永遠にともに - バーツ - 2007/12/19(Wed) 20:55:18 [No.717] |
永遠にともに プロローグ - バーツ - 2007/12/19(Wed) 20:58:27 [No.718] |
永遠にともに 第1話 - バーツ - 2007/12/20(Thu) 22:10:36 [No.719] |
永遠にともに 第2話 - バーツ - 2007/12/23(Sun) 23:57:06 [No.723] |
永遠にともに 第3話 - バーツ - 2007/12/23(Sun) 23:58:58 [No.724] |
永遠にともに 第4話 - バーツ - 2007/12/28(Fri) 00:31:52 [No.730] |
永遠にともに 第5話 - バーツ - 2007/12/28(Fri) 00:34:47 [No.731] |
永遠にともに 第6話 - バーツ - 2008/01/04(Fri) 16:23:27 [No.733] |
永遠にともに 第7話 - バーツ - 2008/01/04(Fri) 16:27:11 [No.734] |
永遠にともに 第8話 - バーツ - 2008/01/08(Tue) 21:17:20 [No.735] |
永遠にともに 第9話 - バーツ - 2008/01/31(Thu) 20:47:23 [No.743] |
永遠にともに 第10話 - バーツ - 2008/01/31(Thu) 20:54:36 [No.744] |
永遠にともに 第11話 - バーツ - 2008/02/06(Wed) 15:16:35 [No.785] |
永遠にともに 第12話 - バーツ - 2008/02/14(Thu) 00:02:23 [No.805] |
永遠にともに 第13話 - バーツ - 2008/02/17(Sun) 00:16:41 [No.819] |
永遠にともに 第14話 - バーツ - 2008/02/19(Tue) 00:14:56 [No.826] |
永遠にともに 第15話 - バーツ - 2008/02/21(Thu) 00:19:06 [No.834] |
「ただいまー」 家につくと、リビングのドアからヒョコっと唯の顔が出てきた。 「あっ、淳平!今年の収穫どうだった〜?」 「…なんで唯がいるの?」 しかし唯は俺の質問に耳も傾けず、玄関までやってくると突然両手を出してきた。 「なに…この手は…」 意味も分からず突っ立っていると、唯は突然俺のバックを取り上げた。 「おい、何すんだよ!?」 「収穫って聞いたでしょ!」 そう言うと、カバンを開け手を中に入れてガサゴソと漁っている。 「ん?これは誰からかな〜?」 一つ箱を手に取りニヤニヤしながら聞いてきた。 「あぁ、それはさつきから貰ったんだよ」 「さてさて中身は…」 興味津々といった顔つきで箱を開けた。 「…なんだ、義理チョコじゃん。つまんないの〜」 「それは余り物っぽいからな。さつきの奴男子にたくさん配ったらしいし」 「ふぅん…。じゃあ…これは?」 今度はあの袋を取り出してきた。 「それは…」 言葉に詰まってしまった。説明のしようがなかったから…。 「む?もしや手作りチョコ?」 黙っている俺を見て、今度はきた!と思ったのか、唯は急いで袋から箱を取り出す。 そんな唯を見て静かに言った。 「わかんないんだよ」 「わかんないって…何が?」 俺の言葉の意味が理解できない様子で聞いてくる。 「誰が作ったのか…」 「名前とか何も書いてないだろ?」 「言われてみれば…確かに」 唯は少し納得したようだ。 「俺のげた箱ん所に入ってたから持ってきたんだ」 「へぇ〜。でもチョコをげた箱なんかに入れるかなぁ…」 「そんなこと言ったって…」 「うわぁ…これ手作りだね〜!」 俺の言葉を遮って唯が箱を開け中をながら言った。 「えっ、マジ!?」 手作り。その言葉にかなり驚いた。 見てみると、本当に手作りのチョコレートが入っている。 (俺に手作りチョコ上げたい人なんているんだな〜) 「じゃあ早速食べようか!」 「ちょっと待て!」 リビングに行く唯の腕を掴む。肝心なことを聞き忘れていた。 「それは俺が食べるの!」 「大体なんで俺の家にいるんだ?」 すると唯は、 「あ〜忘れるところだった」 と、たった今思い出したかのような話し方で言うと、一旦リビングに戻り、そして大きな紙バックを持ってきた。 「何だ…その紙バック」 「うん、これ淳平にね」 「ウチの学校の子に渡してくれって頼まれまくっちゃって」 「俺…に…?」 「そう、淳平に」 (桜海学園の生徒から!?) (お…俺女子高でこんなにモテてるなんて知らなかった…) 俺は勝手にそう思い込んでいた。 「でね…って、淳平聞いてる?」 「お…おう、何だ?」 「これ泉坂高校サッカー部の『大草くん』って人に渡してほしいって言われて…」 「だから今から渡しに行こ!」 唯に言われて、一気に現実に引き戻された。 「あ…そう、大草ねー」 「アイツ顔いいし、サッカーも上手いし…はは…」 「まさか…自分のチョコだと思った?」 落ち込んでいる俺を見て、唯は痛いところを突いてきた。 「でもね、この大きいチョコレートは淳平の分!」 そう言って、袋の中から綺麗にラッピングされた大きめの箱を取り出した。 「淳平!これ一緒に食べよ〜!」 「…結局それって唯が食べたいだけじゃん…」 唯の言動に少々呆れてしまった。 「てか今から大草の家にその山のチョコ渡しに行くんじゃねぇの?」 「だから歩きながら食べよ!」 「歩きながらって…普通誰もそんなことしないだろ…」 「いいから!ほらっ、さっさと行くよ!」 唯に急かされ、仕方なく大草の家に向かうことにした。 「ん〜、このチョコおいしい〜!」 隣では、唯が俺の為…いや、唯自身の為に買ったチョコレートをパクパクと物凄い勢いで食べている。 (俺何やってんだろ…) そう思いながら道を歩いていた。 「…はい、ここが大草の家」 大草の家につき、唯に説明しながらインターフォンを押す。 ピンポーン… 「はーい」 「あ、真中といいますが…大草くんいらっしゃいますか?」 「あぁ、俺だよ真中。今行く」 ガチャッ… 「どうした?てっきり西野とデートしてるかと思ったけどな〜」 大草はちょっと驚いた感じで言ってきた。 「つかさはバイトだって」 「そっか。…で…その子は?」 大草は俺の隣にいる唯に目をやった。 「幼なじみの唯だよ。前に話したことあったろ?」 「南戸唯です!淳平の幼なじみです!よろしくです!」 「あぁ、あったあった!よろしくね、唯ちゃん!」 唯は大草の笑顔にやられたのかボーっとしている。 そんな唯を横目で見ながら大草に言った。 「それで…はい、これ」 大草の前にあのチョコ山詰み紙バックを差し出す。 「なに、この紙バック…」 「唯の通ってる桜海学園の生徒からだとよ」 俺は大草にぶっきら棒に言った。 すると、大草は急に表情を変え、恐る恐る俺に尋ねてきた。 「もしかして…中身はチョコだったり…?」 「その通り」 そう言った途端、大草は額に手を当て溜め息をついた。 「ハァ…ここまでくるともういい加減うんざりしてくるわ…」 そして家の中に戻り、俺たちが持ってきたものと同等の大きさの紙バックを持ってきて、それを俺に差し出してきた。 「泉坂高校の子からも…ほら、こんなに…」 袋の中に目をやると、チョコが入っていると思われる箱が数多く入っていた。 「あっちゃ〜、こんなに食べきれんの?」 「無理に決まってっだろ。小宮山にでも分けてやろうかなぁ…」 「あはは。アイツなら全部食べきれるかもな」 「まぁ、せっかくだし有り難く頂きますよ」 そう言って、俺の持っていた紙バックを受け取った。 「じゃあ…真中、唯ちゃん。またな」 「おう」 「はい!」 大草の家を後にした。 「大草くんってかなりかっこいいね!」 「そうだな〜」 「まるでどこかの誰かさんとは大違いだね〜」 「…うるせぇよ」 少し歩くと、突然唯が静かに言ってきた。 「淳平…もう一ヵ所付き合ってほしいところがあるんだけど…」 またかと思いながらも唯に聞いた。 「ったく…今度はどこだ?」 すると、唯は意外なことを言い出した。 「…正太郎くんの家…」 これにはさすがにビックリした。 「正太郎の家!?それまたなんで!?」 「…ん」 俺の目の前に小さな箱を差し出す唯。 それを見て、なんとなく唯の考えていることがわかった。 「あぁ、なるほどね…」 そして、正太郎…つまり東城の家の前についた。 「俺はここで待ってっから…ほら、行ってこい」 「…うん」 俺は近くに身を潜めた。 ピンポーン… 「ウィーッス、東城ッスけど〜?」 中からは男の声がする。多分正太郎だろう。 「あ…あの、南戸と申しますけど…その…」 「えっ…唯ちゃん!?」 突然のことに驚いているのか、正太郎は大きな声を上げた。 そして数秒後… ガチャッ… 家の中から正太郎が出てきたらしい。 「な…なに?どうしたの?」 ここからだと声しか聞こえない。 「しょ…正太郎くん…はい!」 「…唯ちゃん…これって…」 「チョコレート…手作りなんだけど…」 「マジ!?うわ〜っ、メッチャ嬉しい!」 「ほ…ほんと?」 「ほんとだって!唯ちゃんから貰えるとは思わなくて…ありがとう!」 「うん!じゃあ…またねっ!」 唯は笑顔で戻ってきた。 「よかったな、喜んでもらえて」 「うん!」 唯の喜んでいる姿を見ると、俺まで嬉しい気分になる。 (俺も早くつかさからチョコ貰いたいな〜) そんなことを思いながら家に帰った。 辺りはまだまだ冬なので暗くなってきている。冷えた手を暖めるべくポケットに突っ込んだ。 そして、俺の家の前の通りに出た途端、唯が声を上げる。 「あっ…あれ西野さんじゃない?」 「へっ?どこ?」 目を凝らして前を見ると、西野らしき人が視界に入ってきた。 (ホントだ!よしっ…) つかさに声を掛けようと思い小走り気味に走り出したが、数歩で俺の足は止まった。 さっきまでの気分が…一気に冷めた。 そして全く違う感情が俺の中に生まれてくる。 この感じ…前にも味わったことがある。 そう…これはあの時と同じ… 「なんか男の人といるね…」 唯は何か言ったのだろうが、俺の耳にははっきりとは聞こえてこない。 目の前の光景に俺は動き出すことができなかった。 つかさの家の前で、つかさが一人の男と楽しそうに話をしている。 あの姿は間違いない。 この前会ったばかりだからちゃんと覚えている。 アイツは… 「榛原…大翔…」 俺は静かに呟いた。 ポケットの中で暖められている手はまだ中に入ったままなのに、急激に冷えていった… [No.734] 2008/01/04(Fri) 16:27:11 |