クリスマスが過ぎて数日がすぎたある日、西の空がかすかにオレンジ色になりかけたころここ泉坂高校の屋上に1人の男子生徒のすがたがあった。生徒の名前は真中淳平。今日は映像研究部が早く終わったのでこの場所に来ていた。そして沈むゆく夕日に向かってなにやらつぶやき始めた。 「はぁ〜・・西野、ごめん・・」 淳平には、西野つかさというめちゃくちゃかわいい彼女がいた。だが先日のクリスマスに彼女の方から別れてほしいと告げられた。実際、淳平にはもう1人好きな子がいてどっちかというと今はそっちのこの方が好きだった。でもいざ別れようと告げられると悲しくなってきた。 「ごめんな・・・俺が優柔不断なばっかりに・・・」 涙も出てきた。それだけショックだったのであろう。いつのまにか夕日は完全に沈み西の空はこれ以上に無い鮮やかなオレンジに染まり、東の空はかすかに暗くなってきた。 「ごめん・・・ごめん・・」 何度も何度もごめんとつぶやいているとギィーという音とともに扉が開いてそこには1人の女性徒が立っていた。女性徒の名前は東城綾。西野に負けず劣らずの美人である。 「真中く〜ん、あれいないのかな?」 屋上を見渡してみるとフェンスに寄りかかっている淳平を見つけた。今立っている場所から淳平がいるところまで15mぐらいだろうか彼にたどり着くまで2回もこけた。さすがに淳平もその音に気づいて振り返り彼女の元に駆け寄り、起こそうと手を差し出した。 「こんな時間にどうしたの?」 制服についたほこりをはらいながら言った。 「今まで図書室で本を読んでて帰ろうと思ったら、真中君の靴がまだあったから。もしかしたら屋上かなって思って来てみたのそういう真中君こそこんな時間までどうしたの?」 「俺は、その〜・・・(西野のことを思って泣いていたなんて東城には言えない)」 そういって西の空を見るとすでに闇に包まれていた。風も出てきて少し肌寒くなってきた。 「俺は、今日は暖かかったし屋上の風景を眺めるのも悪くないかなって」 正直、淳平は東城のことも好きであった。淳平が中3のとき屋上で見た東城に恋をしてそれを勘違いして西野に告白したのだが、西野と付き合っているときも東城のことは頭から離れなかった。 「そういえば、西野さんとはうまくいってるの?」 「えっ・・・(なんで西野の話なんかするんだ?)」 「クリスマスはどこか行ったの?」 「(東城やめてくれ)」 「あっ、クリスマスはバイトしてたんだったね」 そういって淳平の顔を見るとあることに気づいた。 「泣いてたの?」 「そんなこと無いよ」 すると東城はやさしい笑顔で話しかけた。 「何があったの?真中君。私でよかったら話してみて。」 「だから、なんでもないって。大丈夫だから」 「大丈夫なわけない。さっきの真中君の顔、悲しそうだったよ。」 そういって淳平の正面に立って言った。 「私は真中君がいなかったら今の自分はいなかった。だから今度は私が真中君を助けてあげる番。だから、真中君の悩み、苦しみ、悲しみ、何でもいいから私にぶつけて」 そういうと淳平の目からは涙が零れ落ち、東城の思いに答えた。 「・・・西野と別れた・・・」 それを聞いた東城は最初は驚いたが、いつの間にか淳平をやさしく抱き寄せていてこう言った。 「私がいるよ。」 「えっ・・」 「私がいるよ。私がいるから。だから今度は真中君の好きっていう気持ちを私にぶつけてほしい。私じゃだめかな?」 そんなやさしい言葉に淳平は大粒のなみだを流して言った。 「ありがとう、東城。これからは俺の好きをいっぱいいっぱい東城にぶつけるよ。だからこれからもよろしくな。」 「うん」 屋上から見える昼とは違った光り輝く町並みを見ながら2人は手をつなぎながら屋上を後にした。
感想:なんでこんなふうになったのだろう。小説って難しい・・・
[No.52] 2006/01/25(Wed) 01:07:44 |