![]() ![]() |
![]() ![]() |
Prologue 一人の男が居酒屋から出てきた。 ひどく酔っている。何時間も飲んでいたのであろう。 「お客さん、タクシー呼びますか?」 「いいさいいさ、車で帰るらら」 もう呂律が回っていない。 「ちょっ、お客さん!危ないですよ。タクシー呼びますから、ちょっと待っててください」 「うるせぇ、俺は自分で帰るんらよ」 「大体、飲酒運転は違法です!」 「黙れ、俺は行く」 店員の忠告も無視して車に乗り込む。 そして、アクセル全開。ものすごい勢いで出発する。 「事故、起こさなきゃいいけど……」 「無駄、だったな。せっかく注意したのに」 「先輩。もし、事故なんて起こしちゃったらどうしましょう」 「安心しろ、お前は悪くない。しかし不安だ……」 翌日 『乗用車 高校生カップルに激突 飲酒運転か』 新聞を大きく飾る記事。やはり、昨日の男が事故を起こした。男は即死だったようだ。 「やっぱやっちゃっいましたね……」 「俺があの時止めていれば」 「でも、あの時のアレに何言っても無駄ですよ」 「ああ、そうかもな……。でも」 「そういえば、轢かれた高校生、意識不明ですって」 「らしいな。確か、カップルで歩いてたんだっけ?」 「はい。男のほうは無事だったらしいんですが、女の子が……」 「……」 [No.1133] 2005/06/03(Fri) 08:15:21 YahooBB220010136180.bbtec.net |