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all 永遠にともに - バーツ - 2007/12/19(Wed) 20:55:18 [No.717]
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永遠にともに 第11話 - バーツ - 2008/02/06(Wed) 15:16:35 [No.785]
永遠にともに 第12話 - バーツ - 2008/02/14(Thu) 00:02:23 [No.805]
永遠にともに 第13話 - バーツ - 2008/02/17(Sun) 00:16:41 [No.819]
永遠にともに 第14話 - バーツ - 2008/02/19(Tue) 00:14:56 [No.826]
永遠にともに 第15話 - バーツ - 2008/02/21(Thu) 00:19:06 [No.834]


永遠にともに 第6話 (No.731 への返信) - バーツ

「ごめんね、淳平くん。今日一緒に帰れないんだ」

今朝、学校へ向かう途中につかさに言われた。

しかし、俺自身大して驚きはしなかった。

つかさの顔をチラッと見て、

「なんで?」

と、何も知らないという感じでわざと聞いてみる。

するとつかさは頬を赤らめて、

「もうっ、わかってるくせに」

と言い、俺の顔を上目遣いで見てきた。

つかさの言うとおり、理由はわかっている。ただ確認したかっただけ。

今日は2月14日。誰もが知る2月のあの行事。ある人は喜び、またある人は悲しみに似た感情に更ける日。

そう、バレンタインデーである。

「まぁ…期待して待ってるよ」

ちょっと恥ずかしくなり、つかさから視線をずらして言う。

すると、突然俺の目の前につかさが立った。

「絶対おいしいチョコレートケーキ渡すからね!」

つかさは意気込んだ様子で、グッと細い腕で力こぶを作り俺に向けてくる。

「ケーキなの?」

「チョコは一応入ってるんだから別にいいじゃん」

学校に着き自分達の教室へ入ろうとすると…

「小宮山…そんなことしても無駄だって」

「2月14日…お前にとっては違う意味で恒例行事になってんな」

隣のクラスから外村と大草の声が聞こえてきた。

「小宮山の奴なにやってんだ?」

「さぁ…?」

俺とつかさはちょっと気になり、後ろのドアから教室内を覗いてみた。

「机を掃除することの何が無駄だ!」

そう言いながら、小宮山は一生懸命自分の机の中をハンカチか何かで綺麗に拭いて掃除している。

「綾ちゃん、さつきちゃん、それに今年はつかさちゃんが転校してきたんだ」

「しかもみんな映研部。確実にチョコレート貰える確率大だろ!」

小宮山は何故か燃えている。

俺とつかさはその様子を教室の端でじーっと見ていた。

「…」

外村は呆れて何も言えない様子である。

大草はこちらに気付いていたのか、近づいてきて、

「今の光景は見なかったってことで…な?」

と苦笑いしながら言った。

「小宮山あんなこと言ってっけど…つかさ?」

「うーん…小宮山くん、ドンマイ」

小宮山に聞こえないように小声で話した。

それを知ってか知らずか、小宮山は叫びだした。

「ちくしょー!総理大臣になってバレンタインデーなんて廃止してやる!」

「小宮山にチョコあげたい子がいたらどーすんだよ!」

小宮山をなだめるべく外村が言う。

「つーかいるなら紹介しろ!」

「アホ…」

(悲しい奴だなぁ…小宮山…)

俺はそう思いながらも、つかさからチョコを貰えるだけで、なんとなく周りより一歩勝っているという優越感に浸っていた。

そして放課後…

「じゃあ…淳平くん!後で家行くからね!」

「うん、わかった」

つかさと一言言葉を交わし教室で別れた。

その後、俺は教室に残って友達と今日のことについて話をしていた。

「いいよなー真中は。どうせつかさちゃんからチョコ貰えるんだろ?」

友達の一人が話し出した。

「俺もつかさちゃんに貰いたいな〜」

「頼んだりしたら貰えんのかな…なぁ真中?」

周りもそれに便乗してくる。

「え、いや…無理だろ」

「なんで?」

「つかさもう帰っちゃったし…」

「なにぃ!?呼び戻せ!ほらっ、早く!」

「絶対無理だって!」

友達の威圧感にも似たものに負けてしまいドアの所までたじろぐと、いきなり右腕を掴まれた。

「ひゃっ!な…なんだぁ!?」

「一緒に逃げて!」

「へっ?」

声のする方を見ると、さつきがいた。

「さ…さつきぃ!?」

「誰だあいつ!?」

「さつきちゃんは俺たちみんなのものだぞ!」

後ろからは、さつきファンの運動部の連中が物凄い勢いで走ってきている。

「ヒィ〜ッ!」

(なんで俺まで巻き込まれなきゃいけないんだ!)

なんとか校舎の裏にまで出て逃げ切った。

「もっとちゃんと手懐けろよ…運動部のあの猛獣どもを」

息も絶え絶えにしながら少し怒り口調でさつきに言った。

「ごめん…たくさんチョコ用意したけど数足りなくって」

「だからって俺を…って、え?アイツらにチョコ用意したの?」

「あ…つっても1個100円のね!」

「みんなチョコに縁なさそーな奴ばっかだし、ここまで慕われちゃったら…ね」

これがさつきの彼らに対する優しさなのであろう。

「…そーゆーとこがみんなに好かれる理由なんだろうな」

「好きでアイツらに好かれてるわけじゃないわよ!」

「そーかぁ?俺から見れば…」

「てゆーか!」

さつきは俺の話を遮ってきた。

「アイツらは多分手を差し伸べてくれる女なら誰でもいいのよ」

「女に免疫ない分かまってもらえただけで好きになっちゃう!」

腕組みをしながら話すさつきの話に俺は妙に納得してしまった。

「30個も用意したのになぁー」

空っぽになった袋の中を見ながらさつきは言った。

「ま、3月14日が楽しみにはなったけどね」

さつきはさっきとは違いどこか満足気な感じである。

「じゃ、俺は家に帰るな」

「愛しの彼女の手作りケーキが待ち遠しいのかなぁ?」

さつきはニヤニヤと笑いながら意地悪く言ってきた。

「そ…そんなわけないだろっ!ってかなんでケーキだって知ってんだよ!」

「ん〜…女の勘ってやつ?」

「それより真中ぁー顔に出てるよ!このこのっ!」

「う…うるさいっ!じゃあな!」

そう言って一旦教室に戻ろうとすると、

「あ…ちょっと待って!」

さつきは何か思い出したかのように声を上げると、急に俺を呼び止めた。

「今度は何だよ?」

振り向くと、目の前に可愛らしい小さな箱があった。

「はいっ!真中チョコレート!」

「えっ?」

突然のことに驚く。

「言っとくけど!中身は義理だからね、義理!」

「本命はちゃんと彼女に貰いなさい!」

そう言い残すと、さつきは足早に帰っていった。

一人取り残された俺。

(貰えたのは嬉しいけど…俺も運動部の奴らと同じ扱いってことか…?)

嬉しいような悲しいような何とも言えない感じであった。

教室に戻りカバンを取って廊下に出ると、ちょうど隣のクラスから外村が出てきた。

「真中、今帰りか?」

「まぁなー」

そして外村と一緒に帰ることにした。

「つかさちゃんからはもう貰ったのか?」

「えっ、なんで?」

「それ…つかさちゃんからじゃないの?」

「あぁ…これ?」

俺は先程さつきから貰った義理チョコを手に持っていた。

「これはさっきさつきに貰ったんだ。多分余り物だろうな、運動部の奴らに配ったらしいから」

「ふぅん…」

「それより早くつかさから貰いたいなー」

「羨ましいやつめ!」

話をしながら昇降口まで行くと、外村が指を指して言った。

「お前ん所のげた箱…何か入ってないか?」

「えっ?」

俺は自分のげた箱に近づいて中を見ると、小さな袋が置いてあった。

(なんだ…?)

中を見ると、そこにあったのは…

「…チョコだな」

「うわっ!?」

ビックリして後ろを見ると、いつの間にか小宮山がいた。

「おまっ…脅かすなよ…」

「それより!誰からだ?」

外村も興味津々といった様子で袋の中を覗き込んできた。

「えーっと…あれっ?」

「ん?どした?」

「名前とか何も書いてねぇぞ?」

「でも置き間違いとかでもなさそうだし…」

「ってか真中ってそんなにチョコ貰うような奴だったっけ?」

「し…知るか!そんなこと!」

「ズルいぞ、真中ばっかり!それ俺にくれ!」

「小宮山にやるくらいなら俺がちゃんと貰うっつの!」

俺はその袋を一応持ち帰ることにして、そっとカバンの中にしまい帰路についた。

その光景を、チョコを置いた本人が近くに隠れて見ていたということも知らずに…


[No.733] 2008/01/04(Fri) 16:23:27

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