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all 明と暗・白と黒  概要とお詫び - シン - 2008/01/21(Mon) 23:33:30 [No.740]
明と暗・白と黒  プロローグ - シン - 2008/01/22(Tue) 23:28:04 [No.741]
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明と暗・白と黒  第2話 - シン - 2008/02/02(Sat) 01:27:14 [No.753]
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明と暗・白と黒  第1話 (No.741 への返信) - シン

「俺は…西野のことが好きだ!他の誰よりも、一番大好きなんだ!」

その言葉が全ての始まりとなった。
淳平たちを待ち受ける、壮絶なる物語の始まりだった。





後に淳平はこう語っている。

 「あの時は、こんな事になるとは思っていなかった」
 「俺が今までフラフラしてたせいで、下手したらみんなの全てを壊していたのかもしれない」

 「何も知らなかった…いや、知ろうとしなかったせいで、彼女の心も身体もボロボロにしてしまった」
 「俺は、一生かかってもこの罪を償いきれないと思う。たとえ、彼女が許してくれたとしても、この罪は絶対に消えない」





第1話『もう一つの戦場』





天地。
彼は恐らく、この泉坂高校で一番人気がある男子生徒だろう。
かつては大草とツートップを張っていたが、今では天地が頭一つ抜け出た形となっている。
しかし、彼を慕う女子生徒は多くても、彼の本命がその中にいるわけではない。

ならば……彼の本命となる女の子にやっかみが集中するのは当然の事である。

その天地の本命とは、他ならぬ東城綾のことである。
彼女の場合、天地は眼中にない。





「(……ホント気に入らないわね……何で、トロくて何も出来ないアイツが、生まれつきの魅力だけでチヤホヤされて、天地くんの心まで持って行ってるのよ!)」

3年5組 出席番号12番
『小河原菜々美』は、東城綾の姿を見て心の奥で毒づいた。
ポニーテールと、気の強そうな表情が特徴的な彼女は、クラスの女子のリーダー格である。
勿論、天地に想いを寄せる1人でもある。
陸上部に所属する彼女は、凡才ではあるが努力を重ね続け、その甲斐あってレギュラーにまで上り詰めたという経歴がある。
そんな彼女からしてみれば、ドジでトロい癖に小説家としての才能に恵まれ、その魅力で一般男子だけでなく天地の心まで惹き付ける彼女は、仇敵そのものだった。



……ちなみに、何故菜々美がここまで荒れているか。
それは数分前である、今日、9月17日の登校時間まで遡る。





「ごめんね。僕はもう、みんなのアイドルではないんだ。1人のために全てを捧げる事にしたんだ」
「だから、もうみんなの気持ちには答えられない。1人の男として、素直になる事にしたから……」

天地のナルシストな発言……もとい、爆弾発言は彼を慕う女子たちの心にスコールを降らせる事となった。
(その裏では、一部の男子が必死で笑いを堪えていたのだが)

そして同時に、その宣言は一部の女子の心に嫉妬の炎を燃やす事となった。
天地の本命が綾であることは、既に共通の認識である。
そして綾の本命が淳平である事も、一部の生徒の間では暗黙の了解となっている。
天地が綾を落としにかかると宣言した以上、女子としては非常に気分が悪い。

ならば、嫉妬に駆られた彼女たちがどのような行動に出るかは……言うまでもないだろう。





そして、何も知らずにノコノコとやってきた綾を見て、菜々美は決意を固めた。

「(東城を……潰す!絶対に潰して、天地くんを取り返す……!)」
「(幸いあたしには味方がいっぱい付いてる。アイツを潰すのなんて簡単よ!)」

決意すると共に、菜々美は携帯で複数の生徒にメールを送る。
内容は、『天地くんと先公にバレないように、東城を潰せ』

元々持って産まれたリーダーとしての素質。
そして、努力家である事からの人気。
その二つを兼ね備えた菜々美の頼みとあらば、断る女子はいないだろう。
しかも、複数の女子生徒にとって利がある話でもあり、菜々美と同じ理由で綾自身が一部の女子生徒から疎まれていた。

泉坂高校を舞台に、悪意と狂気が大波となって動き出す。
その波は、瞬く間に綾を飲み込む事だろう。
そして、その波に淳平たちが巻き込まれるのも、そう遅くないのかもしれない。





続く


[No.745] 2008/01/31(Thu) 21:53:03

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