[ リストに戻る ]
No.844へ返信

all カランコエ 〜あなたを守る〜 - バーツ - 2008/01/31(Thu) 20:28:48 [No.742]
カランコエ 〜あなたを守る〜 1 - バーツ - 2008/02/01(Fri) 20:44:27 [No.748]
カランコエ 〜あなたを守る〜 2 - バーツ - 2008/02/01(Fri) 20:46:34 [No.749]
カランコエ 〜あなたを守る〜 3 - バーツ - 2008/02/02(Sat) 14:48:32 [No.756]
カランコエ 〜あなたを守る〜 4 - バーツ - 2008/02/02(Sat) 19:01:44 [No.759]
カランコエ 〜あなたを守る〜 5 - バーツ - 2008/02/03(Sun) 17:13:07 [No.762]
カランコエ 〜あなたを守る〜 6 - バーツ - 2008/02/03(Sun) 17:19:53 [No.763]
カランコエ 〜あなたを守る〜 7 - バーツ - 2008/02/03(Sun) 21:42:17 [No.766]
カランコエ 〜あなたを守る〜 8 - バーツ - 2008/02/04(Mon) 16:40:53 [No.769]
カランコエ 〜あなたを守る〜 9 - バーツ - 2008/02/04(Mon) 16:45:07 [No.770]
カランコエ 〜あなたを守る〜 10 - バーツ - 2008/02/04(Mon) 16:50:26 [No.771]
カランコエ 〜あなたを守る〜 11 - バーツ - 2008/02/05(Tue) 16:57:08 [No.776]
カランコエ 〜あなたを守る〜 12 - バーツ - 2008/02/05(Tue) 17:02:12 [No.777]
カランコエ 〜あなたを守る〜 13 - バーツ - 2008/02/05(Tue) 17:04:52 [No.778]
カランコエ 〜あなたを守る〜 14 - バーツ - 2008/02/14(Thu) 00:04:37 [No.806]
カランコエ 〜あなたを守る〜 15 - バーツ - 2008/02/14(Thu) 00:06:07 [No.807]
カランコエ 〜あなたを守る〜 16 - バーツ - 2008/02/14(Thu) 00:08:29 [No.808]
カランコエ 〜あなたを守る〜 17 - バーツ - 2008/02/14(Thu) 00:11:58 [No.809]
カランコエ 〜あなたを守る〜 18 - バーツ - 2008/02/17(Sun) 00:18:43 [No.820]
カランコエ 〜あなたを守る〜 19 - バーツ - 2008/02/17(Sun) 00:20:15 [No.821]
カランコエ 〜あなたを守る〜 20 - バーツ - 2008/02/17(Sun) 00:28:48 [No.822]
カランコエ 〜あなたを守る〜 21 - バーツ - 2008/02/22(Fri) 23:46:37 [No.844]


カランコエ 〜あなたを守る〜 21 (No.822 への返信) - バーツ

新入生歓迎会も無事終了し、時間はあっという間に過ぎて、学校も明日から夏休みに入ろうとしていた

今は放課後。ミーンミーンと蝉の声が鳴り響く中、俺は教室のベランダから茜色に染まる校庭をボーッと眺めている

あれからというもの、西野とトモのことをついつい目で追っかけてしまう日々が続いた

学校では勿論のこと、西野とは上村先生のスクールにちょくちょく行くようになったことでよく会うし、トモとは学校帰りをたまに一緒に帰ったりする

2人とも俺の気持ちに気付いていないから、俺がそれらしき行動をとれば何か進展はあるかもしれない

でも、もしそんなことをして嫌われたらと思うと、何もできない自分がいる

2人は俺のことを友達や幼なじみとしか思っていないだろうし、ましてや好きだなんて感情を持っていることは無いに等しいだろう

それに、今は2人が好きなんだ

いずれどっちかにしなくちゃいけない、そんな時が来たとしても、今は‥このままで‥‥

「なーに黄昏てるのさ」

「ん?」

横を見ると、俺を見るトモがいた

「別に‥‥」

お前のこと考えてた――‥なんて言えないよ‥‥

「ふーん‥‥」

そう言いながらも、まだ俺のことを見てくる

何か言いたそうな顔だ

「‥‥何だよ?」

「いやー、淳と出会ってどれくらい経つのかなぁと思って」

「小学校からだから‥‥10年くらい?」

「そっか、もうそんなになったんだ」

そう言いながら、トモは白い壁の部分に寄りかかった

「それがどうかした?」

「ううん、ただ何となく気になっただけ」

トモは風に揺れる黒い髪の毛を耳に掛ける

その仕草に俺はドキッとした

オレンジ色の光が当たってトモの顔が輝いて見える

キレイだなぁ‥‥

「淳はさ‥‥私に出会えてよかった?」

「えっ?」

いきなりの質問に思わず声が出てしまった

「どうなの?」

そう聞いてきたトモは、優しそうな、それでいてどこか寂しそうな顔をしていた

何でそんなこと聞くんだろう?

「よかったよ。トモに出会えてよかった」

優しくトモを見ながら言った

本当にそう思っている

いつも一緒にいたからわかるんだ

強がりで、意地っ張りで、わがままなトモ

優しくて、素直で、友達想いなトモ

多分、家族以上に俺は彼女のことを知っているかもしれない

バカなことやって笑った時も、雨の日に傘を忘れた俺を助けてくれた時も

いつも隣には君がいた。トモがいた

そして、昔も今も、トモの笑顔は俺に元気や勇気、癒やし‥‥たくさんのものを与えてくれる存在

だから、俺はトモに出会えて本当によかった、そう思ってる

「私も。私も淳に出会えてよかった」

トモはニコッと笑いながら言った

「そうじゃなかったら、こんな気持ち分からないままだった」

「は?」

こんな気持ち?何のことだ?

俺が考えていると、

「淳、大好き」

と言って、俺の頬に軽く触れるだけのキスをしてきた

「えっ?なっ‥ななな何やった!?」

突然のことにビックリして慌てふためく

そんな俺を見てトモはクスクス笑いながら言った

「大好きって言ってキスした」

「大好き‥‥?」

ちょっと待て!?

これは‥その‥‥大好きってのはつまり‥‥

「もちろん、幼なじみとしてね」

頭の整理がつく前にトモが言った

「あ、そういう意味ね‥‥」

少し落ち込む俺

「じゃあキスは?あれは何だったんだよ!?」

そうだよ!あれはどう考えても‥‥

「え?外国じゃ普通っしょ?」

ケロッと言うトモ

「ここは日本だ!」

対抗する俺

いつものこんな些細な事が幸せと感じるのは、やっぱり君のことが好きだからだろうな

「別に減るもんじゃないし、いいじゃない?」

「それは‥まぁ‥‥」

「じゃあ、私帰るから!またね!」

トモがベランダから教室に戻っていった

「トモに‥キスされた‥‥」

さっきの光景を頭の中で思い出し、つい顔がニヤけてしまう

「でも‥幼なじみとして‥‥か‥‥」

幼なじみとして好き

今の俺には嬉しいような悲しいよう、何とも言えない感情が襲っていた

それを振り切るかのようにハァと一つ溜め息をついて首をブンブンと横に振っていた頃、

「早く私の気持ちに気付け、バカ淳」

トモが俺の背中を窓越しに見ながらこう言い残して教室を後にしたのを、俺は知らない

そして、俺達は夏休みを迎える


[No.844] 2008/02/22(Fri) 23:46:37

Name
E-Mail
URL
Subject
Color
Cookie / Pass

- HOME - お知らせ(3/8) - 新着記事 - 記事検索 - 携帯用URL - フィード - ヘルプ - 環境設定 -

Rocket Board Type-T (Free) Rocket BBS