紀の言う通りだ…あいつの目は昔の俺に似ている…」

「…そうだな」

「今なら…東城の気持ちも…真矢の気持ちも分かる気がする…」

「…そうか、だが…いつまでも真矢のことを引きずるのは

やめろよ…」

「………ところで…あの火野って言ったっけ?あいつも

俺に似ているな…」

「ああ…あの2人…真中と火野…

あいつらはなかなか面白そうだ…」

「角倉もそうだったしな…どうやら、俺たちの意志は受け継がれて

いるみたいだな…」

「おーい、健治、広樹、もどってこーい!」

英雄が呼んでいる。

「ああ、すぐ戻る。」


「(…真矢…あの頃の志は受け継がれているぜ…)」

健治は胸のペンダントにいる少女に語りかけていた…

その少女の顔は…まさに綾そのものだった…



こうして、1997年の1月14日に

人生の一つの節目を迎えた修平、綾、健治の3人が

泉坂の地に集まった…


[No.69] 2006/05/22(Mon) 01:14:59

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