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No.56に関するツリー
KENT〜クリスマスの時間〜
- ニア -
2006/01/30(Mon) 22:37:15
[No.56]
└
KENT〜つかさの最期〜
- ニア -
2006/02/17(Fri) 23:39:20
[No.57]
└
KENT〜流れ星の夢。〜
- ニア -
2006/03/01(Wed) 11:43:39
[No.60]
└
KENT@last story〜Bye My Girlfriends・・・.〜
- ニア -
2006/04/04(Tue) 20:44:28
[No.63]
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KENT〜クリスマスの時間〜
(親記事) - ニア
その物語は、泉坂の華やかなクリスマスツリーから始まった。
クリスマス。みんなの時が楽しく流れる時間。だが俺、真中淳平は違う。俺はタバコに火をつけると、その煙を吐き出した。・・・凍えた空の下、俺はのんびりタバコをふかしていた。未成年だとわかっていてだ。成年だの未成年だの、そんな事ばかばかしい。そろそろ学校があるのに、俺はのんびりしすぎているのか?もちろん俺に彼女がいるわけないし、家族は親父一人。母さんは生まれた直後に死んだと言われた。そろそろ帰らなくては。警察のおっさんもこの時間になるとうるさい。
[No.56]
2006/01/30(Mon) 22:37:15
KENT〜つかさの最期〜
(No.56への返信 / 1階層) - ニア
「どうして彼女がいないの?」
とよく聞かれる。俺はこう答える。
「女には興味が無いから。」
だが実際は違う。本当のことを今、語ろう。
俺にはもちろん彼女がいた。名は西野つかさと言った。西野とは・・・それほど仲が良かったとは言えない。いつも喧嘩ばかりしていたと言うわけでもなかった。なんとも微妙な関係が続いていたんだ。
だが西野は他の女の子に比べてあまりにも完璧すぎた。髪の毛は適度に長く、しかも綺麗に整えられていて、その口からは綺麗なソプラノが奏でられた。そして、笑顔は素敵だった。
ある日のことだった。高校の卒業式の日だった。俺は体育館裏で学園ドラマでよくある“あれ”をされた。
「私、いつも思うんだけど、」
いつもの西野とは違う、まじめな顔だった。
「何だよ。お前らしくないぞ。」
俺は笑顔で答える。
「淳平くん、私のことが本当に好き?」
「何言ってるんだよ。好きじゃなきゃ、お前の彼女にはなってないさ。」
「そうか、そうだよね。」
西野はいつもの西野らしい笑顔に戻っていた。だが、南の表情はすぐに変わった。
「私ね、パリに行くことになったの。」
「パリ?何で。」
「実はね、お菓子の作る仕事をしたいから、留学をするんだ。」
「・・・そうなんだ・・・。」
「だから、別れる前に写真撮ろうよ。」
「いいよ。」
俺と西野は写真を撮ると、近くのカメラ屋さんに現像しに行った。
「あ、そうだ。それともう一つ。」
西野は制服のポケットからなんかのキーホルダーを取り出した。
「これ、思い出に。」
俺も何かあげなきゃ悪いと思って、ケータイのストラップをあげた。
「お礼にこれ、やるよ。」
そして現像を待っている間、ケータイのカメラでふたりの顔を撮ったりしていた。現像ができたので、西野は
「じゃあね。」
と言うと、去ろうとした。
「家まで送るよ。」
俺が言うと西野はやさしく
「いいよ。」
と笑顔で断った。いや、実際は笑顔ではなかった。俺も西野も完全に泣いていた。俺は涙で完全に視界がぼやけて、何も見えなかった。
西野との想い出はそこで途絶えた。翌日日本を出たパリ行きの便は1時間後に北朝鮮のミサイルによって撃墜され、乗客もろともあっけなく死んでしまったからだ。・・・それ以来俺は人を愛せなくなった。今日も夢で西野が俺に優しく手を振っている。俺の目の前から遠ざかりつつ。
「西野ぉー!」
と叫んだとき、俺は目を覚ました。ふと気がつくと、もう朝であった。小鳥はさえずり、どこかやさしい光が俺を包んでいた。
(・・・あれ?ここどこだろう?)
俺は自動販売機にもたれかかって寝ていた。
(・・・ああ。いつものところか。)
いつものところと言うのは、俺が考え事をするときに行く場所であった。ここなら警察も来ないし、安全だからだ。
今日は昼から外村が遊びに来る。部屋を片付けとかなきゃ。俺はのんびり家に向かって歩き出した。
[No.57]
2006/02/17(Fri) 23:39:20
KENT〜流れ星の夢。〜
(No.57への返信 / 2階層) - ニア
外村は帰り、家に静寂が走った。俺はタバコを取り出すと、それに火をつけた。今日はバイトもない。暇で仕様がない。アドバンスを取り出すが、今日に限って面白いと感じられない。俺は火をもみ消すと、夕食を食べて寝ることにした。疲れていたのだろう。ぐっすり寝てしまった。
目を覚ますと、雨が降っていた。そこには西野がいる!おれは一瞬、目を疑った。だが、パツキン、セーラー服。間違えようがなかった。俺はなぜか学ランを着ていた。西野が話す。
「あーあ。濡れちゃったね。」
(・・・え?)
俺は一瞬、動揺した。俺の学ランも濡れていた。この光景どこかで見たことがあるような・・・。とりあえず俺は、
「そ、そうだね。」
と、答えた。
「シャワー浴びてきてもいいかな?」
「ああ。ちょっと待ってて。」
俺は給湯器をつけるために、風呂場へ行った。俺は、ハッと思い出した。
(思い出した!2年前の“あの日”だ!)
やっと思い出した。俺は西野に告白されたんだ。動揺した俺は心を落ち着けると、
「給湯器付けたよ。」
と西野に言った。少し声は上ずっていた。風呂場にバタンと言う音の後に、シャー・・・と言う音が耳に入ってきた。俺も着替えると、タバコに火をつけた。家の外では、バケツをひっくり返したような大雨が降っている。
5分立っただろうか。シャワーの音は途絶えた。続いて俺も入る。シャワーで現われては落ちて行く疲労。だが、俺の傷はそう癒えようとはしないようだった。シャワーから上がり、部屋に戻ると、西野は窓の外を眺めていた。外ではまだ大雨が止もうとはしない。しばらく沈黙が続く。カチ、カチ、カチ・・・。西野が話しかけた。
「ねえ・・・ちょっと、いいかな・・・。」
「な、なんだい?」
「淳平君、私のこと好き?」
「へ?」
「もう、離れたくないんだ。淳平君のそばから。」
俺の耳には雨の音さえ聞こえない。窓の外も見えない。突然、西野が覆いかぶさった。互いの口がふさがれる。だけど、そこからの記憶があやふやで、気がついたら雨は止み、夜になっていた。西野は寝ていた。不意に俺の口からため息が漏れる。西野も起きたようだ。ふと窓を見上げると、
「あ、流れ星だ。」
「本当だ・・・。」
一瞬で消えてしまった流れ星は、いくつもいくつも降って来た。俺と西野はいつまでも、流れ星を見ていた・・・。
ふと目を覚ますと、大雨が降っていた。西野は・・・いない。これが俺の現実。受け止めなくてはいけないもの。そう。そしてそれが・・・真実。
[No.60]
2006/03/01(Wed) 11:43:39
KENT@last story〜Bye My Girlfriends・・・.〜
(No.60への返信 / 3階層) - ニア
・・・また、春がめぐってきた。この日、西野と俺は別れを告げたんだ。去年の春は、絶望だった。きれいな桜の花の中、俺は一人で散歩をしながら、一人途方に暮れていた。だけど、今年は違う。
確かに西野のいない春なんて、寂しい気もする。だが、きっとこれが別れじゃないんだ。そう信じたい。
いつも、春になると俺と西野が始めてあった日を思い出す。あの日は今日のようにきれいだった。パツキンがゆれて夕日に映えた。それからだった。俺はいつも西野に「さようなら」と、涙ながらにいつ言われるかが怖かった。でも、とうとうその日が来て、本当に会えなくなってしまった。今度会うときは、どんな顔をして会おうか。俺は本当に西野に会う権利はあるのか。それは西野が決めることなのかもしれない。おれは、少なくともあと少しだけでもいい。西野のために生きて行こうと思う。
今年は希望の春になると願いたい。
・・・西野、君に会えてよかった。
そう思ったとき、ジャンパーのポケットからKENTの箱が落ちたのに気付いた。
[No.63]
2006/04/04(Tue) 20:44:28
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