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   二つの心 - あーまん  - 2007/08/22(Wed) 02:52:26 [No.442]
二つの心 プロローグ - あーまん  - 2007/08/22(Wed) 02:55:34 [No.443]
二つの心 第一話「再会」 - あーまん  - 2007/08/22(Wed) 02:59:45 [No.444]
二つの心 第二話「二人の想い」 - あーまん  - 2007/08/22(Wed) 03:03:29 [No.445]
二つの心 第三話「引越し」 - あーまん  - 2007/08/22(Wed) 11:33:13 [No.446]
二つの心 第四話「繋がった心」 - あーまん  - 2007/08/22(Wed) 11:34:09 [No.447]
二つの心 第五話「三人の想いと一人の決意」 - あーまん  - 2007/08/24(Fri) 22:07:56 [No.474]
二つの心 第六話「電話越しの告白」 - あーまん  - 2007/08/27(Mon) 01:30:16 [No.492]
二つの心 第七話「親友への報告」 - あーまん  - 2007/08/29(Wed) 01:40:05 [No.494]
二つの心 第八話「諦められぬ思い― そして行動へ」 - あーまん  - 2007/08/30(Thu) 00:55:42 [No.496]
二つの心 第九話「間違った選択」 - あーまん  - 2007/09/02(Sun) 17:30:39 [No.501]
二つの心 第十話「始まり」 - あーまん  - 2007/09/04(Tue) 01:45:56 [No.502]
二つの心 第十一話「始動―――それぞれの想いが故に... - あーまん  - 2007/09/06(Thu) 08:50:19 [No.506]
二つの心 第十二話「長崎へ・・・」 - あーまん  - 2007/09/09(Sun) 02:05:29 [No.508]
二つの心 第十三話「差出人 西野つかさ」 - あーまん  - 2007/09/12(Wed) 18:34:25 [No.509]
二つの心 第十四話「目覚め」 - あーまん - 2007/09/21(Fri) 08:48:06 [No.513]
二つの心 第十五話「すれ違う記憶」 - あーまん - 2007/09/28(Fri) 02:52:20 [No.526]
二つの心 第十六話「記憶の書換え」 - あーまん - 2007/10/01(Mon) 10:57:45 [No.530]
二つの心 第十七話「見えた希望」 - あーまん - 2007/10/09(Tue) 01:28:52 [No.542]
二つの心 第十八話「大草の作戦」 - あーまん - 2007/10/17(Wed) 23:50:17 [No.551]
二つの心 第十九話「苦悩」 - あーまん - 2007/12/05(Wed) 03:01:13 [No.684]



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二つの心 (親記事) - あーまん 

気分転換に書いて見ました♪

こっちは不定期に更新します。


[No.442] 2007/08/22(Wed) 02:52:26
二つの心 プロローグ (No.442への返信 / 1階層) - あーまん 

プロローグ




君と別れてから4ヶ月が経った・・・ 

ねぇ、知ってる? あたし本当は別れたくなんて無かったんだよ?

だけど、君の心の中にはあたし以外の女の子が居たよね??

それが辛かったんだ・・・だから、あたしは別れたんだよ・・・

別れた・・・別れたはずなのに・・・

忘れよう・・忘れようとしているのに・・・

目を閉じると・・浮かんでくるのは君の夢に向って頑張る姿・・・


忘れられないよ・・・ 

それどころか、日に日に好きになっていく自分が居る・・・

別れてから、いろいろな人に告白された・・・

君よりもカッコいい人はいっぱい居たよ?

でも、君への想いが忘れられなくて・・・・

ねぇ、君はどうなの??

もう、君の中にあたしは居ないのかな??

もし、君の中にまだあたしが居たら・・・

もう一度、昔に戻れるのかなぁ・・・















君と別れてから4ヶ月が経った・・・

今でも君を忘れられない自分が居る。

君と別れてから初めて気付いた、俺の本当のキモチ・・・

君が好きだった・・・一番好きだった・・・

目を閉じると・・浮かんでくるのは君の笑顔・・・

バカだよな・・・失ってから気付くなんて・・・

君は本当に、俺に優しくしてくれたね・・・

なのに俺は、他の女の子との間で揺れていて・・・

君をさんざん待たせて・・・傷つけて・・・

本当にバカだよな・・・

今思えば、その二人の女の子は・・・

同じ夢を持って語り合える存在・・・

一緒に居て、一番話が会う存在・・・

それだけなんだ・・・

ただ・・それだけなんだ・・・

もう、どうにでもなる訳じゃないけど・・・

今更遅すぎるけど・・・

一番好きなのは・・・君だったんだ・・・

君はモテルから、他の人と付き合ってるのかもしれない・・・

君に取って俺の存在はもう過去なのかもしれない・・・

それでも・・・もし、また心が繋がったら・・・

もう・・・絶対に放さないから・・・ 絶対に悲しませないから・・・

だから・・・だから・・・今は・・・昔に・・戻りたい・・・


[No.443] 2007/08/22(Wed) 02:55:34
二つの心 第一話「再会」 (No.443への返信 / 2階層) - あーまん 

第一話「再会」


キーンコーンカーンコーン♪

桜海学園に6時間目終了のチャイムが鳴り響く

「ふぅ〜 やっと学校が終わったな♪」

「今日はトモコのお見舞いに行かなきゃ!」

そう言って、つかさは学校を出て、病院に向った。

つかさは歩いてる中、つかさを見た男はみんな顔を赤くしてつかさを見る。

つかさはそんな事は気付かずに病院に向った。

途中、花屋で花を買い、そして病院に入った。

「304か・・・」

エレベーターを使い、「304」と、書かれた表札の前に着く。

ドアを開けた・・・・

「あれ?居ない・・・」

トモコは居なかった。 荷物はあるようなので、退院ということでは無いようだ。

近くに看護婦が居たので聞いてみることにした。

「あの〜すいません。 ここの患者は今何処に行ってるか分かります?」

「あぁ、トモコさんね、トモコさんなら談話室に行ってると思いますよ。」

「談話室ですか! ありがとうございます!」

つかさは頭を下げ、304号室を出た。

そして、案内を見て談話室へ向った。

談話室が見えてくる。

「キャハハハ! 何それ〜」

(あ、トモコの声だ!)

つかさはトモコの声を聞いて、この部屋に居ると確信して、ドアを開けようとした。

「ちょ・・・そんなに笑うこと無いだろ!!」

・・・・・つかさは止まってしまった・・・・・

忘れられない声、温かみがある声、一番好きな声・・・・・

(淳平くん!?)

つかさは、少しだけドアを開けて覗いてみた。

そこには・・・淳平が居た・・・ 体中が熱くなる・・心臓の鼓動が速くなる・・・

(何で・・・こんなところに・・・)

「淳平は、そんな事できんじゃろ!!」

中には、トモコの他にもおじいさんやおばあさんから小さい子まで、いろいろな世代の人が笑って話し合っている。

「そ・・そんなことないですよ!」

淳平は焦りながら話している。

(うふふ、変わってないな〜淳平くんは・・・)

そう思いながら、淳平を眺めて居ると、中から看護婦が出てきた。

ガラ!! 

とっさにつかさはドアから離れ、そして、出て行く看護婦を呼びとめた。

「あの〜すいません。」

「はい?何でしょう?」

「あの・・・談話室にいる男の人って・・・」

「あぁ、真中君ね!」

名前を聞いただけでも心臓の鼓動が速くなるのが分かった。

「彼は、3ヶ月前ぐらいかな? 病院でお楽しみ会をやったときに自作のビデオを上映してくれたの! それで、そのビデオがとても気に入られて、真中君が感想をいろんな人に聞いている内に、すっかりみんなと仲良くなっちゃって・・・」

「それで、週に1回、病院に来て、談話室でみんなとお話したり、映画を見せてくれたりしてるの!」

「もう、入院している人は、真中君と話すのが楽しみにしててね。 ほら、あのおじいさんなんて、家族が全然お見舞いに来ないから真中君が来る前までは、すごい寂しそうで笑顔なんか全然見せてくれなかったのよ。 でも、今なんか、真中君と話してて笑顔なの。」

「おじいさんったら、真中君、早く来ないかな〜 って、そればっかなのよ!」

看護婦は笑いながら淳平の事を話してそしてナースステーションの方へ戻って行った。。 つかさも自然と笑顔になった。

(そんな事してるんだ・・・淳平くん・・・)

そうして、優しい目をしながらドア越しで淳平を見つめていた。

突然、おじいさんが淳平に質問した。

「淳平!お前もいい年なんだから彼女とかいないのか?」

それを聞いて淳平の顔は険しくなった。 つかさ不安のそうな顔で淳平を見ている。

淳平が口を開いた。

「居ましたよ・・・・」

「えーーうそぉ!!」

トモコが驚いている。 

(トモコ・・・うるさい・・・)

つかさは心の中でトモコに言葉を投げかけた。

「でも、別れました・・・・」

今度は、小さい女の子が

「えぇ〜 どうして別れちゃったのぉ??」

淳平は、フッと寂しげに笑って

「俺が悪かったんです・・・ その子は、とても可愛くて、優しくて、俺なんかじゃ釣り合わないような素晴らしい子でした・・・」

つかさはじっと、淳平を見つめる。

「でも、俺は、そんな素晴らしい子と付き合ってながら、他の女の子も好きになってしまったんです・・・」

「えぇ!!そんなのヒドイよ!!」

トモコが少し淳平を咎める。

「うん・・・誰が本当に好きなのかが決められなくて・・・フラフラして・・・」

「そして、付き合ってた子に愛想を付かされて・・・振られたんです・・・」

つかさは、尚もだまって見ている。

小さい女の子が

「そうだったんだぁ〜 じゃあ、あたしが真中お兄ちゃんの彼女になってあげる!」

淳平はクスっと笑いながら

「ありがとうね。 でも、振られて初めて自分の本当気持ちに気付いたんです。」

「俺はその子が一番好きだった!って・・・」

つかさは驚いている

(え!? 淳平くん・・・)
 
おじいさんが口を開き

「それは、今もなのか?」

淳平は顔を少し上げて

「はい・・・ バカですよね・・・失ってから本当の気持ちに気付くなんて・・・ 今思えば、他の二人は、一緒の夢を語り合える人だったり、一緒に居て話が合う人だったり・・・
ただ・・それだけだったんです。」

「一番、側に居て欲しかったのは、その子だったんです・・・ もう、どうにもなるわけじゃないんですけどね・・・」

つかさは呆然としていた。

(そんな・・・淳平くん・・あたしの事が一番・・・)

「でも、その子とはもう会ってないんでしょ?」

トモコが口を開いた。

「うん・・・ 多分今更会いにいっても、会ってくれないと思うし、それに、その子凄いモテるから、彼氏とかいるだろうし・・・ それに、もう俺の事は何とも思ってないですよきっと・・・」

そして、淳平は笑顔になり小さい女の子の頭を撫でながら

「だから、お兄ちゃんみたいな失敗はしちゃダメだよ?」

と、言った。 そしておじいさんが

「まーいろいろ淳平も大変だったんじゃな・・・ 淳平は顔は良くないけど、きっといい人見つかるじゃろ!」

淳平はズキっと来て

「よ・・・余計なお世話ですよ!」

と、言い出すとみんな笑ってしまった。

つかさは、その場で放心状態になっていた。

(淳平くんがあたしの事・・・一番好き・・・ あたし・・・なんて事しちゃったんだろう・・・)

後悔が込み上げてきてくる。 しかし、今もまた淳平はつかさの事が好きであるというのは事実。

(また、期待していいのかなぁ・・・)

と、思いながらもつかさはなかなか入れずに居た・・・・


[No.444] 2007/08/22(Wed) 02:59:45
二つの心 第二話「二人の想い」 (No.444への返信 / 3階層) - あーまん 

第二話「二人の想い」




ふと、おじいさんが悲しげな顔をした。

「淳平とこうやって話すのも今日が最後・・・・か・・・」

淳平も寂しそうに

「そうですね・・・・」

と、言った。 トモコはさっきの話がまだ気になっていたらしく

「そういえば、元カノ、すっごいモテるって言ってたよね?」

「そうだけど・・・」

「うちの学校にもいるんだよ! あたしの親友なんだけどね? 毎日毎日帰るときに男がうじゃうじゃ待ってんの!!」

淳平はトモコの迫力に圧倒されながら

「へぇ〜そうなんだ・・・」

「そうそう! 確か、今日お見舞いに来てくれるはずなんだけど・・・」

そう言って、トモコはドアの方へ目線をずらした。 

つかさはトモコと目を合わせてしまった。

「あ、いたいた! おーい、つかさぁ〜」

淳平は固まってしまった。

(つかさ!?つかさってもしかして・・・)

恐る恐る目線をドアの方へ向けた・・・

そして、ドアが開き、そこに立っていたいたのは・・・・西野つかさだった・・・
(西野・・・・・・・)

淳平は固まってしまった。まるで、つかさの周りだけ時が動いているように見える。

談話室にいる男達は、みんなつかさに見とれている。

つかさはドアを開けたものの中に入れずに居た。

そんなつかさを不信に思いトモコはつかさを呼んだ。

「おーい、つかさ?? どうしたの??入ってきなよ??」

つかさは、居を決して談話室に足を踏み入れた。

そして、固まっている淳平の前に立ち

「久しぶり・・・淳平くん・・・」

と、言った。

淳平もハッとして、

「久しぶり・・・西野・・・」

と、言った。 そして、また沈黙が流れる。


トモコや他の人達はだいたい察しがついた。淳平の別れた相手で好きな人は、この人だ!と・・・・・

淳平は、沈黙を破った。

「ご・・・ごめんな・・・西野の前に現われちゃって・・・・・ 俺、帰るよ。 西野は、ここで話してて・・・ じゃあ・・・」

そう言って、淳平は帰ろうとした。

つかさは思わず

「待って!!」

と、言ってしまった・・・・・

再び沈黙が流れる。

トモコ達は気を使い。

「あ、あんた達はここで話してなよ? あたし達は病室に戻ってるからさ。」

そう言って、他のみんなに同意を求めた。他のみんなも依存は無いようだ。

つかさがトモコを見た。

「でも・・・」

トモコはそんなつかさを見て

「いいのいいの!あたしとは後でまた話せばいいから♪ じゃ、頑張れよ!」

と、言って、他の人達と談話室を出ていった。

談話室に取り残された二人・・・・ 先に口を開いたのはつかさだった。

「と・・とりあえずさ、座らない?」

淳平も少し固まっていたが

「うん・・・」

と、言って向い合わせに座った。

「しっかし、驚いたな〜 まさか淳平くんが居るとは思ってなかったもん!」

つかさが明るく話し掛けてくる。淳平も出来るだけ明るく話した。

「お・・俺も、西野が来るなんて思って無かったよ・・・」

(西野・・・まさか、話は聞いて無かったよな・・・?)

「でも、淳平くんは凄いんだね! こんな孝行活動してるなんて・・・」

(淳平くん・・・さっき言ってたことは本当なのかな??)

喋ってることと思っていることはまったく違っていた。

しかし、話していく内に、だんだんスムーズな会話になってきた。

「ハハハ・・・でも、ここっていろんな世代の人がいるから、映画を見てもらうと、いろいろな感想を言ってくれるからとても勉強になるんだよ!」

「凄い!淳平くん・・・成長したんだね!!」

「そ・・・そうかなぁ・・・」

淳平は話しながらも、やっぱりさっきの話を聞いてないかどうか不安になっていた。

そして、意を決して聞いて見る事にした。

「西野・・・ 西野が談話室に入ってくる前に俺が話してたこと聞いてないよね?」

「え・・・なんも聞いてないけど・・・」

(良かった〜)

淳平はホッとした。 しかし、つかさの次の一言でその安堵は無くなる。

(やっぱり、淳平くん気にしてるんだ・・・)

そして、つかさは発言する。

「あたし・・・・今でも、昔の恋人の事を想ってるよ。」



「へ・・へぇ〜そうなんだ〜 誰だろ?羨ましいな〜 ハハ」

淳平は言葉の真意を理解していないようだった。

つかさは、心の中でブスっとしながら

「ホント、鈍感なんだから・・・」

と、小声で言った。 そして

「あたし、後にも先にも淳平くん以外と付き合った事無いよ?」

「え!?」

さすがの淳平もここまで言われたら分かる。 淳平以外と付き合った事がない。昔の恋人を想っている。 すなわち、淳平を想っているということだ・・・








しばらく沈黙が流れた・・・・

そして、淳平が口を開いた。

「俺達・・・もう会わない方がいいね・・・・」

「え!?」

つかさは呆然とした・・・予想もしてなかった言葉、受け入れてくれると思っていただけに、ショックは大きかった・・・・

そして

「じゃあね・・・・」

と、言って淳平は出て行った。





つかさの頬にスーっと一縷の涙が流れた・・・・・・・・


[No.445] 2007/08/22(Wed) 03:03:29
二つの心 第三話「引越し」 (No.445への返信 / 4階層) - あーまん 

第三話「引越し」




つかさは、呆然としたままただ、涙を流していた。

(なんで・・・淳平くん・・・あたしのこと・・・)

その場で机に顔を伏せてしばらく泣いていた。





しばらくして、トモコがやってきた。

「つかさ〜   って、どしたの!?」

トモコがびっくりしてつかさに寄って来た。

「淳平くんに・・・・・ 振られちゃった・・・・」

その言葉にトモコはとても驚いてしまった。

「え!? あいつ・・・あんだけ好きって行ってたのに・・・」

「きっと、あたしじゃなかったんだよ・・・」

「あたしが今でも昔の恋人を想ってる って言ったら、淳平くん、もう会わないほうがいいね って・・そしてそのまま帰っちゃったんだ・・・」

しばらく、無言の時が流れた・・・

そしてトモコが口を開いた。

「多分・・・あいつ・・・つかさの事好なのは本当だと思うよ。」

つかさが顔を上げてトモコの顔を見る。

「好きだからこそ、つかさのキモチに答えられなかったんだよ・・・」

(どういうこと・・?)

つかさは、理解が出来ないようだ。 トモコが少しため息をつき

「あたしが言っていいか分からないけど、あいつ・・・明日学校が終わったらいつかは戻って来るらしいけど引っ越すみたいなんだ・・・」

「え・・・!?」

つかさは、驚いた。そして、引っ越すという言葉が深く深く心に突き刺さった。

その言葉でつかさがショックを受けるには十分過ぎた。

「引っ越すって・・・何処へ・・・」

「長崎って言ってた。 残ろうと思えば、残れたらしいけど、親に迷惑かけたくないみたいでさ。」

「多分、今つかさのキモチに答えても、これから会えなくなっちゃう訳だから、つかさを傷つけるって思ったんじゃないかな?」

つかさは、生気を失ってしまった。

(淳平くんがこの町から居なくなる・・・・)

「嫌!そんなの嫌だよ!!」

「ちょ!!つかさ!!」

つかさは走って病院から出て行った・・・・

つかさは、その日家に閉じこもり、一日中涙を流していた・・・




次の日、淳平は学校で最後の授業を受けていた。

(今日で、この学校ともお別れか・・・)

そんな事を思っていたら、最後のチャイムが鳴った。

そして、いろいろな友達が駆け寄ってくる。

外村が一番に声をかけた。

「真中ぁ! いつ行くんだ?」

淳平は帰り支度をしながら

「これから、帰ったらすぐだよ。」

次にさつきが

「真中〜 じゃあ、あたしも真中家までお見送りするからね・・・」

と、寂しげに言うと綾が

「あたしも・・・行くから・・・」

と、涙声で言った。 他にも小宮山や大草が来てくれる事になった。


みんなと学校を出る直前、大草に呼び止められた。

「真中、ちょっといいか?」

淳平は何だろうと思いながら、大草の方へ駆け寄った。

そして、大草に着いて行き人の居ない所に来た。

「何?」

「あのさ・・・お前が引っ越す時に聞くことじゃないと思うけど・・・」

「お前と西野は別れたんだよな・・・?」

その言葉を聞いて淳平は昨日の事を思い出す。

『あたし・・・まだ昔の恋人の事を想っているよ・・・』

しかし、淳平は頭の中で必死に振り払って

「あぁ、そうだよ・・・西野とは別れた・・・」

と、言った。 大草はそれを聞いて表情が明るくなり

「そっか・・・俺、西野が好きなんだ。 だから、悪いとは思ったんだけど、チャンスだと思ってさ・・・」

それを聞いて、淳平は悲しくなったが

「そっか・・・頑張れよ・・・」

と、だけ言った。

「ありがとう! でも、見送りには俺も行くからな!!」

そう言って、二人はみんなと合流し、そして淳平の家まで歩いて行った。


[No.446] 2007/08/22(Wed) 11:33:13
二つの心 第四話「繋がった心」 (No.446への返信 / 5階層) - あーまん 

第四話「繋がった心」




キーンコーンカーンコーン

今日も桜海学園の6時間目の終了のチャイムは鳴る。

つかさは、エメラルドグリーンの瞳に光を失ったまま机でうなだれていた。

(淳平くん・・・今日でいなくなっちゃうんだ・・・)

しばらく、ボーっとしていたら、昨日無事退院したトモコがつかさの側へやってきた。

「つかさ! あんた、それでいいの?」

つかさが驚いたようにトモコの顔を見る。

「つかさはそれで納得出来るの? ちゃんとキモチ伝えなくていいの?」

トモコは真剣な顔だ。

「でも・・・昨日・・・」

「真中だって、つかさの事が好きなんだよ! それに、もしかしたらもう二度と会えなくなっちゃうんだよ??」

トモコがつかさに迫ってくる。

(二度と会えなくなる・・・・)

つかさの心に深く突き刺さる。

「会えなくなるなんて・・嫌だよ・・・」

涙ながらにつかさは本心を言った。 トモコはクスっと笑いながら

「だったら、行ってくる! まだ、間に合うと思うから!!」

つかさは、記憶を蘇らせていた。 淳平と居て、楽しかった・・・ドキドキした・・・初めて男の人を好きになった・・・

走馬灯のように思い出が駆け巡ってくる・・・・

つかさは決心した。

「あたし、行ってくる!!」

そう言って、つかさは走って教室から出て行った。

トモコは笑っていた。

「まったく、世話が焼けるんだから・・・」





淳平は家の前で最後にみんなと話していた。
 
そして、出発の時間になった。

「じゃあ・・・みんな・・今までありがとう!!」

淳平は出来るだけ笑顔を作って、みんなにお別れの挨拶を言った。しかし

(西野・・・最後に会いたかったな・・・)

どうしても、その事ばかり思ってしまう。

綾とさつきは涙を流している。

そして綾が

「真中君・・・また小説読んでね?」

と、言った。

「もちろんさ! 楽しみにしてるからな!!」

笑顔で答える。 そして、さつきが急に抱き着いて

「真中〜寂しいよ〜戻って来てね〜」

「うわ!ちょ・・・ さつき苦しいって・・・」

みんなは笑っている。 そして、大草が近寄ってきた。

「元気でな!西野は任せろよ??」

淳平は心苦しくなったが

「あぁ・・お前もな!」

と、だけ言った。 

「みんな!元気でな!またいつか会おう!」

そして、車に乗り込んだ。 みんなは、泣きながら車を見ている。 

そして、車は走り出した・・・・・

その途端、外村達の後ろから、猛スピードで何かが通った。

つかさだった。

みんなは驚いて

「「西野!?」」

「「西野さん!?」」

と、叫んだ。 しかし、つかさは無視して、遠ざかって行く車を必死で追いかけなら、叫んだ。

「淳平くん!!!!!!」

淳平は車に乗りながら、その声を聞いた。そして、振り返ると・・・つかさが走っているのが目に入った。

淳平は慌てて

「父さん!!ちょ・・止めて!!」

そう言って、車を止めてもらい、急いで車から出た・・・

「西野・・・・どうしたの・・・?」

淳平の問いかけも無視し、つかさは淳平に抱き着いてきた。

「ちょ!!西野!!」

つかさは、泣いている。

「行かないで・・・・・お願い・・・・」

大草達も追いついたが、介入は出来ないと思い少し離れて見ていた。

淳平は困ってしまった。

「あの・・・・西野・・・」

つかさはさらに強く抱きしめる。

「あたし・・・別れたときだって、本当は別れたくなかった・・・淳平くんが大好きだった・・・ でも、考える度にどんどん淳平くんを好きになる自分が居て・・・ 辛かった・・」

つかさは涙声で淳平に言っている。 淳平もそんなつかさの言葉を真剣に聞いていた。

「でも、昨日・・・聞いちゃったんだ・・・淳平くんの本当の気持ち・・・ ねぇ?淳平くん・・・あたし、今でも淳平くんが大好き!!昨日、振られちゃったけど・・・この想いは止められなくて・・・」

つかさはそれだけ言うと泣き出してしまった。 淳平は、そっと口を開いた。

「振ってなんかいないよ・・・・」

「え?」

つかさは淳平の顔を見つめた。 淳平もつかさの顔を見つめながら

「昨日の事、やっぱり聞いてたんだ・・・ 俺も、西野が大好きだよ・・・ 西野と別れてから、本当の大切な人が分かったんだ・・・ ゴメンな・・・」

「でも、昨日、西野の気持ち聞いて、俺、正直嬉しかった!! でも・・俺、引っ越すからさ・・・俺だけここに残るのは止めようと思ってさ・・ だから、もし、今、西野の気持ちに応えても・・・また辛くさせちゃうと思うし・・・」

つかさは首を振った。

「そんな事無い!! あたし遠く離れてもこの気持ちは揺らがない!!」

淳平は思わず、抱きしめ返した。

「いいのか? 本当に俺でいいのか?? また、西野を傷つけるかもしれない・・・ 西野は大草も含めて、俺なんかよりいい人なんていっぱいいる・・・」

つかさは、最後まで言わせなかった。

「いいの!! あたしには淳平くんしかいない・・・・ 傷ついたって、もう淳平くんを放さないから・・・だから・・だから!!」

つかさも再び淳平を強く抱きしめる。

「そっか・・・西野の気持ち・・分かったよ・・・」

そう言って、少し淳平は黙ってから

「じゃあさ・・・俺のわがままかもしれないけど、待っててくれないかな? 俺、いつか絶対に戻ってくるから・・・だから、それまで待っててくれないか?」

「うん・・・待ってるよ・・あたし、いつまでも待ってるから・・・」

そして、淳平は笑顔になり

「ありがとう・・・俺、西野を傷つけないように頑張るよ・・・それにもう他の女の子は見ない!! 西野だけしか見ない! 絶対放さないように頑張る!」

つかさもニコッと笑い

「うん・・・あたしも、もう淳平くんの心、絶対に放さないから!!」

そう言うと、二人は見つめ合い、そして、どこからともなく唇が合わさった・・



「西野! 夏休みに遊びに来いよ!!」

つかさも笑顔になり

「うん!絶対行くね!!」

淳平も笑顔で

「じゃあ、これ、俺の携帯のアドレスと電話番号・・・ こっそり買ったんだ! 西野にしか教えてないから・・・じゃあ、そろそろ行くな」

そう言って、淳平は車に乗り込もうとした。 

「淳平くーん! 浮気したら許さないからねぇ!!」

淳平は乗り込む寸前、ずっこけてしまった。

「ちょ・・・西野〜」

つかさはクスっと笑いながら

「嘘嘘♪ 淳平くんの事信じてるから!! じゃあ、行ってらっしゃい!」

そう言って、敬礼をした。 淳平も敬礼をしながら

「行ってきます!」

と、だけ言って、車は走り去って行った・・・・

つかさは、アドレスと番号が書かれた紙を握り締めながら、見えなくなるまで淳平の車を見送っていた・・・・

残された、大草・綾・さつきは面白くなさそうだった・・・


[No.447] 2007/08/22(Wed) 11:34:09
二つの心 第五話「三人の想いと一人の決意」 (No.447への返信 / 6階層) - あーまん 

第五話「三人の想いと一人の決意」



淳平の車がつかさの視界から消えた。

「元気でね!淳平くん! あたし・・・いつまでも待ってるから・・・」

そう小声で言って、ふぅ〜と息を吐き、来た道を戻ろうとした。

「西野!!」

大草が決していい顔とは言えない表情でつかさの元へ寄ってくる。

「大草君・・・」

大草に続いてさつき、綾、が続いて来る。 

外村と小宮山もつかさの元へ来た。

外村は暗い顔はしていないが、興味深深な顔をしている。小宮山は謎だ。だが、他の三人は暗い。

しばらく、沈黙が流れた・・・・・・・・

そして、大草が沈黙を破る。

「・・・・真中とは別れたんじゃないのか・・・?」


またしても、言葉が無くなる・・・・ みんなの視線がつかさの周りに集まってくる。


つかさが、少しため息をつき、口を開いた。

「確かに、四ヶ月前にあたしと淳平くんは別れたよ。」

「じゃあ、何で!!!」

さつきが食いついてきた。

「でも、やっぱり忘れられなかったの。 それどころか、考えるほどどんどん好きになっていっちゃって・・・それはそうだよね。好きなのに別れたんだから・・・」

つかさは、少し笑顔で言ったが、三人の顔は暗いままである。

「それでね、昨日たまたま淳平くんの気持ちを知る機会があって・・・・」

それを聞くと、三人は、ビクっとしてつかさの顔を見た。 外村も少し離れてニヤニヤしている。・・・・・小宮山は・・・・・謎

「でも、昨日は引越しが理由で振られちゃったんだけど・・・・ 淳平くんがあきらめられなくて・・・・だから・・・」

そこまで言うと、さつきが遮った。

「ひどいよ・・・・そんなの・・・・一回別れたのに・・・」

そして泣いてしまった。 つかさもさつきに寄って

「ごめんね・・・さつきちゃん・・・」

そう謝るもののさつきはただ泣いていた・・・ そして、綾が口を開く。

「真中君の気持ちって?」

悲しげに、しかししっかりとつかさに尋ねた。

つかさも綾の方へ向き

「あたしと別れた時に、本当にあたしの事を好きだった事が分かった・・・って言ってたの。」

それを聞いて、綾も愕然としてしまった。

淳平の事を想うならば、ここで祝福するべきなのだろう。

しかし、『淳平が好き』という感情が大きすぎた。

そう簡単に割り切れるものでもない・・・・現実を受け止められない・・・・淳平とつかさの関係を認めたくない・・・いや、認められない・・・

綾は言葉を失いながら泣き出してしまった。

つかさも当然二人の気持ちを知っていただけに心苦しい・・・しかし、もう二度と淳平を放さないと決めたのだ。 

「ごめんね・・・・でも、もう二度と淳平くんの心を放さない! って決めたから!」

つかさはあえて、強く言った、自分の想いを確かめるように・・・揺らがないように・・・

二人はうずくまって泣いてしまった。

大草は、つかさの今までの会話を黙って聞いていたが

(真中・・・もう、西野とは何の関係もないんじゃないのかよ・・・・)

(ずっと好きだったのに・・・こんな形で終わってたまるかよ!!)

(俺は、真中が西野を知る前からずっと好きだったんだ!)

(俺は認めない・・・・絶対に認めないからな!!)

(真中・・・俺はお前に負けない・・・)

そう思いながら

「一回別れたのに・・・・俺はそんなの認めないからな!」

そう言って、帰っていった。

つかさは大草が理解出来ていなかった。

(なんで、大草君があんなに怒ってるんだろう・・・)

いくら考えても分からない。 大草がつかさに恋心を持っているとは想像もつかなかった・・・ いや、大草に対して興味を持っていないだけに考えようともしなかったのかもしれない。

しばらくの間、泣き声だけが辺りを響かせていた。

そして、外村が口を出す。

「東城、北大路、今日の所は帰ろうぜ・・・・」

そして東城はなんとか立って

「北大路さん・・・ 真中君と西野さんを応援してあげなくちゃ・・・」

言葉ではそう言うものの内心は違っていた。

(なんで西野さんなの・・・・?)

「だって、だって!! あたし・・・真中の事が・・・・」

「なんで! なんで、一度別れた相手と・・・」

泣きじゃくるさつき。

つかさも辛そうな顔をしている。

「小宮山! 東城と一緒にさつきを送ってやれ!!」

外村が小宮山に言った。

さすがに小宮山も泣いている二人にいつものバカの行動をしちゃマズイと思ったのか

「じゃあ行こうか・・・」

と、寂しげに言って、綾とさつきを送って行った。

残ったのは外村とつかさ、外村がつかさに声をかけた。

「おめでとう!」

祝福の言葉をもらったもののつかさは気分があまり良くなかった

「ありがとう・・・でも・・・・」

「俺は、応援するよ?」

「え!?」

外村の意外な言葉につかさはびっくりした。

「真中がやっと選んだ相手だもんな。 つかさちゃんも俺、好きだし。出来るならずっと上手くいって欲しいと思う。」

つかさは心が満たされていくの感じた。

「ありがとう・・・外村君・・・」

外村は少し顔を赤らめながら

「東城と北大路は、今、辛いと思う・・・・」

「それだけ、真中の事が好きだったんだよ・・・・」

つかさは、顔を下げた

「うん・・・」

「でも、突然だったんだよな・・・」

「え?」

またしてもつかさは外村の顔を見る

「笑って見送ったはずなのに、しばらく会って無かったつかさちゃんが来て、突然真中と結ばれて・・・ 突然すぎて、割り切れないんだよきっと・・・」

「そっか・・・」

「多分、立ち直るのは、結構時間がかかるかもしれない・・・」

外村の話に、つかさは罪悪感が出てきてしまった・・・

そんなつかさを見たのか外村は

「でも! あの二人ならいつか分かってくれる!! それに、つかさちゃんの真中への気持ちはそんな物なの?」

外村の問いかけに

「違う!! もう淳平くんとは何が合っても離れない!!」

つい、条件反射的に自分の想いを口に出す。

外村はニヤっと笑い

「なら、大丈夫だろ!! それにつかさちゃんがそんな顔してたら真中も悲しむんじゃないかな?」

(そうだよね・・・ もう、淳平くんを放さないって決めたんだもん! 笑顔・・・じゃなきゃね!)

(淳平君も・・・そう思ってるよね!)

つかさはそう思いながら、笑顔になり

「ありがと!外村君!!」

と、元気良く言った。

「うん! つかさちゃんにはその笑顔が一番!」

そう言いながら外村はカメラでパシャパシャつかさを撮っていた・・・・

そして、外村は何かを思い出したように

「大草の事なんだけど・・・・ 一応注意しときな?」

つかさは、首をかしげて

「何で?」

「多分、あいつつかさちゃんの事が好きなんだよ・・・ だから、あいつも東城と北大路と同じなんじゃないかな・・・ でも、あいつは諦め悪そうだから・・・」

つかさは、大して気にもしなかったが、一応心配にもなったので

「ありがとう! 注意しとくね!!」

と、言って、外村と帰り出した。

「あ、その紙、真中のアドレスと番号書いてあるんだろ? 教えてくれよ!」

「うーん、一応、あたしだけって言われてるから・・・・ 聞いてみるね!」

「おぉ? 西野専用かぁ〜 すでにラブラブですなぁ〜」

「エヘヘ☆ からかうのやめてよ〜」

そんな感じで仲良く帰って行く二人だった。






掲示板のルールの注意上、自分で感想掲示板を作ってみました。
この投稿もルール違反なのかもしれませんが、(以後、ここの掲示板には、小説投稿のみにします!)自分としては、感想や問題点、指摘は聞き、参考にしていきたいので、これからは、下のURLに感想をお願いします!

ttp://www4.rocketbbs.com/741/04621.html(最初のhを抜かしてあります。)


[No.474] 2007/08/24(Fri) 22:07:56
二つの心 第六話「電話越しの告白」 (No.474への返信 / 7階層) - あーまん 

第六話「電話越しの告白」




その日の夜、つかさはベッドに横たわりながら携帯でメールを打っていた。

相手は・・・もちろん淳平だ。

「淳平くんになんて送ろう・・・」

さっきから、メールを書いては消して書いては消して・・・・そんな事を繰り返している。

「う〜ん、いい言葉が思いつかないよ〜」

つかさは枕を抱きながら悩んでいた。しかし、好きな人へ送るメールとなると自然と笑みがこぼれてしまう。

しばらく悩んだ末・・・・

「よし!決めた!!」

『淳平君へ☆

もう、長崎着いたかな?? これから会えなくなるなんてとっても寂しいよ・・・

でも、離れていても淳平くんを想っているから!! 大好きだから!! 

これからいっぱいいっぱい電話とかメールしようね!!

返事待ってます♪ つかさ』

素直な気持ちを伝えた。 しかし、それでも初メールは恥かしいものがあった・・・


返事を待ってる居る間、つかさはとてもドキドキしていた。

時間がとても長く感じる・・・それだけに淳平からの返事が待ち遠しい。

「返事返ってくるかなぁ〜 早く帰って来ないかな♪」

そう一人言を言っていると

〜♪〜〜♪〜♪〜♪〜

つかさの携帯が鳴り出した。

(あ!淳平くんだ!!!)

つかさははやる気持ちを抑えながらドキドキしながらメールを開いた。

『西野へ

長崎に着いたよ!!

メールありがとう!! 俺も西野と会えないのは寂しいよ・・・

ははは(笑) 恥かしいなぁ〜 でも、俺も大好きだから!!

うん!! 会えない分だけいっぱいやろうな♪ てか、これから電話出来ないかなぁ・・・? 良かったら電話かけてもらえない?西野の声が聞きたいから・・・

電話待ってます! 淳平』


つかさは思わず嬉しさが込み上げてくる。

このメールが来て、ようやく気持ちが通じ合ったんだと実感した。

(淳平くん・・・ 離れていても、気持ちは繋がってるんだ!!)

そして、つかさは淳平に電話をかけた。

呼び出し音が鳴る・・・ さっきと同様、この時間が長く感じる・・・

「もしもし。」

この声を聞くだけで、全身が熱くなる、ドキドキする・・・どれほど待ち望んでいたことだろう。

「もしもし、淳平くん??」

つかさは落ち着けなかった。

「西野〜 電話してくれたんだ!!」

電話越しでも分かる。 淳平は喜んでるのだろう。

それだけ淳平は分かり易いのだ。

(ふふ・・・淳平くんたら・・・)

思わず笑みがこぼれる。

「それりゃー電話するよぉー だって、彼氏なんだし・・・」

「彼氏!?」

淳平は驚いているようだ。

つかさはムッとした。

「あんな別れ方したのに・・・淳平くんはあたしに彼女になって欲しくないのかなぁ〜??」

意地悪く言ってみた。

「そ・・・そんなことないよ!!」

淳平は慌てて否定しているようだ。

「だって・・・ ちゃんと付き合ってくれ!って告白してないし・・・」

つかさは思わず笑ってしまった。

(淳平くん・・・・ そういうこと気にする人だったんだ・・・)

「アハハハ〜」

つかさの笑い声を不信に思ったのか淳平は

「な・・・なんだよ・・・」

と、聞いてきた。

「ごめんごめん〜 じゃあさ、聞かせて?」

「何を?」

ずっでーん・・・・

つかさはずっこけてしまった。

(そうだった・・・淳平くんって鈍感だったんだ・・)

つかさからの返事が無かったのを心配してか淳平が声をかけてきた。

「西野?? 大丈夫か??」

つかさは苦笑して

「大丈夫だよ・・・ でね、告白するなら今がチャンスだよ?」

その言葉に淳平は固まってしまったようで、しばらく受話器から声が聞こえなかった。

しばらく沈黙が流れた・・・

そして、

「西野!!」

受話器から流れる突然の大きな声につかさもびっくりしてしまった。

「は・・・はい!!」

「俺、西野が好きだ!! 優柔不断でダメな俺だけど、もう西野を放さないから!! だから、あんまり会えないけど、俺と付き合ってください!!」

淳平の告白につかさは嬉しさが込み上げてくる。

(淳平くん・・・もう答えは決まってるよ!!)

「こちらこそ、喜んで!!」

「あ・・・ありがとう・・・」

電話越しの告白、電話越しだが御互いに気持ちが通じ合った。

もう、二度と離れない。距離は遠いけど心はいつも一緒に居る。 そう感じる二人だった。

晴れて、恋人同士になれた二人、しばらく電話で話し合っていた。

「あ、そうそう、外村君が電話番号とアドレスを教えてって言ってたよ!!」

「外村か〜 西野にしか教えないつもりだったんだけど・・・・」

つかさは、またしても嬉しくなった。

「アハハ☆ ありがとう!嬉しいよ!! でも、外村君は親友でしょ? だったら教えてもいいんじゃない??」

「う〜ん、そうだな! じゃあ、外村に教えといて!! でも、他には教えないように言っといてな??」

「分かった!! じゃあ、教えとくね♪」

「うん! じゃあ、今日はもう遅いから寝るな♪ おやすみ〜」

「おやすみ!!」

そう言って、電話を切った。

(外村君にメール送っとこっと!!)

つかさは、外村にメールを送り、電気を消してベッドに潜った。

(淳平くん・・・・大好き!!早く会いたい・・・)

そして、つかさは最高の幸せを感じながら深く眠っていった・・・







この時は誰も分からなかった。

まさか、外村に送ったたった1通のメールが、後に起こるある『大変な出来事』のきっかけになるとは・・・・

悲劇へのカウントダウンの始まり・・・・ 少しずつ・・・少しずつ・・・刻み始める・・・


しかし、忘れてはならない・・・悲劇を乗り越える事が出来れば・・・幸せが待っているということを・・・・


[No.492] 2007/08/27(Mon) 01:30:16
二つの心 第七話「親友への報告」 (No.492への返信 / 8階層) - あーまん 

第七話「親友への報告」



翌日、桜海学園でつかさはトモコと昨日の出来事について話していた。

と、いうよりも、トモコから尋問を受けていたと言ったほうが正しいかもしれない。

「昨日はどうだったのよ? 上手く言った?」

トモコは最初は上手くいってなかったかもしれないので真剣な表情で聞こうと思ったのだが、つかさの顔を見て、凄い色っぽいのに気付き、笑顔で聞いた。

つかさは周りを見渡しながら

「うん!! また付き合うことになったよ!!」

少し赤くなりながらもとびっきりの笑顔で話す。

昨日とは大違いの表情、まるで生き返ったかのようだである。

「へぇ〜 良かったじゃん!! やっぱり、あたしは上手くいくと思ってたよ!!」

トモコはニヤニヤしながら喜んでくれていた。

つかさもトモコが喜んでくれたのに対してとても嬉しくなった。

「トモコ! ありがとね!! トモコが居なかったらあたし・・・・」

トモコが居なかったら、二度と淳平とは会うこともなかったかもしれない。 一生後悔していたかもしれない。 トモコのおかげで淳平との繋がりを再び持つことができたのだ。 そんなトモコにつかさは感謝しない訳になかった。

「いいっていいって♪ それより、遠距離恋愛だけど大丈夫なの??」

トモコが少し心配そうに聞く。

『遠距離恋愛』その言葉がつかさを少し暗くさせた。 

会いたくても簡単にはもう会えないのである。

しかし、つかさには決意がある。 何が合っても淳平を想い続ける! という決意が

つかさは少し顔に力を込めた。

「確かに、会えないのは本当に寂しい・・・」

「でも、夏休みには会いに行くし、電話は毎日するし!!」

「それに、あたし決めたんだ!! 何が合っても淳平くんをもう放さない!って」

つかさは熱弁している。 

普段はあまり見れない光景にトモコは半ば圧倒されていた。

(つ・・・つかさがここまで言うなんて・・・)

今までのつかさなら考えられなかった。 どんな男が言い寄ってきても少しも興味を持たなかったつかさである。 

しかし、同時に嬉しくもなった。 つかさが目を光らせて本当に幸せそうに見えるのだ。 それに、トモコ自身、淳平と関わったこともあり、淳平の人の良さは知っているつもりだ。

淳平ならつかさと上手くやれる!! トモコはそう思ったのだ。

「ラブラブだねぇ〜 まったく羨ましいよ♪ お二人さん♪」

トモコはわざとからかいながら言った。

つかさは照れてしまい

「ちょ・・・ラブラブとか勝手に決めんな!!」

と、言うものの嬉しそうにしていた。



放課後になり、桜海学園の生徒は次々と下校していた。

つかさもトモコと一緒に帰ろうと支度をしていた。

そんな時、ふと窓を見ると・・・・・・・・ 

居るわ居るわ、男がうじゃうじゃ集まっている。

もはやお馴染みの光景・・・・ つかさを待っている男達である。

しかも、今日はいつもより人数が多い。l

呆然と窓の外を見ているつかさに対してトモコがつかさの方寄ってきた。

「あちゃ〜 まだ親衛隊が残ってたか・・・・」

つかさは一気にテンションが下がってしまった。

「・・・本当だよ・・・ もう迷惑なのに・・・」

つかさが落ちこんでいると、親衛隊の方から何やら声が聞こえる。

よく、耳を済ませてみた。

「つかさちゃーん!! 彼氏が出来たなんて嘘だよねぇ〜??」

「そんな!!! 今度俺と遊ぼうよ!!・・・・」

そんなような似たり寄ったりの会話がつかさの耳の飛び込んでくる。

周りの人達はとても迷惑そうだ。 それより、何処からその情報が入ってきたのかが謎である。 

「ハハハ・・・あんたの人気すごいなぁ・・・」

トモコは苦笑して言うものの、つかさの顔は晴れなかった。

「そんな・・・・ あたしには淳平くんがもう居るんだから!!」

そう言うと、つかさは少し怒って

「あたし! いって来る!!」

そう言うと、外に向って走り出した。

「ちょ!! ちょっと待ってよ!!つかさ!!!」

トモコもつかさを追う形で走り出した。



つかさが外に出るやいなや、親衛隊が騒ぎ出す。

「つかさちゃーーーん!!!!」

「可愛い!! 彼氏なんていないよね??」

「今度、遊んでくれない??」

そのような言葉が飛び交う・・・・ つかさは余計にイライラした。

そして・・・・






ピー!!!!!!!!!!!!!!




つかさが笛を鳴らした。

親衛隊はつかさの方を見る。

「君達、どれだけ学校に迷惑かけてるのか分からないのか!!」

「今すぐ解散!!かいさーん!!!」

つかさは腰に手を当てながら怒った。

「そ・・・そんな・・・笑ってよ・・・つかさちゃーん」

「つかさちゃんの彼氏ってやつが気になって気になって・・」

「って、彼氏がいるなんて嘘だよね??」

親衛隊達は不に落ちない感じでつかさに言ってくる。

つかさはふぅ〜 っと、ため息をその場でついて

「あたし、本気で怒ってるんだぞ!!」

この一言とつかさの表情を見た親衛隊は、言う通りにするしかなった。

親衛隊は、一人事をぶつぶつ言いながら顔を下げて帰って行った。



そして、親衛隊が居なくなり、辺りは静けさを取り戻した。

トモコは驚いていた。

「笛一つで・・・・・」

改めてつかさは凄いと感じるのであった。

そして、前を向こうとしたとき、

「あれ?一人だけ、まだ校門の所にいるよ?? でも・・・すんごいカッコいい!!!!」

トモコがそう言うのを聞いて、つかさも校門に目を向けた。

「大草君!!!」

大草だった。

「よう!西野!!」

そう言って、不気味に笑ったのは、誰も気付かなかった・・・・・


[No.494] 2007/08/29(Wed) 01:40:05
二つの心 第八話「諦められぬ思い― そして行動へ」 (No.494への返信 / 9階層) - あーまん 

第八話「諦められぬ想い― そして行動へ」



話は数時間前に戻る。

大草がつかさに会いに行く前、泉坂高校では、二人の美少女が目に輝きを失っていた。

「はぁ〜 真中・・・なんで西野さんなんかと・・・・」

「真中君・・・もう居ないんだ・・・・」

綾とさつきである。

一日経った今でも、二人は立ち直れて居なかった。

映研の部室で机にうなだれていた。

そんな時、

ガラ!!

ドアが勢いよく開いた。

二人は驚きながらドアの方向へ視線を向けた。

「外村居る?」

大草だった。

「あいつ、荷物を置いて、黒川先生に呼ばれて今、行った所だよ・・・・」

さつきが元気なく答えた。

それを聞いて大草はニヤっと笑い、

「荷物どこ?」

さつきと綾は

(なんだろう・・?)

と、思ったが今はあまり話す気になれないので

「あれだよ・・・」

と、めんどくさそうに指差した。

それを聞くやいなや、大草は外村の鞄をあさりだし、携帯電話を取り出した。

綾「ちょっと、大草くん何やってるの!?」

綾が大きめの声で言うが大草は無視して外村の携帯をいじっていた。

大草は受信メールを見ていた。

そして、ある一通のメールが目に入った。

『やっほ!西野つかさです!!

淳平くんがアドレスと電話番号を外村君に教えていいって言ってたんで送るね!!

アドレスが・・・・・.jp
電話番号が090-・・・・だよ!!

あ! 他の誰にも教えちゃダメだからね!! 
でわでわ、おやすみなさい☆』

そのメールを見つけるや否や、自分の携帯を取り出し、そのメールを見ながら何かを入力していた。

さつきはさすがにまずいと思い

「ちょ!! 人の携帯見て何やってるの!!」

そう言って、大草の方へ近づいて行き携帯を取り上げようとする。

「邪魔すんな!!」

大草がさつきを振り払い罵声を浴びせた。

その表情は険しい、目の奥には何かをたくらんで居るような目をしていた。

「北大路と東城は諦められんのかよ!!!」

この言葉に二人はうつむいてしまった。

諦められるはずがない、ずっと想い続けてきたのだ。

さつきは淳平にたくさんの優しさをもらった。

綾は淳平に自分を変えてもらい、夢を追いかける素晴らしさを教えてもらった。

そう簡単に諦められるわけは無いのだ。 それほどまでに二人の心の中には『真中淳平』という人物が居座っているのである。

「俺は西野を諦められない! どんなことをしても西野を俺の物にしてみせる!!」

大草もまた同じ、大草にとって女子は、外見で判断してただ言い寄ってくるどうでもいい存在にしか過ぎなかった。 しかし、つかさと出会ってからは違った。 つかさと話してみて、いっぱいいい所を見つけた。 つかさと話して、どんどん惹かれていく自分が居た。

しかし、中学の頃はつかさの視線の先には常に淳平が居た。大草はそれが悔しかった。 だが、高校に入り、淳平とつかさが別れたと聞いた時、チャンスだと思った。

それだけに、諦めることが出来ないのである。  

さつきがふと顔を上げた。

「諦められる訳・・・ないでしょ!!」
さつきは、目に涙を溜めながら大きな声で言う。

「納得いく訳ないじゃない!! あたしだって、どんなことしたって真中と付き合いたいよ・・・」

「東城はどうなんだ・・・?」

大草は綾に視線を向けた。

「あたしは・・・・・真中君を祝福してあげるべきだと思う・・」

そうは言うものの綾の表情は暗いままである。 この言葉は嘘であることは誰にでも容易に分かった。

「そんなこと言って・・・本当は違うんだろ??」

綾の表情がさらに暗くなる・・・・ 本心を指摘されたからだ。

確かに本心ではさつきと同じ事を思っている。しかし、綾の良心がそれを抑えているのだ。

「そ・・・そんなことない!! あたしは・・・あたしは!!」

そう言って、綾は飛び出して行ってしまった。

「東城さんも・・・同じ気持ちなんだ・・・」

さつきがボソっと口ずさんだ。

「なら・・・俺と協力しないか??」

大草がさつきの顔を見ながら言った。

「協力って・・・何をすればいいの??」

さつきは控えめながら乗り気であった。

大草はニヤっと笑い

「よく聞けよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





綾は廊下をトボトボ歩いていた。

(あたし・・・・嫌な女だな・・・・)

(口ではあんな事言っておいて、本心は違う・・・・真中君が西野さんと別れればいいと思ってる・・・・)

(真中君の幸せを考えたら応援すべきなのに・・・素直に応援出来ない・・・)

(こんな自分が・・・嫌いだよ・・・)

あても無く廊下を彷徨っていると、外村が声を掛けてきた。

「東城? どうしたんだよ?? 帰るのか?」

綾は今更部活に出る気分でもなかったので

「ちょっと・・・気分悪くて・・ごめん、今日は帰るね・・」

そう言って帰って行った。

(やっぱ、昨日の事気にしてるのかな・・・)

外村はそう思いながら部室の方へ向った。






「そういうことだから、今から西野の所へ行くわ! 北大路もその頃までには来てくれよ!!」

そう言って、外村の携帯をバックに戻した。

「分かった。」

さつきもそう言って帰る準備を始めた。

そして、大草は先に映研の部室を後にした。

大草が出て行って三分ぐらいたった後に外村が入ってきた。

「あれ?北大路も帰るの??」

「うん!ごめんね・・・ ちょっと用事があってさ・・・」

そう言って、さつきも部室を後にした。

(二人とも・・・なんか変だったよな・・・)

そう思いながらも自分のパソコンを開きホームページを編集する外村だった・・・・

そして時間は現在へ・・・・


[No.496] 2007/08/30(Thu) 00:55:42
二つの心 第九話「間違った選択」 (No.496への返信 / 10階層) - あーまん 

第九話「間違った選択」




「西野!!」

大草がつかさを呼んだ。

「どうしたの?? こんなところまで来て??」

つかさは、不思議な顔をして答える。

「ちょっと、西野に話したい事があってさ〜」

大草つかさに笑顔を向けながら話す。

(なんだろ?? 話したい事って・・・)

「何??」

「う〜ん、ここじゃちょっと・・・・」

と、言いながら大草はトモコの方に顔を向けた。

トモコはそれに気付いて

「あ! じゃあ、あたし先帰ってるね!!」

「え・・・トモコ??でも・・・」

「いいのいいの! なんか、あたしが居たら邪魔っぽいし・・・」

そう言うと、トモコは小走りで帰って行った。

「ごめんな、一緒に帰る予定だったのに・・・」

つかさは怪訝そうに

「いいよ。それで、話したい事って何かな?」

「とりあえず、歩きながら話そう。」

そう言って、二人は桜海学園を出て並んで歩き出した。

「あのさ〜 西野って真中と遠距離だけど大丈夫なの?」

つかさは大草がよく分からなかった

(何で?そんなこと聞くの?? 大草くんには関係ないじゃん・・・)

「大丈夫だよ。 毎晩電話してるし、夏休みに会いに行くし・・・」

大草の顔が少し険しくなった・・・

「ふ〜ん・・・」


しかし、それだけを聞くと、しばらくは他愛も無い話で盛り上がっていた。

「まじ??ちょーウケるね!!」

つかさも笑っている。

「だろ? でさぁ〜 この前なんか、いきなし手を握ってきてよ〜 こんな風に・・・」

突然、大草が隣を歩いているつかさの手を握った。

「ちょ!! 何すんの!!」

つかさは、条件反射的に大草の手を放した。 

淳平以外の男に手を握られたくないのである。

「アハハ・・ごめんごめん・・つい、調子に乗っちゃった・・」

子供のように笑う大草、しかしそのは目笑っていなかった。

つかさは気になったが、別に聞くことでもないと思ったので

「もう! いきなしやめてよね!!」

と、言って、先を歩き出した。

大草は小走りで隣まで駆け寄り

「悪かったって!! でさ、アドレス教えてくんない?」

「えぇ〜!? 何で大草くんに教えなきゃいけないの〜??」

実は、つかさは大草がそんなに好きでは無かった、嫌いでもないのだが・・・アドレスを教えようとは思わなかったのである。

「いいじゃん!アドレスぐらい・・・」

(う〜ん、アドレスぐらいならいっか・・・)

そして、つかさは折れて

「ま、アドレスぐらいならいいよ。」

「サンキュー!!」

そうして二人はアドレスを交換した。


「んじゃあ、またメールするから! 相談に乗ってくれよ!!」

(別に、送ってこなくてもいいけど・・・)

と、思ったが

「それじゃあね!」

と、行ってつかさと大草は別れた。

別れながら大草はニヤっと笑いながら来た道を戻った。

そして、戻った先にはさつきが居た。

「ちゃんと撮ったか??」

そう大草が聞くと、

「バッチシ!!」

と、言って何やら携帯で撮った写真を大草に見せていた。

大草はニヤリと笑い

「これからもよろしくな・・・」

さつきもニヤリと笑い

「うん・・・」

と、言って二人は別れた。

さつきが撮っていた写真・・・・そこに大草とつかさが手を繋いだ時の写真も含まれていた・・・・




さつきが写真を撮っていたとは全然知らないつかさは、ベッドでごろごろしながら淳平からの電話を心待ちにしていた。

「まだかな〜淳平くん・・・ 早く声が聞きたいよ〜」

どうしても顔が赤くなってしまう。

そんな時、つかさの携帯が鳴った。

「あれ?この着メロは淳平くんじゃない・・・」

そして、携帯を開くとメールが届いたのでメールを開いた。

『よ!!大草です!!

今日はありがとな!! また、こうして会って相談に乗って欲しいんだけど・・・

とりあえず、これから宜しくな!!』

大草だった。

つかさは半ば落胆しながらも

『メールありがと☆

相談ぐらいならいいよ!!

こちらこそよろしく〜』

と、送った。

送り終わり、携帯を閉じようとしたら、また着メロが鳴った。

「あ、淳平くんだ!!」

心弾ませながら、つかさは電話に出た。

「もしもし!!」

どうしても声が大きくなってしまう。

「に・・西野?? 声大きくない??」

「だって・・・ずっと待ってたんだもん!!」

そうして、しばらく淳平とつかさは電話で話をしていた・・・・

「じゃあ、お休み〜」

「うん! いい夢見てね〜♪」

そうして電話を切った。

「大草くんの事・・・言っとけば良かったかな・・・・」

つかさはそうは思いながらも、ベッドに入ったらすぐに寝てしまった。

つかさは大草の事を淳平に言わなかった。 淳平にあまり知られたくなかったからだ。




この時、淳平に言っておけば・・・ 変わっていたかもしれない・・・

つかさは後になってから気付く、『言うべきだった』と・・・


[No.501] 2007/09/02(Sun) 17:30:39
二つの心 第十話「始まり」 (No.501への返信 / 11階層) - あーまん 

第十話「始まり」




月日は流れ、夏休みが目前に迫っていた。

つかさは大草にアドレスを教えてからと言うもの、何回か相談に乗ってあげている。

それは、ファミレスで相談を受けたり、公園で相談を受けたりと2人でよく会っていた。

当然、つかさは淳平が好きである。 大草はあくまで友達だ。

しかし、つかさにも最近悩みがあった・・・・

実は、7月に入ってからというもの、淳平からのメール、電話が全く来なくなったのである。

つかさからメールを送っても、帰ってこない、電話をしても出てくれない・・・

つかさはとても不安になっていた。

(淳平くん・・・なんで・・・なんで・・連絡くれないの・・?)

唯一、淳平のアドレスを知っている外村に聞いてみるが

「俺も、メール返ってこないんだよね・・・」

と、言われ、まったくの音信不通の状態である。

つかさは、最愛の人からの連絡が無い事からの不安が日々増していくばかりであった。



そして夏休みに入った、今日は、バイトの日だったのだが珍しく寝坊してしまった。

「もう!!トモコのせいだよ〜!!」

昨日の夜、トモコとの長電話のせいだ。

しかも、トモコにいろいろとからかわれた事によって、イライラが募っていた。

普段は、そんなにイライラしないのだが、淳平からの連絡が来ないということもあり、ちょっとしたことでイライラが募ってしまうのだ。

つかさは、急いで着替え、朝食も食べずにダッシュでパティスリー鶴屋に向った。

ギリギリ間に合うか、間に合わないかの瀬戸際である。

そんな時、携帯の電話が鳴った。

「もう!!誰だよ!!こんな時に!!」

そうして、普段なら画面を見るが、今は画面を見ずに携帯に出た。

「もしもし!!」

つかさは、イライラとした声で出た。

「もしもし・・・真中だけど・・・」

淳平だった。 しかし、今はとても忙しい・・・ つかさは一番待っていた人からの連絡だということを忘れていた。

「何!! どうしたの??」

「いや・・・ちょっと、西野の声が聞きたくて・・・・」

どこかしら淳平の声が弱弱しく聞こえた、しかし、つかさはそれどころじゃ無かった。

普段のイライラ、ストレス、今の状況から、つい、発してしまった・・・

「そんなことで電話したの!? あたしは、今、淳平くんの声は聞きたくない!! あたし、今忙しいの!!!」

「そっか・・・ごめんな・・・・じゃあ・・・」

つかさは、言った後に我に帰った。 ずっと待ってた最愛の人からの電話だったのである。

「あ・・・淳平くん・・・ちょっと・・・」


プツ・・・・


つかさが言い終わらないうちに電話が切れてしまった。

(あたし・・・ヒドイ事言っちゃったな・・・ 後で謝らなきゃ・・・・)

つかさはとても後悔したものの、急いでバイト先に向っていき、一日中働いていた。







―――――――――――――――――――――――――――――――――

少年は何やら紙に手紙のようなものを書いていた・・・

そして、書き終わると携帯電話と一緒に机の上に置き、ふぅ〜と溜め息をついた・・・

しばらく椅子に座って、目を閉じている・・・

そして、ゆっくりと立ち上がり、玄関を出た。

両親は出掛けている・・・

少年はゆっくりと階段を登る・・一歩一歩、重い足取りで・・・

屋上に着いた・・・柵を乗り越える・・・目の前にはもう足場が無い。

少年は目を再び閉じた。

(父さん・・・母さん・・・ありがとう・・・そして・・・ごめんなさい・・・)

(西野・・・ 今までありがとう・・・)

少年の目から涙が流れた・・・ 

そして、それを合図にするかのように・・・・少年は・・・一歩足を踏み出した・・・

銃で撃たれた鳥のように一直線に落ちる・・・少年は・・・目を閉じた・・・・

――――――――――――――――――――――――――――――――――








つかさは、バイトが終わり、家に帰っていた。

そして、家に帰るやいなや、すぐに淳平に電話する。








淳平は出ない。

(お願い!!出てよ・・・)

切実な願いを込めてもう一度電話をかける。








切実な願いも空しく、やはり、出ない。

(はぁ〜 怒ってるのかなぁ・・・)

つかさは落胆してしまった。

(とりあえず、メール送っておこ・・・)

そう思い、メールを送った。

『さっきは、本当にごめんなさい・・・

あたし、本当に忙しくて・・・

でも、なんでずっと連絡くれなかったの??

とりあえず・・・電話して下さい。』

送信!!

そして、つかさは淳平から何かしらの連絡を待っていた。




しかし、いくら待っても淳平からの連絡は来なかった。

つかさは、泣きそうである。

(淳平くん・・・嫌だよ・・・電話に出てよ・・・メールしてよ・・・)

すると突然、電話が鳴り出した。

(淳平くん!?)

そう思い、急いで電話に出た。

「もしもし!? 淳平くん!?」

ものすごい期待を込めて電話に出た。

「もしもし!?外村だ!!」

(外村君か・・・・なーんだ・・・)

(でも、なんかすごい焦ってる・・・どうしたんだろ?)

少し落胆し、疑問に思った。

「つかさちゃん!! すぐにテレビの4チャン付けて!!」

外村が大声で言う。

「なんで〜?」

つかさは聞き返したが

「いいから早く!!説明するよりも見たほうが早い!!」

つかさは、あまり乗り気になれなかったが、あまりにも外村が焦っていたので

「分かった。」

と、言って、テレビの4チャンネルを付けた。

そして、テレビを付けた瞬間・・・・つかさは言葉を失った・・・・

『長崎県の○○町で学生が飛び降り自殺!』

『今朝、9時頃、長崎県の○○町に住む、真中淳平君17才がマンションの屋上から飛び降り自殺を図りました。 一命は取りとめたものの、意識不明の重態で予断を許さない状況です・・・・』

つかさは呆然とテレビを見ていた。

「つかさちゃん!! おい!!つかさちゃん!! 大丈夫か!!」

電話越しに外村がつかさに声をかける。

しかし、外村の声はつかさには届かない・・・・・

部屋に聞こえてくるのは、電話越しの外村の声とテレビから聞こえるキャスターの声だけだった・・・・・


[No.502] 2007/09/04(Tue) 01:45:56
二つの心 第十一話「始動―――それぞれの想いが故に・・・」 (No.502への返信 / 12階層) - あーまん 

第十一話「始動―――それぞれの想いが故に・・・」




「つかさちゃん!! 返事して!! つかさちゃん!!」

外村が必死につかさを呼びかけていた。

つかさは生気を失っている。

(淳平くん・・・・・な・・なんで・・・)

あまりにもショックであったために、涙も出ない。

なぜ自殺を決行したのだろうか? 電話でキツイ言葉を言ってしまったのが原因だろうか? いや、それだけじゃ到底自殺まで至るとは思えない。

では、なぜだろう? 音信不通になったのが関係しているのだろうか? 

いろいろ考えるものの全く検討がつかない。 つかさはいくら思い返してみても、電話以外では淳平にヒドイ事をしたつもりもない。

つかさは、ただ・・・ただ・・・呆然とテレビを眺めているだけでった。

「つかさちゃん!!!!!」

外村が大声を出した。

つかさもやっとのことでそれに気付いた。

「そ・・と・・むらくん・・・・ なんで・・・」

うまく言葉が出せない。

「つかさちゃん・・・ 俺も分からないよ・・・」

外村も全く分からないようである。

「でも・・・俺は知りたい!!」

外村が強く自分の意志を伝えるように言った。

「え・・・?」

「俺は、真中が何故自殺を決行したか知りたい!! つかさちゃんはいいの?それで??」

つかさはその言葉を聞いた瞬間、今まで出てこなかった涙が一気に溢れてきた。

知りたくない訳無い・・・ 淳平を自殺まで追い込んだ原因は何なのか?? 自分のせいなのか・・・ いろいろ考える要素をあるものの、とにかく一番思う事は淳平の助けになりたいということだ。

「ぐす・・・あたしだって・・・知りたいよ・・・」

涙ながらに外村に訴える。

「じゃあ、明日から長崎へ行こう!!」

突然だった。 しかし、つかさを動かすのは淳平への想いだけ

「うん!!!」

もはやつかさに迷いは無い。

そして、電話を終えるとつかさは準備に取りかかった。








「真中君!?」

その時、綾もテレビを見ていた。

当然、淳平が自殺を図った事にショックを受けない訳は無い・・・

「どうして・・・・・」

綾の心には淳平がとても大きく占めている。

それだけに淳平が居なくなると、綾の心が不安定になってしまうのだ。

「何があったの・・・? 西野さん・・・?」

綾は考える。




「そうよ・・・ 西野さんがいけないんだ・・・」

「西野さんの事で追い詰められたんだ・・・ そうに違いない!!」

いくら考えても検討が付かない・・・何かしらのせいにしなければ心が壊れそうである。

綾の心が、強引につかさのせいにしようとしていた。

「西野さん・・・あなたさえ居なければ!!!」

「こうなったら、あたしが真中君の支えになってあげる・・・」

そう言うと、綾も荷造りを始めた・・・・・





「真中!?」

さつきもテレビを見ていた。

しかし、綾、つかさとは違い、さつきは焦っていた。

「もしかして・・・・あたしが・・・・」

そう言うと、さつきは大草に電話をかけた。

「もしもし?」

「大草!! 真中が・・・真中が・・・!!」

さつきが喚くようにして大草に訴える。

「知ってるよ。」

冷静だった。

さつきには理解出来なかった。

「なんで、そんなに冷静なの!? 真中が自殺を図ったんだよ?? もしかしたら、あたし達のせいかも・・・・」

電話越しにふぅ〜っと大草は溜め息をつき

「俺達のせいじゃない。 それに言ったろ?どんなことをしても西野を手に入れるって。 北大路も言ったじゃん。」

「真中には悪いと思うけど、これはチャンスだと考えるから・・・」

このときさつきは、大草がひどく冷酷な人間だと思った。 なんで、こんな事が言えるんだろう?? 

「あたしには・・・分からないよ・・・どうすればいいの・・・?」

もうさつきには何がなんだか分からない。

「じゃあ、とりあえず明日真中に会いに行こう。」

「え・・・?」

「さすがに俺も、真中の事は心配だよ。 だから長崎へ行こう。」

そう言うと、大草はまた連絡すると言って、電話を切った。

(もう、どうすればいいのか分からない!!)

(でも、真中には会うべきなのかもしれないな・・・)

そう言って荷造りを始めた。





そして、次の日の朝、

泉坂駅には、外村とつかさは泉坂駅に着いた。

「おはよう・・・外村君・・・」

「おはよう・・つかさちゃん・・・ 小宮山も来るからもう少し待ってよう。」

そう言って、待っていると、綾がやってきた。

つかさがそれに気付き

「あ・・・東城さん・・・」

綾は、冷たい目をしていた。そして、つかさを少し睨んだ。

(な・・・何・・東城さん・・・すごく冷たい目をしている・・・)

しかし、すぐ綾は笑顔を見せて

「おはよう。外村君、西野さん。 あなた達も長崎へ行くの?」

「うん。」

それだけ言うと、会話が途切れてしまった・・・・・

そして、大草、さつきが来た。

「あれ?みんな・・・もしかして・・・」

大草もさつきも同じ用件だった。

そして小宮山もやってきて、このメンバーで長崎へ行く事になった。



それぞれの想い・・・・それは複雑に交差する。

淳平を想うが故に気持ちが先走る。

ある者は真相を知るために・・・ある者は支えになるために・・・ある者は不安をぬぐうために・・・

それぞれの決意を胸に、今、長崎へ飛び立つ・・・・


[No.506] 2007/09/06(Thu) 08:50:19
二つの心 第十二話「長崎へ・・・」 (No.506への返信 / 13階層) - あーまん 

第十二話「長崎へ・・・」




一向は飛行機の中に居た。

つかさの隣には大草が座っている。

「西野、そんなに落ち込むなよ??」

大草が優しい声をかけるが、つかさには全くの無意味だった。

今のつかさには淳平の想いだけ、故に他のどんな男からの優しさだとしても、素直に受け取る事が出来ない。

「ったく・・・真中も何考えてるんだか・・・」

突然、大草が淳平の話を切り出した。

つかさは即座に反応する。

「淳平くん??」

思わず聞き返してしまう。

「俺だったら、西野を悲しませるような事なんか絶対にしないのに・・・」

そう言うと、流し目でつかさの目をさらっと見た。

大抵の女ならこれで落ちる。事実、今までの女の子はこれで落ちたし、大草にも自信が有った・・・・・しかし、相手はつかさ

「今は、そんな事聞きたくない・・・ 淳平くんが心配だよ・・・」

そう言うと、再び窓から外を見だした。

(さすが西野・・・ やっぱり一筋縄じゃいかないか・・・)

大草は、もはや頭の中には淳平よりもつかさが大きく占めていた。

しかし、今は何をしてあげればいいのか分からなかったので、とりあえず睡眠に入った。


大草が睡眠に入ってまもなく、つかさは今度は、冷たい目線で睨まれるような感覚をもった・・・・ 

つかさは視線を追って行くと、そこには綾が居る。

つかさ(嘘!?)

つかさ(さっきから東城さんが・・・・何で・・・)

つかさはそう思ったものの、耐え切れなくなり、すぐに窓の外に視線を移した。





そして、そんな調子で、いつの間にか長崎に着いていた。

小宮山「へぇ〜ここが長崎かぁ〜」

小宮山は空気を読めないせいか、いつもの違う環境にとてもはしゃいでいる。

他の四人はとてもではないが、そんな気には成れなかった。

「外村君・・・真中君が入院している病院って・・・」

綾が外村に聞いた。

「あぁ、確か・・・・長崎総合病院だな!!」

外村がそう言うや否や

「だったら早く行こ!!」」

つかさは足早に病院に向った。

比較的有名な病院だったので、そんなに見つけるのを苦労はしなかった。



そして、長崎総合病院の玄関の前まで来る。

つかさは心がドキドキしていた。

「ここに淳平くんが居るんだ・・・・」

(やっと会える・・・ でも、大丈夫・・・だよね? ちゃんと、目を覚ましてくれてるよね・・・?)

淳平に会える嬉しさと、自殺の事で不安になるのと複雑に混雑していた。

もちろん、淳平に会えるのを期待しているのはつかさだけではい。

(真中君・・・ 今度からはあたしがあなたの隣に居るから・・・)

心の中で呼びかける綾。

(真中・・・ お願い!!元気で居て!!)

心の中で願うさつき。

(真中・・・ 悪いけど、西野はもらうからな!!)

心の中で罵声を浴びせる大草。

小宮山は相変わらずだ。

それぞれの想いを胸に、病院へ入って行った。

長崎総合病院は大きい。1〜6階まである。

病院の中では看護婦が忙しそうに仕事をしている。

とても、自分達で探せないので、看護婦に聞くことにした。

「すいません、真中淳平さんの病室は何処ですか?」

「真中淳平さんですね・・・・405号室です。」

どこかしら、看護婦の声が暗く聞こえた。

しかし、その事よりもいち早く淳平に会いたいがために

「ありがとうございます!」

と、声を大きくしてお礼を言った。

そして、階段を登る・・・4階に着いた。

405号室が近づくにつれて、つかさの心臓の鼓動は速くなる。


ドキドキ・・・・


ドキドキドキ・・・・


ドキドキドキドキ・・・・


そして、405号室の前に着いた。

みんなも緊張している。

そして・・・・一気にドアを開けた。

一瞬、まぶしい光が辺りを照らした。

一行は、目を細め、手でかきながらベッドの方を見た。




そこには・・・・まるで死んでいるかのように寝ている包帯まみれの真中淳平と、そのベッドに寄り添って、声を出して泣いている一人の少女・・・・南戸唯が居た・・・

「淳平くん・・・・!」

いち早く声をあげるつかさ。 

久しぶりに淳平に会える嬉しさと、心配する気持ちが高ぶる。

そして、駆け寄ろうとすると、それに気付いた唯が遮った。

「唯・・・ちゃん・・・?」

唯は泣いている。 それも大粒の涙を・・・そして、その目は黒ずんでいて、いつもの明るい唯の目では無かった。

辺りには、唯の泣き声が響き渡る・・・・

そして、

「西野さん・・・・何で、淳平を追い詰めるような事をしたんですか!!!!!!!」






しばらくの沈黙が流れた・・・・

(あたしが、淳平くんを追い詰めた・・・!?)

つかさにそんな事をした覚えが無い。

他の4人も驚いている。

そして、綾が

「西野さん・・・あなた・・何やったの?」

またしても冷たい目でつかさを見てきた。

「あたし・・・全然分からないよ!!」

つかさは必死に訴える。

「とぼけないで下さいよ!!これを見てもそんな事が言えますか!?」

そう言うと唯は、淳平の携帯電話を取り出し、メールの受信画面を開き、そしてつかさに渡した。

その時、なぜかさつきと大草は厳しい顔をしたのは誰も気付かなかった。

そして・・・・つかさはメールを一通開いた・・・・・・







「そ・・・そんな・・・・こんなこと・・・・・」





辺りは、静寂に包まれた・・・・・・・・


[No.508] 2007/09/09(Sun) 02:05:29
二つの心 第十三話「差出人 西野つかさ」 (No.508への返信 / 14階層) - あーまん 

第十三話「差出人 西野つかさ」




『差出人 西野つかさ
 件名 淳平くんへ

淳平くん、ひとつ言いたい事があるの。

実は、あたし別の人と付き合ってるんだ。

だから、メールとか電話とかもうしないでね。』









『差出人 西野つかさ
件名 うざい

もう、メール送って来ないでって言ったじゃん!!

はっきり言って、迷惑なんだけど・・・・

うざいからもう止めてね?』








『差出人 西野つかさ
 件名 迷惑
 
 あのさ、何回言ったら分かるのかな??

 あたし、別の人と付き合ってるって言ってるじゃん!!
 
 頭弱いんじゃないの??

 ほんと、死んだほうがいいんじゃない??

 迷惑だから!!』

『差出人 西野つかさ』














何通も何通も続いている見覚えが無いメール・・・

最新のメールになると、もう読まれていないのか未読メールだった。

つかさは、ただ無我夢中でメールを開いていた。

他のみんなも食い入るように画面を見ている。

「ひどい・・・・・あたし・・・こんなことメール送ってない・・・・」

携帯電話をいじりながらつかさはつぶやく。

それを不快に思ったのか唯はつかさに噛みついた。

「嘘つかないで下さいよ!! 差出人が西野さんじゃないですか!!」

「違う!! あたしこんなこと送ってない!!!」

つかさも激しく否定しながら、携帯をいじっていると、一通のメールを見つけた。

『差出人 外村ヒロシ
件名 真中へ
附属ファイルあり

おい! 真中!! つかさちゃん、大草と付き合ってるみたいだぞ!!

今、手を繋いでいる所の写真送るから見てみろよ!!』

(え・・・・)

つかさは恐る恐る、附属ファイルを開く。

そこには、確かにつかさと大草が手を繋いでいる写真があった。

しかし、それは急に手を繋がられた時の写真・・・・

そして、外村の方へ向き

「外村君・・・これ・・・」

外村はとても驚いている。

「俺、こんなメール送った覚え無いぞ??」

「あたしも、こんなメール送ってない・・・それに写真だって・・・」

二人とも覚えが無いメールにとても混乱していた。

「じゃあ、誰が送ったって言うんですか!!」

唯が泣きながら叫んでいる。

しかし、誰も答える者は居なかった・・・・

そして綾が口を開く

「西野さん・・・ひどすぎるよ・・・」

絶望にも似た、冷たい目線だ。

「東城さん・・・・信じてよ・・・」

つかさの目には涙が溜まっている。

しかし、綾には信じられる訳が無い。

実際にメールがあるのだ。

『つかさがやった。』それ以外に考えが浮かばなかった。

「それに・・・大草くんと付き合ってるんでしょ??」

「違う!! 付き合ってなんかないよぉ・・・あたしは、淳平くんが・・・」

そう言いながら大草に助けを求める。

しかし、大草は何も言わなかった。

「なんで・・? なんで・・何も言ってくれないの・・・?」

そう言いながらつかさは絶望と深い悲しみに明け暮れていた・・・・

そして、唯が何かを持ってきた。

「これ、多分、淳平の遺書なんです・・・・」

そう言って、つかさに渡す。

『ごめん・・母さん・・父さん・・・

俺、もう生きていても辛いだけなんだ・・・

西野に振られちゃった・・・

それに、俺、すっごい迷惑かけてたみたいなんだ。

だから、それが辛くて。

もう、西野無しには生きていても・・・さ・・・

俺も、最初は西野がこんな冷たい事送るわけが無い!!って思ってたんだけど、何通も続いてたし、それで電話して確かめようと思ったんだけど、俺の声、聞きたくないんだってさ・・・・

だから、どうやら本当みたい・・・ 

だから、ごめん・・・ こんな俺でごめん・・・ 西野・・迷惑かけてごめんな・・

母さん、父さん、西野、それに俺の友達が幸せになってくれることを祈って居ます。

淳平』


読み終えると、しばらく無言で時間が過ぎていった・・・・・


[No.509] 2007/09/12(Wed) 18:34:25
二つの心 第十四話「目覚め」 (No.509への返信 / 15階層) - あーまん

第十四話「目覚め」




手紙を読み終える。

辺りは物音ひとつしなかった。

つかさは、一人涙を流しながらも考えていた。

(あの時の電話・・・あたしが・・・冷たくしたから・・)

電話というのは、つかさがバイトに遅刻しそうになったときにかかってきた淳平からの電話である。

そのときは、前日にトモコにからかわれてイライラしていたのもあり、電話がうとましく思ってしまったのである。

当然、つかさにはそこまで大事になるとは微塵も思っていなかった。

しかし、結果的にはあの時の電話が淳平の自殺未遂は引き起こした事になってしまったのは間違いないだろう。

(あたしが・・・淳平くんを追い込んだ・・・)

(あたしのせいで・・・)

最早、自分を責め続けているつかさ。

そんなつかさを見ていたさつきは

(西野さんは悪くない・・・むしろ・・・被害者・・・)

(あたし・・・・どうすれば・・・・)

さつきもまた悩んでいた。

まさかこんなことになるとは思っていなかった。

ただ、淳平とつかさが別れてくれればいいと思っていた。

しかし、甘かった。

淳平が自殺未遂をするなんて想像もしなかった。

しかし、それほどまでにつかさの事を愛していたということでもある。

(敵わないな・・・西野さんには・・・)

半ばさつきは諦めが付いていた。

(本当の事を言う? でも・・・言ったら・・あたし・・・)

しかし、いくら諦めが付いていようが、真実を告げるのはとてつもなく戸惑われた。

自分が可愛いのである。

それは人間ならば誰でももっている感情だ。

さつきは、そんな自分と葛藤していた・・・




「それで、真中の容態はどうなんだ?」

外村が口を開いた。

その言葉にみんなが唯の方へ向く。

唯は、なんとか流れてくる涙を止めて

「医者の話によると、命には別状はないそうです。」

その言葉にみんなは安心した。

「下が、芝生だったり、途中で木に引っかかったりして、医者に言わせれば奇跡だそうです。」

「しかし、頭から落ちたみたいで、頭を強く打って、意識不明みたいなんです。」

「だけど、いつ起きてもおかしくないみたいで・・・・」

そう言うと、みんなの表情が少し明るくなったが、

「だけど、何が起こるか分からないそうです。」

『何が起こるか分からない』その言葉に疑問を感じた。

「どういうことだ?」

外村がさらに聞く。

唯はその場でため息をつき、口を開く。

「淳平が起きて、淳平がどうなってるかは分からないってことです。」

「もしかしたら、記憶を失っているかもしれない、失明しているかもしれない、歩けなくなっているかもしれない・・・・ 数をあげればきりがありません。」

「そんな・・・・」

みんなはその残酷な知らせにただ驚き驚嘆した・・・・

「でも、何も起こっていない可能性もある、って医者も言ってました。」

そんなみんなを見かねて唯は励ましの意味もこめてみんなに希望の言葉を投げかけるが、それも意味なかった。

どうしても、こういうときは、悪いほうに考えてしまうものである。

「あたしのせいだ・・・・」

つかさが声を出した。

「あたしが、電話であんな冷たいこと言わなければ・・・」

「冷たいこと?」

綾がつかさに聞いた。

「あたし・・・その手紙が書いてあるとおり、淳平くんから電話がかかってきたときに、バイトに遅刻しそうだったのと、友達にからかわれてイライラしていたのもあって、冷たくしちゃったの・・・・」

その言葉に誰もが静かになった。

「それにメールだって・・・・」

「あたしが、全部悪いんだ・・・あたしが全部・・・」

「ごめんね・・・淳平くん・・・こんなに追い詰めて・・・」

そう言うと、つかさは淳平に駆け寄り、淳平の手を握りながら泣き始めた。

「あたし・・・淳平くんの彼女失格かもね・・・」

「でも・・・それでも淳平くんが好きなの・・・どうしようもないくらい・・・」

「あたし・・・あなたに・・・謝らなきゃいけないことがたくさんあるの・・・」

「だから、起きてよねぇ・・・淳平くん・・・」

つかさはひたすら一方的に淳平に話しかけている。

外村がつかさに駆け寄り

「つかさちゃんは悪くないよ。 電話の事だってしょうがないよ。」

「だれだってそうだよ、そういうときはあるんだ。」

「たまたまそのときに真中から電話が着ちゃっただけ・・・」

「それに、メールだって、何かの間違いだよ。」

「俺・・・送ったやつを絶対見つけてやるから・・・」

つかさを必死で励ましていた。

大草は思っていた。

(真中・・・今の西野の側に居てやるべき人間はお前じゃない・・・俺だ。)

(真中・・・西野を悲しませるような事をして・・・)

(西野が真中の彼女失格じゃない、真中が西野の彼氏失格なんだ!!)

そう思うことで、大草は自分の意思を確認していた。


綾もまた同じ

(あたしが、真中君の支えにならなくちゃ・・・)

ただ、ひたすらにそう思っていた。




そんな時、



「う・・・・・うぅ〜ん・・・・」



小さな個室に淳平の声が響いた。


[No.513] 2007/09/21(Fri) 08:48:06
二つの心 第十五話「すれ違う記憶」 (No.513への返信 / 16階層) - あーまん

第十五話「すれ違う記憶」




「う・・・うぅ〜ん・・・」

一斉にみんなの視線が淳平に集まる。

そして、次の淳平の行動を固唾を飲みながら待つ。

淳平は、辺りを軽く見回した。

「あれ?みんな??」

いつもと何ら変わりの無い淳平の言葉だった。

その言葉を聞いた者は全員嬉しくなる。

淳平が無事に起きたのだ。

そして、その言葉にいち早く反応したつかさ。

「淳平くん!!!」

思わず、声を張り上げ淳平に抱き付く。

「ぐわぁ!!」

淳平はいきなりだったので奇妙な声を上げてしまった。

そんな光景を淳平無事だったのは嬉しいが綾、大草は面白くなさそうに見ている。

「淳平くん・・・・」

さらに抱きしめる力を強めるつかさ。

ふと、つかさはあることに気づく。

(淳平くん・・・抱きしめ返してくれない・・・)

そして、淳平の顔を見ると、とても困惑した顔をしている。

つかさは思う。

何かがおかしい・・・・・

いつもの淳平ではない・・・・

つかさの心に『不安』の二文字が募ってきた。

そして、次の瞬間・・・・つかさの『不安』が的中する。







「え〜っと、君は誰だっけ??」





「え!?」

つかさは、思わず抱きしめている腕をほどき、一歩後ずさりする。

淳平は困ったような顔をして

「俺と君って知り合いなの??」

そして、周りにいた人達が淳平の下に寄ってくる。

「おい!!真中おまえ・・記憶が無いのか!?」

外村が焦ったように淳平に言う。

淳平は鼻で笑いながら

「何言ってんだ? 外村??」

外村は驚いた顔をしながら、

「俺は・・・覚えてるのか??」

と、淳平に聞く。

「何言ってるんだよ。 一緒の高校だったじゃねーか。」

「それに・・・大草、小宮山、さつき、東城もそれに唯もいるし・・・」

淳平は得意げに話す。

しかし、その中につかさの名前は出てこなかった。

「じゅ・・・淳平・・くん・・?」

涙交じりの声で再度淳平の名前を呼ぶ。

「・・・ごめん・・・君は誰だか分からない・・・」

淳平は少し暗い表情になった。

「そ・・・・そんな・・じゅ・・」

つかさはその場で泣き崩れてしまった。

「真中!!悪い冗談は止めろよ!!」

小宮山が淳平の胸倉を掴んできた。

「つかさちゃんは、おまえの彼女だろうが!!!」

小宮山は声を張り上げる。

しかし、淳平は苦笑しながら

「何言ってんだ?? 俺の彼女は東城だろ??」






その言葉に一同が騒然とする。

もはや言葉が出てこない。

つかさやさつきや外村などは呆然としている。

淳平はこの空気が耐えられなくなったのか

「え??そうだよな??東城??」

綾に返答を求めた。

「え・・っと・・その・・・・」

綾は困っている。

その時、

病室のドアが開き、医者が入ってきて

「目を覚ましたね。 これから検査するから、君たちはちょっと外してくれ。」

そう言って、淳平は病室から連れて行った。



残された一同は、状況が理解出来ていない様子である。

特につかさは、再びその場で崩れ落ちていた。

「どういうことだ?」

今まで黙っていた大草が口を開いた。

「そんなこと聞かれても・・・」

外村も困ったように話す。

「西野さんだけ忘れているって事だよね・・・」

「それに東城さんと付き合ってるって・・・」

唯がさっきの淳平の言葉を思い返している。

いくら考えても謎が深まるばかり。

「とにかく、今は真中を待つしかないな・・・・」

小宮山が結論を出した。

「西野・・・・大丈夫か?」

大草が優しくつかさに寄り添う形で隣に座った。

しかし、つかさは大草のことは目に入っておらず、ひたすら泣き続けている。

そんなつかさを見ながらも大草は思う。

(真中が西野のことを忘れているなら俺のチャンス・・・)

その目にはうっすらと笑っているかのようにも見えた。


そして、淳平が帰ってくるまで長い時間が経った・・・・・・・


[No.526] 2007/09/28(Fri) 02:52:20
二つの心 第十六話「記憶の書換え」 (No.526への返信 / 17階層) - あーまん

第十六話「記憶の書換え」




淳平が戻ってくる少し前、さっきの医者が病室に入ってきた。

「すみませんが、少し聞いてもいいですかな?」

「はい。」

その言葉に外村がいち早く反応する。

「真中君が目覚めたときに彼に何か変わった所とかありましたか?」

その言葉を聞くと、みんな静まり返る。

「起きたときに・・・いつもの彼だったのですが・・・」

「ただ・・・ 彼女である、この人の事だけを一切忘れていました。」

外村がしっかりと医者に告げた。

「その人が西野つかささん??」

医者が、まだ崩れ落ちているつかさを見ながら外村に聞く。

「はい・・・そうです。」

そして、外村は東城を指差して

「それと、西野さんじゃなくて、この東城っていう人と付き合ってる、って言ってました。」

と、言った。

その言葉を聞いた医者は、腕組をしてしばらくその場で考えていた。

「う〜ん・・・・」

「どうしたのですか!?」

耐えかねて、唯が医者に話しかけた。

医者はしぶしぶと言った感じで

「いや・・・真中君を検査したときに、検査では何も無かったんで、不自然だと思って君たちに聞いたんだが・・・」

「やっぱり・・・」

そして、医者は話を続ける。

「多分、真中君は記憶喪失ではない。」

「「「「え!?」」」」

みんなが一斉に驚きの声をあげる。

「記憶喪失だったら、そんな西野さんだけを忘れるなんて事はめったに無いからね。」

「じゃあ、いったい何だって言うんですか!!」

今まで崩れ落ちていたつかさが医者にとっかかる。

「落ち着いて下さい!!」

医者は何とかつかさをなだめると

「確実とは言えませんが、ひとつの仮説を立ててみましょう。」

「真中君は、記憶を忘れているのではなく、自分で塞ぎ込んで書き替えています。」

「「「「え!?」」」」

またしても、みんなが驚く。

「あくまで仮説ですがね。」

「しかし、西野さんのメール、電話、それが、真中君に自殺するほどショックを与えてた訳で、無意識的に西野さんを忘れようと強く自分に言い聞かせたのだと思います。」

「普通ならば、そんなことは出来るわけはないのですが、頭を強く打ったことがそれを可能にしたのだと思われます。」

「だが、ただ西野さんを忘れるだけでは、精神的にキツかったのでしょうか? 東城さんと付き合ってるということにする事で、精神的に安定させているのだと思います。」

「決して、真中君の意思ではありません。」

医者がこう説明するとしばらく沈黙が流れた・・・・




「じゃあ、どうすれば戻るのですか??」

つかさが切実に医者に聞く。

しかし、医者は暗い顔をして

「それは・・・真中君が西野さんに関してどれくらい記憶を塞ぎ込んでいるかによります。」

「真中君が自分で思い出す他ありません・・・・」

「それと、無理に思い出させようとすると真中君が辛い思いをするので、今は真中君が安定していないので無理に思い出させようとするのは止めてください。」

医者が話し終わると、つかさはその場でうずくまってしまった。

「そ・・・そんなぁ・・・」

つかさは、絶望してしまった。

最愛の人が自分の事を忘れている。

あまり思い出させては行けない・・・それは、つかさが頻繁に会ってはいけないということを意味する事だった。

つかさには辛いことが多すぎた。

「・・・・じゅ・・・じゅんぺ・・い・・」

うまく喋る事が出来ない。

「では、私は戻ります。 もうすぐで真中君も戻ってくるので・・・」

そう言うと医者は部屋を出て行った。

(今は・・・真中君が辛いんだ・・・)

(あたしが・・・支えてあげるんだ!!)

綾は決意した。

「西野さん・・・」

綾がつかさを呼ぶ。

つかさはただ、顔を綾に向ける。

「あたし・・・真中君と付き合うから・・・」

つかさは言葉を失う。

「医者も言ってたでしょ??」

「真中君に無理させてはいけないって!!」

綾はあえて強く言った。

つかさを納得させるために・・・・

しかし、

「そんなの・・・ひどいよ!!」

そう言うと、つかさは走って病室を出て行ってしまった。

「西野!!」

「つかさちゃん!!」

「西野先輩!!」

みんなが叫ぶが届かずにつかさは行ってしまった。

「俺が行ってくる。」

大草がそう言い残し、つかさの後を追っていった。


残された4人は、話す話題が見つからない・・・・

(真中・・・このままじゃつかさちゃんは・・・)

外村には不安が募っていた。

(真中君・・・あたしが着いてるからね・・・)

綾には決心があった。

そんな中・・・・




ガラ!!!!



淳平が帰ってきた。


[No.530] 2007/10/01(Mon) 10:57:45
二つの心 第十七話「見えた希望」 (No.530への返信 / 18階層) - あーまん

第十七話「見えた希望」




「悪い悪い、遅くなった。」

淳平が笑顔で部屋に入ってきた。

しかし、淳平の表情とは裏腹にみんなの表情は暗い。

「あれ・・・? みんなどうかした??」

そんな表情を見て、淳平は不安になる。

「いや・・・なんでもないよ。」

外村が何とか淳平に応えた。

「ごめん・・・あたし、トイレ行って来るね・・・」

さつきが突然そう言って部屋から出て行った。

さつきにしてみれば、淳平を見るのが苦しかった。

とりあえず、その場から外れたかった。

「どうしたんだあいつ・・?」

淳平が首をかしげながら言った。

そして、少し沈黙が生じた。


「真中君・・・ 大丈夫? 検査どうだった?」

綾が笑顔で沈黙を破った。

「ありがとう!」

「なんか、階段から落ちたけど、頭打っただけみたいだから、体には何ともなかったみたい♪ 多少の怪我はあるけど・・・ほとんど完治してるって!!」

「「「え!?」」」

みんなは一斉に驚く。

淳平はみんなに驚かれたのが癇に障ったのか

「なんだよ・・・ 喜んでくれないのかよ・・・」

ふってくされてしまった。

(階段から落ちた・・・・)

誰もがそれに疑問を覚えた。

それもそうである。

淳平は、自宅マンションから飛び降り自殺を図ったはずなのだ。

(まさか・・・そのことも書き替えてしまったのか・・)

外村が考えていた。

「それで、淳平はいつごろ退院なの??」

唯が聞いてきた。

「あぁ、あと1週間ぐらいは入院だって〜」

「それよりもさ!」

淳平がさっきから気になっていたことを言った。

「さっき・・・俺に抱きついてきた人って・・・誰??」

その言葉を聞くと、周りは静かになる。

しかし、ここで黙っていては何も始まらない。

「あの子は・・・階段から落ちた真中君を見つけてくれた人だよ!」

綾が笑顔で言う。

(((え!!)))

淳平以外、心の中で驚きながら綾を見る。

「真中君が目を覚ましたから、感極まっちゃって抱きついちゃったみたい。」

「ひどいよね〜 彼女の目の前で・・・」

綾は一転の曇りも無く笑顔で話を続ける。

しかし、周りの顔は厳しい。

(東城・・・お前・・・本気なんだな・・・)

(東城さん・・・)

やり場の無い怒りが込み上げてきた。

いくら、つかさの事を伝えるのは危険だと分かってていても、なにかやり切れない気持ちになってしまう。

(こんなの・・・ひどすぎるよ・・・)

内心思う唯だが、言葉にしてはいけない。

「そうだったのか〜 後でお礼言わなきゃな・・・」

(((・・・・)))

ここで、淳平はふと難しい顔になった。

「ということは、知り合って間もないんだよな・・・?」

「というよりも、他人に近いんだよな?」

眉をひそめながらみんなに尋ねる淳平。

「あぁ、そうだよ・・・」

外村が力なく応える。

(でも・・・さっき抱きつかれたとき・・・初めて会った気がしなかったんだよな・・・)

(暖かかった・・・ なんか・・・落ち着いたんだよな・・・)

淳平は考え込んでいた。

自分でもわからない、つかさを抱きつかれたときに感じた温もりを・・・

外村はそんな淳平を見て気づいた。

(真中が、つかさちゃんを気にしてる・・・!?)

(もしかしたら・・・完全には忘れてないのかもしれない・・・)

「どうかしたか?」

あえて、何も気づかないふりをして聞く。

「あぁ・・何でもねぇよ!!」

少し戸惑いながら応える淳平。

そんな淳平を見て思う人がまた一人・・・

(真中君・・・もしかして・・・西野さんの事・・・)

綾だった。

綾は不安になる。

淳平がつかさの事を思い出してしまう事を・・・

せっかく手に入れた淳平。 誰にも渡したくない・・・ どんな形でもいいから淳平が欲しかった。

「真中君!! 考えすぎるのは良くないよ!!」

綾が話題を変える。

「んあぁ・・・そうだな・・・」

そう言うと淳平はまだ腑に落ちない感じでベッドに座った。

「退院したら・・・デートしよ?」

突然の綾の申し出、淳平は顔が赤くなる。

「デ・・・デートォォォォ!?」

「うん!!」

綾はニコっと笑う。

「そ・・・そうだな・・久しぶりに会ったんだしな・・・」

淳平も半ば困りながらも了承した。

「あぁ〜いいなぁ!!」

「綾ちゃんとデート!!」

小宮山が突然騒ぎ出す。

「小宮山・・・お前・・居たの?」

淳平が思わず言ってしまった。

「グハ・・・お前・・薄情なやつだなぁ〜」

小宮山の目からは涙が流れそうだった。

「唯も気づかなかった!!」

さらに唯も追い討ちをかける。

「そ・・・そんなぁ〜」

小宮山は、とても悲しそうだった。

それとは対照的に辺りは笑い声に包まれる。

しかし、その笑いは心から笑えるものではなかった。

そんな中、外村は確信した。

(つかさちゃん・・・真中はつかさちゃんのことを完璧に忘れたわけじゃない・・・)

(まだ・・希望はあるんだ!)

そう心の中でつかさに呼びかけた。



その頃・・・つかさは・・・・


[No.542] 2007/10/09(Tue) 01:28:52
二つの心 第十八話「大草の作戦」 (No.542への返信 / 19階層) - あーまん

第十八話「大草の作戦」




病院の屋上。

空は夕暮れに染まっている。

そこの隅にうずくまって一人泣いている美少女。

西野つかさ。

「ヒック・・・グスン・・・」

「そんなぁ・・・ こんなのって・・・」

「・・・ヒドイよぉ・・・・」

「淳平くん・・・ヒック」

その目からは大量の涙が流れている。

とてもじゃないがいつもの元気いっぱいのつかさの影は見えなかった。

淳平とむやみに会うことさえも出来ない。

何度もすれ違いの中でようやく結ばれた二人。

それだけに、つかさの思いはとても深かった。

深い絶望がつかさの心を蝕む。

「なんで・・・なんで・・・」

言葉にすら出来ない悔しい想い。

つかさは、これからどうすればいいのか分からなかった。



そんな時・・・・




「西野!!」


つかさを呼ぶ声がした。

(淳平くん!?)

思わず振り返る。

つかさは、どんな声でも淳平に思ってしまっていた。

しかし、つかさはまた落胆する。

「西野!! 大丈夫か??」

「大草くん・・・・」

大草だった。

つかさを探しに来たのだ。

そしてつかさはさらに泣き続ける。

「ヒック・・・・ヒック・・・」

そんなつかさを見て大草はつかさの側に寄り添って肩を掴む。

「西野・・・今は思いっきり泣きな・・・」

「俺が・・・しっかり受け止めるから・・・」

「だから・・・今は泣いていいよ?」

大草の優しい言葉。

その言葉がつかさの涙腺をさらに広げた。

「大草くん・・・・!!」

思わずつかさは、大草の胸に顔を埋めた。

今のつかさには大草の優しさがありがたかった。

「大丈夫・・・大丈夫・・・」

そう言いながらつかさの頭を撫でる大草。

しかし、顔は少し笑みを浮かべていた。 

もちろん、つかさは見えていない。

(とりあえず・・・・ここまでは成功だな・・・)

大草の作戦。

とりあえず、今はつかさに優しくするのに徹していた。

そして、徐々につかさに心を開かせるのである。

「俺が・・着いていてやるからな・・・」



しかし、次のつかさの言葉が大草を不快にさせた。

「淳平くん・・・・淳平くん・・・」

つかさは、大草の胸に顔を埋めながらもただ、淳平の名前を連呼していた。

(クソ・・・・ そう簡単にはいかないか・・・)

そう思いながら、大草はつかさの頭を撫でていた。







しばらく経った後・・・・

「あたし・・・どうしたらいいんだろう・・・」

つかさと大草は並んで座っていた。

「淳平くん・・・思い出してくれるのかな・・・」

呆然と独り言のように言うつかさ。

「それは・・・分からない・・・」

「でも・・・西野が辛い思いをするんだったら、忘れたほうがいいんじゃないか?」

「!?」

ストレートに言う大草。

それに対し、びっくりしてしまうつかさ。

「な・・・何で・・・」

思わず言葉が出る。

「俺だって、真中と西野にはうまくいって欲しかった!!」

「でも、・・・真中も辛い思いするんだろ??」

「もちろん・・・これは、最悪の場合だけど・・・」

それを言い終わるとしばらく沈黙が流れた・・・・





「でも・・・・淳平くんと別れるなんて嫌だよ!!」

突然つかさが立って大声で言った。

「あたしは・・・信じるよ・・・淳平くんの記憶が戻ることを・・・」

言葉では前向きである。

しかし、表情は依然暗いままだった。

大草はそんなつかさを厳しい視線で見ている。

「そろそろ戻らなきゃね・・・ ありがとう大草くん・・・」

そう言うとつかさは階段の方へ向かっていった。

大草はその場に立つと、少しため息をつき

「まだまだだな・・・・」

「でも・・・・いつまでその意志も持つかな・・・・」

そうニヤリと笑い、ゆっくり歩きながら階段のほうへ向かっていった・・・


[No.551] 2007/10/17(Wed) 23:50:17
二つの心 第十九話「苦悩」 (No.551への返信 / 20階層) - あーまん

第十九話「苦悩」




「あたし・・・とんでもないことしちゃったのかな・・・」

トイレの洗面台の前に立ち、呆然と鏡越しの自分の顔を見ているさつき。

「まさか・・・こんな事になるなんて・・・・」

初めは軽い気持ちで大草の誘いに乗り、淳平を奪う気で居たのだが、今となっては、その気は失せてしまっていた。

寧ろ、『淳平が好き』という感情さえも、あるのか無いのかさえ分からなくなっていた。

それ以上に、自分が仕出かした事の大きさに気づいてしまったがために、淳平、つかさに対する申し訳なさでいっぱいなのかもしれない。

「あたし、本当にどうすればいいんだろう・・・・」

さつきの中にある迷い・・・・

それは、『真実を告げる』か『このまま知らない顔をする』かの二択である。

客観的に見れば、すでにどちらが正しいのかは一目瞭然だ。

事実、さつき自身、どうするべきか答えは分かっている。

しかし、真実を話して、みんなとの関係が壊れることをとても恐れていた。

「違う・・・するべきことは分かってるんだ・・・・」

「だけど・・・・・・・」

「あたしって、ズルイ女・・・・」

フッと自重したように笑う。

そして、自分の顔を凝視する。

「ははは・・・・ヒドイ顔・・・」

そこには、今まで見た事の無いような暗い顔があった。

いつも元気なさつきからはとても想像出来ない顔。

「あたしって、こんな顔してるんだ・・・・」

なんとも悲しくなるさつき。

次の瞬間、その顔から大量に涙が流れてきた。

頬を伝い、床にポタポタと落ちる涙。

その涙はとても止まりそうに無い。

そして、さつきはその場に崩れ落ちた。


「ヒック・・・ヒック・・・・ごめんなさい・・・・」


「真中・・・西野さん・・・本当にごめ・・・ごめんなさい・・・」


「ヒック・・・ごめ・・・ご・・・めんなさい・・・」


ただその場で、ひたすら『ごめんなさい』を連呼するさつき。

あまり人が来ないトイレ・・・・

さつきの声が響き渡っていた・・・

しかし、それでもさつきは決心することが出来なかった・・・・






その頃、病室では・・・・・

「はははは・・・・」

笑い声が飛び交っていた。

しかし、それは淳平以外心から笑えるものではなかったのであるが・・・

「しかし、さつきとか大草遅いな〜」

すっかり元気になった淳平が口にする。

淳平はすっかり元気を取り戻していた。

それは、泉坂の友達が会いに着てくれた効果かもしれない。

「確かにな・・・何やってるんだろうな〜」

外村は、適当に淳平に合わせながら、つかさに関しては内心では分かっていた。

(つかさちゃんは、中々戻って来れないよな・・・泣いてるんだろうな・・・)

しかし、つかさの事は分かるがさつきの事は分からなかった。

(北大路は・・・どうしたんだろうか・・・)

外村はあれこれと考えるものの、全く検討がつかなかった、

(まぁ、北大路もショックなんだろうな・・・)

(それよりも・・・一体、誰がこんなメールを送ったんだ・・・)

「外村!!!」

突然大きな声がした。

「うわぁ!?」

深く考え込んでいた所を、急に大声を出されたのでとても驚いてしまった。

「全く・・・お前が上の空なんて珍しいな。」

そう言いながら苦笑する淳平。

「本当だね〜 こんな外村君始めてみた。」

綾も笑っていた。

外村も苦笑して

「悪い・・・悪い・・・ で、なんだっけ?」

外村が尋ねると

「だから、俺、退院したら久しぶりに泉坂に行こうと思ってるんだ!」

淳平が笑顔で話す。

「おぉ!!そうか・・・・それもいいかもな・・・」

(もしかしたら・・・つかさちゃんの事を思い出すかもしれない・・・)

「だからさ、退院まで一週間もあるし、せっかくだけど泉坂に先帰っててくれないか?」

「そっか・・・・分かった。」

そう言って、外村は回りの人たちに顔で同意を求めた。

小宮山も、唯も、綾も頷いてOKサインを出した。

「じゃあ、泉坂でデートしようね♪」

綾が淳平の顔を笑顔で見ながら声を弾ませた。

「ハハハ・・・・そうだな・・・」

淳平は顔を真っ赤にしながら照れていた。

そんな光景を、他の三人は複雑そうな顔で見ていた。


そんな時、ドアが開いた。

ガラガラガラ・・・・

「あ・・・・」

淳平は思わず声を出す。

つかさだった。

顔はとても疲れているように見える。

おそらく、相当泣いたのだろう。

しかし、つかさはそれでも無理に笑顔を作っていた。

「つかさちゃん・・・」

外村が声をかける。

「大丈夫だよ・・・」

つかさはそうは言ったもののまるで元気が無かった。

(大丈夫じゃ無いだろ・・・・)

外村は心ではそう思うが、口に出来ない。

つかさは、そのまま無言で立っていた。

そして、外村はこれからの予定をつかさに淳平に聞こえない程度で話し始めた。

つかさは、ただ頷いて聞いていた・・・

しかし、淳平が泉坂に来る、という知らせを聞いたときはわずかに眼が大きくなった。

そんな中・・・

(西野って言う人・・・・)

(なんだろう・・・・初めて会った気がしない・・・・)

淳平は一人考えていた。

綾はそんな淳平を不信に思い。

「真中くん??」

綾が声をかけてきた。

「あぁ、何でもないよ。」

軽く笑みを浮かべて答えた。

(きっと、西野さんの事考えてたんだ・・・・)

綾にはなんとなく分かった。

やはり綾からは危機感が消えなかった。



「そっか・・・泉坂に帰るんだね・・」

「うん・・・そういうことだから、もう少ししたら帰ろう。」

「分かった・・・じゃあ、先外行ってるね・・・」

外村と話し終わったつかさは、早々に病室から出て行こうとした。

(これ以上淳平くんの顔を見るのが辛い・・・)

つかさはそう思ったのである。

そして、ドアに手をかけようとした瞬間・・・

「西野さん!!!」

不意に淳平が声をかけてきた。

つかさはびっくりして、淳平のほうへ顔を向ける。

淳平は手で顔をかきながら

「あの・・・助けてくれて・・・ありがとう!」

と、言った。

それを聞いたつかさは、ニコっと淳平に笑いかけ、そのまま病室から出て行った・・・・


[No.684] 2007/12/05(Wed) 03:01:13
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