永遠にともに - バーツ - 2007/12/19(Wed) 20:55:18 [No.717] |
永遠にともに プロローグ - バーツ - 2007/12/19(Wed) 20:58:27 [No.718] |
永遠にともに 第1話 - バーツ - 2007/12/20(Thu) 22:10:36 [No.719] |
永遠にともに 第2話 - バーツ - 2007/12/23(Sun) 23:57:06 [No.723] |
永遠にともに 第3話 - バーツ - 2007/12/23(Sun) 23:58:58 [No.724] |
永遠にともに 第4話 - バーツ - 2007/12/28(Fri) 00:31:52 [No.730] |
永遠にともに 第5話 - バーツ - 2007/12/28(Fri) 00:34:47 [No.731] |
永遠にともに 第6話 - バーツ - 2008/01/04(Fri) 16:23:27 [No.733] |
永遠にともに 第7話 - バーツ - 2008/01/04(Fri) 16:27:11 [No.734] |
永遠にともに 第8話 - バーツ - 2008/01/08(Tue) 21:17:20 [No.735] |
永遠にともに 第9話 - バーツ - 2008/01/31(Thu) 20:47:23 [No.743] |
永遠にともに 第10話 - バーツ - 2008/01/31(Thu) 20:54:36 [No.744] |
永遠にともに 第11話 - バーツ - 2008/02/06(Wed) 15:16:35 [No.785] |
永遠にともに 第12話 - バーツ - 2008/02/14(Thu) 00:02:23 [No.805] |
永遠にともに 第13話 - バーツ - 2008/02/17(Sun) 00:16:41 [No.819] |
永遠にともに 第14話 - バーツ - 2008/02/19(Tue) 00:14:56 [No.826] |
永遠にともに 第15話 - バーツ - 2008/02/21(Thu) 00:19:06 [No.834] |
その日一日をどんなに有意義に過ごそうとも、何もせずひたすらボーっと空を眺めていようとも、時間は人々に有無を言わせず同じリズムで流れていく。 過去を振り返り、その時一番最善の策を思いついてこうすればよかったと後悔したとしても、もう後には戻れない。 それならば、今を変えるしかない。 部屋の中には、朝の陽の光に照らされた少女の顔があった。 どことなく思い悩んでいる様子だ。 (やっぱり見せるべきかな…) 昨夜見たあの手紙。 【―――あなたのことがずっとずっと好きでした―――】 部屋の天井をボーッと見つめながら、つかさの頭の中は同じ言葉がリフレインされていた。 「はぁ…」 目を瞑り一つ溜め息をつく。 「んーっ…ん?どうかした?溜め息なんてついちゃって」 隣には寝起きの淳平の姿。 「…ううん、何でもないよ」 振り向いて笑顔を見せる。 (昨日は淳平くんの不安が取り除けたと思ったら、今度はあたしの番か…) そんなことを思いながらベッドを立ち、いそいそと着替えを始めた。 「…あれ?」 ちょうどパジャマのボタンを2、3個外した時だった。 つかさはあることに気付き、目をキョロキョロさせ周りを見渡す。 いつもと違う色のカーテン。少し散らかっている雑誌。棚に並んだ映画のDVDの数々。 (ここは…淳平くんの部屋!) そして突如感じた背後からの視線。ゆっくり振り向くと淳平がこちらをジーッと見ている。 「…!?バカッ!スケベッ!変態ッ!」 つかさは近くにあったクッションを手に取り、淳平めがけて勢いよく投げつけた。 「ボフッ!…え?何が…」 寝起きの目を手で擦ると、ぼやけていた視界がゆっくりと正常に戻ってくる。 そして目が完全に開き、目の前の光景に大きく口を開きアタフタしだす淳平。 「つ…つかっ、つかさ!?こんな所で何やっ…わぶっ!」 「少しそのままでいなさい!」 これまた近くにあった色の付いた紙袋を手に取り、淳平の頭から覆い被せた。 「淳平くんのエッチ!」 「なっ…今の俺のせいなの!?」 「じゃあ誰のせいっていうのよ!」 さらに今度は枕を投げつけ、ようやく淳平の口が止まった。 「でも変なカンジ…淳平くんの部屋で着替えるなんて…」 今している行為に恥ずかしさを覚えながらも、淳平の部屋ということを思い出し少し笑みがこぼれた。 (今裸!?俺の部屋でつかさが裸!?) 淳平はというと、自分の部屋で女の子が裸ということでお得意の妄想に浸っていた。 (つかさは今…俺の前で…。ヤバい、すぐに理性が吹っ飛びそうだ…) (って考えるな俺!耐えるんだ俺!あーっ、くそっ!) 「ふぅ…淳平くーん、もういいよー…ってなに頭抱えてんの?」 「…」 つかさは着替え終わり、袋を被っている淳平に話しかけてようやく過酷な妄想から解放された。 「で?今日は何時にバイト終わるの?」 「うーん…7時くらいかなぁ」 2人とも今日はバイトが入っていたが、午後からだったため、今は淳平の部屋でくつろいでいる。 「そっか。じゃあその時間帯になったら迎えにいくよ」 「うん!よろしくね!」 ふとつかさはあのことを思い出す。 (見せるなら…今しかチャンスはないよね) つかさは意を決し、淳平に話し始めた。 「あのね淳平くん。見てほしい物があるんだけど…」 「ん?なになに?」 つかさはゴミ箱を持ち出し、中をゴソゴソと物色し始めた。 「…?」 淳平は訳が分からずつかさの行動をジッと見ている。 そして、つかさは紙を一枚手に取り淳平に差し出した。 「これ…」 「…手紙かなにか?」 つかさから受け取り、それを不思議そうに眺める淳平。 「中身読んでみて」 「どれどれ…」 そう促されて中身を見た。 内容を読むと同時に目を大きく見開いて、すぐにつかさに顔を移した。 「これ…どうしたの?」 淳平の質問に、つかさは少し俯きながら静かに答える。 「昨日のあの手作りチョコの箱の中に入ってたんだけど…」 そう話すつかさの顔はどこか昨日の淳平と似ていた。 淳平は驚きを隠せなかった。 「マジ…で?」 「うん…」 首を縦にコクッと振るつかさ。 (俺のことが好き…!?) (昨日見たときは何も入ってなかったのに) (どうすんだよこれ…) その瞬間淳平はハッと我に返り、つかさを見た。 つかさの表情は曇っていて黙ったままだ。 (何考えてんだ俺…答えはもう決まってんのに…) ビリビリッ… 「えっ…?」 紙を破く音が聞こえ、つかさはパッと顔を上げた。 「あれ?破いちゃダメだった?」 淳平は何もなかったかのような顔でつかさを見る。 「いや、そういう訳じゃないんだけど…」 そしてつかさはまた俯いた。 そんなつかさを見て淳平は言った。 「あの日アイツと誓った約束は破ることは許されなくて」 「だけど任されたことでの使命感とか責任感は全くなくて」 「ただ純粋に君のことが」 「好きなんだ」 淳平の言葉とともにつかさの頭の中にある映像がフラッシュバックしてきた。 自分の気持ちに正直になることを決意させたあの映画のとあるワンシーン。 つかさは再び顔を上げ淳平を見る。 淳平はつかさに微笑んだ。 彼女の不安を取り除くのにはその言葉だけで充分だった。 つかさもすぐに笑顔になり淳平に言う。 「私だけの君であるように、君だけの私でいたい」 淳平はつかさを優しく抱きしめる。 つかさも淳平に身を任せた。 「大丈夫。心配すんな」 「うん」 少しそのままの状態でいた後、体を離した。 お互い見つめ合う。 そしてゆっくりと顔を近づけ唇を交わした。 数秒経ち、太陽の光でできた黒い影が一つから二つに分かれた時、どちらからともなく笑い出した。 「ぶっ、あはは!よく覚えてたなーそのセリフ」 「まぁねー。あの映画があるから今こうやって淳平くんと一緒にいるワケだし」 「それもそうか」 2人は互いに笑いあう。 そして淳平がふと何かを思い出したかのように言った。 「あっ、そういえば昨日俺すぐに寝ちゃったじゃん?」 「うん?」 「あの時つかさ何か話してたよね?」 「…!?」 ―――――――――― 【ねぇ、淳平くん?】 【ん…?】 【さっきはああ言ったけど…その…】 【…】 【…今日は…いいよ…?】 【…】 【大体こういうのは男の淳平くんから言うものなんだからね!…って、おーい、淳平くーん?】 【スー…スー…】 【あれっ、寝ちゃってる…?】 ―――――――――― (何で今思い出すのよ〜!) 「あれ何言おうとしてたの?」 「それは…その…」 すると、つかさの顔はリンゴのように赤くなっていった。 「…?つかさ、顔赤いよ?」 「…!?淳平くんのバカァ!」 つかさは恥ずかしさを隠すためか大声で叫んだ。 「また…?俺何もしてない…」 「あ…やばっ!もうバイトの時間だよ!」 話を逸らすため、時間はちょっと早いが家を出ようとする。 「ちょっと、まだ話の途中…」 淳平も後を追った。 外は雲一つない晴天。 2人の頭からいつしか“不安”の文字は消えていて、この時は青空のように心は澄み切っていた。 [No.744] 2008/01/31(Thu) 20:54:36 |