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Re: 明と暗・白と黒  第10話 (No.858 への返信) - シン

「東城さん、時間が空いた時でいいから、ちょっと話したい事があるの」
「どっちにしても、答えは聞いてないんだけどね」

あたし……笑いながら冗談のように言ってる……
だけど、本心では笑ってない。

東城さん、あなたには悪いけど……
あなたには、淳平くんを諦めてもらうしか……



いくら恨まれてもいい。
あたしのやる事が理解できなくてもいい。

ただ、これはあたしのためでもあって、淳平くんのためでもあって、何より東城さんのためだから。





第10話『突撃&激突』





「淳平くん!映画、見に来たよ!」

「あたしも一緒だけどね」

「おっすつかさ……って、唯もいるのかよ!?」

つかさと唯は、真っ先に視聴覚室へと向かっていた。
そこは、映画の上映会場である。

つかさはともかく、唯も淳平の作った映画に興味津々である。
それだけに、この2人にとってのメインイベントである事は間違いない。

「西野さん、唯ちゃん、とりあえず後から来る人の邪魔になったらマズイから、どこか席に座ってくださいね」

淳平と談笑しようとする2人だったが、美鈴が席に座るようにと促す。
辺りを見ると、既に観客が大勢集まっており、文化祭開催からわずか十数分で満席になろうとしていた。
そして、もうすぐ第1回上映が始まる時間である。

余談だが、美鈴の着ている服は黒色を基調としたメイド服である。

「唯ちゃん、じゃあ座ろっか」







約1時間後。
上映が終わり、淳平はつかさたちに感想を聞いていた。

「う〜む……中々の出来だねえ」

「な、中々の出来ですか……」

唯に言われてガックリとうなだれる淳平。
勿論、これは唯が冗談交じりで言っているだけなのだが。

「やっぱり淳平くんって凄いよね。確かに撮影も気合が入ってたけど、それを更に上手く纏められてるんだからさ!」

「そ、そうか?そりゃ褒められて悪い気はしないけど……」

そう言いながらも、淳平の頬は明らかに緩んでいる。
そこを唯が見逃すわけが無く、厳しい突っ込みがはいる。

「じゅんぺー、西野さんは淳平のために、良いように言ってくれてるんだよ」
「要するに、社交辞令だって分からないの?」

「しゃ……社交辞令ですか……」

淳平、轟沈。
つかさの言葉で有頂天だった淳平の心は、一瞬にしてどん底へと叩き落された。

「唯ちゃん!余計な事は言わなくていいんだよ!」

「またまた〜、西野さんだって、本当は思ってるんでしょ?」

「だから、あたしは本当に淳平くんの映画がいいなって思ったんだからっ!」

とうとう追いかけっこを始めてしまった2人。
だが、淳平には既に突っ込む気力が無かった。



「あの……」

突然声を掛けられた3人は、それぞれの行動をやめて声のした方を向く。
そこには、綾の姿があった。

綾の表情はどこか暗い。
そして、綾の姿を認めたつかさの表情も、やや暗くなる。



「向井、真中っちたちがいたよ!」

「舞ちゃん、ほ、本当?」

一方、こずえと舞も同じタイミングで淳平たちのいるポイントへと到着した。
どうやら、時間的には第2回上映を見るつもりだったらしい。

「じゃあ、あたし……行ってきます」

そして、こずえは淳平の下へと向かおうとする。
だが、何か不穏な空気を感じ取った舞がそれを止めた。

「待って向井……何かヤバイ気がする」
「真中っちの周りに東城さんや他の女がいるけど、何か様子が変だ」

「よ、様子が変って?」

舞の言いたいことがよく分からず、困惑するこずえ。
彼女からすれば、淳平が目の前にいるのに止められるのは不本意なのだろう。
だが、舞はこずえに一言で状況を伝えた。

「これは……修羅場の臭いがするわよ!」

「しゅ、修羅場ぁ!?」

こずえは、思わず大声を上げてしまった。





続く


[No.876] 2008/02/28(Thu) 22:51:33

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