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   永遠の恋心第17章「復習の交響曲」 - ニミッツ - 2005/07/28(Thu) 23:40:06 [No.10]
永遠の恋心第18章「愛の果てにある物・・・」 - ニミッツ - 2006/03/01(Wed) 01:22:33 [No.59]



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永遠の恋心第17章「復習の交響曲」 (親記事) - ニミッツ




第17章・復讐の交響曲





「しまった!!!殺られる!!!!」


そう思った瞬間である。


ドーーン!!!


突然真中と黄色小隊の間に大きな爆発が起きた。


その衝撃波をモロに浴びたのか、黄色小隊はたまらず、散開した。


「な・・・何だ!?


・・・・・・ん?あれは!!!」



「真中!!遅れてスマン!!!」


「大草!?」



それに真中は驚いた。


下を見ると、日本海を航行している、イージス護衛艦『きりしま』がいたのである。


「お前らが交戦しているってんで、慌ててきたよ!!


 あいつらの妨害電波は全てこっちが遮断したぞ。

 
 電子戦でイージス艦に勝てる奴はいないからな・・・・


 真中今のうちに急いで離脱しろ!!!


 既に外村が空中給油機を差し向けてある!!」



「大草、ありがとう・・・・」


無線越しに大草の笑い声が聞こえた。泉坂の皆はいつも能天気だ・・・


「何、これっぽっちどってことねえよ!!


 おおっと!!相手も攻めてきたか・・・・


 今、一斉にミサイルを撃つから、巻き込まれるなよ!!!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 イージスシステム、リ・スタート!!!稼働率70%!!


敵群、方位205、距離20マイル!!緒元入力完了!ESSM(先進型シースパローミサイル)ロック・オン!!!


 発射!!!!」



大草の声がした後、『きりしま』が一瞬白煙に包まれた。


しかし、その直後、無数のミサイルが飛び上がったと思うと、黄色小隊に襲い掛かった。


イージス艦自慢の対大量飽和攻撃処理能力がモノを言った。


さすがの黄色小隊もあまりのミサイルの量に、慌てて欺瞞弾を撃って回避した。



そして、手が空いた者が大草目掛けて、最後のミサイルを撃ったが、イージス艦には止まったハエの如く、艦砲射撃の一発でミサイルは迎撃された。



それを見て、相手も完全に真中を諦めたらしい、若しくは燃料がほぼ空になったのか、基地へ引き返していった。



それを、大草の『きりしま』が艦砲を撃ちながら追いかけたが、さすがに速度が違いすぎて、すぐに逃げられた。



「真中!!!俺たちは、上陸する陸自の援護をするから、これから先は、自分で頼む。


 レーダーだと、さっき慌てて帰った黄色小隊以外は50km圏内に敵はいないからな。

 
 あと、脱出した奴らのビーコン(非常信号)は全部確認している。


今、ヘリ空母『あかぎ』のレンジャーに救出要請しといたから安心してくれ!!!」




「・・・・・すまない!!大草!!」


「ああ・・・・・生き残れよ・・・真中・・・・これで交信を終わる・・・」


その時である・・・・



「・・・・・・・・・ザザザ・・・ザ・・・・・・・・


 こちらK国黄色小隊隊長、イ・ジョンファンだ・・・・・


 貴隊の隊長、応答を願う」


「な・・・・何!?」


運命の歯車が大きく動き始めた・・・・・










全員が驚いた。まさかこっちの周波数に割り込んでくるとは思わなかった。


まして、中々流暢な日本語である。


昔、韓流ブームとかがあったが、その時代を思い出させるような感じだった。



さつきの顔色もにわかに蒼くなる。


「ま・・・真中・・・どうする?回線を切断するか?」


外村の声がした。既に対電子戦の防護加工された回線で通信してきている。


しかし真中は首を横に振って答えた。



「こちら、日本国航空自衛隊第101航空連隊長、真中三尉だ。


 何か用か?」



「応答感謝する。先の戦い見事だった。


 この俺も初めてモロに喰らった。


 そこで相手の声を聞きたくてな・・・・・


 真中か・・・・いい名前だ・・・・・・・・


 三尉と言うことは、自分と同じだな・・・・・」



「貴官も俺も、ほぼ同い年だな・・・・声からすると・・・・」



「ああ、そのようだ。


 しかし、次にあったときは、覚悟してもらう・・・」


ジョンファンの声は少年のように澄んでいたが、何か重い感じの声がした。


いわゆる戦いのプロのような威圧感のある声である。


『確かさつきは黄色小隊の隊長にやられたって・・・・』


ここは聞き出すチャンスと思えた真中は切り出してみた。



「ああ・・・・ところで一つ聞きたいんだが・・・・・」





「・・・・何か?」


「今日の・・・午後、お前は何処に出撃していたんだ?」



相手は黙る・・・・さすがに教えてくれないか・・・・・諦めかけた時・・・














「・・・・今日は、茨城の百里基地の爆撃を支援していたが、それが何か?」



真中は改めて確信した。



そして、さつきの顔からは、絶望感と殺気が漂っている。



「そ・・・そうか・・・じゃあ、そこで聞きたいが、地上攻撃を貴官はしたか?」






「・・・・・・ああ、したぞ。地上の対空機銃にロケットでな・・・・


 味方が落とされたんで、俺も久しぶりに熱くなってな・・・・」



真中は怒りが頂点に達してきた。


『やはりこいつが、さつきの命の火を吹き消した奴なのか・・・・・!!!』





「しかし、あっけなかったな・・・・

 
 態々、あんなので攻撃せずに、逃げればいいものを・・・・・


 それより貴官は何故このような質問を?」


向こうは平然とした声で問いかけてくる。


まるで、人の命を蝿と同じ程度に思っているかのように・・・



『こ・・・この野郎・・・!!さつきの命ばかりか、さつきの気持ちまで踏み躙りやがるってのか・・・!!』


真中は怒りが完全に噴火した。



「・・・・お前を許さない・・・絶対に・・・・・


 次に合ったら、絶対墜とす・・・否、地獄の果てまで墜としてやるからな!!!」


無線の向こうで相手が何か言ってるが、気にせずに真中は回線を強制切断した。


その交信を聞いていた外村が、驚いた感じで問いかけてきた。


「・・・・・・真中、どういう事だ?


 まさかあいつが北大路を・・・・・・・・・」



外村らしく、すぐに気付いて問いかけてきた。



「ええ!?何だって?北大路さつき死んだのかよ!?


 真中!!どういうことだ!?百里って言ったらお前らの基地だろ!!


 百里が壊滅したってのは小耳に挟んでたけど、どうしたんだよ?」



回線を盗み聞きしていた大草も動揺して真中に問い詰めてきた。



「ああ・・・・・実は・・・・・・・」



真中は今日起きたことを大草に話した。



真中が言う事を静かに聴いていた大草だが、その声は震えていた。



「な、成る程な・・・・・


 あ、あいつら・・・・・一体どれだけの人命を奪えば気が済むんだよ・・・!!


 北大路がどう言った思いで死んだかは、あいつには解らねえんじゃあないのか?


 そ・・・そうじゃなきゃこんな理不尽な事があるかってのかよ!!」


普段の大草らしくなく、かなり感情的になっていた。



「大草・・・・・・・」



「あいつら・・・・西野の時といい、北大路の時といい・・・・・・


 何でだよ!?何でこんな事をするんだよ!?」


そこに外村が割り込む。


「大草!!!落ち着け!!!


 今は、過去を憎んでも仕方ない!!


 今のお前にはやるべきこと・・・任務があるだろ!!


 北大路や西野つかさの事を考えるのは、その後でも出来るんじゃあないのか?」



それに大草はうなずいた。


「ああ・・・わかってる・・・・分かってるけど・・・・


 頭がわかっても、心の中じゃあ何にもわからねえんだよ!!!


 こんな戦争が起きなきゃ、俺らは普通に生きていけただろう!?


 なのに・・・・なのにさあよ!!!」



その大草の叫びに全員が黙る。


もしこのような事が起きなければ、自分達は普通の人として人生を歩んできていたに違いない。


それなのに何故・・・?


「確かにな・・・・・それはこの戦争が終わってからでも話し合おう・・・・


 今は任務を考えよう・・・・


 真中、空中給油機は既にお前達の方に向かっているから今の進路で進んでくれ。


 大草は輸送艦隊の護衛があるだろ?もう既に敵さんは爆撃機が出撃用意をしているらしいぞ。


 無線がひっきりなしに入ってくる」



「ああ、そうだな・・・もう既にミサイルも機銃もそこを付きかけている。


・・・・百里RC、こちらエンジェル連隊・・・・


 任務は完了。これよりRTB(帰頭)する。


 損害はタートル隊のAC−130一機、F−2が七機」



真中は基地に対して事務的な報告をする。しかしその声は震えていた。


「了解、直ちに帰還されたし。貴隊の護衛に小松のF4を付ける」


「了解、護衛配備に感謝する。


 それでは、これより空中給油後、基地に帰還する。Over・・・


 後、各機は単独で飛行していいぞ。レーダーで周辺の監視だけは怠るなよ。


 じゃあ、後は各自の判断に任せる。Over」


真中は無線を切った。


その瞬間に体から汗が吹き出てきた。


今までの極度の緊張から開放されたからである。


「ふう・・・・・・・なんでこんな事になったんだよ・・・・・


・・・で、さつきはどうして生き返ったんだ?


 俺でも解るように説明してくれ」


さつきはさっきから真中に寄り添っていた。


さつきの感触は良かったが、そんなのを考えるゆとりは無かった。


「いやねえ、あたしにも正直分からないのよ・・・・


 あの真中に大好きって言った後、すぐにかな・・・・・?


 何かいきなり目の前が真っ暗になって、その後花畑にでたのよ・・・・


 暖かくて、気持ちよくて・・・それで泉坂の制服を着てたの・・・・


 


 ・・・・・・・ってちょっと何?そのしらけ顔は!?


 これ本当よ!!!漫画の見すぎじゃあないのよ!!!


 で、しばらくして、あたし死んだんだな・・・・・って思ったのよ」



真中は黙って聞いていた。以前つかさと生き別れたのは、その様な場所だったのを覚えていたからである。



「でね、向こう側にね河が見えたの・・・・で、そっちにね・・・


 死んだおばあちゃんがいたの・・・ほら前言った長崎にいたおばあちゃん・・・


 で、あたしがそっちに行こうとしたの・・・


 おばあちゃんは笑顔であたしに来てって感じで微笑んでたの・・・・



 で、もう河を殆ど渡った時かな?おばあちゃんは目の前にいたんだけどね・・・



 そしたらね・・・・・・」



さつきは一呼吸置いた。



真中がさつきの言いにくさを感じて言った。



「前の・・・・・・記憶の消える前のつかさがいたのか?」


その真中の言葉にさつきは目を大きく見開いた。


「あ・・・あたり!!!


 いきなりあたし目の前に西野さんが出てきて


『ここはあなたが来る場所じゃあないわ・・・・


 淳平君を守ってあげられるのはあなただけよ・・・』


 って言われたのよ・・・・・


 それで、西野さんが『もう行かなきゃ駄目よ!!またいつか会いましょ・・・』


 って言ってあたしを突き飛ばしたの・・・・・


 で、気付いたら、真中の真横にいたわけ・・・


 ほら!!RPG−7が飛んできたじゃない!!その瞬間だったからかなり焦ったわよ!!」


普通の奴が聞いたら、にわかには信じがたいが真中にはあってもおかしくないと思えた。



『あのラオウとかが言ってたの本当だったのか・・・・


でも何でだろう・・・・以前にもこんな感じがあった気がする・・・・』



「で、さつきはこれからどうするんだ?


 その格好だったらかなり目立つぞ?」


それは当然である。さつきは浮いているのだから・・・しかもマッハ0.8で・・・


「そうだよね・・・でもなんか、他の人にはあたしが見えてないらしいよ。


 皆動揺して無いじゃん?」


確かに・・・周りを見渡す真中。


周辺を飛んでる戦闘機は全くの動揺が見えない。



「なら大丈夫か?さつき・・・俺のプライバシーにまで首を突っ込むなよ!!」


真中はさきに釘を打っておく。


つかさとの生活にまで干渉されたら、以前の高校時代よりも凄惨な光景になると思えたからだ・・・


「分かってるわよ!!あたしは真中の守護霊みたいな感じだからね!!」


そう言ってウインクするさつき。



しかし、これからも大変な生活になると半ば諦めた真中は、百里基地への空路を急いで飛行して行った・・・










そして一方のジョンファンは・・・・


「お・・・おい!!・・・・


 畜生!!回線を切りやがった!!」



真中が切った無線に罵声を浴びせていた。


「ジョンファン、そう熱くなるな。


 また合う機会はある。その時に仕留めてやれ・・・・・・」


他の僚機から無線が帰ってくる。



「ああ・・・・そおだな・・・しかし派手にやられた・・・


 ムヒョン、何発被弾したか数えてくれないか?」



黄色3のノ・ムヒョンの機体が近付いてきた。



「ええと・・・一、二、三・・・・ん!?分からん!!!


 とにかく沢山だ!!!


 ってか、お前、被弾したのは今回が初めてだろ?


 こんなに酷くやられたのも、お前さんが初めてだな!!」


ほかの仲間から笑い声が出る。



「ああそうだ・・・まさかこんなにこっぴどくやられるとは・・・・」


ジョンファンは隊長として情けなく思いつつも、真中の戦術に感心していた。



黄色5のパク・ヨンジュンが驚嘆の声で話しかけてきた。



「しかしあのパイロットは凄かったな。


 ムンサルメント・ターンなんて、はじめて見たぞ!!!


 あんなのが日本にいたとはな・・・・」



「確かにな・・・・あの真中と言う奴は要注意だ・・・


 次にあったら、全機で叩くぞ!!」


「了解!!」


そお言いつつ、ジョンファンは何か心の中に不吉な感じを覚えた・・・


『真中・・・真中・・・真中・・・なんか耳にしたことがあるような・・・

 そう・・・・・遠い昔に・・・・・』



ジョンファンがそんな考え事をしていると、ほかの僚機から通信が入った。



「さて、そろそろ、基地が見えてくるか・・・・


・・・・・・・・ん?


 相当酷くやられたな・・・・俺らがいなくなると、これだから困る・・・」


ため息混じりに黄色2のリ・ビョンフォが言った。


「あらま・・・新型のテポドン3の生産工場があんなにやられてる・・・


・・・見ろよ!!!駐機所に停めてたミグもスホーイも全滅じゃあないか!


 俺の予備機もバラバラだ・・・・・」


涙声交じりで、黄色4のキム・ジョウが言った。



「やむを得んな・・・滑走路の隙間に降りるか・・・・


 あそこなら降りれそうだ・・・・」


そう言ってジョンファンは外村の手によって縦一直線に破壊された滑走路の左端に巧みに着陸した。


タイヤが陸に付く感触が取れた。


そのまま、一番被害の少なそうな格納庫の前に機体を止めて自分の愛機から降りた。他の機も続く。


そこでジョンファンは始めてヘルメットを取った。


K国の軍人にしては珍しい長髪・・・そして、天地辺りと互角の顔張り・・・


「こいつは酷くやられてたな・・・・」


ため息混じりに呟くジョンファンの元に、整備班が近付いてきた。


「お疲れ様です。


 あらま・・・こんなに酷くやられたんですか?


 ジョンファンさんは始めてじゃないんですか?」


「ああ、すまないが修理と点検を頼む。


 俺たちは指令の所に行ってくる」



「了解しました!!」


整備隊員が敬礼で返事をしてきた。


「それじゃあお前らも行くか?」


後ろを振り返りながらジョンファンは言った。


「そうだな。今日のスコアを報告しなきゃいけないし・・・・」





ジョンファンたちはそこからジープに乗って野戦司令塔に向かった・・・









しばらくして、臨時の司令塔らしき建物が見えてきた。車を停める。



そこにいつもの通りに基地の指令が待っていた。


「こちら、第101航空小隊!!ただ今帰還しました!!


 報告!!!


 クラマ型ヘリ戦闘艦一隻!!ムラサメ型ミサイル艦二隻撃沈!!!


 同ムラサメ型艦一隻、及びハルナ型ヘリ戦闘艦一隻大破!!!


 敵防空隊八機撃墜しました!!!


 及び、帰還中の敵編隊と戦闘!!七機撃墜しました!!!」



ジョンファンは事務的な報告をする。


普通、これだけの戦闘をして、同じ被害を与えるには一個飛行隊は必要である。


しかし、黄色小隊にとっては、赤子の手を捻るようなものである。



普段なら大喜びする指令だが、今回は顔色が悪かった。


「ご苦労・・・君たちが出払っている間にこのような事態になってすまない・・・」




「指令、これはやむを得ません。自分は先ほど話したように、ここを攻撃した敵編隊と交戦しましたが、中々の腕前です。


 特に敵の編隊長はかなりの腕前でした」



「確かにな・・・いきなりミサイルの奇襲攻撃で完全に混乱しているところに畳み掛けてこられたからな・・・


 ここの基地は近く放棄されるだろう。君たちは別の基地に配置されると思う」



「そうですか・・・しかし、指令は?」


基地指令は自嘲的な笑い声を出した。



「私かね?この有様なんだ。責任を取るものがいなくては仕方ないだろ?」


「指令・・・・・・・・」



「これからも君たちの活躍に期待している。


 今日は各自解散していいぞ。まだ被害収集の目処がたっていないしな・・・」



「はっ!!了解しました」



そう言うと指令は基地の建物の中に消えていった。



「さて、お前ら?今日はどうするんだ?


 一杯飲むって雰囲気じゃあないしな・・・」


「ジョンファン、お前にはスンニがいるだろ?


 早く帰ってやれよ!!!


 彼女いない組の俺たちは仲良く飲んでるからよ」



大きな笑い声が出来た。



しかし、そこに一人の女性が駆け込んできた。


しかもかなり走ってだ。息がかなり荒い。


「あ・・・あなたがジョンファンさんですか?」


「ん?ああ、俺だが何か用か?」



「スンニが・・・・スンニが・・・・・・」



その声にジョンファン以外の皆の顔色も変わった・・・・



「スンニがどうしたんだ!?


 何があったんだ!?」



ジョンファンは女性の肩を揺すって問い詰めた。



しかし、女性は泣いている。



「スンニは今何処だ?何処にいるんだ?」


女性は指差す。


「あそこの臨時病院・・・・・・」



その女性が言い終わるかどうかに既にジョンファンは動いていた。


ジープに飛び乗り物凄い勢いで走っていった。



「お・・・おい!!!ジョンファン!!


 何かあったんだ!!!俺たちも行くぞ!!!」



「って言っても、このそばに車両は無いぞ!!


 どうやって行くんだ!?」



「走っていくに決まってるだろ!!!


 たまには足も動かすぞ!!」


そう言ってほかの四人もジョンファンを追いかけて走っていった。







・・・それから程なくジョンファンは野戦病院に着いた。


ジープを乗り捨てて走る。



「おい!!!ここにスンニと言う女性が運び込まれたと聞いたが!?」


近くにいた衛生兵に聞く。


「ええと、スンニさんですか・・・?」


その兵士は紙を何枚かめくる。


その顔色が見る見る曇っていった。


「スンニさんは・・・・あちらです・・・」



そういって衛生兵が指したほうは・・・・・


「・・・・・重傷者収容所!?」


衛生兵が止める声も聞かずにジョンファンは走った。



「ス・・・スンニ!?」



ジョンファンは己の心臓が止まるかの思いがした。



そこには体半分が火傷で黒焦げになったスンニがいたのである。


恐らく、モルヒネで苦痛を和らげている程度である。意識はしっかりしていたが、呼吸が浅い・・・・


煤が付いた顔がゆっくり振り向く。



「ジョ・・・・ジョンファン・・・」



「スンニ!?大丈夫か?


 何で避難しなかった?いつも言ってただろう!!」



「ごめんなさい・・・・あなたに認めて欲しくて・・・・・」



「俺に認めてもらう・・・?


 何をだ!?」


「あなたと結婚するからには、あたしも強い女じゃなきゃいけない・・・・


 そう思って敵に立ち向かったのよ・・・・・」


「馬鹿野郎!!!!


 俺はお前の全てを愛してる!!今更そんな事を言うな!!!」



「あたしだって、あなたを心配させたくなかった・・・・・・


 でも、あなたの女である以上は仕方ない事じゃないの?」



「・・・・・・」



ジョンファンは黙り込んでしまった。


自分を強く想うが故・・・黄色の悪魔といわれる男の妻になるが故のプレッシャーが彼女を無理させ、このようにさせてしまった事を・・・・



「でも・・・・あたしだって、頑張ったんだよ?


 敵の攻撃機を落としたし、戦闘機だって多分落としたかも・・・・」



「多分と言うと、どう言う事だ?」


「そいつと相打ちしたの・・・・・・・


 ナパーム弾をばら撒かれてね・・・こっちはロケット弾よ?さすがに力の差がありすぎたわ・・・・」


畜生・・・・・ジョンファンは心の中で罵った。


『スンニはあくまで民間人だぞ?


 それなのに何で?・・・・・何でだ?畜生!!!


 何処の糞野郎がやったんだ?』



「スンニ・・・・・その攻撃した奴はどんなのだった?」



「・・・・あ・・・・あなたのエンブレムと凄く似た奴よ・・・・


 一瞬ジョンファンの機体かって思ったもん・・・・・・・」



それを聞いてジョンファンは愕然とした。


『さっきの真中か?・・・・・


 あんな声の奴が何で?・・・・・こんな事を?』


「でもあたしが頑張ったのは認めてね・・・・・・・」


呼吸が浅くなってくる。既に顔にはチアノーゼが浮かんでいた・・・・・


「もういい!!!喋るな!!」


「あたしもね・・・・・


 ジョンファンの事愛してた・・・・・・・


 実は・・・・今日帰ってきたら、言いたかったことがあったの・・・・・・・」


「何だ!?それだけは聞いてやるからもう喋るな!!」



「あ・・・あたしね・・・・子供が出来てたの・・・・


 あなたの子よ・・・・・」



それを聞いて更にジョンファンはショックを受けた。


それを理由にすれば、スンニの強制徴用は防げたはずだ・・・・・


何故・・・・何故自分は気付けなかった・・・・・


激しい後悔の念がジョンファンを襲う・・・・


「ほ・・・本当にごめんなさい・・・・・


 あなたに言えばよかったね・・・・・」



「スンニ・・・・」


ジョンファンの絶望の顔を見てスンニは優しい微笑みを出した。


「そ、そんな顔しないでよ・・・・


 あなたにそんな表情は似合わないわ・・・・・・


 あなたに会えて本当に良かった・・・・・・・・」



「分かったから!!!もう喋るな!!!


 おい!!!そこの衛生兵!!どうにかしろ!!!


 彼女には赤ん坊もいるんだ!!!」



しかし衛生兵は下を向いて少し首を左右に振った・・・・・・・



それはもはや手当ての仕様が無いということだ・・・・



「ジョンファン・・・最後まで迷惑掛けてごめんなさいね・・・・・


 あたしはいつでもあなたを見守っていますよ・・・・・・



 あ・・・あたしの子供とあたしの分も生きてね・・・・・」



「馬鹿なことを言うな!!!


 前話しただろ!?もし祖国が一つになったら、釜山に行こうって?



 だから・・・・・・ス・・・・・スンニ?」



スンニは目を閉じていた・・・・


その表情は綺麗な顔のままであった。



スンニの手を握り締めていた手が震えだす。



「嘘だろ?嘘だろスンニ?


なあ!!!!スンニ!!!!!!」



そこに他のようやく黄色小隊のメンバーも入ってきた。



「はあ・・・はあ、ジョンファン・・・・・・



 えっ!?ス・・・・スンニ?」


そこで横になって目を閉じ続けているスンニを見て全員愕然とする。


「な・・・・なんでだよ・・・・


 何で彼女が死ななきゃいけなかったんだよ?」



「・・・・・・・真中だ・・・・・・・」



ジョンファンの答えに全員が驚愕の表情を浮かべる・・・・・


「えっ!?」



「あの真中って奴がナパーム弾をばら撒いたらしい・・・・・・


 他にも何十人も同じようにやられた・・・・・・・



・・・・・・・・彼女達は一般人だぞ!?


 こんなの有り得るかよ?


 なあ・・・・おい!!!!!!!!」



怒鳴りだすジョンファン・・・・それを黙って見守るしかなかった・・・・


「真中・・・・・絶対許さない・・・・・・・



 お前は必ず俺の手で落とす!!



 スンニ・・・・もう少ししたら、俺も行くよ・・・・・


 君がいない世界なんかでいたくない・・・・・・・」



「ジョンファン・・・・・・・・・」





「畜生・・・・畜生・・・・畜生、畜生、畜生、畜生!!!!!!!!!!!!!」








ジョンファンの悲しい声が響き渡った・・・・・・・













二人の復讐劇は更に進んでいく・・・・


[No.10] 2005/07/28(Thu) 23:40:06
永遠の恋心第18章「愛の果てにある物・・・」 (No.10への返信 / 1階層) - ニミッツ

どうも!!久しぶりの投稿ですいません!!
是非最後まで読んで下さい!!







第18章・愛の果てにある物・・・






ジョンファンの悲しみの声が響き渡るその頃、真中達は基地に帰還した。


F-15とF-2がほうほうの体で次々と着陸した。


既に真中たちが出撃していた間に、基地の復旧が進められ、普通の滑走路に着陸できた。


F-15から降りた真中は基地指令と話をするため、司令室に向かった。








「・・・・・ふうむ・・・


 そうか・・・・やはり衛星写真の通り、黄色小隊の基地だったか・・・・


おまけに新型弾道ミサイルの生産工場も破壊できたとは・・・・


君たちの活躍は我々の想像以上だよ。



 しかし、黄色小隊の隊長に関しては謎が多すぎる・・・



 これがアメリカから届いた資料だが・・・・・・・」



そう言って真中は手渡された資料を捲った。



生年月日不明、年齢未詳、出生地不明・・・・・


とにかく不明の連続であった。



「本当に彼らのせいで我々の士気はガタ落ちだ・・・・・


 既に国内では停戦の声も出てきたらしい・・・・


 おまけに核弾頭が開発されているという噂もある・・・・



 このままでは第三次世界大戦が起きかねん・・・・


 この百里にも補給はある程度来るが、人員が足りない状況だ・・・・

 
 キツイと思うが、出来る限りの努力をしてくれ。
 


 真中・・・・この状況を変えられるのは、君たち・・・若い者だ・・・・


 若者の生きる力が国を動かす。それを肝に銘じてくれ・・・・」



「了解しました・・・・」



真中は軽い返事をする。



「それで・・・・・・北大路士長の葬儀はこの基地で行うことにした・・・・


 明後日だから覚えといてくれ・・・・・」



「・・・了解しました。


 それでは失礼します・・・・」



真中は司令室を後にした。




「よお!!真中どうだった?」


外村が話しかけてきた。



まるで瞬間移動でもしているのでは?と思わせるほどの身の移しである。




「ああ・・・・やっぱ黄色小隊の隊長の事は何にも分からないらしい・・・・・



 後、やっぱさつきの葬儀は部隊葬でするらしい」


「ああ・・・既に北大路の家族には知らせてある。


 後、京都の店の人たちにもな・・・」



外村は下を向いてうつむいた。


京都の料亭は、さつきがいなくなってからは妹さんたちが見ているらしいからだ。



「俺もエリア51やCIA・・・最終手段でペンタゴンからデーターを探しているが、やっぱイ・ジョンファンに関してはアメリカもお手上げだとさ・・・・


 で、あいつらの機体はソ連解体時に流失したのをブラックマーケットで購入した奴らしい。


 購入された機体が中国経由で入ったのが確認されている。


 
 Su-37なんて世界でも数えるくらいしか製造されてないからな・・・・



 後、呉の方は大破した護衛艦は修理が無理だから廃艦だとさ・・・・



しかも死者は300人以上だと・・・・・・



 いつになったらこんな殺戮終わるんだよ・・・・・・・」



外村らしくなく、暗い面持ちで言っている。



「ああ・・・・・で、小宮山たちは?」



「あいつらは今待機室で休憩しているよ。



 さすがのあいつも疲れたんだろう・・・・


 今はそっとしとくべき・・・・・・・」




「力也さん、大丈夫でしたか〜〜?


 あたし本当に心配したんですからぁ?」



「ゴメンな、ち〜ちゃん・・・・


 でもち〜ちゃんの顔思い出して死んでたまるかって思ってたよ!!」


「うふふ・・・・ありがと!!ちなみもね、沖縄ロケから飛んできたんだからぁ」



外村と真中の目の前をそんなやり取りをしながら、小宮山と端本が過ぎて行った。


完全に固まる外村プロデュース社長・・・


一度は別れた二人だが、いつのまにかよりを戻していた。


まあ、外プロでマネジャーとの関係だったから寄りを戻せないわけではなかったろうが・・・


真中は半硬直状態だったが、その状態を解くのに多少の時間が掛かった。



「・・・・・・・・・・で、ところで・・・」


「あ、あの・・・・真中さん」



「ん?うわっ!?こずえちゃん!?どうしたのさ?」



何と真中の後ろにいつの間にか向井こずえがいたのである。


あの外村もいつの間に?と言う顔をしている。



「いや・・・・あの・・・・右島さんが心配で・・・」



そうだった。右島とこずえちゃんは大学から付き合い始めていたんだ・・・


いつも周りが空いてる右島の横にびくびくしたこずえちゃんがポツンといるのが面白かったのが懐かしく思えてきた。



「あ、あいつなら多分格納庫にでもいると思うよ・・・・」


「それにしてもこずえちゃんいつ見ても綺麗だねぇ・・・・


 これが終わったらぜひとも外プロへ・・・・」



「そうですかぁ….ありがとう御座います」


嬉しそうな顔をしたこずえちゃんは格納庫の方に走っていった。


完全に無視された外村は手元にあった名刺とカメラを悲しそうに持っていた。



しかしその途中、真中たちの見える範囲で何回も人とぶつかったのは言うまでもないが・・・・


「いや〜〜こずえちゃんも可愛さに女の色気が入ってきたね〜〜


 まぁ絶対将来は外プロに・・・・」


その瞬間外村が固まった。


後頭部に何か硬いものが押し付けられたからである。



「外村さんよ〜〜あんたが変な考えしてるならここで引き金引きますぜ?」


いつの間にかタバコを吹かした右島が外村の後ろに回っていたのである。


「いや〜〜冗談ですよ、右島さん・・・・


 冗談です…..ハイ・・・・」



固まりながら答える外村。


「で、右島、こずえちゃんを追いかけなくていいのか?」


呆れながらたずねる真中。



「おう、だけどあいつ何処行ったかわからねえからさ」



「だったら転んでる隊員達を追っていけばこずえちゃんにつけるだろ?

 
 格納庫に向かってると思うからさ」


そう言われて右島は、何かばつの悪そうな顔をしたが向き直って、


「そっか悪いな真中、じゃっ、また明日」



そう言って走っていく右島をしばらく見つめてから外村に向き直った。


一方の外村は大物を逃したショックからか何か呟いていた。



「・・・・・で、そう言えば大草は大丈夫なのかよ?」



「ああ・・・あいつは大丈夫だよ。


 相手の爆撃機を全部叩き落して残った残存部隊もあらかた落としたらしい」


「さすがだな!?大草もやるなあ・・・・」



「でもあらかたのミサイルを撃ちきっちまって、補給に帰ってくるらしいぞ?


 何でもスタンダードを70発、ハープーンもかなり撃ったらしいぞ?


 あいつがあれだけ感情的になったのは始めて見たわ・・・・」



「ああ・・・・俺もあいつとの付き合いは長いけど、あんな感情的なのを見たのは初めてだよ・・・・」



それから黙り込む二人・・・


一般的には勝利の美酒と行くところだが、今の状況ではうまい酒も味を落とす
だけである。



「で、真中はつかさちゃんに電話かけてやったのか?


 お前の事を一番心配してたんだからよ?」




「あっ!!電話すんの忘れてた!!


 携帯・・・・携帯・・・・・・・・・・」




フライトジャケットをあさる真中の目の前に、すっと携帯が差し出された。



「お前、ロッカールームに忘れただろ?


 俺のを使えよ?



・・・・なぁに!!通話料は心配するな!!!



 軍事ネットワーク衛星経由だからタダだよ!!!」



笑って言う外村。


『こいつにはいつも世話になってるな・・・・・・』


真中は感心しつつ、つかさの携帯に電話を掛けた。




しばしなり続ける呼び出し音、そして・・・・



がちゃっ


「もしもし?外村君?」



「あ、俺だよ俺。


 外村の携帯を借りたんだよ」


その瞬間、つかさの声が変わった。


「淳平君!?淳平君なのね・・・?


 良かった……ホントに良かった……


 あたしずっと待ってたんだよ?」



「ごめんな、今基地に帰ってきたばっかだったんだよ」


「生きてて良かった・・・・


 お帰りなさい、淳平君」



「ああ・・・・ただいま…つかさ」


「で、今日は帰ってこれるの?」


「あ・・・あぁ、でも書類の片付けが・・・・」



その真中をさえぎるように外村が親指を立てた。



どうやら任せろと言うようだ。


真中は外村に礼をすると電話に向き直った。



「ごめん、大丈夫だよ。


 今すぐ帰るな」



「うん!!絶対だよ!!!


 もし15分以内に帰ってこなかったらただじゃ置かないんだから!!」



つかさモード全開であるが、その声ははずんでいた。


「分かったよ。


 絶対すぐに帰るよ。じゃあまた後でな・・・・」



そう言って真中は電話を切った。


外村に携帯を渡す。


「外村、本当にすまないな・・・」


「何、彼女いない俺は、一人でのんびりやってますよ。


 だからお前は早く帰ってやれよ。


 後14分20秒しかないぞ?」


「・・・・・外村、盗聴してたな・・・・」



真中の顔色が変わる。


「な・・・・何のことかな?


 とにかくさ、早く帰ってやれよ」


外村にうやむやにされてしまったが….


「ああ、今日は帰るわ。


 じゃあな外村」


「おう、じゃあな」


そう挨拶を交わして二人は反対の方向に歩いていった。


それから真中は基地の駐車場から車を走らせた。


駐屯地と士官用のマンションは目と鼻の先である。

















そして今真中は自分の部屋に着いた。


『真中淳平   西野つかさ』の表札が懐かしく思える。


百里に配備が決まってからつかさとここに見に来てからだから2週間ぶりである。



真中はインターホンを押した。



ドアがすぐに開く。


「えらい!!5分前行動!!!」



つかさがそう言って飛びついてきた。


昔の真中ならそのまま後ろに倒されてしまうが、鍛えられた真中の体はしっかりとつかさを受け止めた。



「久しぶりの再会がそれ?



 ただいま….つかさ」



「本当にバカ・・・・ずっとあたし待ってたんだよ。。。」



そう言って目から大粒の涙を流し始めたつかさ。


つかさの全てが愛しい・・・・


つかさのためなら何でも出来る。絶対守ってみせる。



しかし、突然真中の脳裏に今回の戦闘が蘇ってきた。




自分の放った爆弾でばらばらになる敵・・・

機銃掃射で体がちぎれた者・・・

ロケット掃射で火だるまになった者・・・・



自分が殺した相手の叫び声が突然蘇ってきた。


(何故自分達はこうなってお前は幸せなんだ?)


その様な声が耳の奥から聞こえてくる。



「ん?どうしたの淳平君?」



突然震えだした真中を不振に思うつかさ



真中は突然の恐怖におびえていた。



「うっ!?じゅ、淳平君!?」



突然の真中の力強い抱擁につかさは驚いた。



『死にたくない、つかさと一緒にいたい』




その思いがつかさに更なる愛を注がせた。



「お・・・俺、人殺しになっちまったよ・・・


 今、その人たちからの声が聞こえてさ・・・・・」



「じゅ・・・淳平君・・・・」


つかさの声がしおれる・・・


「それでさ・・・俺だけなんでこんなに幸せなのかな?


 って思ってさ・・・」


「そんなこと無い!!!


 淳平君は悪くないよ!!!


 あたしにいつも優しくしてくれる淳平君だから!!!」



「ありがとう、つかさ・・・・・ 


 でも俺は・・・・・・!?」



その瞬間、真中は何も言わなくなった。


否、言えなくなった。


つかさが真中の口を封じたのである。自分の口で・・・・・


つかさが唇を離す。



「あたしも淳平君の苦しみを分けてもらいたい・・・・


 淳平君だけが悲しんでるのなんて嫌だよ・・・・・」



つかさの甘い声が耳に付く。


「つかさ・・・・・・」



つかさの体を抱きしめた真中はそのまま玄関をくぐった。





それからは、二人はお互いの愛を感じ取りあっていた。




一人は恐怖の脱出の為・・・・


もう一人は愛しい人の悲しみを分けてもらうため・・・・


二人の愛はまるで嵐のように激しかった。。。






しかしこれを後ろで見ていたさつきが大暴れをし、百里基地周辺では謎のポルターガイスト現象が多発するようになり日本の都市伝説になるのはしばらく後の事であるが・・・・







それから二日後、北大路さつきの葬儀が百里基地で行われた・・・・



さつきの写真を持って母親が出てきた。


妹や兄は涙を流していた。



基地警備隊により捧げ銃の射撃が始まった・・・・・



空砲の奏でる音がさつきとの思い出を真中の胸に響かせていた。


その真中の手をぎゅっと握り締めるつかさ。


昨日、さつきの家族が駆けつけてきた時、さつきの父親にさつきのことを色々聞いた・・・


離婚しかけて長崎に行きそうになった時に一番泣きながら反対したのはさつきだった事・・・


京都に行く時に寂しそうな顔で荷物をまとめていたさつきの事・・・・・



それらを聞いた時に真中はさつきに対して心から謝った。



そしてさつきに対して仇・・・否、お詫びの気持ちが真中の復讐心に火をつけた・・・・


つかさの愛が真中の心の恐怖を打ち消し、さつきの死が真中の心に大きな決意をわかせていた・・・・・





晴れた日の風にたなびく半旗の旭日旗のふもとにいたさつきは自分の葬儀を見て涙を流していた。



その涙は床に落ち、染みとなって広がって行く・・・・・・















※ 時間軸を第11章に戻す。






その様なことを思い出しながら真中は安定飛行を続けていた。


既にK国の戦闘力は低下の一途をたどり完全に降伏させるのは時間の問題であった。



日本海で空中給油機から燃料を貰った真中達は一路K国最後の大要塞に向けて進路を変更した。







一方の黄色小隊はと言うと・・・・・・



「こちら黄色1。


 目標補足。これより空爆を実施する。


 黄色2、3は我に続け。


 黄色4、5は上空の敵を追い払ってくれ。



 全機突撃!!」



「「了解」」



その時中国上空にいた。


以前は関係の良かった中国も今では完全に見切りを付けられK国の敵になっていた・・・・


そこで黄色小隊は中国の生命線、大慶油田を爆破する為に来ていた。



以前は黄色小隊に付いてきていた航空団も、あらかた壊滅しもはや飛行可能の機体は少なかった。



おまけに石油精製施設もやられ、質の悪い燃料ばかりが来ていた。



しかしジョンファンの闘志は少しも消えていなかった・・・・



「真中め・・・」


ジョンファンの心の傷はまだ癒えていなかった。


あの戦闘以来、どう言う巡り合わせか、真中たちの編隊とは一度も会っていなかった。



ジョンファンは死に場所を求めているとも言えた。



「スンニ・・・・・


 いつになったら君のところに行けるんだ・・・・・・」




そんな事を考えながら飛行を続けるジョンファンの前に中国空軍が立ち向かってきた。



Su-27の編隊が逆落としに突っこんでくる。



しかしそれを黄色4と5が一手に引き受ける。



ジョンファンは冷静に石油棟に目掛けてロケットを発射した・・・・















この二人が再び会うときに真の戦争が始まるのである・・・・・


[No.59] 2006/03/01(Wed) 01:22:33
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