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   【おいしい苺】 第一話 - 麻奈実 - 2005/08/11(Thu) 10:00:19 [No.14]
【おいしい苺】 第二話 - 麻奈実 - 2005/08/12(Fri) 12:21:45 [No.16]
【おいしい苺】 第三話 - 麻奈実 - 2005/08/16(Tue) 18:43:41 [No.18]
Re: 【おいしい苺】 第四話 - 麻奈実 - 2005/08/21(Sun) 13:11:54 [No.24]
Re: 【おいしい苺】 第三話 - わたり - 2005/08/18(Thu) 13:15:13 [No.19]



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【おいしい苺】 第一話 (親記事) - 麻奈実

ジーワ ジーワ ジーワ  ジーワ


セミが鳴く。



扇風機はつけっぱなしの部屋で



格好はパンツにシャツの少年が






現在 夢の中。






のんびり最高 夏休み。





【おいしい苺】 


 第1話





「…こーらーっ!起きろ淳平くんっ!」




西野の声が 聞こえる。



「真中が企画したくせに、なに寝坊してるのよーっ!」



さつきの声?




ちょっとまてよ




…なんで二人とも 俺の部屋に?




「にっにっ西野?!さ、さつきまで!」



バンッ!



「ちょっとぉ〜わたしがオマケみたいな言い方…っ!」



さつきが思い切りテーブルを叩いた。



「やっと起きた!ほら、早く用意するよっ」



西野が真中の服をグイッと引っ張った。




「え?ちょっ…用意!?」



さつきと西野を目の前にして 混乱する真中。





「まっさか…忘れたとか?」



さつきが "信じられない" とでも
いうようにあきれていた。



「…この感じじゃ…忘れてる?」



西野の表情まで引きつってきた。



ハハハと乾いた声をあげ、
とりあえず愛想笑いする真中。



バッチーン!



「もーっ」



西野キックが真中の腰に炸裂した。




「ごめん!本当ごめん!…何かあったっけ?」



片手で腰をおさえ、
痛みをこらえながら問う。



「今から、光ノ海公園でキャンプ!」


さつきがずいぶんと冷たい言い方で答えた。




― キャンプ… ―




「ああ!」




バチンッ!


今度はさつきのキックをくらう真中。



「わかったなら、用意する!」




「は、はいっ!」




真中はそこらじゅうに散らばってる服を
両手でかき集め、リュックにつめた。



― ひーっ!よりによって部屋が超汚い時に…! ―



真中は心で泣いた。




…西野とさつき… 怒ってるよな…。
そりゃ、怒ってるに決まってるじゃん!
俺が言いだしたくせにキャンプを寝坊するなんて〜っ


ああ…しかも今 なんて格好してるんだ俺…


西野もさつきも怒らせるし
だらしない所見られてばっかだし…


俺って めちゃくちゃカッコ悪…っ!!




自分が情けなかった。




「淳平君!急いで!乗るはずの電車が来る!」


西野が時計を見ながら叫んだ。



「え!」



「…でも間に合いそうにない…ね」




2人の女子はチラと真中を見た。
また、情けない気持ちになる真中。




「ごめん!本当に〜っ!」



「もう良いよっ。それより早くする!」



西野まで不機嫌そうだった。





真中はまた、急いでいろんな物をつめこんでいた。
中にはイラナイ物までも…





結局 3人が真中の家を出た時刻は
予定の40分も遅れてしまった。





より散らかった部屋を残して、
3人は駅へと走った。





Next...


[No.14] 2005/08/11(Thu) 10:00:19
【おいしい苺】 第二話 (No.14への返信 / 1階層) - 麻奈実



ガタン ガタン ガタン…



窓ごしから見た外の世界は、
緑があって、川もあって、綺麗でカラフルだ。
見ているだけで、ワクワクしてくる。



それに比べて



ここにいる2人の女子は
まだ不機嫌そうに口を閉じたままだった。
見ているだけで、…情けない気持ちになる。




【おいしい苺】

 第2話




ガタンガタン…




― はぁーっ…やっぱ、怒ってるんだよな ―




西野つかさは 疲れきっていた。
ボーッと外を眺めながら、退屈そうに前髪をいじっている。



真中の視線が左にずれた。



一方の北大路さつきは ムッとしていた。
時々、チラっとこっちを見てくるから別の意味でドキッとした。




― 2人とも退屈そうなんだけど…気、気まずい… ―




ガタン ガタン ガタンという電車が揺れる音が
耳の中でやけに響いた。
ボーッと音を聞いてたら 眠気が襲ってきた。
何度もウトウトと夢の中に入りそうになるのを我慢した。




「真中」




沈黙を破ったのは さつき。




「…隣、座って良い?」




「え」



西野が、思わず声をもらした。
そしてすぐに あわてて口を押さえた。





「……」




なんともいえない 空気が流れた気がした。





「…ね、真中。座って良い…よね?」





「座るって…と、隣に?」





「うん、ダメ?」




さつきが甘えた声をだした。
色っぽくて、可愛い声で思わずドキッとした。


立った時に目の前で小さく揺れた
さつきのミニスカートに瞳を奪われた。





その真中の視線に気づいたのか
西野は また窓の方を向いてしまった。



「だ、だって もうすぐつくし…」


声が裏返る。
焦っているのがバレバレだった。



「だって、退屈なんだもん!」



さつきはそう言いながら、
むりやり真中の隣に座った。



「ちょ…さつき!」



「良いじゃんっ、ねー話そ!…西野さんも!」


いつの間に用意したのか、片手にスナック菓子を持って
機嫌良さそうに それを口に持っていった。



さつきの機嫌が治ったみたいでホッとした。



「気にしないでいいよ。…眠いの」



ポツリと呟き 西野はゆっくりと瞼を閉じた。



さつきが

「おやすみなさい、西野さん。」

って優しく言った後に

「お…おやすみ、西野」

と反射的に口が動いた。




「…ね、真中」


西野の存在に気にしてるのか
さつきは小声でつぶやいた。


「私ね、今日…記念日なんだ。」


予想外の さつきの言葉。


「え?」


「…"真中とLOVE LOVE記念"だよっ♪」


こっちを見ながら、
得意気にニッと目を細めて笑った。



こういう微笑みは、
だいたい何かを企んでいる笑顔だ。



「な、なんだそれ。そんな記念ない…だろ…」


なるべく 冗談だと流したつもりに言った。
しかし、言葉とは裏腹に 期待で胸が高鳴ってる自分がいた。



「だから、今日作るの!楽しみにしといて…ねっ♪」


グイッとさつきの顔が近づいた。




― わっ。か、可愛い… ―




西野がいるのに、
顔がデレッとして情けなく緩んだ。


近づいてきた時、さつきの長い髪の毛が
ふわりと自分の肌に当たって心地良かった。


― 良…良いにおい…っ ―


今日の記念日作り宣言のせいなのか
さつきの存在に妙にドキマギとしてしまった。


「…はい。真中も食べなよ」


スナック菓子を真中の方へやる。


「あ、あ、じゃあ。ひとつ…」



パリッ



「あ、そうそう真中。昨日の『笑いのパーク』見た?」


「見た、見た!」


「私ね『アイアント』のコントが好きなんだ〜!」


「おっ!『アイアント』!昨日あのコント見て爆笑した!」


「ウケたよね〜!なんであの時に…ってね!」


「そうそう!」


あはは と楽しい笑い声がおきた。
さつきと話していると、さっきまでの気まずさが薄れていった。




しばらく楽しそうに話していると、
目的地に電車が止まった。




「西野 起きて!」


「ついたから、早く荷物もってっ」


「…うん。もうついたんだね」



3人はそれぞれの荷物を肩にかけて、
足早に電車を降りた。





Next...


[No.16] 2005/08/12(Fri) 12:21:45
【おいしい苺】 第三話 (No.16への返信 / 2階層) - 麻奈実



ピッ…


「今、外村に連絡とったから」


「で…どうすればいいの?俺たち…」


「数分歩けば『光ノ海公園』っていう看板があるんだって」


「ふ〜ん…ってどこにだよ、それ」



【おいしい苺】

 第3話



草が青々と茂り、蝶々がヒラリ ヒラリと舞っていた。
本当に"自然"という名が似合う場所だった。




「えっとね。」


西野が地図を広げる。


「ここから少し歩けば川があると思うの」


地図を指で指し、そして行くべき道をたどりだす。


「その川通りに歩けばつくと思うよ」


西野は真中の方を見て、少し微笑んだ。



「そっか、じゃあブラブラと行くか」


と言いながら真中は自分のリュックから、
ビデオカメラを取り出した。


ジー…



周りの景色を撮り、
カメラを西野とさつきに向けた。


「ほら、笑って!」


真中が言う。




そしたら、さつきがニコッと笑い
セクシーなポーズを決める。



「どう?自然とセクシー美女!」


キャッキャッとはしゃぎながら、
次々にポーズを変えている。


やがてカメラは西野に視点が変わった。



「西野」


真中が呼ぶ。


「……」



西野はゆっくりこちらを見て、
ニコッと軽く笑った。



その笑顔は疲れた愛想笑いって感じだった。


― 西野に…悪い事したな、…さつきにも。 ―



なんとなく、撮るのは悪いような気がして、
カメラをバックにしまった。



「真中、川!」


さつきが突然声をあげ、
それに指をさした。


「本当だ」



思っていたのより、ずいぶんと小さな川があった。
周りに草がボーボーと生えていて、
川もそこまで綺麗ではなく、逆に汚さを感じた。



「この川でいいの?西野さん」


さつきが問う。


「うん、前行った事あるんだ。私」


西野はすでにその川にそって歩きはじめた。
それに慌ててついていく2人。




西野を信じて歩く事 数分。




前方に『光ノ海公園』の看板を発見した。
そこには、ヒロシ、小宮山、綾やらと映研メンバーがそろっていた。





「遅い!」



ヒロシが真中に喝を入れる。



「本当に遅い!」



そこに美鈴がにょっと入ってきた。



「だいたい言いだしたのは 真中先輩じゃないですか!」


「事前にこうなる事を予測できなかったんですか?!」


「だいたい 真中先輩はー…」


美鈴もずいぶんとイライラしてるみたいで、
痛い所をつきまくってきた。


グサグサと刺される真中。



「まぁまぁ。美鈴ちゃん」


「真中くんも、わざと寝坊したわけじゃないんだし…」


「いろいろと疲れてたのよ…ね」


綾が優しく微笑み そう言った。



「…先輩は…真中先輩に甘いんですよ…」


美鈴は綾の意見に納得がいかないようで、
誰にも聞かれないぐらいにつぶやいた。


「まぁ〜まぁ!そんな事よりはやく遊ぼうよっ」



さつきが退屈したのか、
グイグイと皆の背中を公園の方へと押した。


「ちょ、ちょっとさつき…」


「いいから」


さつきに押されるままに公園へと入っていく。
公園の奥へ行けば行くほど 景色が広がって綺麗だった。



Next...


[No.18] 2005/08/16(Tue) 18:43:41
Re: 【おいしい苺】 第三話 (No.18への返信 / 3階層) - わたり

早く続きが見たいです(≧о≦)
麻奈実さん、がんばってください!!


[No.19] 2005/08/18(Thu) 13:15:13
Re: 【おいしい苺】 第四話 (No.18への返信 / 3階層) - 麻奈実

照りつける太陽。
日差しが眩しくて思わず目を細める。
雲は高く、すっきりとした夏らしい晴天だ。


流れる風が青々と茂った葉をさやさやと揺らし、
たくさんの色鮮やかに咲き誇る花々が心を弾ませた。


来て良かったな


カメラを片手に
真中は そう思った。



【おいしい苺】

 第4話



ジリジリジリ…

照りつける太陽を下に
真中はカメラを握っていた。

他のメンバーは「暑いから耐えられない」
という理由でテントの中に閉じこもっている。


テントは赤と青と黄の3色のテントに
それぞれ分けて入っていた。


「真中さん!何撮ってるんですか?」


一人の少女が黄色のテントから出て来て 真中に近寄る。


「ここから見える海を…って、こ…こずえちゃん!?」


突然大声をあげる真中。


「えっ」

それに動揺するこずえ。


「え、いや。こずえちゃんがいるとは思わなくて…」

つられて動揺する真中。


「…あ…そうですよね。映像研究部に入ってないし…」


こずえはヒラヒラのワンピースの紐をいじりだした。


「でも、真中さんとキャンプしたくて…」


照れ笑いを浮かべるこずえ。
その笑顔に一瞬ドキっとしてしまう。



― こずえちゃん。今日雰囲気違ってなんか…可愛い… ―



― 真中さん。やっぱりカメラを持って何かを撮ってる姿って素敵… ―



それぞれの妄想にとけこむ二人。



キャンプ中に真中さんと距離を縮めれたらいいな…
そしてそして、あんな事やこんな事が…
「や…ん。真中さん…」って怖がっちゃうかもっ。
でも 真中さんなら…大丈夫かな…なーんてっ。

キャー…!!



ハァハァと息が荒くなるこずえ。



「大丈夫?なんか息荒いけど…」


さっきの妄想で鼓動がはやくなる。


「えっ!だ、大丈夫です!わ、わた、私テントに戻りますっ」


顔を真っ赤にしながらピューッと
黄色のテントへ走って、中に隠れた。



― やーん。真中さんに変に思われたかなぁ… ―


黄色のテントのメンバーは
こずえ・東城・さつき・西野だった。


その中の東城だけがテントにいた。


さつきと西野は
他のテントにいるみたいだった。


「大丈夫?向井さん…顔真っ赤だよ」


東城が心配そうにタオルを差し出す。


「え、大丈夫です!」


「そう?なら良いけど…」


「…ありがとう。東城さん…」


「…うん」


― 向井さん…すごく顔真っ赤…真中君と何かあったのかな―



しだいに不安になる東城。
不安に押しつぶされないように、
握ってるタオルをさらに力を入れて握る。



ギュ…



― 真中君… ―


東城の真中への思いは日に日に強くなっていき、
もう、こらえきれないほどになっていた。

シャッ



「東城さん達、バーベキューしよっ!」


さつきが突然テントの出入り口から顔を出した。



「バーベキュー?」



「うん!暑いんだけどさ…皆がやろうって!もう集まってるよ!」



「あ、うん。じゃあ…もうちょっとしたら行くね」



「待ってるよっ」



さつきがテントを閉める。
そして 向こうへかけていく足音が遠のいていった。




「…バーベキューだって、向井さん。行こう?」



「うん。楽しそうです!」


やがて、さまざまな思いがこだましていた
黄色いテントは誰もいなくなった。





Next...


[No.24] 2005/08/21(Sun) 13:11:54
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