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   CLOTH EPISODE 第零部 概要 - シン - 2007/08/22(Wed) 16:03:09 [No.452]
CLOTH EPISODE 第零部 プロローグ - シン - 2007/08/22(Wed) 16:24:02 [No.454]
CLOTH EPISODE 第零部 第1話 - シン - 2007/08/22(Wed) 17:09:12 [No.455]
CLOTH EPISODE 第零部 第2話 - シン - 2007/09/04(Tue) 22:27:33 [No.503]
CLOTH EPISODE 第零部 第3話 - シン - 2007/10/18(Thu) 23:45:45 [No.560]
CLOTH EPISODE 第零部 第4話 - シン - 2007/11/28(Wed) 22:25:31 [No.652]
CLOTH EPISODE 第零部 第5話(中断中) - シン - 2007/12/02(Sun) 22:44:51 [No.671]



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CLOTH EPISODE 第零部 概要 (親記事) - シン

この作品は、前に執筆していた『見えない明日・見える未来』のリメイク版です。
ストーリー上、問題のあった話を修正しているので、本来の作品と大きく変わっているところもあります。

また、キャラ設定の変更などによって、完全に消滅したキーワードもあります。
ですが、物語の本筋を変えるつもりはありません。

また、相変わらずの亀更新です。



第零部は、元の作品の『Xナンバーストーリー』とさせていただきます。
よって、いちご100%本編に登場したキャラは皆無です。
第零部のタイトルは、『夢は見えているか』です。

ただし、第一部と平行して執筆して行こうと思います。


[No.452] 2007/08/22(Wed) 16:03:09
CLOTH EPISODE 第零部 プロローグ (No.452への返信 / 1階層) - シン

プロローグ「夢は潰える」




その男は泣いていた。

全身に夥しい数の傷跡を残すその男は泣いていた。

「畜生……ちく…しょうっ!」

涙が止まらない。
止められない。

手には小さな箱がある。
だが、その中身を『彼女』に渡す事は無かった。
いや、渡せなかった。

そんな彼を心配そうな表情で見つめる者が4人。
だが、彼らでは彼の悲しみを鎮めることは出来ない。



彼らは知っていた。

彼のそばに誰がいたのかを。
彼の心の拠り所が何だったのかを。
彼の夢を支えていたのが誰だったのかを。

だから、彼らには何もできなかった。







季節は冬。

本来なら雪が降るのだろうが、雨が降り始める。
その雨は、彼の心を表しているようだった。



「うわあああああああああぁっ!」



響き渡る慟哭の叫び。

彼は再び孤独になった。
そして、彼の夢は潰えたのだ……


[No.454] 2007/08/22(Wed) 16:24:02
CLOTH EPISODE 第零部 第1話 (No.454への返信 / 2階層) - シン

第1話「それは全ての始まりとなる死」




季節は夏。
そして、今はお盆の終わり。

Uターンラッシュによる渋滞の中、一台の車が家路を急いでいた。

「マズいマズい……流石に仕事前に休息は取りたいが……」

一家の主は急いでいた。
明日から仕事に戻らなければならないというのに、時計は既に6時を示している。

当然の事だが、辺りは既に夕焼けに包まれている。
だが、それでもUターンラッシュの車は一向に減らない。



この車が渋滞を抜け出したのは、夜の9時だった。
ちなみに、今から急いで家まで帰ったとしても、家に着くのは10時を過ぎる。
夕食の事も考えると、就寝が相当遅くなるのは目に見えている。

とりあえず渋滞を抜け出し、一息つく主とその妻。
だが、後部座席に座る者たちは不機嫌だった。

「オイオイ、俺は明日からまた補習だってのに、これじゃ疲れが取れないぜ」

先に文句を言うのは3人兄妹の長男と思われる少年。

「ホントホント。いつになったら家に帰れるのよ」

続いて文句を言うのはその妹。

ところが、一番下の次男は、不機嫌ながらも冷静に状況を見ていた。

「(兄さんも姉さんも、田舎で散々楽しんでたくせに……)」

だが、そんな事を考えても仕方が無い。
まだ中学生と思われるその少年は、思案を中断して暫しの仮眠を取る事にした。





少年は夢を見た。

全身傷跡だらけの少年…恐らく、兄と同年代だろう。
その少年が、黒髪の少女と戯れている。
少女もまた兄や姉と同年代に見える。

だが、その少女は突然砂のように崩れ去る。
そして、少年の慟哭が響き渡る。

気になったのは、その少女の顔が幼馴染に似ているように見えた事だ。
だが、夢の中でそんな事を考えても頭が正常に働くはずも無い。

少年は、その夢をすぐに忘れてしまった。






…いや、忘れる事となった。
彼を夢から引きずり出したのは、父親の声だった。

「なっ!?車が……!?」

その直後、彼に横殴りの衝撃が襲い掛かった。
凄まじい衝撃で、彼の頭は本格的に覚醒する。

だが、同時に彼の意識は消えた。
覚醒した脳だが、今度はあまりの衝撃に耐えられなかったのだ。









[ニュースです。今夜9時40分ごろ、東京都○○区にてトラックと乗用車が衝突し、乗用車に乗っていた中間健さんなど4人が死亡、一人が重態との事です]
[この事件でトラックに乗っていた運転手を業務上過失致死の現行犯で逮捕しました]
[調べによると運転手は、酒に酔ったまま運転しており、信号に気付かず直進した結果、中間さんの乗用車に衝突したとの事です]

その少女はそのニュースをただ呆然と見ていた。
その目は虚ろで、本当にテレビの内容が分かっているのか分からない。

だが、間違いなくある一点を見つめていた。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

死亡 中間健さん(42歳)
   中間裕子さん(41歳)
   中間健人さん(17歳)
   中間優実さん(16歳)

重態 中間健治君(13歳)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



ただ、『重態』の部分だけを見つめていた。
彼女は気付かない内に、涙を流していた。

そして、彼女の家族もまた涙を浮かべていた。







続く


[No.455] 2007/08/22(Wed) 17:09:12
CLOTH EPISODE 第零部 第2話 (No.455への返信 / 3階層) - シン

第2話「繋がった命」






「急げ!モタモタしてるとこの子も駄目になるぞ!」

「ってか、これはもうヤバイってレベルじゃないだろ!」
「これでよく生きてるな!」

「そこ!軽口叩いている暇があったら、緊急手術の準備を手伝って!」

泉坂総合病院
そこでは医師と看護師が慌しく走り回っていた。
運び込まれた重態患者の緊急手術のためだ。

4人が即死したこの事故、
ただ一人生存していた少年もまた、既に虫の息だった。
並の病院では手がつけられない状態に陥っていたのだ。

「黒笹先生!患者が到着しました!」

「うむ、分かった……」

大急ぎで患者の少年を確認する医師。
だが、その医師は到着した少年を見て思わず唸った。

「…何と言う事だ……!」

その少年は本当に見るも無残な状態だった。
全身は血まみれで、その体には『赤』以外の色がほとんど見当たらない。
そもそも、生きているのかどうかすらハッキリしない。
…生きている事の方が不思議である。

「…緊急手術だ!急げ!」
「もう時間が無いぞ!」

その医師は周りにいる看護師たちに命じる。

指示を受けた看護師たちは一瞬戸惑う。
何しろ、誰がどう見てもこの状態からの回復は絶望的だからだ。

だが、戸惑いは一瞬だった。
この医師が望みを捨てていない以上、彼らも望みを捨てるわけにはいかなかった。



……そして、手術は始まった。



その医師の動きはまさに『神業』だった。
普通なら切除以外に方法が無いような傷口でさえ、あっさりと繋げてしまう。

……だが、それでもこの手術が長引くのは間違いなかった。








長い手術が終わったのは、いつだっただろうか。
少なくとも、いわゆる『マラソン手術』だったのは間違いない。

「術式終わり…後は彼の生命力に任せるのみだな……」
「私は少し……寝るぞ……」

そう言うと、その医師はいきなり崩れ落ちてしまった。
いや、既に寝てしまっている。

無理も無い、
深夜より始まった手術は、朝まで続いていたのだから。















その少年、中間健治は黒い霧の中にいるようだった。
何も見えない
何も聞こえない

「(マジで俺…死んだのかよ……)」
「(って、そりゃそうか)」

そんな事を考えても、何も変わらない。
何の意味も成さない。

そんな中、1滴の雫が顔にかかる。

「(雨?いや、何でだよ)」
「(意味分かんねえ……)」

だが、その雫は数を増す。
間違いなくそれは雨になっていた。

「(何なんだよ……全く)」

そう考えていると、ゆっくりと視界が開けていく。





「(……女…?)」
「(って、待てよ…真矢じゃねえか……いや、それより)」

「(何でここに……俺がいる?真矢もいる?)」

健治は、何故ここにいるのか理解できなかった。
(もっとも、何が起こっていたのかすら理解できていなかっただろうが)





続く


[No.503] 2007/09/04(Tue) 22:27:33
CLOTH EPISODE 第零部 第3話 (No.503への返信 / 4階層) - シン

第3話「目覚ましは冷たい雫?」






健治はゆっくりと状況を飲み込もうとしていた。

目の前には、幼馴染の少女がいる。
どうやら、顔にかかった雫はその少女の涙だったらしい。

そして、周りでは看護婦たちが慌しく駆け巡っている。
恐らく自分が目を覚ましたのが理由だろう。

健治は何かを言いたかった。
だが、言葉は口から出なかった。
人工呼吸器が邪魔なのだ。

「健治くん…う、うわああああん……」

そんな声が耳に入った。
目の前にいる少女の声だ。

「(俺は…生きているのか?)」

顔にかかる涙の雫、
それが、健治に『生』を実感させた。



次に健治が始めたことは、状況の確認だ。
記憶がかなりあやふやになっているが、事故に遭った事は何となく覚えている。

「(ってことは…ここは病院で間違いない…)」
「(まあ、真矢も死んでいるってのなら話は別だろうけど……)」
「(それにしても、俺……どんな怪我したんだよ?)」

動こうにも全身に全く力が入らない。
痛みは感じないが、相当酷い怪我をしている事は容易に想像できる。

「(っと、俺の頭も大丈夫…だよな?)」

体が満足に動かない事が分かった健治は、何となく自分の記憶を探り始めた。

「(え〜っと、俺の目の前にいるのが東堂真矢……で間違い無いな)」

セミロングの艶やかな黒髪が特徴的なこの少女の名は東堂真矢。健治の幼馴染である。
その顔は、黒曜石を思わせる大きく濡れたような瞳が印象的で、顔立ち自体もとても整っている。
また、その身体もこの年にしては発育がよい。
それだけに、学校中でもかなりの人気がある。
とは言っても、彼女自身の控えめで内気な性格ゆえに、この状況にはあまり慣れていないというのが現状である。

「(…大丈夫だ、俺の頭も大丈夫だな)」

健治は真矢について思い浮かべながら、頭に障害が無い事を簡単に確認する。



それから数分の後、主治医であると思われる医師が病室に現れた。
丸い縁取りの眼鏡をかけた中年の医師である。

「あ〜中間健治くんだったね。聞こえるかな?」

健治はとりあえず無理が無い程度に体を動かし、聞こえていることを知らせる。
もっとも、身体が殆ど動いていないわけだが。

「ふむ、大丈夫なようだな」
「では…君に何が起こったのか……話すけどいいかね?」

健治は静かに、彼の言葉を受け入れる旨を伝える。
もっとも、やっぱり体が殆ど動かないので、伝えるのに一苦労な訳だが。





そして、健治は全てを知った。

家族が彼を残して全滅だと言う事、
1週間もの間、昏睡状態に陥っていたと言う事、
元のように体が動く保障はできないと言う事、

それらは、健治の心に暗い影を落とすには十分すぎた。






続く


[No.560] 2007/10/18(Thu) 23:45:45
CLOTH EPISODE 第零部 第4話 (No.560への返信 / 5階層) - シン

第4話「薄情者!?」






健治が目を覚ましてからさらに数日後、
今、彼は傷の完治を待たずに厳しいリハビリを続けていた。

「う…くそっ、まだまだ…」

未だに傷が疼く体に鞭を打ち、必死でリハビリを続ける。
真矢は毎日病院を訪れていたが、そんな彼を真矢は見守る事しかできない。
真矢の心に、どうしようもないもどかしさが漂っていた。





夏休みも終わりに近づいたある日、

「何だ、そんな事か」
「お前なら、そのくらいは一人で解決できると思ったがな」

「だってぇ…本当にあたし、何もできないんだもん……」

「本当にそうか?お前はそんなに弱いとは思えないが…」

真矢は、友人たちに自分に何ができるのかを聞いていた。
今の健治には、真矢が入り込める余地が見当たらないからである。

真矢に対し、やや冷たい言葉を投げかけたのは、一ノ瀬広樹。
健治の幼馴染の一人である。
眼鏡を掛けたその顔は理知的な印象を与えると同時に、年の割りにどこか冷酷な印象も与えている。
また俗に言う『天才』で、学力的なものだけでなく洞察力や推理力にも優れている。
体は決して大きくないが、頭脳で勝負すると言ったところである。

「まあ言うなよ広樹…真矢って昔から健治なしじゃ何もできねーような奴だしさ」
「健治があんなになって、あたふたするのもよく分かる」

「裕紀くん!」

真矢をからかったのは、同様に健治の幼馴染である赤原裕紀である。
ほぼリーゼントに近い髪型で、顔立ちも『不良少年』を思わせるものがあるが、これでも広樹同様に健治の友人である。
義理堅い性格もあり、時には良き友人として健治を助ける事もある。
ちなみに外見は不良少年だが、先ほどのようにからかったりするなど、ムードメーカー的な側面も持っている。

「ま、面倒だけどいい加減俺たちも見舞いに行くべきなんだろうな…」
「リハビリ始めてから、一度も見舞いに行ってないんだしよ…」

「英雄、お前が一番面倒くさがっていたんじゃないのか?」

続いて口を開いたのは、松井英雄。
健治とその友人たちの中では一番体が大きく、既に中学生離れしている。
また、この面子の中ではなぜか一人だけ黒髪ではなく銀髪であり、それが強い印象を与える。
かなり野球が得意で、左腕として将来を有望視されているという一面も持っている。
一方で言動や行動はかなりいい加減で、広樹の言葉にあるように彼らが健治のお見舞いにあまり行かなかったのは、彼が面倒くさがったからである。

「まあどっちにしても、さすがに今日くらいはお見舞いに行くべきでしょ?」
「どんなリハビリしてるのか、私もちょっと気になるし」

ここで彼らをまとめたのは、彼らの姉貴分である青木葵。
彼女は健治たちの1つ上の先輩に当たり、姉貴分として皆をまとめあげる立場でもある。
年齢的には1つしか違わないのに、彼女はかなり大人びており、まさに『頼れる姉貴』である。

「んじゃ行きますか!健治のお見舞いによ!」

「裕紀、お前が仕切るな」

「んだとコルァ!」

広樹と裕紀が些細な事から喧嘩を始めてしまった。
英雄は完全に傍観者となっており、葵も笑いながら眺めているだけなので、結局傍観者である。
一方で真矢はどのようにして彼らを止めるべきか困っていたが、同時に安心もしていた。

「(やっぱり…いつもと変わりないんだなあ……)」

いつもと変わらない面々に安堵の表情を見せる真矢。
だが、健治の怪我を心配する素振りすら見せない彼らの事を、人は『薄情者』と呼ぶ事もあるのだが……
もっとも、真矢には無縁の言葉でもあるのだが……






続く


[No.652] 2007/11/28(Wed) 22:25:31
CLOTH EPISODE 第零部 第5話(中断中) (No.652への返信 / 6階層) - シン

第5話「薄情者はここにいた?」





「ったく……宿題が何で無いんだよ……」

健治はブツブツ言いながら、ベッドの横に据え付けられた棚を漁っていた。
もうすぐ夏休みが終わるというのに、宿題がまだ全て終わったわけではない。
なのに、病院に持ってきたはずの宿題がいつのまにか無くなっていたのだ。

そんな時、部屋の扉がノックされた。

「ん?どうぞ……って、」
「お前らかあああああああっ!」

来客は、真矢と友人たちだった。

健治は絶叫した。
そして、完全に塞がりきっていない腹の傷口が開いてしまったのか悶絶した。

「お〜い、大丈夫か〜?」

「これのどこが…大丈夫なんだよ……ゴフッ」

完全に他人事としてしか見ていない英雄を、やや恨みがましい目で見る健治。
だが、声からして相当堪えているらしい。
裕紀がドサクサにまぎれて健治の尻をつねったが、全く反応しない。

「返事が無い、ただの屍のようだ……っと」

「裕紀くん、勝手に殺しちゃ駄目でしょ」

(時間が無いので中断


[No.671] 2007/12/02(Sun) 22:44:51
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