明と暗・白と黒 概要とお詫び - シン - 2008/01/21(Mon) 23:33:30 [No.740] |
明と暗・白と黒 プロローグ - シン - 2008/01/22(Tue) 23:28:04 [No.741] |
明と暗・白と黒 第1話 - シン - 2008/01/31(Thu) 21:53:03 [No.745] |
明と暗・白と黒 第2話 - シン - 2008/02/02(Sat) 01:27:14 [No.753] |
明と暗・白と黒 第3話 - シン - 2008/02/03(Sun) 22:53:45 [No.767] |
明と暗・白と黒 第4話 - シン - 2008/02/09(Sat) 22:59:26 [No.792] |
明と暗・白と黒 第5話 - シン - 2008/02/09(Sat) 23:17:13 [No.793] |
Re: 明と暗・白と黒 第6話 - シン - 2008/02/16(Sat) 22:41:01 [No.815] |
明と暗・白と黒 第7話 - シン - 2008/02/20(Wed) 21:04:52 [No.831] |
明と暗・白と黒 第8話 (読んでくれてる人ってい... - シン - 2008/02/25(Mon) 23:36:00 [No.856] |
明と暗・白と黒 第9話 - シン - 2008/02/26(Tue) 00:13:07 [No.858] |
Re: 明と暗・白と黒 第10話 - シン - 2008/02/28(Thu) 22:51:33 [No.876] |
明と暗・白と黒 第11話 - シン - 2008/03/03(Mon) 15:38:25 [No.887] |
明と暗・白と黒 第12話 (R指定かも……) - シン - 2008/03/03(Mon) 16:36:13 [No.888] |
明と暗・白と黒 第13話 - シン - 2008/03/09(Sun) 22:39:52 [No.905] |
明と暗・白と黒 第14話 やりたい放題…… - シン - 2008/03/11(Tue) 16:59:55 [No.909] |
明と暗・白と黒 第15話 - シン - 2008/03/14(Fri) 15:00:48 [No.914] |
明と暗・白と黒 第16話 - シン - 2008/03/16(Sun) 21:37:30 [No.917] |
明と暗・白と黒 第17話 - シン - 2008/03/25(Tue) 00:16:36 [No.938] |
明と暗・白と黒 第18話 (19話執筆にあたり、一部... - シン - 2008/03/28(Fri) 22:48:45 [No.945] |
明と暗・白と黒 第19話 if - シン - 2008/04/02(Wed) 12:33:55 [No.957] |
明と暗・白と黒 第19話(Aパート) true - シン - 2008/03/30(Sun) 19:17:43 [No.947] |
明と暗・白と黒 第19話(Bパート) true - シン - 2008/04/01(Tue) 18:00:41 [No.952] |
明と暗・白と黒 第20話 - シン - 2008/04/02(Wed) 22:55:20 [No.962] |
明と暗・白と黒 第21話 - シン - 2008/04/09(Wed) 20:30:35 [No.974] |
明と暗・白と黒 第22話 - シン - 2008/05/05(Mon) 23:17:28 [No.993] |
明と暗・白と黒 第23話 true - シン - 2008/06/12(Thu) 23:11:02 [No.1034] |
明と暗・白と黒 第24話 - シン - 2008/06/15(Sun) 22:26:10 [No.1045] |
明と暗・白と黒 第25話 - シン - 2008/07/27(Sun) 17:53:59 [No.1127] |
2人の視線が重なり合う。 2人が出会ったその場所で、全てを清算するための戦いが始まった。 警察や綾の家族は突然の闖入者に驚き、口を開く事も、足を一歩踏み出す事もできなかった。 いや、むしろ、事の成り行きを見守ろうとしているとも言える。 少なくとも、自分達では綾を止める事ができないと理解していたからだ。 「東城、ごめん」 最初の言葉はそれだった。 その言葉に綾が反応するのを確認すると、淳平は綾に向かって歩いていく。 「俺、東城がどんな思いをしてるのか全く気付かずに過ごしてた」 「その結果が、この傷なんだよな……」 そう言いながら、淳平は入院着の胸元を開き、血に塗れた包帯を見せる。 それは、淳平の痛みそのものだった。 「あ……ああ……」 綾は言いたい事をうまく言葉にすることが出来ない。 淳平が見せたそれは、淳平が生きているという現実を見せると共に、自らの罪を強烈に意識させる。 「俺は今、すごく心が痛いんだ」 「だけど、東城は俺なんかよりもずっと心が痛いんだよな」 「何があったのか詳しい事は知らない。だけど、俺のせいでずっと辛い思いをしたのは間違いないんだろ?」 淳平はゆっくりと綾へと近づいていく。 そして、淳平と綾を隔てる物はフェンス一枚となった。 「俺がもっと早く気付いてやるべきだったんだよな。東城がどんなに辛い思いをしてたのか……」 「ま……なか……く……ん……そんな……」 綾の瞳から、暗い光が少しずつ消えていく。 淳平の言葉は、まさに心と心を繋ぐ魔法だった。 「どうしようもないくらいに鈍感な俺だけど、これだけは言える」 「今からでも遅くない、もう一度、『人』をやり直そう」 「東城が俺のそばにいたいって言うのなら、俺は喜んで受け入れる。東城が望む事なら、何だって受け入れるさ」 「だから、あの頃のような東城に戻ってくれ……」 その時には、既に淳平と綾を遮るものは何も無かった。 フェンスを乗り越えた淳平は、綾の目前に立っている。 あと1歩、あと1歩踏み出して綾を抱きしめれば、淳平は罪を1つ清算することができるのだ。 「……駄目……こんな汚れたあたしは……真中くんのそばにいる資格なんて……」 「ううん、もう、真中くんの目の前にいる事も駄目……」 淳平はその1歩を踏み出した。 自己否定の言葉を並べる綾を、その腕で抱きしめる。 「東城! そんな事……言うんじゃねえ……」 「東城は東城だ! 何があっても、それが変わる訳無いだろ!?」 「俺……ずっと東城のそばにいるから、東城も俺のそばにずっといてくれよ!」 淳平の瞳からは、いつの間にか涙が溢れていた。 その涙が何の涙なのかは淳平自身にも分からない。 だが、間違いなく涙を流していた。 そして、綾の瞳にも涙が溢れ、光が満ちる。 「……真中くん、ありがとう」 ただ、その光は……あの時と同じ、絶望の光だった。 「……さようなら真中くん」 綾は淳平の手を振り払うと、その弾みで後ろへと身体を押し出す。 当然、綾の後ろには何も無い。 あるのは、奈落とも言うべき闇だけだった。 「っ! 東城!」 綾の体が後ろに傾くと同時に、淳平もその身体を乗り出して綾を止めようとする。 考える暇など有りはしない。それは、ただ反射的な行動だった。 「(東城! 勝手に……逝かせるかよ!)」 その両腕で綾の身体をしっかりと捉え、最悪の事態を防いだ事を確信した淳平。 だが、その確信はすぐに裏切られた。 何しろ、その身体に奇妙な浮遊感を感じ取ったからだ。 「(……あ、俺、飛んでる……)」 「(ありがとう真中くん、こんなあたしのためについてきてくれるなんて……)」 「(あたしは天国になんて逝けない。だけど、真中くんと一緒なら地獄だって怖くないかな?)」 「(……本当に、ずっと一緒に居てくれるんだね……)」 「淳平くぅぅぅぅん!?」 つかさの叫びが夜の闇に木霊する。 真中淳平と東城綾の姿は、泉坂中学校の屋上から消失した。 第22話『奈落』 続く [No.993] 2008/05/05(Mon) 23:17:28 |