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明と暗・白と黒  第14話  やりたい放題…… (No.905 への返信) - シン

「……………………」

文化祭も終わり、受験モードに入った泉坂高校。
だが、この状況下で淳平は頭を抱えていた。
相変わらず、授業についていけないのだ。

文化祭の夜、淳平とつかさは身も心も結ばれた。
だが、それとこれとは全く話が異なってくる。



「フンフフ〜ン……」

「小宮山、やけに上機嫌だな?」

放課後、淳平が机にへばり付いている横で、妙に上機嫌な小宮山と外村が会話していた。

「あ、分かるか? でも何で俺がこんなに気分がいいのかは教えないけどな」
「そーゆー訳で、お先に失礼!」

そう言うや否や、奇妙なほどに上機嫌な小宮山は教室を出て行った。
あのまま、軽く小躍りしそうな勢いである。

「……頭でも打ったのか? 昨日の文化祭はアレだったのに……」

少々呆れた表情で見送る外村。
一方で淳平は、何かをうわ言のように呟いていた。
どうやら、自分の学力に相当なショックを受けているらしい。

そんな淳平を、さつきは心配そうな表情で見つめている。

と、ここで外村は昨晩考えていた事をもう一度考える。
邪推だと思っている事だが、何やら胸騒ぎがしていた。

「……いや、やっぱり考えすぎだよな……」

外村は一人呟く。
やはり邪推でしかないと、外村は一人で納得する。

しかし、ここで一つだけ思い浮かぶことがあった。
朝、東城に会った時に見た、どこかおぼつかない足取り……
だが、これは何の関係も無い事だと、外村はもう一度納得した。







入り口で、菜々美と小宮山が何やら話をしている。
その様子を見て、綾は震えを感じずにはいられなかった。

忘れもしない、あの恐怖。
絶対的な力に支配され、綾の抵抗は何の意味も成さなかった。
そして、悪夢以外の何物でもないその瞬間……
今でも下腹部に若干の痛みと違和感を感じ、足取りも少しおぼつかないものになっていた。

嫌な記憶を呼び起こされ、綾は震える手で自分の肩を抱く。
そんな事をしていると、菜々美が自分を呼んでいた。

「東城さん、4組の小宮山が お 迎 え に来たわよ」

菜々美のその顔は、浅ましい憎悪と嘲笑に満ち溢れていた。
そして、『お迎え』という言葉の意味は……

「……嫌です。それだけは……嫌です」

綾は拒絶の意思をはっきりと示す。
だが、菜々美には拒絶など、通るはずも無かった。

「あっ、そう。じゃあ……これ、ばら撒いてもいいかしら?」

菜々美がポケットから取り出したものを見て、綾は愕然とする。
そして同時に、綾を更なる絶望が包み込む。
周りからはクスクスという嘲笑の声が聞こえてくる。

「あ……あ……」

最早、それは声にすらなっていない。
綾に拒否権など、最初から無かったのだ。

「じゃあ綾ちゃん、行こうか」

小宮山のゴツゴツとした手が綾の肩を抱く。
その感触に、綾の心は恐怖心と絶望で支配されてしまう。

宴は終わった。
だが、絶望の宴はまだ始まったばかりのようだ。






第14話『絶望の宴』


[No.909] 2008/03/11(Tue) 16:59:55

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