SS五部作 罰ゲーム 第1部 - あーまん - 2008/02/02(Sat) 02:09:02 [No.754] |
SS五部作 罰ゲーム 第2部 - あーまん - 2008/02/05(Tue) 02:33:39 [No.775] |
SS五部作 罰ゲーム 第3部 - あーまん - 2008/02/14(Thu) 00:28:56 [No.810] |
SS五部作 罰ゲーム 第4部 - あーまん - 2008/02/16(Sat) 23:02:46 [No.816] |
SS五部作 罰ゲーム 第5部 - あーまん - 2008/02/27(Wed) 01:08:55 [No.862] |
「西野ってさ、本当に俺のこと好きなの?」 帰り道、二人は並んで話しながら帰っていた。 そんな時の突然の淳平の言葉。 (好きじゃない・・・・) つかさの本心はこれである。 しかし、罰ゲームなので 「もちろんだよ! 何言ってるのさ!!」 と、本心とは裏腹の言葉を必要以上に強く言ってしまう。 罰ゲームは、必ず実行しなければならない。 鉄の掟である。 つかさ達にとって、鉄の掟を破ることは『恐怖』そのものである。 何をされるかは分からない。 故に、『好きな相手と別れたくない』という意味での強調ではなく、『罰ゲームを破ったら怖い』という意味での強調である。 「ふ〜ん・・・俺にはそう見えないんだよね・・・」 淳平は少し悲しげになる。 「そんなこと無いよ!!」 と、つかさは再び否定する。 「なんかさぁ、俺のこと好きって言った割には、全然嬉しそうじゃないし、何か別のこと考えてるっていうか・・・」 「そう見えるんだよね。」 「だから・・・もし、何かの事情があって、無理に告白したりしたんだったら、まだ訂正出来るからさ。」 淳平は真剣な表情でつかさの顔を見つめる。 (やば・・・顔に出ちゃったのかな・・・) そんなことを思いつつ、やはり罰ゲームが怖かった。 (ちょっと大胆かもしれないけど・・・) するとつかさは、淳平の胸に飛び込んで抱きしめた。 その途端淳平の顔が赤くなる。 「ちょ・・!? 西野!?」 「これでも分かってくれない?」 つかさは淳平の胸に顔を埋めたまま聞く。 「あたし、本気なんだから・・・ 淳平くんの事大好きなんだから・・・」 少し涙交じりの声で淳平に訴えるつかさ。 もちろん演技である。 しかし、その演技は淳平には十分効果があったようだ。 「わ・・・分かった・・・信じるから・・・」 しどろもどろにあせる淳平。 それを聞くとつかさは、淳平から離れてニコっと笑いかける。 「ご・・・ごめん、疑ったりして・・・・」 淳平は素直に謝った。 「いいよ。 分かってもらえたからさ。」 つかさがそう言うと、二人はまた歩き出した。 そうしている内に、つかさの家の前に着いた。 「あ、ここがあたしの家だよ。」 「へぇ〜、デカイなぁ〜 俺の家とは大違いだ。」 「アハハ〜 そうなの〜?」 「俺んちなんてさ・・・・・」 いつの間にか自然と会話が多くなっていた。 つかさの家の前で二人でしばらく話していた。 「それじゃ、ばいばい〜」 「また、明日〜」 そう言って二人は別れ、つかさは家の中に入ろうとすると 「ちょっと待ちな!」 と、不意に声をかけられた。 つかさは、その声の方へ顔を向けると・・・ 「ト・・・トモコ達!?」 勝ち組がいたのだ。 「やっほーつかさ♪」 ニヤニヤしながらつかさの方へ歩み寄って来る。 「ちょ・・・あんた達着いてきてたの!?」 つかさは、とても焦る。 なぜなら、さっきのシーン・・・ 淳平に抱き付く『演技』をしたシーンを見られたのかと思ったのだ。 「もちろん! こんな楽しい事は滅多に無いからね〜」 「しかも、初日から熱いシーンを見せ付けてくれちゃってさ〜」 「案外つかさ・・・」 勝ち組はとても面白そうである。 「ちょ!! あれは演技よ演技!!」 激しく否定するつかさ。 「罰ゲームなんだから本気にしないでよね!!」 顔が本気になっている。 「こっちだってやりたくてやってるんじゃないんだから!」 半ばキレているようだ。 「分かってるって!」 そんなつかさに対してなだめるトモコ。 「からかっただけだよ〜 本気になるなって。」 勝ち組は苦笑している。 「もう・・・ あと二週間なんだからね!」 「はいはい、分かってます。」 からかいに来たつもりがどうやらつかさを怒らせてしまったらしい。 勝ち組はこれ以上、つかさを刺激してはいけないと思ったのか 「じゃ・・・あたし達帰るわ。」 と、言ってそそくさと帰っていった。 (もう・・・あいつらめ・・・) (でも、淳平くんって案外話しやすかったな。) そう思うとつかさは家の中に入っていった。 そして次の日・・・・ 「つかさちゃん!!」 「つかさちゃん!!なんであんな男なんかと!!!」 「つかさちゃん!」 「つかさちゃん!!」 「つかさちゃん!!!・・・・・」 当然のごとく、学校中で話題になっていた。 つかさはいろんな男に付きまとわれ、質問攻めに遭っていた。 (もう・・・だから嫌なんだよね!!) と、内心思いつつも罰ゲームの事は言えるはずも無いので 「うるさいなぁ〜 あっち行ってよ!!」 としか言えなかった。 淳平の方ももちろん大変である。 「真中ぁ!!! よくもつかさちゃんを!!!」 「なんで真中なんだよぉ!!!」 「しっかし、西野さんも物好きよねぇ〜」 などなど、どうやら淳平はひどいことを言われていた。 それもまぁ、当然といえば当然である。 真中みたいな冴えない普通の少年が、学年1のアイドルと付き合うのである。 誰がどう考えたっておかしい。 淳平はただ、頭をかきながら苦笑いをしていた。 そして、再び放課後・・・・ 昨日のように二人で帰る。 「今日は大変だったな。」 淳平が話を始めた。 「そうだね〜 あたしなんか男に囲まれちゃって・・・」 「ははは・・・そりゃー西野はモテルからな。」 「そんなこと無いよ〜」 「俺なんかさ、『なんで真中なんかと・・・』なんて言われちゃって・・・・」 「アハハ・・・ひどーい。」 二人して笑い合う。 昨日に比べて、大分会話が自然になっていた。 つかさ自身気づいていないのだが、つかさからも積極的に話題を振るようになっていた。 どうやら、昨日の家の前での会話が相当効いたようだ。 しかし、それでも・・・ (あ・・・そうだ、デートしなきゃいけないんだっけ・・・) (面倒だなぁ・・・・) と、あくまでつかさは罰ゲームの上でのことだった。 「ねぇ!淳平くん。」 つかさが話を切り出した。 「何?」 淳平が答える。 「明日ってさ、ほら、学校休みじゃない?」 「うん。」 「だからさ、デートしない?」 つかさが提案すると・・・ 「デ・・・デートォォォ!?」 ひどく驚く淳平。 「な・・・なんだよ! あたしとデートしたくないのか!?」 少し不満に思ったのか、声を荒げるつかさ。 そんなつかさに淳平は焦ってしまう。 「いや・・・ちょっと・・・驚いてしまって・・・」 「滅相もございません・・・・ デートしたいです。」 何故か敬語になる。 (ぷ・・・この人面白いなぁ・・・) と、思いつつ 「じゃあ、明日の10時に家の前集合でいい?」 と、言った。 「うん・・・分かった。」 と、淳平は顔を赤くして答えた。 そうしている家に、つかさの家の前に着く。 「じゃあ、明日・・・・」 そう言うと淳平は帰っていった。 つかさはその場で両腕を上に上げて、背伸びすると。 「さぁ〜て、明日、頑張ろ・・・」 と、言って家の中に入っていった。 その顔は晴れやかだった。 つかさは、自分でも気づいていないが・・・・ つかさの中で確実に、少しずつ、何かが変わっていった。 [No.775] 2008/02/05(Tue) 02:33:39 |