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   SS a promise〜約束 第1話 - ギムレット - 2008/07/13(Sun) 18:23:02 [No.1096]
SS a promise〜約束 第2話 - ギムレット - 2008/07/13(Sun) 18:26:10 [No.1097]
SS a promise〜約束 第3話 - ギムレット - 2008/07/13(Sun) 18:29:31 [No.1098]
SS a promise〜約束 第4話 - ギムレット - 2008/07/13(Sun) 18:34:18 [No.1099]



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SS a promise〜約束 第1話 (親記事) - ギムレット

なぜ、あの時僕は気づかなかったんだろう……あんなに一緒にいたのに



もし気づくことができれば……気づいてあげることができれば…………







SS「a promise〜約束」








俺と西野はもう1度付き合うことになった



西野が鉄棒で告白してくれて、その告白で俺の気持ちも固まった


今は西野を大事にしたい…



この気持ちが変わることはないだろうと思った



でも、今思うと西野はもっと俺と過ごす時間が欲しかったんだと思う




だから自分から告白したのだと……







付き合い始めて最初のデート



待ち合わせの場所で待っていると



「てやっ」



「うわっ!!」



いきなりの抱擁



西野のこういうところが俺は好きなんだ…


ある店に入ると西野は目を輝かせる



「うわぁ〜かわいい〜♪」



西野が見ていたのは、ペアリング



やっぱ、女の子ってこういうの欲しいのかな…



俺は思い切って買った



「わぁ〜ありがとう!!一生の宝物にするね♪」


その時の西野の笑顔は一生忘れないだろう



「これがあれば、淳平くんとつながって入れる気がするよ♪」



嬉しそうに指にはめる



西野が笑うと俺は幸せだった





ただ……それだけで………







デートも終え、俺は西野を送るため、西野の家の近くまで来ていた



「・・・」


さっきからそわそわして落着きがない



どーも、様子がおかしい…



「西野、どうかした…?」



なんか怒らせるような事をしただろうか…考えてみるが思いあたる節がない



「……帰りたくない」



「え!?」



「もうちょっと……淳平くんと一緒にいたいな……」



西野は俺に寄り添い、手を握ってくる




暖かい温もり



「俺だって、もっと一緒にいたいけど、もう遅いしお母さんも心配するんじゃない?それに会おうと思えばいつでも会えしさ」



「…………そうだね……………いつでも会えるもんね」



そう言うと西野は少し寂しそうな顔をする




「じゃあ、キスして…」



「へ…?」



西野は俺の言葉をさえぎり、自分から唇を重ねてくる



もう何度目のキスだろうか…



軽く触れあうだけのキスだったが、俺たちにはそれで十分だった



「バイバイ、淳平くん♪」



手を振りながら家に入っていく西野





俺はこんな幸せな日々がずっと続くと思っていた






秋が来るとお互いに忙しく、会えない日々が続いた



でも、それは2人には関係なかったんだと思う



もう、揺らぐことのない想い…永遠の想い



それでもたまには会いたいので、塾が終わるとすぐに西野のバイト先まで走っていき、一緒に帰ることもしていた



西野の帰る時間は遅く、1人で帰らせるのも危ないという理由もあった





<少しでも一緒にいたい>





その想いだけだった






帰り道・・・



「ねぇ、淳平くん、あたしこんなに幸せでいいのかな…」



「え、どうしたの、急に?」



「夢じゃないよね…淳平くんと付き合ってるのって…」



「そんなわけないだろ!!」



「あたしねぇ〜最近思うんだ…もしこれが夢だったらって……この幸せな日々もあたしの……」



俺は西野の言葉をさえぎり抱きしめた



思いっきり、抱きしめた



外は少し寒かったが、2人の体は暖かい



西野には俺がいる、これは夢なんかじゃないって気持ちをこめた!



「淳平くん…痛いよ……」



「あ、ゴメン…」



しかし、西野の顔を見ると笑っている



「ありがとね♪」



そう言って、キスをする



抱きしめてもまだ気づかない…



西野の体に異変が起こってる事を……


[No.1096] 2008/07/13(Sun) 18:23:02
SS a promise〜約束 第2話 (No.1096への返信 / 1階層) - ギムレット

10月のある日・・・



俺はいつも通り西野を迎えに行った



今日は3日ぶりに西野に会える



自然と自分が笑顔になっているのがわかった



しかしいつも通りの時間になっても西野はでてこない…



居残りでもしているのだろうか…



そう思ってると店の前に日暮さんがでてきた



「お、ボウズ、久し振りだな!!」



「あ、お久しぶりです。西野まだいますか…?」



日暮さんは少し驚いたような顔をする





「西野さんから何も聞いてないの?」



日暮さんの言ってることが俺にはよくわからない



「え…」



「西野さん、おとといからバイト休んでるんだよ…何でも入院してるって」





知らなかった……何で教えてくれなかったんだよ……



俺は日暮さんから病院の場所を聞き、走りだした



もう、夜なので面会時間はそんなにないだろう…でも会いたかったんだ




病院につき、看護師さんに西野の病室を聞く




トントン



「は〜い」



ガチャ



「西野…」



「あ、淳平くん」



思いがけない来訪者に少しビックリする西野



西野はベッドで体を半分起こし、お母さんと話していた


その顔には笑顔が見られた



「あ、お母さんもう行くから、淳平くんとゆっくり話しなさい♪」



そう言って、西野のお母さんは病室を出ていく




きっと気を使ってくれたんだろう…



バタン



ドアがしまった



「久し振りだね、淳平くん♪て言っても、3日ぶりか…」



「大丈夫?元気そうだけど…」



「うん、元気だよ♪でも、ゴメンねぇ〜わざわざ来てもらって…」



「いや、それはいいんだけど、なんで入院してること教えてくれなかったんだよ…」



西野は少し、うつむく



「…だって、淳平くんに心配かけたくなかったんだもん……」



そう言って、少し恥ずかしそうにする



「そっか…でも元気そうでよかったよ!どのくらいで退院できるの?」



「ん〜わかんないけど検査終わったら帰れると思う」



「そっか、早く元気になれよ?俺も西野が元気だとその元気をもらえるから!」



「ホント〜?じゃあ早く元気にならなきゃね♪」



無邪気に笑いあう2人



コンコン



「西野さん、面会時間終了ですよ」



「あ、はい」



5分くらいしかいられなかったな



「じゃあ、俺帰るよ」



そう言って座ってたイスから腰をあげる



グッ



何かに引っ張られる



見ると、西野が俺の服の端をつかんでいた



「待って…帰る前にキス……」


そうだ…忘れてた



俺は西野とキスをした




「ん…淳平くんの元気もらっちゃった!!これで早く退院できるね♪」



西野は今日1番の笑顔を見せた



「じゃあ、また明日くるよ!」



「うん、おやすみ♪」



病院を出ると空には星が輝いていた


[No.1097] 2008/07/13(Sun) 18:26:10
SS a promise〜約束 第3話 (No.1097への返信 / 2階層) - ギムレット

あれから2週間・・・



西野はまだ退院できずにいた



しかし学校帰りに病院に寄ると、そこには必ず西野の笑顔があった



その笑顔が俺を幸せにする



しかし、西野に言わせると、俺の笑顔が西野を幸せにするらしい





…俺の笑顔なんて、何の価値も無いのに…



当然バイトもずっと休んでおり、優しい西野は気にしている



「バイト大丈夫かなぁ〜人手たりないんじゃ…」



「はいはい、西野はそんなことは気にしなくていいから、早く元気になること!」





この2週間、俺は毎日お見舞いに来ていた



当然、西野の友達もたくさん来ており、そのたびにいろいろつつかれる



「ねぇねぇ、淳平くんはつかさのどこが好きなのぉ〜?」とか逆に



「つかさは淳平くんのどこが好きなのぉ〜?」とかいろいろ聞かれた



でも、2人きりの時は西野は俺に甘えていた





そして、別れ際のキス…これは日課になっている



「じゃあ、またね、淳平くん♪」



「ああ、また明日」



俺は西野の変化にまだ気づくことができなかった…でも気づいたところで何もできなかったのかもしれない







そしてまた日は過ぎクリスマス・・・



俺は何も西野に聞かないようにしていた



その笑顔が崩れるのが怖いから…



クリスマスだからと言って、病院の外に連れ出すわけにもいかない…だから俺はケーキを買って西野を病院の中庭に連れ出した




外に出ると雪が舞っている






ホワイトクリスマスか…



ベンチに2人で腰をかけた



「大丈夫?寒いんじゃ…」



「うん、平気、平気っ…ハ、クチュン!」



西野のくしゃみ



「ほら、やっぱ寒いんじゃん!」




俺は自分のコートを西野にかける



「ありがとう」



中庭にはクリスマスを彩るツリーが飾られていた



寄り添う2人




「キレイだね…」



「ああ」



「まさか、病院でクリスマスを過ごすとは思わなかったよ…」



少し、声のトーンが低くなる




自分を責めているのだろうか…



「でも!!」



「へ?」



「淳平くんと一緒だからいっか♪」



「西野…」



俺は持っていたケーキを取り出す



中にはいちごのショートケーキが2つ



「おいしいね……」



西野の目から涙がこぼれだす



「どうしたの?」



「…あたし淳平くんに迷惑ばっかりかけてるでしょ…なんか……せっかくまた彼女になれたのに………ゴメンね…」





そんなこといいのに…




西野のことが無性に愛しくなる



俺は西野を抱きしめ、キスをした



「んっ…」



突然のキスに少し西野はビックリした様子だ



今日のキスはさっき食べたいちごの味がした



密着した体を少し離し、西野に話しかける




「俺は西野の彼氏なんだぜ!?いくら迷惑かけても大丈夫だから…嫌いになったりしないから……」




今まで散々待たせて傷つかせていた俺にはいくら迷惑をかけてもかまわない



「俺西野のこと好きだから…もっと甘えてもいいんだよ」



すると西野はピタッとおれにくっつき、手を握る



しばらく沈黙の時間が続いた




その時間はとてもゆっくり流れ、心地よい時間だった




「来年も一緒に過ごそうね…」



「ああ、ずっと一緒だよ…」



俺は少し気づいていた…西野が重い病気であることを



そして西野の寿命が短いことにも…


[No.1098] 2008/07/13(Sun) 18:29:31
SS a promise〜約束 第4話 (No.1098への返信 / 3階層) - ギムレット

年も明け、3学期に入った



その間に西野の体はみるみる細くなっていった



西野の詳しい病名は聞いていないが…おそらく助からない病気だろう




西野のお母さんからは西野には言わないように口止めされていた



「あの子…ショックを受けると思うから…」



(退院したら、いっぱい淳平くんとデートしたいな……)



(淳平くんはどっか行きたいところある…?)



(どこでもいいよ……淳平くんと一緒なら……)



この笑顔を壊すわけにはいかない



だから俺も西野の前ではできるだけ明るく振る舞った



でも、話してると自然に涙がこぼれてくる



そのたびにトイレに駆け込み泣いた



西野に気づかれないように…





どうして…どうして……西野なんだよ……



やっと想いがつながったと思ったのに…



俺…西野なしじゃ生きていけないよ……



神様がいるなら伝えてほしい



俺の命を西野にあげてください



西野は俺なんかよりずっと輝いています…俺なんかより……





俺は部屋に面会謝絶の札がでていても、病院に行った



少しでも近くにいられるように…



それから西野は病室を移動した



西野に会う時はマスクと白衣が必要な状態になっていた



「ねぇ、淳平くん…」



「ん?」



「あたしは…いつまで生きられるのかな…」



唐突な質問



「な、元気になるに決まってるだろ!!」



「もういいんだよ…ムリしなくても……あたしの体はあたしが1番知ってるんだから…」




気づいてたのか…



「あたしね、淳平くんの笑顔を壊したくなかったの…だから……」



俺の笑顔なんて、価値無いのに…



「あたしはいつまで淳平くんと一緒にいられるのかな……」



ムリやり体を起こし、俺にしがみつく



西野は泣いている





俺だって、ずっと一緒にいたいよ…




俺は西野の左手の薬指を握る




そこにはあの日買ったペアリングが…




「ずっと一緒だよ…そう言ったじゃん…」




俺も我慢できず涙がでてくる



「あたしが死んでも…?」



「ああ、一緒だよ…たとえ西野が死んだとしても、生まれ変わった西野のことまた好きになるから……」



「生まれ変わってもか……あたしも淳平くんに会いたいなぁ…」




「会えるさ…じゃあ約束しよっか?」



「約束?」



そう言って、キスをする



「んっ……」



いつもより濃厚なキス



まるでお互いがお互いの存在を確かめ合うかのように…



「はぁ…淳平くん……」



少しトロンとした目になる西野




「今のが約束でどう?なんて少しキザだったかな!?」



「バカ……」



「俺、西野のことずっと想ってるから…」



「あたしも…あたしもずっと淳平くんのこと想ってる…だから探して、もう1回好きになるよ♪」



思わず抱きしめる




でも、その体は細く、思い切り抱き締めることはできなかった



どうして…俺らなんだろう……



今までの思い出が走馬灯のように頭に流れる



中学校のころのこと・別れたこと・また会えたこと・保健室のこと・また付き合えるようになったこと



全てがいい思い出に思えてくる





次の日・・・西野は死んだ



俺は西野の棺桶に西野の指輪をいれた



そして自分の指輪も見る




「ずっと一緒だからな……」




外に出て、空を見上げるとそこには青い空が一面に広がっていた



いい天気だな…




「西野…大好きだよ……」



もう、伝わることのない言葉を空に向かって言う



いつかどこかにある「再会」を信じて…



「西野…俺、約束守るからな…」



a promise〜約束 fin〜


[No.1099] 2008/07/13(Sun) 18:34:18
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