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心の傷〜第18話〜 (No.988 への返信) - カズクン

早いもので淳平が無事に退院してから半年近くが過ぎようとしていた。

淳平は、退院はしたものの未だに記憶は戻らないままだった。

生活スタイルも大幅に変わってしまった。

まずは学校だ。

淳平の母も大草たちに話していた通りだがあのあと黒川と話し合った結果、予定通り休学届を提出したのだ。

ただ、今の状況では到底学校には行けないため無期限の休学扱いとなっている。

最悪の場合はそのまま退学・・・その話もちらほら出始めている。

ちなみに原因を作った堂島だが・・・

職員会議にかけられた結果、堂島自身も無期限の停学処分が下った。

実際には堂島自身もかなりまいってしまったようだ。

まさか淳平がそのようなことになるとは思っていなかったのだろう・・・

その後堂島は何度か淳平のところにお見舞いに行こうとした。

しかし・・・病院の手前で足が止まり、帰ってしまう・・・それの繰り返しだった。

淳平が退院した今でもその状態で、なかなか淳平本人に会えていない。

もっとも行ったとしてもつかさをはじめとする4人に面会を断られるだろうから、というのもあるようだ。

次にカウンセリング。

今までは週1回だったのが週3回必要になった。

清水先生と淳平の母が二人三脚で何とか淳平の記憶を呼び起こそうと頑張っているのだがなかなか効果は現れてくれなかった。

淳平母「・・・思うようにいきませんね・・・」

清水「こればかりはあせってはいけないんです・・・じっくりいくしか・・・」

何とか淳平の記憶を・・・

そんな母の願いもむなしくただ時間だけが過ぎていき・・・気がつけばクリスマスのイルミネーションが街を彩っている・・・そんな時期になってしまった。







一方・・・ある家では1人の少女が鼻歌交じりにあるものを作っていた。

つかさ「・・・よし!できた〜♪うん、けっこううまくできたかな♪」

つかさはケーキを作っていたのだ。真中家でクリスマスのパーティーのためだ。

もちろんパーティーにはつかさだけではなく大草や小宮山、トモコ、そして唯も一緒に行く。

この半年この5人・・・特につかさは淳平のためにあらゆる手を試してみた。

思い出の場所に行ってみたり、遊んでみたり・・・時には記憶喪失に関する医学書までひらいてみた。

それでも淳平の状態は変わらなかったのだ。

ただ・・・前と違っていたのはごく自然に人と関われるようになっていた。

記憶がなくなっているので当然といえば当然だが・・・それがつかさには嬉しかったのだ。

だから・・・記憶を戻させたい一方で・・・戻ったときの反応が怖い・・・そんな思いもあった。

つかさ(記憶が戻ったら・・・きっと今みたいには話せないんだろうなぁ・・・でも・・・戻らないままよりはずっといい・・・それが淳平くんのためだもん・・・)

そうこうしているうちに大草たちがつかさの家にやってきた。

大草「おーい、西野〜。」

つかさ「(あ、大草くんたちだ。)待って、今行くから!」

支度を終えたつかさは大草たちと共に淳平の家へと向かいだした。

大草「真中の記憶・・・今年中には戻らなさそうだな・・・」

小宮山「そうだな・・・まぁあせっても仕方ないだろ・・・」

トモコ「そうだよね・・・ところでつかさ、その手に持ってるのは?」

つかさ「これ?ケーキだよ。あたしが作ったんだ。」

小宮山「え!?つかさちゃんの手作り?うおぉ!楽しみだ〜!」

大草「西野ってそんな器用なことできるんだ。」

つかさ「まぁね♪みんなに食べてもらいたくて。」

トモコ「みんなじゃなくて真中に、のまちがいでしょ?コノコノ〜♪」

つかさ「な・・・もう・・・トモコったら・・・」

つかさは顔を真っ赤にさせた。

ほとんど図星だった。クリスマスケーキを作ったのはみんなに・・・というより淳平に食べてもらいたい・・・そう思っていたのだ。

小宮山「まあまあ・・・つかさちゃんらしくていいじゃない。」

大草「おっ、見えてきたぞ。真中の家が。」

つかさ「今日は精一杯楽しもうね、みんな♪」






ピンポーン♪

淳平母「はーい。」

『西野です。4人でパーティーに来ました〜♪』

淳平母「あ、どうぞ上がって♪」

ガチャッ

4人「おじゃまします。」

唯「みなさん、こんにちは♪」

トモコ「唯ちゃん、こんにちは♪」

大草「唯ちゃん・・・真中は?」

淳平「ここにいるよ、大草兄ちゃん♪」

唯のうしろから淳平がヒョコっと顔を出した。

大草「よう、淳平!」

淳平「みんな、ようこそ♪」

つかさ「こんにちは淳平くん♪」

淳平「つかさ姉ちゃん♪・・・あれ?つかさ姉ちゃん、その手に持ってるものは?」

つかさ「今日のために作ってきたケーキだよ♪たくさんあるからね♪」

淳平「ホント?わーい、ケーキだ〜♪」

無邪気に喜ぶ淳平・・・事情を知らない人たちがこれを見たらきっと誤解するに違いない・・・

それほどまでに嬉しかったのだろう・・・

淳平「ありがとう、つかさ姉ちゃん♪」

つかさ「どういたしまして♪」

こうした和やかな雰囲気のなかクリスマスパーティーは始まった。

そしてこのあと・・・つかさの作ったケーキがある1つの奇跡を呼ぶのであった・・・


[No.990] 2008/05/02(Fri) 17:45:08

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