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Part.2 ここはあたしの部屋。今、目の前には淳平くん。本当は、24日に会いたかったんだけど。 カチンコチンに固まってる・・・。 「やだな〜。もっと楽にしてよ」 「う、うん……」 ダメだ、淳平くんったら一人でニヤニヤしてて……。 CDを流してもまるで聞いてくれないみたい。まぁ、BGMになればいいかなと思って流しただけなんだけど。 お母さんもお父さんも、今日の帰りは遅いって言ってたし、ちょっとは期待できるかも。 多分、淳平くんもその気でいると思うんだけどな? 「―――俺 そろそろ帰ろっかな」 嫌だ。この間もそうだった。まぁ、あの時は仕方ないとは思うけど……。下着泥棒騒動があったから……。 「待って…。」 言ってしまった。 自分から誘いたくはなかった。大体、女の子から誘うもんじゃないと思うし…。 でも、私が誘えば乗ってきてくれると思った。 「や…、やっぱ待って―――」 「彼」はこう言った。このときの「彼」の目で全てが分かった。 …悔しかった。私は結局、東城さんに負けてっぱなしだ。 「彼」の頭の中にはいつも東城さんがいた。 東城さんには勝てない。もう諦めた。 「もう待てないよ」 「あたし…、気づいちゃった。あたしって何かを待つの苦手みたい」 「別々の高校に行ったのはやっぱ作戦ミスだったのかなー」 そう、「彼」からは動いてこない。いつも私から…。 「そっか、待つのが嫌になったから、連絡ももらえなかった一学期に別れようって決めたんだ」 「でも、あの時会って、まだ好きだって思ったのになぁ」 「だって、淳平くんといるとね、なんだかすごくワクワクしたんだもん!」 助けてもらったとき、「彼」のこと惚れ直したのに、私のことだけを考えててくれるとも思ったのに。 「文化祭の時には言わなかったけど、淳平くんが作った映画見て、あたし目の前で懸垂して告ってくれた淳平くんのこと考えてた」 「またワクワクさせてもらえたから、あたし、ずっと淳平くんと続ける気でいたんだけど、でも…、違うんだよね」 「今思えばあたしもあの映画の手伝いしたかった」 「もしあの映画をあたしのために作ったって言ってくれたとしても、あたしも観客としてじゃなくて、淳平くんの隣で、淳平くんの夢に巻きこまれてみたかったな」 …東城さんみたいに。同じ夢に向かって行きたかった。 夢に向かってひたすらな「彼」がうらやましく、また憎くもあった。 東城さんは……。 「大体さあ!こんなカワイイ娘が誰かをずっと待ってる恋していくのなんてもったいなくない?」 もう、待っているのは嫌だ。傷つきたくない。 でも、こんなことも言いたくない。私はまだ、「彼」が好きだ。だけど……。 「だから今度こそ、サ ヨ ナ ラ ……」 …私はダメな女だ。心の中で、一方的に「彼」を責め、東城さんを責めていた。 自分のことを棚にあげ、人を責めることしか出来ない……。 神様ごめんなさい、せっかくチャンスを頂けたのに。 [No.1115] 2005/05/07(Sat) 01:29:04 YahooBB220010136180.bbtec.net |