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SS五部作 罰ゲーム 第3部 (No.775 への返信) - あーまん



「遅いなぁ〜 淳平くんは・・・」



只今の時刻10時15分。



集合時刻は10時である。



しかし、淳平はまだつかさ家に来ていなかった。



(デートで遅刻するなんて・・・ 最低だし・・)



(しかも普通は時間前に来るだろ!)



時間どおりに来ない淳平に対しイライラするつかさ。



ただでさえ好きでもない相手とデートするだけでも嫌なのに、おまけにその相手が遅刻したのである。



そして、一向に現れる気配はない。



(たっくも〜 何なのよ!)



さらにつかさはイライラする。



そして、つかさは淳平を探すためにその辺を歩き出した。



そして、すぐ側の角を曲がったところに淳平の背中を見つけた。



それを見た瞬間、つかさは声をかけようとする。



「こら!じゅんぺ・・・」



しかし、それ以上は言えなくなってしまった。



と言うのも、淳平のとある行動を見て何も言えなくなってしまったのである。



「うぇ〜ん、うぇ〜ん・・・・」



小さな子供が淳平の前で泣いている。



「どうしたの??」



つかさが見た淳平は、しゃがんで優しく子供に話し掛けていた。



「グスン・・・お母さんの誕生日プレゼント買おうと思って・・・・5000円貯めたのに・・・」



「・・・その5000円行く途中で落としちゃって・・・グスン」



「6ヶ月、お小遣い貯めたのに・・・うわぁ〜ん・・・」



そう言うと、子供はその場で再び泣き出した。



淳平は、優しく子供の頭を撫でながら



「よしよし、偉いな〜君は。」



「お母さんの誕生日プレゼントに半年もお金貯めたなんて・・・」



そう言うと、淳平は自分のポケットから財布を取り出し



「ホラ、君の落とした5000円。」



と、泣いている子供の手に5000円札をのせた。



子供はびっくりし



「え!?・・・これ・・」



と、淳平に尋ねる。



「さっき、そこで拾ったんだよ。」



「ラッキーと思って、ネコババしてやろうと思ったんだけどさ。」



「君があまりにも偉いから、返さなきゃ!」



そお言うと、淳平はニコっと笑いかけた。



それを見ると子供は、たちまち笑顔になり



「ありがとう!お兄ちゃん!」



そう言って、走って道を行ってしまった。



「もう落とすなよ〜」



淳平は大声で子供を見送った後、ふとため息を着く。



「はぁ〜 今日のデート資金が・・・」



つかさは、見とれていた。



そして、何故か自分の胸の心拍数が上がってくる。



胸がきゅんと締め付けられる。



(淳平くん・・・自分の5000円あげたんだ・・・)



(何・・・?この気持ち・・・)



その場で思っていると、淳平がこっちの方へ向かってきた。



つかさも慌てて自分の家の前まで戻る。



「はぁ・・・はぁ・・・」



少し走ったので息が切れてしまった。



「ヤバイ・・・何て言っていいか・・分からない・・」



つかさは、さっきの光景に衝撃を受けていた。



もはや、淳平が遅刻したなんでどうでも良くなった。



淳平の行動に、ただただ圧倒されていたのだ。



そして、淳平が来た。



「ごめん! 寝坊しちゃって・・・・」



そういう淳平の顔は本当に申し訳なさそうである。



つかさは淳平の顔を見る。



すると、すぐに自分の顔が熱くなるのが分かった。



(え!? 何!? この気持ち・・・)



つかさの中にある想いが芽生えかかったのだ。



「西野?」



不思議そうに淳平はつかさの顔を見る。



つかさはハッと我に返り



「あ・・・うん・・大丈夫だよ・・・」



と、一言言うと、ニコっと笑顔を作った。



「んじゃ、行こ!」



そういうとつかさは歩き出す。



「あ・・・うん。」



淳平も慌ててつかさの隣に並ぶ。



「あのさ・・・」



「遅刻したこと怒らないの?」



淳平が恐る恐る聞いてきた。



(怒る訳無いじゃん・・・)



と、思いながら



「怒ってないから大丈夫だよ。」



「遅刻は誰にでもあるからね!」


と、明るく言った。



淳平は、つかさの予想外の言葉にびっくりしたのか



「あ・・・ありがとう・・・」



ドモってしまった。



そして、つかさは再び笑顔を作り



「じゃ、映画館行こ!」



と、言って、二人は映画館に向かった。












映画を見終わり、ゲームセンター行ったり、ボーリングしたりで、夕方になった。



「あ〜楽しかった!」



(淳平くんと一緒だと楽しいなぁ・・・)



つかさは、心底そう思った。



「本当に? それは、良かった。」



笑顔になる淳平。



「うん! 今日はありがとね!」



つかさも笑顔で返す。



すると、淳平が



「あのさ、西野に見せたい欲しい場所があるんだ。」



「だから、付いてきてくれないかな?」



と、言ってきた。



「いいよ〜」



つかさは、即座に答える。



それを聞くと淳平は、ほっとした様子で



「良かった〜 じゃ、ちょっと付いて来て」



と、行って歩き出した。



(どこ行くんだろう?)



そう思いながらもつかさも黙って付いて行った。















歩くこと20分、場所は人気の無い場所になり、しかも林の中を歩いていた。



つかさは、段段と不安になってきた。



(ちょっと〜 何所まで行くのよ〜)



そう思いながらも、淳平は黙って歩いていく。



「ちょっと、何所まで行くの?」



つかさが、そう尋ねると、



「もうすぐなんだ。 だから、もうちょっと頑張って。」



と、それだけ言って、また黙って歩き出した。



(しょうがない・・・頑張るか・・・・)



つかさはそう思いながら頑張って付いていった。





更に歩くこと10分。



先に行く淳平の足が止まった。



そして、淳平はつかさの方へ向き



「着いたよ。」



と、笑いかけた。



そして、つかさは淳平に追いつくた瞬間、



「奇麗・・・」



それだけ言って、言葉を失った。



辺りはもう真っ暗、場所は小高い丘の上、自分たちが住んでいる町が下に見える。



その町の家一軒一軒の光が、見事なイルミネーションを作っていた。



そして、上には澄んだ空にある夜空が広がっている。



なんとも美しい景色である。



つかさは、見とれてしまっている。



「いい景色だろ。」



淳平が話し掛けてきた。



「うん・・・」



それだけしか言えなかった。



「ここは、俺だけの秘密の場所なんだ。」



「この俺たちが住んでいる町って、こんなにも奇麗なんだぜ?」



「凄いよな。 普段は何とも感じない、場所なのに上から見るとこんなに奇麗なんだ。」



「西野にも見て欲しかったんだ・・・俺の好きな人だから・・・」



淳平は真剣な表情で話している。



「うん・・・凄い奇麗・・・感動するよ。」



つかさは淳平の横顔を見ると、ドキドキするのが分かった。



「そう!感動するんだよな!!」



淳平は少し強めの声を出した。



「西野にしか言わないけど・・・」



「俺の夢は映画監督になることなんだ。」



「こんな風に、人を感動させたり・・・・ドキドキさせたりしたいんだ。」



そう言う淳平の顔はとても輝いていた。



(ドキドキしてるよ。淳平くん・・・)



(あたし・・・本気でこの人を好きになっちゃったかも・・・・)



つかさは、さらに胸の鼓動が激しくなっていた。



「成れるよ・・・・淳平くんなら・・・」



本当に思った言葉。



「そ・・・そうかな?」



淳平は苦笑しながらも照れている。



「絶対成れるよ!淳平くんなら!!」



再びつかさは、強調した。



もはやつかさの顔は演技なんかではない。



本気の顔である。



「あ・・・ありがとう・・・」



「西野にそう言われると嬉しいよ・・・」



「じゃ、帰ろうか?」



淳平がそう言うと



「そうだね・・・でも、またここに来ようね!」



笑顔で言った。



「そうだな! また来ような!」



淳平がそう言うと、二人は帰って行った。


[No.810] 2008/02/14(Thu) 00:28:56

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