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No.711へ返信

all 赤い糸 はじめに - バーツ - 2007/12/04(Tue) 21:20:59 [No.681]
赤い糸 序章 - バーツ - 2007/12/04(Tue) 21:24:18 [No.682]
赤い糸 第1章 - バーツ - 2007/12/05(Wed) 21:16:05 [No.687]
赤い糸 第2章 - バーツ - 2007/12/15(Sat) 22:05:05 [No.711]
赤い糸 第3章 - バーツ - 2007/12/16(Sun) 19:07:33 [No.713]
赤い糸 第4章 - バーツ - 2007/12/17(Mon) 20:47:20 [No.714]
赤い糸 第5章 - バーツ - 2007/12/19(Wed) 20:51:34 [No.716]


赤い糸 第2章 (No.687 への返信) - バーツ

「スゲェ!!やっぱプロってスゲェよ!!」

小宮山は叫んでいる。

「さっきから何回同じこと言ってんだよ・・・」

サッカー観戦を終えた淳平たちは街の中を歩いていた。

「でも、結構興奮するもんだな」

淳平は言う。

「だろ!?やっぱ生で見るっていいもんだよな〜!!」

大草も淳平の言葉に便乗した。

少し歩くと、小宮山が急に額に手を当てて遠くを眺めるようにして言った。

「・・・あれ?あそこにいるの西野つかさちゃんじゃない?」

淳平は聞き慣れない名前を耳にしたので、

「西野・・・つかさ?」

と大草に尋ねてみた。

すると大草は淳平のことが信じられないといった表情で聞き返してきた。

「真中・・・お前マジで言ってんの?」

「え?・・・うん」

(俺なんか変なこと聞いたかなぁ?)

そんなに女の子を知らない、いや、知ろうとしない淳平にとって、名前と顔が一致する女の子はいないに等しかった。

「つかさちゃんは俺たち泉坂中学のアイドルだろ〜!?お前いつもどこ見てんだよ!?」

急に小宮山が興奮して大声を上げ淳平に向かって叫んできた。

「前だよ前!!ってか別に俺そういうの興味ないし・・・」

淳平は呆れながら言った。

「まぁ・・・真中らしいというかなんというか・・・」

大草もそう言って苦笑している。

しかし、小宮山はそれを許さなかった。

「ダメだ!!つかさちゃんに興味を持たない奴はこうしてやる〜!!」

そう言って小宮山は淳平の首もとを掴み、ブンブンと大きく揺さぶっている。

「やめろ!!死ぬ〜〜!!!」

大草は2人のことを見てバカバカしいと思ったが、このままじゃ淳平がヤバいと止めに入った。

「そこら辺にしとけって!マジで真中が死んじまうよ!!」

大草が大声を上げたせいで、

「・・・ん?あっ、大草くんじゃ〜ん!!」

と、この騒動につかさと一緒にいたトモコは気づいたらしく、こちらに向かって歩いてきた。

「やっ・・・やあ」

大草は今の状況であまり関わりたくなかったのか、素っ気ない返事をした。

「こんな所でどうしたの?大きな声が聞こえたけど・・・」

「おっ・・・大きな声?聞こえたかな〜アハハ・・・」

これ以上事を大げさにしたくないため、笑ってごまかす大草。

一方、騒動の原因となった二人はというと・・・

(つかさちゃん・・・)

小宮山はもう目がハートだ。

そして淳平は・・・

(なんだ・・・こいつ・・・。こんな可愛い子が同じ学校・・・?)

固まっていた。

無論、つかさの可愛さに魅了されていたからだ。

(なんか・・・私見られてる・・・?)

そんな2人をつかさは不思議がって見ていた。

「あっ、そうだ!つかさ?」

トモコは何か思いついたらしく、つかさに話かけた。

「なに?」

「さっきの話だけど、大草くんなんてどう?」

トモコは顔をニヤニヤさせながら聞いてきた。

さっきの話。

それはつかさの彼氏がどうとかという話だ。

(またその話〜?相変わらずしつこいな〜トモコは)

そんなことを思いながらつかさは大草のことを見た。

(大草くんね〜。顔はかっこいいけど、なんかなぁ・・・)

そしてつかさは言った。

「・・・パス」

自信のあったトモコは、つかさの予想外の答えに少し怒りさえ覚えた。

「なっ!?ちょっとアンタねぇ・・・いい加減にしなさいよ!?」

トモコは腰に手を当てつかさに詰め寄ってくる。

「別に人の勝手でしょ〜?それより大草くんが困ってるぞ?」

トモコが大草のほうに振り向くと、大草はただただ2人の会話をキョトンとした表情で聞いていた。

「あっ、ごめん!今の気にしないでね〜?」

何故トモコに謝られたのか意味がわからなかった大草であったが、

「えっ?あっ、あぁ・・・」

と、さも無理やり納得したかのように答えた。

だが、気にしないでと言われたものの、

(おいおい・・・何がパスなんだよ!?)

内心そう思っている大草であった。

そうこうしているうちに、5人は信号のところまでやってきた。

横断歩道を渡り終えようとしたとき、

チャリン・・・

何かが落ちた音がした。

振り返ると、つかさがしゃがみ込んでいる。

「つかさ、どしたの?」

「ペンダントが落ちちゃっ・・・あっ!あったあった!」

つかさが地面からペンダントを拾った、その時だった。

「つかさ!!危ない!!!」

トモコは叫んでいる。

「えっ?」

つかさが顔を上げると、車がつかさのほうへ突っ込んできた。

(危ない!!)

それを見た淳平は走り出していた。

「真中!?」

大草の声がしたが気にも止めなかった。

何故このような行動をとったのか淳平自身わからなかった。

ただ、淳平の中でただならぬ正義感に似たものがどこからか沸いてきたのは確かだった。

つかさを守りたかった。

車はつかさの目の前まできている。

つかさは恐怖で身動きがとれていない。

(間に合うか・・・?ってか間に合え!!)

キキーーッ!!!!

車のブレーキ音が辺りにこだました。

間一髪、つかさは淳平に体を押され引かれることなくすんだようだ。

が、辺りにドスっという鈍い音が周りに響く。

その瞬間、淳平の体は宙に舞い、そして地面に強く打ちつけられた。

「真中!!!」

大草が叫んだ。

「おい!!しっかりしろ!!!」

淳平のもとまで走って近寄っていき、必死に呼びかけている。

小宮山とトモコもやってきた。

その周りでは人がザワザワと集まってきている。

救急車!と叫んでいる人もいれば、今しがたの光景を見て唖然としている人もいる。

淳平は薄れゆく意識の中で最後に見たのは、声にならない声を上げているつかさだった。

(西野さん・・・助かったんだ・・・)

そう思った瞬間、淳平の意識はプツンと途絶え、完全に無くなった・・・

そして、淳平を取り囲む人の中に、一人場違いな格好をしている男性・・・

全身を黒の服で覆われ、頭には黒のシルクハットを被っている。

表情は周りの人とは違く、何か呆れていると言ったほうがあっているかもしれない。

「だ〜から気をつけろって言ったのに・・・」

そう呟くとその男は歩き去っていった。


[No.711] 2007/12/15(Sat) 22:05:05

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