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明と暗・白と黒  第8話  (読んでくれてる人っているのか?) (No.831 への返信) - シン

>>愚痴は消しました

第8話『宴の幕開け』





文化祭前日。

「ごめんなさい……あたしがもっと手伝えてたら、みんなに苦労を掛けなくてよかったのに……」

「いえ、いいんですよ先輩は。先輩は今年が最後なんですから、クラスの出し物もいい物にしなきゃいけませんからね!」
「ま、何はともあれ、真中先輩たちが頑張ったおかげで、今年はまさに集大成と言える出来になりましたよ!」

「ふふ、集大成か……」

美鈴の言葉に感慨深くなる綾。
だがそれと同時に、否応無しに思い出すことがある。
そう、学校中の女子から目の敵にされていることだ。
そんな状態である以上、『クラスの出し物もいい物にしなきゃいけませんからね!』という言葉が、綾の脳裏に虚しく響いていた。

この1週間で、イジメは更にエスカレートしていた。
机への落書きや、机の中にゴミを入れる、物を壊し、無くす……
注意しないと気づかないような所で、イジメが広がっていた。
たとえ気付いたとしても、菜々美の力を恐れて、見て見ぬ振りをする者しかいなかった。

「(今年は……どうなるんだろう……?)」
「(真中くんと……文化祭を楽しめるのかな?)」








所変わって桜海学園。

「あ、唯ちゃん、ちょっといい?」

「西野さん?もちろんいいよ」

つかさはたまたま見かけた唯を呼びとめ、人の少ない場所へと誘導する。

「で、西野さん、急にどうしたんですか?」

「それなんだけど、ちょっと唯ちゃんに頼みがあるんだけど、いいかな?」

「うん!あたしにできることなら何でもいいよ!」

元気いっぱいな笑顔を見て、つかさは安心すると共に、若干の罪悪感を覚える。
自分が今からやろうとしていることは、他者を不幸の底へと叩き落す行為に他ならないのだから……

「明日、泉坂高校の文化祭だって知ってるよね?」
「実はその事で……   」





「……とにかく、あたしは西野さんと一緒に行けばいいんだね?」

「うん、それで、上手く東城さんを説得して欲しいの」

「分かった、あたしもやってみるよ!」

またしても無邪気で元気いっぱいな笑顔を見せる唯。
その表情は、つかさと年が1つしか離れていないとは思えないものがある。

「(……唯ちゃん、ごめんね。多分……東城さんは……)」
「(でも、あたしはもう迷わない。何としても、淳平くんの彼女であり続けるから、あたしを……応援してね)」

唯の笑顔が、つかさから迷いを消し去ってゆく。
たとえ、それが醜いエゴだったとしても、つかさにはもう迷いは無かった。

そう、全ては淳平の彼女であるために。







そして、宴は幕を開ける……


[No.856] 2008/02/25(Mon) 23:36:00

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