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   【試験投稿】Gift To...第1話 - ねぎ@管理人 - 2005/07/04(Mon) 13:04:53 [No.1]
Re: 【試験投稿】Gift To...第2話 - ねぎ@管理人 - 2005/07/04(Mon) 13:07:27 [No.2]
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Re: 【試験投稿】Gift To...第4話 - ねぎ@管理人 - 2005/07/04(Mon) 13:09:32 [No.4]
【試験投稿】コメント - ねぎ@管理人 - 2005/07/04(Mon) 13:12:09 [No.5]



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【試験投稿】Gift To...第1話 (親記事) - ねぎ@管理人

「ほら 淳平くんが 廃墟に逃げこんだあたしを追ってドアをバン!って開けるシーン。

あそこであたしに好きだって言ったじゃん?

 あそこね… あたしね…

 ものすごく胸がドキドキしちゃった!

 バカだよね 自分が告られたわけじゃないのに 」



【Gift to・・・】

第一話 「ドキドキ」



真中たちは予定通り今年の夏の合宿を終了し、一週間の合宿から家に帰ってきていた。



『ものすごく胸がドキドキしちゃった!バカだよね 自分が告られたわけじゃないのに…』



真中は自分のベッドの上で天井を見つめながら、さっきからこの言葉をずっーとアタマの中で思い出している。



 合宿から帰宅して直ぐに、唯の件があって疲れきっていた体ではあったのだが、寝ようとしてもなかなか寝つけないでいた。



「東城とはこの合宿で一歩も二歩も近づいた気がする。これからどうしたらいいのかはわからないけど、でも距離は確かに縮まったと思うし…

 さつきとは今回は何もなかったな〜。まぁしいていうなら風呂場でまたやっちまったくらいか…

 西野…、そう西野とはどうなんだろう?今もアタマに浮かんでいる言葉…

それに、あのホタルを見ながらの縁結びの神様へのお祈り…『これからもっと素敵な恋ができますように…』

 あの時は西野に誰か好きな人がいるのかと思ったけど、いま思うとあれは俺ともう一度やり直したいって遠まわしな表現!?いや、都合よすぎだな。でも縁結びってそこにいる二人の縁を結ぶって意味だし…」

しばらく同じことを何度も繰り返し考えていた真中ではあったが、そうこうしているうちに眠りに入ってしまった。



翌朝

「ほら、淳平!いつまでも寝てるんじゃないよ!!今日はバイトがあるんでしょ!!早くしないと遅刻するわよ!!」

いきなりの大きな声と共に布団をはがされ、真中は渋々眼を覚ました。

「そうだった、今日はバイトの日だったんだ。唯の家に行ってたから感覚がズレちったな。」



.朝食をすませ、真中はジジイ(館長)へのみやげを持ってテアトル泉坂へ向かった。



「はぁ、今日バイトだったんだよな〜。イメージが残ってるうちにビデオの編集をやっておきたかったんだけどな〜…」

パシャッ!

「あわわ、すまんな、ついボーッとしてて...」

ジジイだ。

「何やってんスか、もーーーっ!!」

「わ、悪い!!いや、しかしその〜なんだ。奥の部屋にタオルがあるからそれで拭いてくれんか。」

「何で奥の部屋なんですか!この部屋にいつも使ってるタオルや予備のシャツがあるじゃないですか!!」

「あっ、あっ、あ〜〜〜っ!!!!」

「何ですか!!」

「そこは豊三郎の秘密の部屋だからダメーーっ!!」

「秘密も何もただの小汚い部屋じゃないですか!ハイ、これおみやげ!!」

「ぬぉ!!こ、これ、ダメじゃというのにーー!!」

真中はジジイにおみやげをたたきつけるとドアを開けた。



ガチャ



ドアを開け中に入ろうとすると白い影がチラッと動いた。真中は眼を凝らしながらゆっくりとその方向へ眼を向けると、そこには…

一人の女の子が…

しかも今まさにシャツを着ようとしているところであった。



「……ど、どーも。失礼…つかまつりました…」



「きゃあああああああっっ!!」

「うゎーーーーーっ!!」

慌てて部屋を飛び出し、ドアを閉める真中。

(い、今のは西野!!??なんでまた西野がここで!?)

だが、その瞬間、今の状況を一気に理解した。



「おい、ジジイ、またやりやがったな!!」

「堪忍してや、にいちゃん!今日はホンマに偶然やったんじゃ!!」

「今日は?ってことはやっぱりこないだはワザとだったんだな!!」



「え、この声は淳平くん。今のはやっぱり淳平くん!?」



「そ、そんな昔のこと…。つ、つかさちゃんに聞こえちまうじゃろ!」



つかさという名前を聞いて思わず我に帰った真中。

(そうだ、今西野が中にいるんだった。しかも一度ならず二度までも…。俺って一体…。)



ガチャッ



「あ、に、西野…」

「やっぱり淳平くんだったんだ!」

「ご、ごめん。まさか、また西野が着替えてるなんて思わなくって…」

「う、うん…」

二人は少し顔を赤くしながら俯いていた。

真中は(やっべー。これじゃ俺ただのスケベじゃね〜か!あのジジイ!!でも、西野の体、白くてきれいだったな〜)

一方西野は(どうしよう、また見られちゃった…かな?もう、どうしてこう何回も淳平くんにばかり見られちゃうんだろう…)とどんどん顔を赤くしていった。



「か、かあっわい〜〜〜い!!」



ジジイの声でハッっとなった二人。



「つかさちゃんのTシャツ姿、初めて見るけどすっごい かあっわい〜〜い!死んだばーさんの若いころにホントそっくりじゃい!」

「す、すみません。シャツをお借りしちゃって」

「いーの、いーの!どーせそれはコイツがいつも仕事するときに着るシャツで、何枚かココに置いてあるんじゃ!」

「え?じゃぁこのシャツ、淳平くんの…」

そう、今つかさが着ているのは、これから真中が着替えようと思っていた正にそのシャツだったのだ。

「あ、あぁ。に、西野さえよけりゃそれ着てってくれよ。迷惑かけちまったのはこっちだし(っていうかこのジジイだし)…」

そういいながらも真中は自分のシャツを着て目の前に立っているつかさに思わず見とれてしまっていた。

「か、かわ・・・」

「ん、何??淳平くん?。」

思わず『かわいい』って言ってしまいそうになった真中は赤い顔を更に赤くして

「か、かわくといいな、服が!!」

「大丈夫だよ!バイトしてるうちに乾くと思う」

そういうと、いつもの笑顔を真中の方に向けた。

「それより、順平くんのシャツ。これ一枚しかなかったけど、大丈夫?」

いつもは3枚くらいはシャツを代えとして置いておくのだが、今回の合宿が一週間もあったので、一枚だけ残してあとは自宅に持って帰っていたのだ。

「大丈夫!どうせお客が少ねえから仕事もそんなないから汗もかかないだろうし。それにすぐ汚しちゃうからどれを着てても一緒だよ!」

「うん!ありがとう!!」

つかさはそういうと、カバンを手に取り

「じゃあ、あたし バイト行くね!」

そう言うと、パティスリー鶴屋に向かって走り出した。と、突然真中のほうに振り返り

「淳平くん!今日も一緒に帰ろうね!!」

大きく手を振りながら走っていってしまった。



真中も手を振りながら

「今日も…も!?ってことは少しは俺のこと気にしてくれてるのかな?」





夜7:00

「じゃあ お先に失礼しまーす!」

真中は映画館を飛び出すと、急いでつかさのバイト先のケーキ屋まで走っていった。

つかさのバイトが終わるのは7時。別にケーキ屋の前で待ち合わせというわけではないのだが、何故かつかさがお店を出て来た時には外で待っていたかったのだ。



ガチャッ

「お疲れ様でした〜」

つかさが出てきた。

「淳平くん!お待たせ〜!!」

つかさの笑顔に何故かホッとしてしまう真中。

「じゃあ、行こうか」

そういった真中はふとあることに気づいた。



『西野が俺のシャツをまだ着てる!?』



そう、つかさは午前中に真中から借りたシャツを着て出てきたのだ。

(た、たしかバイト中に乾くって言ってたような…)

だが、現実に眼の前にはちょっとだぼついた
自分のシャツを着ているつかさの姿がある。



「ん、どうしたの 淳平くん?」

そういうとつかさは真中の顔を覗き込んだ。

「い、いや。ハハハ。何でもないっす!」

思わずドキドキしてしまう真中。

「もう!淳平くんっていっつもボーッとしてるんだから!」

「はは。」



「きょ、今日はホントごめんな!まさかあそこに西野がいるなんて思わなかったから…」

真中はどうしてまだ俺のシャツを着てるのかが気になってしまい、さりげなく話題を振ってみた。

「ううん、あたしのほうこそ ありがとね!でもこのシャツとっても助かってる。実はまだ服が湿っぽくて。」

本当に服がまだ湿っているかは定かではないが、真中はその言葉を聞いて納得したような残念なような何ともいえない感じになった。

「そ、そう?それはよかった!!」

すると、いきなりつかさは真中に近づき、真中の着ているシャツの匂いを軽くかいだ。

突然の出来事にドキドキする真中。

「え?え?何??俺ってなんか匂う???」

そういいながら自分のシャツの匂いをかいでいると

「アハハ、違う、違う!別に変な意味じゃなくって。ただ今あたしが着ているシャツと同じ匂いがするのかな〜って思ってさ!」

「え?そのシャツ臭う?ごめん!おかしいな〜、ちゃんと洗ってるんだけどな〜」

「そうじゃなくって、これが淳平くんの匂い なんだな〜って」





ペロっと舌を出して笑うつかさに思わずドキッとする真中。






「ところで淳平くん。こないだの合宿の映画。もう編集ってやってるの??」

「ん?あ、あぁ編集ね!」

いきなり別の話題になったので、真中は言葉がどもってしまった。

が、つかさに尋ねられた真中は、唯との出来事を説明し、明日から始めようと思ってることを伝えた。何故、この時、唯との出来事を全て(といっても風呂場の出来事は除いて…)つかさに話をしたのかはわからなかった。

でもつかさには何でも話したい。そんな気持ちになっていたのは事実だった。



「へ〜〜、じゃあ疲れがまだ残ってるんじゃない?大丈夫??」

つかさの優しい言葉に思わず胸を熱くしながら

「大丈夫!!編集っていっても、必要なシーンをつなぎ合わせてまとめるだけだからさ!」

「ふ〜ん…」

つかさは何か考えてるように返事をしたあと

「ねぇ!あたしもその編集を手伝う!!」

「!!!!!」

突然の提案に驚いてしまう真中。

「え?い、いいよ!そんな。一人でもできるし・・・。そ、それに…(それって西野が俺の家に来るってことだよな〜)」

「それに…何?もしかして…お邪魔??」

つかさは寂しそうに言った。

「い、いや。違うんだ!手伝ってくれるのはとっても嬉しいんだ!ただその〜部屋が…」

「部屋が…何…?」

「き、汚い・・・・」

「き、汚い…!? プッ!な〜んだ!そういうことか〜。良かった〜。あたし、本当にお邪魔なのかな〜って思っちゃった。じゃああたしもお掃除手伝うから一緒に片付けようよ!そうすれば早く終わると思うし、それに編集できる時間も増えるでしょ?ね??」

「い、いや。いいよ!じゃ、じゃあ部屋は俺が今日中に掃除しておくからさ!!西野には明日編集を手伝ってもらおうかな〜なんて」

「うん!!」

つかさは満面の笑みを浮かべて真中にうなずいた。



「そういえば、前、ここの公園を通ったよね」

そう。あの映画館で運命的!?(真中が勝手にそう思ってるだけかもしれないが)な再会をしたその日の夜、一緒に帰った時に確かにここの公園を横切ったのだ。ただ、その時はあまりのカップルの多さに思わず無言になってしまったのを真中はまだ覚えている。

「そ、そうだね。あ!あの時にもらったケーキ。ホントおいしかったな〜!」

つかさはつかさで、言ってしまった後、やはりその時の事を思い出してしまっていた。

「え?あ、うん。うちのケーキすごくおいしいでしょ?今あたしもケーキ作りを勉強してるんだけどさ。やっぱ、お店のケーキみたいにうまくいかないんだよね〜」

公園を素通りし、気づけば西野の家の近くまで来ていた。

「あたし、こっちだから。」

「うん、気をつけて!」

「明日、淳平くん家に何時に行けばいいの?」

「う〜ん、できたら一回通して見てみたいから、午前中に来てもらえると助かるな〜」

つかさはその言葉を聞いて少し考えた後、

「うん、わかった!じゃあ10時頃に行くね!また明日!!」

「おやすみ!!」



真中は帰り道、『明日は西野と二人で編集か〜…』と考えながら、



「早く帰って、部屋を片付けないと!!」



急いで自宅のマンションへ走るのであった。





[No.1] 2005/07/04(Mon) 13:04:53
Re: 【試験投稿】Gift To...第2話 (No.1への返信 / 1階層) - ねぎ@管理人

「あたし、こっちだから。」

「うん、気をつけて!」

「明日、淳平くん家に何時に行けばいいの?」

「う〜ん、午前中に来てもらえると助かるかな〜」

「うん、わかった!じゃあ10時頃に行くね!また明日!!」

「おやすみ!!」





【Gift To・・・】

第二話 「 小さな修羅場 」



「あら、淳平、今日は早いのね?昨日遅くまでドタバタ掃除してたから今日はゆっくりだと思ったのに…」

「べ、べつにいいじゃんか…」

「あ、さては〜女の子が来るんしょ?母さんにも紹介なさいよ!誰?こないだ来た東城さんって方?あの子凄い綺麗だったわよね〜。それとも別の子かしら??」

「うるさいな〜〜、いいからあっちに行っててくれよ!!」

真中はそう言いながら、昨日の夜に出たゴミを外に出しに行った。





「あ、淳平くん!おはよう!!」

「お、おはよう!西野!!」





つかさは薄い黄色のシャツに薄い水色のパンツ姿だった。

「迎えに来てくれた・・・ってわけじゃあなさそうだね。」

「はは、昨日あれから掃除してさ。そのゴミを出しにきたとこ。まあ、それなりにきれいにはなったと思うんだけど・・・」

「そういえば、淳平くんのお家にお邪魔するのって2回目だよね!あの時、部屋はきれいだったと思ったけど…」

「そ、そうだったかな?きっとホラ、たくさん人がいたから汚いところが隠れてたんだよ!」

「そうそう、たくさんいたよね!あの時初めてさつきちゃんに会ったんだよね!」

『その日は東城が家に来るんで前の日に綺麗に部屋を片付けました』なんてとてもではないが言えない。

「さ、西野ん家に比べたら狭くて汚いけど、あがってくれよ」

「そんなことないよ!じゃあお邪魔しま〜す!!」

元気のよい声が真中の家に響いた。

「いらっしゃ〜い!あらあら、まぁまぁまぁ あなたが西野さん?なんてかわいい子なんでしょう?どこのアイドルさんかと思っちゃった!淳平にはもったいないくらいに…」

「だーーっ!恥ずかしいからどっかに行ってくれよ!!西野、俺の部屋に早く行こう!」

「う、うん!あの、これ。もしよかったら皆さんで召し上がってください!」

そういうと、つかさは手に持っていたバッグからかわいらしい袋を取り出し、真中のお母さんに渡した。

「まあ、いいの?おいしそうなクッキーじゃない!!じゃあ早速お茶菓子にさせてもらうわね!」



そういうとそそくさと居間の方に姿を消していった。



「ごめんな、西野。騒がしくって…」

「ふふっ 楽しそうなお母さんだね!なんか淳平くんのお母さんらしいっていうか 」

つかさはそういいながらキョロキョロと真中の部屋を見回した。そう、ここに来るのは今日で二回目。あの時は、一生懸命作ったクッキーを真中に食べてもらいたくてドキドキしながら尋ねてきたのだが、映研部勢ぞろいだったため、結局みんなに食べてもらうことになってしまい、話もあまりできなかった。でも今日は違う。今日は映研部の人たちはいない。

「あんまり部屋を見ないでくれよ。掃除したとはいえ、ごちゃごちゃしてて汚いからさ」

真中の声に笑顔を見せながら

「そんなことないよ!ただ、こないだ来た時と違って部屋が広く感じてさ!それに凄いたくさんビデオ持ってるんだね!!あ、これ知ってる!こないだテアトル泉坂で上映してたやつだ!!」

「へ〜、西野もその映画見たんだ。それってマイナーなんだけど、ストーリーがいいっていうかさ。なんか主人公の男がはっきりしないんだよな〜」

「そうそう、でも女の子もかわいそうだけど、主人公の男の子もとっても辛そうで…。思わず涙が出ちゃった!」

つかさも見たというその映画は、以前外村の妹にタダ券をもらって見た映画だ。感動して涙していた真中を見た館長のじじいが、バイトの条件の一つとして、マスターフィルムをビデオテープにおこしてくれ、真中にくれたのであった。

3人の女と1人の男。結局男は誰とも結ばれることはなく、全員がバラバラになってしまうという結末。



(!?西野も俺と同じようにこの映画を見たってことは、やっぱり俺たちに重ねて見てた!?)



真中がつかさの方を見ると、当のつかさはビデオカメラをいじくって口をとがらせていた。

「ねぇ、淳平くん。これってどうやったら見れるの?下手に動かしたらなんか壊れそう…」

(考えすぎだよな…)

「ああ、じゃあちょっとかして。これはまずビデオにつないで…」

そういうと、真中にしては?めずらしくテキパキとセッティングを行い、準備完了となった。

「わーっ凄い!!あっという間だね〜」

「ま、ま〜な!」

どうだと言わんばかりに胸を張る真中。つかさにいい所を見せることができたのが気持ちいいのだが、実は以前東城に教えてもらっていたのだ。



「とりあえず、今日は編集よりも、一度通して見てみたいんだよな。やっぱイメージをもう一度確認したいっていうかさ!それに、編集作業は一応外村兄妹と東城も参加してもらわないとね。映像のプロと原作者だしね。」

「うん、わかった。じゃあ、アタシ、この映画のお客さん第一号だね!」

「主役が第一号か・・・!」

「ふふっ何か変だね?」





「あ、始まったね 」

物語は1人の女性と1人の男性の物語。といっても女性はつかさが、男性は真中が演じているのだ。



「あ、このシーン。村の人達が手伝ってくれて助かったよね〜!」

「そうそう、この時、外村なんか撮影そっちのけで女の子の写真ばかり撮ってるんだもんな」

   ・

   ・

   ・

物語は進み、二人して画面に見入っていると



『きみの姿勢があまりに真剣だから・・・ 』



「あ、このシーン。ちょっと気に入ってるんだ。どうやったらドキっとさせられるかな〜って考えながら演じたんだよ!」

「へ〜、でも西野ってホント演技うまいよな〜〜。もっと早くから頼めばよかったよ」

(そう、ドキッとした。俺は・・・この時、本当にドキッとしてた。

 相手が西野だったからだろうか・・・。もし東城だったら俺はどんな感じだったんだろう・・・)



ガチャッ!!

突然前触れもなく真中のお母さんが部屋に入ってきた。

「はいはい、ごめんなさいね!お茶菓子を持ってきたわよ〜。でも麦茶と西野さんからいただいたクッキーだけど」

「だぁー!!何度も言ってるだろ!!部屋に入るときにノックぐらいしろーーーっ!!」



「あら、これが例の映画!?お母さんも一緒に見てもいい??」

「あぁ、もう!!今からこれを編集してきちんとしたものに仕上げるんだから!完成したら見せてやるから!!」

「あら、そう?残念ね〜。せっかく午前中のちょっとしたヒマがつぶれると思ったのに。」

「俺らはひまつぶしか!?」

「淳平くん、いいじゃない!お母さんにも見てもらえば?いろんな人の意見を聞くのもいいんじゃない?」

「ぐ・・、まぁ、西野がそういうんだったら・・・」

「やったー!お母さん嬉しいわ〜。でも、完成品を見せて貰えるならそっちの方を楽しみに待つことにするわ」

「おいおい」

「じゃあ、邪魔者はこのへんで〜。お母さん、ちょっとデパートまで行ってくるからね。夕方には帰るから。それじゃあ、西野さん、淳平のことよろしくお願いね!」



ガチャッ



「西野、ごめんな〜。騒がしくしちゃって。」

「ううん!淳平君のお母さんってホント面白いよね〜」

「面白いのか〜、あれが!?あっ!いけね!!ビデオが先に進んじゃってるよ!巻き戻さないと。」



  ・

  ・

  ・



「やっと半分か〜〜。ずいぶんと撮影したんだな〜」

「そうだね。でも嬉しいな〜。」

「ん?何が?」

「だってやっと順平君の映画作りに参加できたんだもん!前見たときには観客だったからね!」

(それって、俺と一緒に映画を作りたかったってこと?あの時から?別れてからもずっと!?)

「西野・・・」

淳平が話し出そうとしたとき

グギュルルル・・・

「あ!し、失礼!」

「ふふ、もうお昼だもんね!」

「そうだった!やべぇ、昼メシのことまでは考えてなかった!!え〜っと確か冷蔵庫に昨日のカレーが・・・」

「淳平くん」

「あ、ちょっと待って!今すぐ何か準備を・・・」

「お〜い!こらっ!!こっち向け〜〜!!」

「は、はい!!」

思わずいつもの調子でかしこまってつかさの方に振り向いた真中。

すると、つかさがカバンから何か取り出し、真中に差し出した。

「ね、食べよ!」

「へ?もしや、これって・・・?」

「そう、お弁当!といってもサンドイッチなんだけどさ!!もし、午前中で終わったら外で一緒に食べようかなって!でもお母さんが作ってたらどうしようって思ったんだけど・・・。でかけちゃったもんね。」

「西野、これって・・・手作り!?」

「うん!前食べてもらったお弁当の時よりもずいぶんと腕は上達したんだぞ!だから、順平くんにアタシの成長ぶりをみてほしくって!」

「うん、喜んでいただくよ!!」

居間に移動し、テーブルの上にサンドイッチを広げた。

「どうぞ、召し上がれ!」

「いただきま〜す!う、うまい!」

「ほんと?嬉しいな〜!」

「いや、マジで!俺よく学校の購買でサンドイッチ買って食べるけど、それより全然うまいよ!店出せるぜ、西野!!」

「またまた〜、そんなおだてたって何も出ないぞ!」

そういいながらもつかさはとっても喜んだ。何故なら目の前で、真中が自分の作ったサンドイッチをおいしそうに食べてくれてる。前作ったときとは違う。あの時はサヨナラをいうつもりで作った。でも、今日はただ真中に食べてもらいたくてつくったのだ。しかもとってもニコニコしながら食べてくれてる。

(良かった。淳平くん、喜んでくれたみたいだ)

「にしふぉふぁふぁべないふぉ?(西野は食べないの?)」

「ん?何??」

あらためて話そうとして真中はのどにつまらせてしまった。

「グホっ、んぐんぐ!」

「ちょっと待って、今お水を!」

「あ、ありがとう・・・」

と、今度は電話が鳴り出した!

「わ、わるい・・・西野、出てくれるか・・・?」

真中はまだ苦しくてまともにじゃべれない。

「わかった!」



[はい、真中ですけど・・・(なんか淳平くんの名前を名乗るの照れちゃうな・・・)]

[もしもし?あの〜、外村といいますけど、真中君はいますか?]

[あ、はい、ちょっとお待ちください!]



「淳平くん、外村さんって人。たぶん、あの外村君じゃないかな?」

「あ、ありがとう」

真中は受話器を受け取った。と、同時に『ピンポーン!ピンポーン!!』

呼び鈴が鳴った。

「西野、度々わるいんだけど・・・」

「わかってる!」

そういうとつかさは玄関の方に向かった。



[もしもし?]

[真中か?今何してる?]

[え?今?(西野と二人でビデオを見て、お昼食べてる なんて言った日にゃ大騒ぎだ)

 ああ、部屋の掃除をね!]

[ふ〜ん、ところで今出た女の人誰?ずいぶん若い声だったけど、唯ちゃんともちがうし…]

[(こ、こいつは探偵か!?)え?オフクロだよ。電話の時だけ声を作ってるんだ!(よし!我ながらナイスな切り返し)]

[あ、ところでさ〜・・・]



と、その時、玄関先に出たつかさは

「たっだいま〜〜〜!!!」

「!!あ、唯ちゃん!?」

「あ〜〜!つかさ先輩だーー!!どうして?どうしてここにいるのーー??」

「うん、今ね、こないだ撮影した映画の編集を手伝ってるの。といっても一度通して見るだけなんだけどね!」

「へーーー・・・。よっしゃ!唯も手伝っちゃる!!」

   



[おい、真中!!]

[え?何かな外村君・・・]

[今聞こえたぞ!確かに唯ちゃんの声だ!]

[(この地獄耳やろう…)そ、そうだな!今帰ってきたみたいだな!]

[そこじゃない!今、確かに、つかさ先輩という声が…]

[え?気のせいじゃないかな?]

[き・こ・え・た・ぞーーー!!]

[(こいつ、一体何者なんだ!?)に、西野に会ったとかそんなことじゃね〜かな(かなり苦しい…)]

と、その時

「じゅ〜んぺーーたっだいま〜〜!!ずるいぞー淳平たちだけでーーー!唯もつかさ先輩のサンドイッチを食べるーーーー!!」



[(こ、この大声おんな!!)]

[真中…]

[は、はい…]

[そこを動くな…]

[は、はい…]






ガチャッ



あまりの外村の気合の入った声で思わず何もいえなかった真中。



「外村君、何だって?」

「え?いや・・・。たぶん・・・まもなく・・・・やってくる・・・・・」

「ん?そうなんだ〜〜、どうしよう、外村君の分まであるかな〜。」

「いいよ!唯が全部食べちゃる!!」

そういうと、唯はものすごいスピードでサンドイッチをほうばった。

「西野・・・」

「何?」

「来るのは…外村だけじゃない…」

「え?他にもだれか一緒だったんだ!」

「いや、一緒じゃないと思うんだけど…でも、間違いなく…」

        ・

        ・

        ・



『ドンドンドン!!こらーー開けろーーー真中ーー!お前は完全に包囲されている!!』by外村



「来やがった・・・」



『おい、ずるいぞ!!俺にもつかさちゃんの料理を食わせろ!!』by小宮山



『ちょっと、何よ!アタシを誘わないってのはおかしいんじゃないの!!』byさつき



『『『あっけろーーーー!!!』』』



ガチャっ



「はい、どうぞ・・・」






「お、つっかさちゃ〜ん、俺のサンドイッチはどこかな〜?」



「あ、唯ちゃん久しぶり〜!いいな〜その食べてる姿!どう?記念に一枚!」



「ちょっと、真中。どういうことよ?西野さんとふたりっきりですって!ま、まさかアンタ、西野さんと変なことしてたんじゃないでしょうね!!」



「す、するわけね〜だろ!!何言ってんだよ!!」



「あ〜〜!!最後のサンドイッチをーーーー!!」





「ごちそうさまでした!」



「う〜ん、いいね〜その笑顔!」



「(はあ、あっという間に勢ぞろいだよ・・・)」

(あれ?そういえば東城の姿が見えないな)

真中が東城がいないなと思っていると



「ん〜何々?真中〜。いくら探しても東城はいないぜ〜」

外村だ。相変わらず勘が鋭い。

「別に、東城を探してなんかいね〜よ」

「ふ〜んそうなのか?ま、東城の場所を知りたくね〜ってんならかまわないけどさ」

(こ、こいつ。西野がいるのわかっててワザと言ってやがるな!)

「そいうえば、美鈴が東城の家に行ったような、行かないような・・・」

(行ったんだな・・・。わざわざ迎えに!!)

ピンポーン!

「ごらいて〜〜ん!」

「お前な〜〜」

「こんにちは〜」

「「あ!綾ちゃ〜〜ん!!」」







「や、やあ東城。悪いな、なんかこんな事になっちまってて・・・」

「ううん、あたしの方こそ、突然お邪魔しちゃって、ご迷惑じゃなかったかしら?」

「いいのよ!真中先輩?編集するときは私達を必ず加えるようにって念を押しましたよね?」

「は、はい。そのとおりでございます!」

「そ!だから東城先輩はな〜んも気にすることはないの!」

「そう?でも・・・」

綾はそう言ってチラリとつかさの方を見た。



「悪いのは、淳平くんじゃないの!アタシが手伝いたいって言ってムリヤリお願いしたの!だから、アタシが…」



「いいの!西野先輩も悪くない!悪いのはこの甲斐性なし!!」



(もはや、言葉も出ない…)



「でも、淳平くん、この作品の編集は東城さん達と一緒じゃないといい作品に出来ないから、今日は通してみるだけってことにしようって…」



「西野先輩も優しすぎ!こんな甲斐性なしに!!」



(さっきからこのアマ・・・)



「まあ、まあ、いいじゃない。それよりもせっかくみんな揃ったんだから、俺たちも通して見てみようよ!」



(ナイスフォロー!外村!!)



「そ、そうだよ!俺と西野も結局半分くらいしか見てないし。それに、今日はホントに編集っていうよりも、一度通して見てイメージをもう一度思い起こしたいっていうか・・・」



「そうね、やっぱり撮影していた時のイメージとかって時間が経つとまた変わってくるかもしれないし。アタシも真中くんにお願いして見せてもらおうかなって思ってたの」

「じゃあ、俺の部屋にカメラがあるからそっちに移動しよう。」

「よっしゃ!!」

「唯も見るぞ!!」

「勝手にしろ」

    ・

    ・ 

    ・

    ・



「へ〜〜、かなり良く撮れてるじゃん!」

「ほんと!でもよ〜、本当なら俺がつかさちゃんと...」

「ほら、真中見て!このアタシの演技!かなり上達したと思わない?」

「あ、このシーン!真中くん何度も西野さんの名前で呼んじゃって・・・」

「一番NG出してたのって結局監督の淳平くんだったよね!」



    ・

    ・

    ・

    ・



一通り、ビデオは見終わり、7人は作品の内容について語り合った。



と、その時、映像が終わり黒くなってた画面が突然明るくなった。

全員「何?」という顔でテレビの方を振り向く。



そこには、唯が映っていた。

「あれ?唯ちゃんだ!」

「おう!アタシだ、アタシだ!!」

「!?(こ、これは!?確か、この後って・・・・まずい!!)」

真中は旅館での事を思い出し、慌ててビデオを止めようとしたが時すでに遅し。



『やっぱり 淳平 だ〜〜いすき!!』



「は、ははは・・・」



一瞬、場の空気が止まった。



「ちょ、ちょっと信じられな〜い!真中、どういうことよ!ねえ、こんなペタンコがいいっていうの?」

「い、いや、これには深い事情が・・・」

「ペタンコだとーー!このオッパイおばけーー!!」

「不潔!」

「ま、真中くん・・・」

ちょっとひいた表情を見せる綾。

(うわ〜、完全に誤解されてるよ〜。そうだ、西野!西野なら事情は知ってるし・・。)

真中は西野の方に助けを求める視線を送った・・・。

「!!」

(だ、だめだ…。あの目はかなりあきれてる目だ・・・)

「修羅場♪修羅場♪」

(外村の野郎・・・)



ふいに唯が口を開いた。

「ねえ?ところで何でみんな騒いでるの?」



「な、何でって、アンタが真中と二人で・・・そんでもってだいすきって・・・」





「うん、じゅんぺーのこと好きだよ!」



「「「 !!! 」」」



「だって、唯が困った時、とっても頼りになるんだもん!唯、一人っ子だから、じゅんぺーがお兄ちゃんみたいでとっても嬉しいんだ!」



「唯・・・」



「それに、今はつかさ先輩や東城さんみたいな優しいお姉ちゃんができて、いじわるするけどさつきちゃんもいるし!今日、美鈴ちゃんにも会えたし!」



「唯ちゃん・・・」



「みんな大好きなんだ〜〜!!!」

唯は無邪気に笑いながら答えた。



「そっか〜。そういや兄妹同然に育ったんだもんな〜。」



「アタシ、弟がいるんだけど、唯ちゃんと同じで弟のこと好きよ。」

笑顔で東城は言った。



「ま、あたしがそんなお子様に負けるとは思えないけどね〜」

さつきは得意げに挑発したポーズを取って見せた。

外村がシャッターを切りまくったのは言うまでもない。



とりあえず、唯がその場にいてくれたおかげで、誤解は無事!?解けたのであった。

     ・

     ・

     ・



帰り際・・・



「真中くん、お邪魔しました。」

「東城、来てくれてありがとうな!今度、編集の日程を外村と話しておくから。連絡するよ!」

「うん、待ってる!!それじゃあ、おやすみなさい!!」



みんながそれぞれ外に出て行くと

「なあ、真中、ちょっといいか?」

外村が真中にコソコソと話をはじめた。



「さっきの問題発言だけどさ。アレ、俺の勘だけど、唯ちゃんもしかしたら、もしかするぜ!」



「!?何言ってんだよ!んなわけね〜だろ!!」



「さ〜てどうだかね〜??」



外村は意味深な笑いを浮かべながら帰っていった。



「淳平くん!今日はとっても楽しかった!!ありがとうね!」



「ううん、こちらこそ。お昼までもらっちゃって。ありがとうな!」



「うん!明日からまたバイトだね!」



「あぁ、そうだね。相変わらずヒマだけどね」



「じゃあ、また明日!おやすみなさい!!」



「うん、おやすみ〜〜」



(はぁ〜やっぱ西野かわいいな〜〜。東城も今日の私服姿にはドキドキしちゃったな。『また明日!』か〜。うん、よし!明日だな!)



「じゅんぺ〜。何ニヤニヤしてんだ?気持ち悪い!!」



「!!」



得意の妄想の世界から一気に現実に戻された真中であった。









[No.2] 2005/07/04(Mon) 13:07:27
Re: 【試験投稿】Gift To...第3話 (No.2への返信 / 2階層) - ねぎ@管理人



第三話『 新しい恋!?  』





今日は東城の家に映研部が集まっている。

先日、真中の家で一通り映像を見たので、今日はどのシーンを採用しようかを決めるのを、東城の家でやろうということになった。

というのも、東城が毎回真中の家に集まるのでは迷惑がかかってしまうと思い、

「アタシの家でよかったらどうぞ!弟がいるけど、みんなに会いたがってるし。」

と気を利かしてくれたのだ。

今回のメンバーは真中・外村・東城・美鈴の4人だ。さつきとつかさはバイト。小宮山は田舎に帰っていて不参加。



東城の部屋にはテレビがないので、リビングを借りて4人は作業を行っていた。



「あの〜〜、東城?」

「何?真中くん」

真中の恐る恐るの質問に、普通に聞き返す東城。

「さっきから、凄い視線を感じるんですけど・・・」

「え?」

先ほどから、東城の弟らしき男が居間の入り口煮よりかかって真中達の様子を伺っているのだ。

「あ!ごめんなさい!ご挨拶がまだたったわ!弟なの!!」

「へ?弟さん??」

「ど〜も、はじめまして〜正太郎っス!」

めんどくさそうにのそのそと入ってきたその顔は、紛れもなく美形!

『この姉にしてこの弟ありかよ!!』

一同が同じ気持ちになったに違いない。

「なあ、姉ちゃん。」

「何?」

「真中ってのどいつ?」

ふてぶてしくそういいながらも視線は真中の方を捉えていた。

「ま、真中先輩でしょ!ごめんね、真中くん」

「いいんだよ、気にしてないし・・・(てめぇ〜、東城の弟じゃなかったら張った押してやる!)」

「へ〜、あんたが真中先輩ね〜?」

「???」

正太郎は真中の顔をジロジロと見回した。

「ちょっと、どうしたの?」

さすがの東城も正太郎の態度に少し気が気でない様子だ。

「いや、何ね。姉ちゃんの気になる男ってどんなヤツなのかな〜〜って思ってさ!!」

「「「「!!!!」」」」

「な、何いってんのよ!この子は!!もう、ごめんなさい、真中くん。本当、今言ったこと気にしないで!」

「うん、俺はその・・・(気にならないわけないだろ〜、東城〜〜)」

「(なかなかいい勘してるんじゃないの?)」

「(ねぇ、アタシもそう思う。だって兄貴がいるのに真中先輩の方を見ながらどの人?っていってたもんね!)」

外村兄妹の討論が始まった。

「さ〜ってと、俺は部屋に戻るかな。」

「あれ?一緒に見ればいいのに。」

美鈴が声をかけると、

「ん〜、だってさ。断片的に見せられても、俺は作り手じゃないから先のストーリーなんてわからね〜し!」

もっとものご意見だ。

「んじゃ、これからもよろしく〜。真中せ・ん・ぱ・い!!」

「あ、はい!よろしくお願いします」

何故かかしこまる真中であった。



「ごめんね、真中くん。嫌な気分にさせちゃって」

「いいんだよ、気にしてね〜し!さ、早く始めて、いい映画にしようぜ!」

「うん!」



「(ねぇ、兄貴はどっちだと思う?つかさ先輩かな?)」

「(いやいや、わからね〜ぞ。何せ真中は眼鏡時代の東城に恋した持ち主だからな・・・)」

外村兄妹の討論は続いていた。



「あの〜、聞こえてるんですけど〜〜」

真中の声に、二人揃って

「「あら、失礼!!」」

当の東城はすでに顔を赤くしてうつむいてしまっていた。



時間は進み、各シーンでどのカットを使用するかが着々と決まっていった。原作者の東城の意見はもちろん参考になるのだが、ここで力を発揮したのは美鈴であった。

作品を、客観的に見つめてどのカットが最適かを的確に指摘してきたのだ。普段から、映画に対する評論は素晴らしいものがあったが、これには真中も素直に感心していた。

外村兄は各シーンでCG処理をする個所を真中と話し合って決めていた。

「やっぱ、ここさ。後ろの背景を少しぼやかして明るめにしたいんだよね・・・」

「でも、そうすると、たぶんこの表情が読み取りにくくなるんじゃないかな?一応やって見るけど・・・」

  ・

  ・

  ・

「それにしても、つかさちゃんっていい表情してるよな〜。これって絶対恋してるって顔だよな」

外村の言葉に声を詰まらせる真中

(!?やっぱり西野、俺のことを今でも・・・好き!?)

「しかも、相手は年上と見たね!じゃなきゃ、こんないい艶のある表情出せないよ!!」

「え?でも、ほら、同い年って可能性もあるし・・・」

(まさか、西野に誰か好きな人が・・・)

「ん〜ど〜かな〜??で、何で真中、そんなにムキになるの??」

外村はニヤニヤと笑いながら真中を見ると、すぐにノートパソコンに眼を向けなおした。



作業は着々と進み、真中がノートに必要なシーン・カット・CG処理などを書き写しているときであった。

「ピンポーン!」

「あら?誰かしら?」

東城は玄関に向かって歩いていった。

ガチャ

「こんにちはーーー!!」

「あら?唯ちゃん!!」

「へへへ!今、そこの友達の家に遊びに来てたの!じゅんぺーから聞いてたから東城さんの所にも遊びに来ちゃった!」

「ふふ、相変わらず元気ね!どうぞ、あがって」

「おっじゃましま〜〜す!!」

「な、なんだ、唯かよ!」

「なんだとは、なんだ!!唯だ!悪いか!!」

「悪かね〜けど、何で東城の家に?」

「じゅんぺーだけに楽しい思いはさせないぞ!唯も仲間に入るの!!」

「あ、いいね〜そのプク〜とした表情!!」

外村はおもむろに写真をとり始めた。

「でも、残念でした。今日の作業はもう終わっちゃった!後はつなぎ合わせだけなの」

「ほえ?そうなの??」

唯がすっとんきょうな声を出したその時だ。

「っんだよ〜!さっきからギャーギャーうるせーなーー!!」

正太郎がやってきた。

「(てめ〜が一番うるせぇ〜んじゃね〜か!)」

真中がぶつぶつ言ってると

「あ?ったく、頼むぜ〜、せっかく家でのんびりできると思ったの・・・に・・・・」

正太郎の声が小さくなって、そして、止まった。



「「「「????」」」」



正太郎はジ〜っとある方向を見て動きが止まっている。その先には・・・

唯だ!

「ん?なんだ?お前は!!アタシの顔になんかついてるか??」

唯は正太郎に話し掛けた。

「い、いや、何もついてないです。俺、じゃなくて僕、東城綾の弟の正太郎です!いつも姉ちゃん、じゃなくって姉がお世話になってます!」

「ん?弟さん??いくつなの?」

「高一です!」

「へ〜、じゃあ唯と同じだ!よろしく!!」

そういって無邪気に手を差し出した。

「よ、よろしくです!!」

握手をする二人。

その光景をみていた4人は

「し、しんじられん!さっきまでの悪態は何処に行ったんだ!?」

「うそみたい、正太郎が女の子に、しかも自分から興味を示すなんて!!」

「へ〜〜、弟くんの好みは・・・なるほどね〜」

「あらあら、大変!これじゃあ、ますますこの甲斐性なしが振り回されちゃう!」

それぞれ、勝手に独り言をつぶやいていた・・・



真中達が帰ろうとした時であった。

「ま、真中せんぱい!」

弟だ。突然の態度の変貌に驚きながらも

「ん?何??」

「これからもよろしくお願いします!!」

真中と唯の兄妹のような関係の説明を受けた正太郎は、真中に対し、礼儀をつくし始めたのであった。

「ああ、こちらこそ、よろしく!それじゃあ!東城、今日はありがとう!!」

「ううん、なんか変な風になっちゃったけど、弟のこと、よろしくしてあげてくれる?」

「あたりまえだよ!(だって東城のおとうとだもんな!!)」

「ありがとうございます!姉ちゃん!真中せんぱいっていい人だな!」

「(調子良すぎだ、このやろ〜〜)」

「東城先輩、さようなら」

「うん、みんな気をつけて!」





「じゃあ、俺達ここで!真中に言われたCG処理、明日から早速はじめるよ!」

「ああ、頼むよ。それじゃあ、また」

「バイバイ、唯ちゃん!」

「うん、バイバイ!!」



外村たちと別れた真中と唯はマンションに向かって歩いていた。

「東城さんの弟さんって同い年には見えないな〜。なんかじゅんぺーより年上みたい!」

「うるっせーっての!俺だってお前があいつと同い年には見えね〜よ!どうみたってお前中学・・・」

「言うなー!!」

ドカっ!!

不意に唯から蹴りを食らった真中。

「淳平はいつまでも唯を子ども扱いして!唯はもう立派な大人なんだから!!」

「へ??」

唯の言葉に一瞬とまどう真中。確かにこなだの旅館の時もそうだったが、ここ数日の唯は確かに女っぽさが出てきている。

あの夜も、理性がなくなっていたら危なかったところだ。



「ねえ、じゅんぺー。あれってつかさ先輩じゃない?」

見ると、つかさが真中たちの前方の道を横切って行った。

「きっとバイトの帰りだな!」

「ねえ、一緒に帰ろうよ!」

「うん、そうだな!追いかけよう!!」



二人は道を走り、つかさが通った道路を曲がった。

「西野!!・・・」



その時、ちょうど一台のクルマが来て、つかさの傍でクラクションを鳴らしていた。淳平の声はその音でかき消されていた。

「はにゃ?どうしたんだ淳平?」



淳平はなぜか動けなかった・・・



後ろから見てもわかる。運転してるのは男の人だ。



「淳平、どうしたの?はやくつかさ先輩のところに行こうよ!」

唯がせかす。

でも、真中は足を前に出せなかった。

(西野が笑っている・・・。誰だろう・・・?凄いいい表情してるな・・・。あんな顔、俺は見たことあったかな・・・)



「ねえってば、じゅ〜んぺい!!」



(そうだ、見たことあるな・・・ あの時だ・・・



  『君の姿勢があまりにも真剣だから・・・それにもしかしたら あたし キミのこと・・・』



    そういえば、今日も見たよな・・・)



「じゅんぺい・・・?どうしたの??」

真中の異変に気づいた唯。

真中の目は、ずっとつかさ(達)の方に向いていた。

唯は慌ててつかさの方に目をやった。



嬉しそうにテレ笑いを浮かべたつかさは、止まっていたクルマに乗り込み、そのまま二人を残して走り去っていった・・・











[No.3] 2005/07/04(Mon) 13:08:46
Re: 【試験投稿】Gift To...第4話 (No.3への返信 / 3階層) - ねぎ@管理人

「ねえ、唯ちゃん。淳平どうしたのかしら?部屋にこもったままで。」

「う、うん。こないだの映画のことを考えたいから一人にさせてくれって・・・」

唯にはわかっていた。淳平が、つかさの事を考えていることを。

「そうなの?じゃあ、先にご飯食べちゃいましょう!!今日はカキ鍋よ!!」

「ホント!!やったーーうれしーーー!!!!」









(俺は一体何をやってるんだ・・・



 だいたい 俺たちはもう別れてるんだから、関係ないじゃないか。



 でも、なんで気になるんだろう・・・

 

 あのクルマの人は誰なんだろう・・・?



 俺は・・・嫉妬しているのか・・・



 俺は・・・西野のことが好きなのか・・・



 東城は・・・?さつきは・・・?)

    ・

    ・

    ・



【Gift To...】

第四話『ケーキ』





コンコン



「じゅんぺい?入っていい?」

カチャッ

唯が部屋に入ると、部屋は真っ暗で、真中は机に伏せていた。

「じゅんぺい・・・」

「・・・」

「あ、あのさ・・・」

「・・・」

「ねえ・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・・・・」

ブチッ!!

「コラーーー!!じゅんぺーーー!!シャキッとしろーー!!!」

唯は叫ぶと真中のアタマをバコンと叩いた。

「どわっ!なんだ、唯!!いきなり!!」

「なんだじゃない!!いつまでウジウジしてるんだ!!」

「う、ウジウジなんて別に・・」

「してる!さっきつかさ先輩を見てからじゅんぺい変だもん!そんなに気になるんなら、聞けばいいじゃんか!」

「聞けばって、俺と西野はべつに何も・・・」

「ウソだね!きっと、あのクルマの人が気になってるんだ!別に誰だっていいじゃんか!!つかさ先輩だって知り合いがいるだろうし!」

「・・・」

「どうせ明日またバイトで会うんでしょ?だったら、その時に聞けばいいじゃんか!

 元気出して行こーー!!」

唯のあまりの勢いに真中は圧倒されながらも、

(そうだ…。昔からコイツは俺が落ち込んだりしてると、いっつも励ましてくれてたな…)

「唯!」

「ん?なんだ?」

「今日のメシはなんだ?」

「!」

唯は、真中が立ち上がると嬉しそうに笑って

「カキ鍋!でも、ウジウジしてるヤツの分は唯が全部食っちゃうんだ〜!」

「!?ちょっと待て!おい!!」

「へへ〜〜んだ!」

唯は真中に舌を出して笑うと部屋を飛び出していった。

「サンキュ・・・」

真中は唯の背中に小さく声をかけた。





   テアトル泉坂



「ふぁ〜〜〜・・・」

真中は相変わらず客の少ない客席にもたれかかりながら、ボーッと上映中の映画を見ていた。

バイト代はもらえないが、上映中の映画は見放題というのがバイトの条件だ。



(まいったな〜、どんな顔して西野と会えばいいんだろう?

 でも、今日も一緒に帰るとは限らないしな〜・・)



真中は映画の内容なんか全然アタマに入らず、ただつかさの事を考えていた。



ブーーッ



上映が終わり、客が席を立ち始めた。



「おい、コラ!若造!!サッサと掃除を始めないか!!」

真中は突然のカミナリにビクッとしたが、

「はいはい。わかりましたよ〜」

真中がダルそうに掃除を始めると

「なんじゃ、朝から気合が入っとらんのう。んじゃ、ケーキでも食べて一息いれるか?」

「え?(ケ、ケーキ?ってことは、西野がここに来る!?)

 い、いいっスよ!そんな、俺、ハラは減ってないし・・」

「ん?なんじゃい。こんな老いぼれのささやかな気持ちなんか受け取れないっていうの?」

ウジウジする豊三郎を横目に

「はいはい、で。館長は何が食べたいんですか?」

「ワシはね〜、やっぱりいちごのショートケーキがえ〜のぅ」

「いちごのショートケーキね〜。じゃあ俺はチーズケーキをお願いします!」

真中がスタスタと歩いていこうとすると

「おいおい、お前が注文するんじゃ!」

「へ?な、何で俺が??しかも買いに行くんじゃないの?」

「だって、ワシはチケットの販売とかあるからのぅ。客の前で電話なんかしちゃ失礼じゃ!」

「客ったって、誰もいないじゃないですか」

「う、うるさい!これから来るんじゃ。今日は満員御礼の予感がするんじゃ!!」

「ったく、閑散静寂の間違いじゃないんですか。」

「いいから早く!ゴホッ、ゴホッ!こ、こんなかよわい年寄りをつかまえて・・・」

「だーー!わかりましたよ!!します!します!!(このジジィ。西野に会いたいだけに決まってる)」



真中は、ドキドキしながら受話器を手に取った。

「そ、そうだよ。何も西野が出るとは限らないし。それに今までだってほとんど店長が出てたもんな!よし!」

真中は受話器に手をかけるとゆっくりとパティスリー鶴屋の番号を押した。



プルルルル・・・



プルルルル・・・



「あれ?出ないな〜」



プルルルル・・・



『ハイッ!大変お待たせしました!パティスリー鶴屋です!!』

「!!(に、西野だ〜〜〜)

あ、あの・・・テアトル泉坂の・・・」

『!淳平くん!?』

「え?よくわかったね。」

『そりゃわかるよ〜!で、どうしたの?アタシに何か用?』

「え?あ、いや、館長にケーキを注文してくれって頼まれて・・・」

『あ、そうなの!てっきりアタシに用事があるのかと思っちゃった!』

「は、はは(なんでそういう意味深な発言をするんだよ〜〜)」

『で、ご注文は?』

真中はつかさに注文するケーキを伝えた。

『ありがとう!でも、ごめんね〜。ちょっと今お店混んでるからさ。時間は大丈夫?』

「あ〜、悪いな、西野。忙しい時に注文しちゃって・・・」

『い〜の、い〜の!ホラ、前話したここの店長さんのお孫さんが帰ってきてて、お客さんが大量に押しかけちゃってるの!』

「そうか〜…西野、悪いから俺、お店まで買いに行くよ!」

『大丈夫、大丈夫!バイトの人も増やしてるし、すぐに落ち着くと思うから!』

「そう?ありがとう!」

『こちらこそ、ご注文、ありがとうございます!!』



真中は受話器を置いた。

普通に、いつもどおりに話せた。真中は、自然と嬉しさがこみ上げてきた。

「なんだ、俺ってばぜんぜん平気じゃん!

 そうだよ、気にしすぎなんだよ!」

真中は、今までのモヤモヤから開放されだ。

「唯には心配かけちゃったな。そうだ!西野の店のケーキ!あれ、俺の分をもって帰ってやろう!」



「館長!注文しときました〜♪でも店が混んでるから、ちょっと時間かかるそうです〜♪」

「ふん、なんじゃい!急に元気になりやがってからに」

   ・

   ・

   ・

「お待たせしました〜〜!!」

「あ、つかさちゅわ〜〜ん!!今日もかわいいね〜〜。今度、死んだばあさんが若いころ着てた浴衣着て一緒に縁日行こ!縁日!!」

「おいこら、じいさん!西野が困ってんだろ!悪いな、西野。」

「ううん、気にしないで!ハイ、コレ!!」

「ありがとう!あれ?重くないか、これ・・・」

「へへへ〜。アタシも休憩もらったから、一緒に食べようと思って!今日はアタシのおごり!」

「え?いいよ、悪いよ!それに今日はじいさんがご馳走してくれることに…」

「ん?なんじゃい。ワシは一言もおごるとは言っとらんぞ。じゅんぺいちゃんがご馳走してくれるものだと・・・。」

「何を言ってるんですか!大体、俺、タダで働いてるんですよ!!」

「ふふっ、じゅんぺいくん。ねっ?今日はアタシがご馳走するから!」

「す、すまない、西野…。そうだ、今度俺が何かご馳走するよ!」

「ありがとう!じゃあ、早速食べよ!時間もあまりないしさ!」



「へ〜、じゃあ、そのお孫さんって人、凄い腕の持ち主なんだ〜。」

「そうなの!とにかく今はその人の作ったケーキ目当てのお客さんがいっぱい来てて、やっと順番で休憩を取ることができたの!」

「ほ〜う、あのバカ息子が帰ってきたんかのう」

「え?館長、知ってるんですか?」

「当たり前じゃい。何年間ここで映画館をやってると思っとるんじゃ!あのばあさんとも古い付き合いじゃ…」

「ふ〜ん。そのばあさんとの関係なんかを聞きたいですね〜」

「もう昔のことで忘れちまったわい。」

「「あやしいな〜」」

「なんじゃ、つかさちゃんまで!ワシはな、今は亡きばあさんとその生き写しのつかさちゃんしか眼に入らんのじゃ〜!」

「西野に触るな!このエロジジイ!!」

「あははははっ」

    ・

    ・

    ・

「あ、もうこんな時間!そろそろ戻らないと。」

「つかさちゃんもう帰っちゃうの〜?」

「館長、持ってきてもらっただけでも感謝しろよ!」

「いいの!淳平くん。」

「ホント、ありがとうな。」

「ううん。アタシも楽しかった!」

「じゃあ、また後で!」

「あ!ごめんなさい!!今日は、いつもよりも終わる時間が遅くなるから…。」

「あ、そうなの?」

「うん、ちょっと・・・ね。ごめんね、淳平くん!」

「いいって、いいって!(本当は残念だけど…)

 お店が混んでるから、仕事も増えちゃうよな!

 それに比べて、この映画館は…」

「なんじゃい、文句あるんかいバイト!!」

「ありません!」

「それじゃあね!淳平くん!!」

「うん!」

笑顔で手を振りながら走っていくつかさを、真中も笑顔で手を振っていた。

(結局、昨日のこと、聞けなかったな…。でも、もういっか!)

「さて、館長!ちょっと館内を掃除してきます!!」

「当たり前じゃ!朝からロクに掃除しとらんじゃろが!

(全く、若いもんは単純でえ〜のう…

 しかし、コイツら。若いころのワシらにそっくりじゃ。

 なぁ、ばあさんや・・・)」

   ・

   ・

   ・



「お疲れ様ですー!」

「おう、明日は休みじゃったな?明後日から、また頼むわい」

真中は家へ帰る途中、つかさが働いてるケーキ屋の前を通った。

「やべっ!そういえば唯に持って帰るケーキ、俺食べちゃった!」

(西野はまだ働いてるのかな〜)

真中が首を伸ばして除いてみると、店はまだ客が入っており、つかさとばあさん、それに新しいバイトらしき人がせわしなく動いていた。

(よし、買いに行こう!これは唯にケーキを買いに行くんだ!西野に会いに行くわけじゃないんだ!)

妙に自分を納得させる真中。

「え〜っと、お金あったかな〜〜…」

ドン!

ちゃりん、ちゃり〜ん

「あ!」

男が真中にぶつかり、小銭が地面に落ちてしまった。

「す、すまん!ちょっと急いでたもんで!」

「い、いえ。俺の方こそ、下見ながら歩いてたんで…」

「ごめんな、すぐに拾うからさ!!」

男は、真中に謝ると小銭を拾い集めてくれた。

「大丈夫か?全部ある??」

男は心配そうに真中の手にある小銭を伺っている

「ハイ、全部あります!ありがとうございます!」

「いや、こっちが悪かったんだ!ごめん!!

 ちょっと急いでたんで・・・」

「あ、もういいですよ!本当に。俺も悪かったし」

「そうか、悪いな!!それじゃあ!!」

男は真中に笑顔で軽く手を振って走っていってしまった。



(いいな〜、ああいう感じの人。背は高いし、ハキハキしてるっていうか…。)

真中は男の走り去る後姿をしばらく見てた。

(でも、どっかで見たことあるような・・・)



「あ、そうだ、ケーキを買わなきゃ!!」



カランカラン



「いらっしゃいませ〜〜!?

淳平くん!」

「やあ。」

「どうしたの?今日はアタシ・・・」

「いや、違うんだよ!唯にここのケーキを食べさせてあげようかと思ってさ」

「そ、そうなの?きっと唯ちゃんもおいしいって言ってくれると思うな!で、どれにするの?」

「う〜ん、種類がいっぱいあるな〜…。しかも名前だけだとなんだかわからないや…」

「見た目で唯ちゃんが、好きそうなのを選んであげたら?」

「そうだな、じゃあ、これとこれ!!」

「2個も買うの?」

「うん、オフクロにも買って帰らないとうるさそうだし」

「あはは、そうだね!淳平くん家のお母さん、面白い人だもんね!」

「食い意地張ってるだけだよ。」

「また、そんなこと言って!」

真中はつかさからケーキの入った箱を受け取った。

「ありがとう!」

「こちらこそ!きっと唯ちゃんもウチのケーキを気に入ってくれると思うな!」

「ああ、それじゃあね!」

真中は店を出た。

昨日の出来事なんか、アタマから完全に消え去っていた真中は、ケーキの入った箱を持って、自宅へと帰っていった。







「たっだいま〜〜っと!」

「あ、お帰りなさい!!」

「いや〜参ったよ。店を勢いよく飛び出したら、そこで男の子にぶつかっちゃってさ!小銭ばらまいちゃって、一緒に拾ってたら、遅くなっちゃって!」

「それで、材料は買えたんですか?」

「閉店ギリギリセーーフ!!」

「まったく、アンタは小さい頃からすぐ飛び出して行っちまうんだから!その男の子に怪我はなかったのかい?」

「ん?たぶん…いや、きっと大丈夫だ!男はそんなに簡単に怪我なんかするかぃ!」

「アンタと一緒にするんじゃないよ!!」

「て、店長、まだお客様がいらっしゃるんですから…」

つかさは慌てて店長をなだめた、。

「フン!ほれ、さっさと注文のケーキを作りな!」

「へいへい」

「ほれ、つかさちゃんも!坊主はもう帰ったんだから、テキパキ働いとくれ!」

「は、はい!!」

つかさは店長に真中の事を言われ、少し赤くなった。

「誰?坊主って??」

「あ、さっき淳平くんが来てたんですよ!」

「淳平くん??あ〜、じいさんの所で働いてるっていう…」

「そうなんです!お家に買って帰るんだって。日暮さん、ちょうど買出しに行ってたから。せっかく紹介できると思ったのに〜〜」

「へ〜〜。そいつは残念だな〜。今度ぜひ会わせてくれよ!」

「ホレ、二人とも!仕事せい!!」

「「へいへい(は〜い!)!」」







   閉店後のパティスリー鶴屋



「いや〜わるいね〜。こんなかわいい子に手伝ってもらっちゃって。しかも遅くなっちゃって…」

日暮は、ケーキをオーブンに入れながらさわやかな笑顔で言った。

つかさはその笑顔に思わずドキッとした。

「いいんですよ!それに・・・」

つかさは少し照れながら

「日暮さんのお手伝いなら、アタシも喜んで手伝わせていただきます!こないだのお礼もしたいし…」

日暮はオーブンを閉じると、少年のような満面の笑顔をつかさに向けた。

「いや〜、そう言ってもらえると助かるよ!そのかわり、味見はし放題だからね!!」

「ふふっ、いくら日暮さんのケーキでも、そんなには食べれませんよ〜。」





秋のケーキの新製品の開発。

厨房には、二人の楽しそうな声が遅くまで響いていた。





[No.4] 2005/07/04(Mon) 13:09:32
【試験投稿】コメント (No.4への返信 / 4階層) - ねぎ@管理人

とまぁ、こんな感じでお願いいたします。
古い作品でテストしてみました。こんな風にかなり早いペースで書いていた頃が懐かしい・・・・゚・(ノД`)・゚・。

感想を書いてくださる方は二次小説感想掲示板にてお願いいたします。

投稿いただいた小説につきましては、徐々に保管庫へ移動させていただきます。

皆様の投稿を、お待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします

OVER DRIVE管理人@ねぎ


[No.5] 2005/07/04(Mon) 13:12:09
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