赤い糸 はじめに - バーツ - 2007/12/04(Tue) 21:20:59 [No.681] |
赤い糸 序章 - バーツ - 2007/12/04(Tue) 21:24:18 [No.682] |
赤い糸 第1章 - バーツ - 2007/12/05(Wed) 21:16:05 [No.687] |
赤い糸 第2章 - バーツ - 2007/12/15(Sat) 22:05:05 [No.711] |
赤い糸 第3章 - バーツ - 2007/12/16(Sun) 19:07:33 [No.713] |
赤い糸 第4章 - バーツ - 2007/12/17(Mon) 20:47:20 [No.714] |
赤い糸 第5章 - バーツ - 2007/12/19(Wed) 20:51:34 [No.716] |
「・・・ん?あれっ?」 淳平は目を覚ました。 ぼんやりとする視界の中、一生懸命目を凝らす。 周りは暗く、まるで闇の中にいるようだ。 そして、何故か体が冷たい。 (ここは・・・?) ともかく今自分のいる場所を知らなければ。 そう思い、立ち上がろうとするが、 (・・・!?) 体に力が入らず、起き上がることができない。 (クソッ、どうなってんだよ!) 苛立ちを隠せない。 そのため握り拳を作ろうとしたが、それすらできない。 仕方なく、寝っ転がったまましばらく様子を見ることにした。 だんだんと意識がはっきりしていくにつれ、いろいろなことに気づいていく。 一番に気付いたこと。 確かにさっき車に引かれた。 引かれたはずなのに体中どこも痛くない。 (もしかして俺怪我してなかったり?) そう思えるほどだ。 そして次に気付いたこと。 (何もない・・・) 意識が途切れる前に必死に淳平の名前を呼んでいた大草、小宮山。ざわめいていた周りの人だかり。俺を引いたはずの車。高くそびえ立っていたビルの数々。 それがここにはない。 さらには、 (音が・・・ない?) 先ほどまではあった人の声。風が吹き木々が揺れる音。どこからともなく聞こえていた様々な音。 そのすべてが今は聞こえない。 そのままの状態で時間は刻々と過ぎていく。 何分経ったか知らないが、ここがどこなのか全くわからない。 唯一わかることとすれば、ここはさっきまでいた場所ではないということ。 (まさか・・・!?) そう考えた瞬間、とてつもなく嫌な予感が頭をよぎる。 考えたくなかった。 いや、考えないようにしていた。 そうしないと、心の中にあるわずかな希望を持った感情が、もろくも崩れ去りそうだったから。 誰もがいつかはそうなる。 それは人間として自然的なこと。 だか、こんなに早く自分に降りかかってくるなんて・・・ 周りの様子から判断すれば、恐らく・・・ (俺・・・死んだ・・・?) そんな思いに駆り立てられる。 そう思う自分が怖いとさえ思えた。 が、そんな思いもすぐに打ち消されることとなる。 「お前は死んじゃいねぇよ」 「はっ!?」 どこからともなく聞こえる男の声。 その声に驚き、淳平は声を上げてしまった。 だか、淳平が見ることのできる視界の範囲内では人の姿は見受けられない。 (なんだ、空耳か?) そう思った時だった。 「よっ!」 「わあっ!?」 目の前に突如現る、黒のシルクハットを被った男の顔。 またしても突然のことに驚き、大きく目を見開いて声を上げてしまった。 「そんな驚くことないだろ〜?」 そう言って男は笑っている。 さっぱり状況が飲み込めない。 (さっきまで誰もいなかったはずだろ!?なのに・・・なんで?) 「さっきまで誰もいなかったはずだろ!?なのに・・・なんで?・・・ってか?」 「なっ!?」 わけがわからなかった。 心の中で思ったことを男がそのまま喋っている。 こいつはホントに人間か? 必死に考えるものの、非現実的なことだらけで頭がパニックに陥りそうになる。 そのため、一番気になることを尋ねた。 「あの・・・あなたは一体?」 すると男は一言、こう言った。 「妖精だ」 [No.713] 2007/12/16(Sun) 19:07:33 |