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明と暗・白と黒  第23話 true - シン - 2008/06/12(Thu) 23:11:02 [No.1034]
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明と暗・白と黒  第19話(Bパート) true (No.947 への返信) - シン

手術室の前
ここにはつかさと誠、そして淳平の両親がいた。
警察からの一報により、両親も大慌てでやってきたのだ。

『手術中』の表示が消え、手術を担当した医師が手術室より姿を現す。
間という苗字のその医師の表情は、割と明るいものであるが、淳平の母親はすぐに容態を問い詰める。

「先生! 淳平は……!」

「ああ、安心してくれ、彼なら大丈夫だ」
「今はショックと麻酔で眠ってるだけだから、しばらくすれば目を覚ますはずだ」

まだ若い顔立ちの割りに、黒髪と白髪の混じったその医師は、それだけを告げると去ってゆく。
その後ろから、看護師と共にストレッチャーに乗せられた淳平がやってくる。

「とりあえずは一般病室で大丈夫よ。病室の案内もしないといけないから、付いてきて」
「警察の事情聴取もあるけど、それは後回しにしてもらってるわ」

促されるがままに、4人は看護師について行く。
つかさは涙を隠すために、ずっと下を向いたままだった。

「(よかった……淳平くん、本当によかった……)」







「つまり、男女関係のもつれが原因……?」

「多分……そうだと思います。あっという間だったのでよくわからなかったんですけど、東城さんはあたしを狙ってたような気がするんです」
「それに、あたしは1ヶ月ほど前に、東城さんと少し揉めたんです」

病室にて、つかさを始めとした4人は警察からの事情聴取を受けていた。
あの後の経過としては、未だに綾の確保には至っていないらしい。
つまり、あのまま泉坂の街を彷徨っているという事になる。

「で、簡単に纏めると、君はたまたま通りかかった……そうだな?」

「はい、母さんと妹と一緒にいたんですけど、刺されてる所を見てしまったので……」

「……そしてそのまま、通報した後に助けに向かった……っと」

誠はつかさに話したとおりの事実を伝える。
ふと、誠はあることを思い出し進言する。

「……あ、そういえばあの後、母さんたちに連絡してないんで、ちょっと連絡を取らせてもらってもいいですか?」
「一応、外に出てから電話しますので」

「そうだな、一応連絡しておいた方が良いだろうな」

その言葉を聞き、誠は一旦病室を出る。
年端も行かぬ妹がいるという事もあり、連絡せずにいるのはまずいということなのだろう。

「だけど……あの東城ちゃんがまさか……」
「見たときは、大人しくておしとやかなお嬢様って感じだったのに……」

一方、淳平の母親は未だに現実が信じられなかった。
事実、そのときの綾は、大人しく穏やかな本来の姿だったからだ。
それだけに、綾がつかさに刃を向けたというのが信じられないのだろう。

「(東城さん、どこにいるの……? 何で、あんな事をしたの……?)」
「(あたし、あなたに聞きたい事がいっぱいある。だから……)」









「フふ……ふフフふ……」
「アたし、本当ニ何もなクなっチャった……」

泉坂中学校
その屋上は、綾と淳平が本当の意味で出会った場所である。

綾は血に塗れた手のまま、この地までやってきた。
失ったものを取り戻すために……

だが、何も見つける事はできなかった。
淳平を殺したという事が、綾の心に大きな穴を開けていた。
冷静さは取り戻したが、その大きな穴は埋められるものではなかった。
むしろ冷静になれば成程、現実が綾の心に迫ってくる。



空虚



今の綾の心を表すには、その言葉がふさわしいだろう。







「アたシ……イキきテる価値ナんてなゐよネ……」







続く


[No.952] 2008/04/01(Tue) 18:00:41

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