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心の傷〜第5話〜 (No.960 への返信) - カズクン

黒川に連れられた4人は職員室の応接間にいた。

少し遅れて黒川も入ってきた。

大草「先生・・・真中は?」

黒川「ああ・・・今は保健室で休ませている。」

小宮山「そうですか・・・」

黒川「さて・・・それじゃあいきさつを話してもらおう。」

つかさ「はい・・・始まりはあたしが淳平くんに告白して振られたところからです。」

黒川「・・・・・!」

つかさ「そのあと放課後に・・・クラスにあたしに振られた生徒が10人教室に来て淳平くんを出せって・・・」

黒川「ふむ・・・それで?」

大草「俺と小宮山は行かないように言ったんですが・・・真中は別にいいって言ってそいつらに連れて行かれて・・・」

トモコ「あたしたちが見つけたときには真中はもうボロボロの状態でした。」

小宮山「俺と大草が真中を抱え上げた途端に周りで見てたやつらが真中に罵声を浴びせて・・・」

黒川「・・・うむ。」

トモコ「そのあとに・・・真中が・・・つかさに対してひどいこと言ったんでカッとして・・・思わず胸ぐらを掴んだんです・・・」

つかさ「そしたら・・・淳平くんが・・・いきなり騒ぎ始めたんです・・・」

黒川「・・・なるほどな・・・」

一通り話し終えて・・・しばらく沈黙が続く・・・

黒川「・・・わかった。その殴った生徒たちに対してはこちらの方で処罰する。」

4人「・・・はい。」

黒川「それじゃあ、お前らはもう帰っていいぞ。私は真中を家まで送る。」

黒川は4人にそういうと席を立ち上がろうとした・・・しかし・・・

大草「待ってください。黒川先生。」

大草がとっさに黒川に声をかけた。

黒川「・・・なんだ?」

大草「アイツ・・・いったい何があったんですか?」

黒川「・・・別になにもない。あってもお前たちには話せない。」

小宮山「・・・なにもないなんて嘘ですよね?さっきの先生の慌て方は半端じゃなかった。」

トモコ「そうですよ!それに・・・真中は・・・またやっちゃったっていってたじゃないですか!」

黒川「お前らには関係のないことだ!」

つかさ「関係なくありません!あたしたちは・・・淳平くんの親友です!知る理由はあると思います!」

黒川「・・・し・・・しかし・・・」

大草「俺たち・・・それを聞くまでゼッタイ帰りません!」

黒川「・・・・・・・・・・・・・・」

黒川は・・・しばしの沈黙のあと・・・観念したかのような表情になった・・・そして・・・

黒川「・・・わかった・・・話そう・・・」




黒川「まず・・・話す前に・・・この話はお前たち4人の秘密にすること。他の生徒には決して話すな。」

4人「・・・はい・・・」

黒川「高校に入学する前に真中の親御さんから聞いたんだが・・・真中は・・・女性不信に陥っているんだ・・・触られるだけでもイヤになるそうだ。」

4人「・・・え?」

黒川「きっかけはあいつが6歳・・・つまり小学1年のときだ・・・」

黒川は4人に対して全てを話した・・・

大草「・・・そんな・・・」

小宮山「・・・アイツに・・・そんなことが・・・」

トモコ「・・・」

つかさ「・・・」

黒川「アイツは10年たった今でもなおそのときの出来事が頭から離れないそうだ。」

トモコ「それじゃあ・・・今回の真中の発作は・・・」

黒川「・・・そのときと非常によく似ていたんだ。それを思い出したんだと思う・・・そこにお前が掴みかかったのが決定打になったんだろう・・・」

つかさ「そんな・・・それじゃあ・・・あたしたちがしたことは・・・」

黒川「・・・言いにくいことだが・・・真中の心の傷をいたずらに拡げてしまった・・・そういうことだ・・・」

その言葉を聞いて・・・トモコとつかさは泣き出してしまった・・・

つかさ「うっ・・・うっ・・・」

トモコ「ヒック・・・ご・・・ごめんなさい・・・」

大草・小宮山「・・・」

大草と小宮山も言葉を失う・・・当たり前だ・・・親友がそのような苦しみを持っていることなど知らなかったのだから・・・

そんなことも知らず・・・つかさと付き合うことを促したりしたのだから・・・

黒川「まあ・・・今回の件についてはお前たちも知らなかったのだから仕方がない。」

4人「・・・・・・」

黒川「でもな・・・あいつも苦しみながら必死に自分の女性不信を克服しようとしている。」

4人「えっ?」

黒川「さっき・・・保健室で真中が言っていたよ・・・」

----------------------------------------------------------

淳平「先生・・・4人は?」

黒川「ああ・・・これから事情を聞くつもりだ。」

淳平「先生・・・あの4人を責めないでください・・・」

黒川「・・・真中・・・」

淳平「俺が悪いんです・・・せっかく西野が告白してくれたのに・・・」

淳平「本当なら嬉しいはずなのに・・・俺の心が弱いから・・・あいつを傷つけるようなこと言って・・・」

黒川「・・・・・・」

淳平「俺・・・西野の気持ちに応えてあげたい・・・俺・・・西野なら・・・西野となら・・・変われるような気がするんです!」

黒川「・・・真中。」

淳平「みんなに・・・すまないって・・・言っといてください・・・」

----------------------------------------------------------

4人は黒川の言葉を聞き・・・泣き崩れた・・・

大草「俺・・・アイツの親友なのに・・・アイツの苦しみわかってやれなかった・・・」

小宮山「・・・俺・・・真中の親友である資格・・・ねぇな・・・」

トモコ「・・・こんなことになるなんて・・・」

つかさ「淳平くん・・・ごめんなさい・・・ごめん・・・なさい・・・あたし・・・淳平くんを傷つけちゃった・・・」

黒川「・・・お前たち・・・」

4人はなおも泣き続ける・・・

黒川「もういい・・・済んだことだ。もう泣くな・・・」

つかさ「先生・・・あたしは・・・あたしはどうしたらいいんですか!?このままじゃ・・・淳平くんに謝っても謝りきれない・・・」

黒川「・・・西野・・・」

大草「俺たち・・・なんでもします!」

小宮山「そうだ!俺たち・・・真中が笑顔になれるなら・・・どんなことだって!」

トモコ「先生!あたしたち・・・まず真中に謝りたいです!」

黒川「・・・そうだな・・・それじゃあ・・・一緒に保健室に来い。」

そして・・・5人は淳平のいる保健室へと向かうのだった・・・


[No.961] 2008/04/02(Wed) 21:04:56

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