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No.1273へ返信

all はじめのコトバ - りゅうか - 2006/03/06(Mon) 02:09:59 [No.1270]
時を越えて・・・【プロローグ    in現在 〜始まり〜】 - りゅうか - 2006/03/06(Mon) 02:18:06 [No.1271]
【1章  in過去 〜妖精と仕事〜】 - りゅうか - 2006/03/07(Tue) 01:23:20 [No.1273]
【2章   2年前の・・・・】 - りゅうか - 2006/03/08(Wed) 00:44:06 [No.1274]
【3章    2度目の初めまして】 - りゅうか - 2006/03/11(Sat) 02:40:29 [No.1276]
【4章  映画鑑賞と夢の違い】 - りゅうか - 2006/03/14(Tue) 23:51:25 [No.1279]
Re: 【5章  望みとその世界】 - りゅうか - 2006/03/26(Sun) 23:05:17 [No.1285]
[削除] - - 2006/03/13(Mon) 23:13:20 [No.1278]


【1章  in過去 〜妖精と仕事〜】 (No.1271 への返信) - りゅうか

 
  第1章     in過去 〜妖精と仕事〜



夜の闇の中に居たのが、急に、昼下がりの陽気の中にいたのだ。

当然、つかさには何が起こったのか全く分からない。

まさに、夜に見た白昼夢のよう。

その時、声も出ず、ただ呆然と立ちつくしていたつかさの背で,

聞き 覚えのある声が つかさの耳に届く。

「あら、つかさちゃん、何でこんな所にいるの?今日はトモコちゃん

と出かけるって、言ってたのに」

つかさが振り返るとそこにいたのは、自分と同じ色の髪をもつ女性、

母親の姿が目に飛び込んできた。

何故、昼なのかも気になるが、母親を前にして、それどころではな

い。

目が合った瞬間、つかさは、頭を下げた。

「お母さん・・・・・その・・ごめんなさい・・・」

言い訳も、頭から消え去ってしまっている。

母親からどんな事を言われるか・・・覚悟はしていたが、聞こえてき

た言葉は、覚悟していたそれと、全く異種なものだった。

「ん、何がごめんなさい、なの?・・あら、つかさちゃん、髪切っ

た?・・、って、だいぶ切ってるわね・・・」

彼女は、つかさの髪を軽く梳きながらそう言うと、足早に、家へと向

かっていく。

とうとう、つかさには、何がなんだか分からなくなっていた。

なぜ、急に空はこんな明るくなったのか

お母さんは、今回の旅行のことを暗黙のうちに許してくれたのか

(どうなってんだろう・・・)

そんな、爆発寸前の彼女の思考を、母の言葉が、更なる混沌へと誘

う。

「今日は、暑いわね・・・つかさちゃんも、明るいからって何時までも

遊ばないのよ。

・・・・・・・・・『受験生』なんだから・・・」

ため息と思えるような語尾を付け足すと、母は、家の中に入ってしま

った。

(じゅ、受験生って・・・・)

訳も分からず、立ちつくす。

否、彼女にはそれしか出来なかった。

「・・・・・どうなってるの・・・」

快晴の空の下、汗ばむ様な陽気の中で、呟いたその疑問。

もちろん、誰かの返答を求めてのことでは無い。

だが、そう呟くと、つかさの耳元から何者かの声が鼓膜を叩く。

「そんなの簡単じゃん」

声は小さいが、耳の近くだったので、十分伝わる。

きれいな、幼い女の子の声。

「きゃあ」

首を振るようにして、周りを見渡すが、何処にも音源の姿はない。

声は聞こえたのだ。きっと何処か近くにいるはず。だが・・・

(誰も居ない・・・・・もう、今日はどうなってんだよぉ)

心の中で、そう叫びながら、探すのを諦める。

「何処から聞こえたんだろう・・」

夏、特有の涼しい風に乗せ、言った言葉。返答は、先程と同様にすぐ

に訪れる。

「こっちだよぉ」

「っえ」

その澄んだ声は、やはり、耳元から聞こえてくる。

しかし、つかさの周りに人影は無い。

だが、次の、呆れたような音を含んだ言葉が、つかさの、謎を解いて

くれた。

「もぉ〜!肩の上!!いい加減気づいてよ!!!」

つかさの肩には、羽の生えた、高さ15センチほどの『小』女が腰掛

けていたのだった。


















「そ、そんなこと・・・・・・・信じられるわけ・・・・・・」

つかさの口から、息を吸うようにして出てきた言葉。

小女がその後を引き継ぐ様にして胸を張る。その胸には、大きな時計

が下がっていた。

「別に良いんだよ、無理に信じなくても。でも、あたしの姿見ても、

信じられない?」

首から、身長の3分の1程もある時計を下げた、手のひらサイズの小

さな小女、その背中から突き出す純白の柔らかな羽。

まさに天使とでも言うようなその風体を見ているうちに、つかさは、

この子の言っていることが、真実であることを悟る。


本当にそんなことがあるだろうか・・・・・


「でも、その・・・・何で、あたし・・『過去』に来ちゃったの?」


そう、目の前の小女は、つかさが、時間を越え、中学3年生の夏に来

ていると言い張っていた。

その質問を聞き、つかさの手の上に座っていた小女は、めんどくさそ

うに立ち上がると、つかさを、ゆっくりと見上げた。

「まず自己紹介させて。あたしの名前は、ララ。あなたをこの時間に

連れてきた、『時の妖精』。」

「『時の妖精』?・・・そんなことより、あたしをもとの時間に帰し

てよぉ」

つかさは、何を聞くよりもはやくララにそう頼む。

だが、ララの返事も、何を聞くより速かった。

「だぁめ。意味無く誰かを連れてくることなんて無いんだから。ちゃ

んと働いてもらわなくちゃ」

腰に手をあて、ララが言う。

(働くって・・・何するんだろ・・・・3年働いたら、その分、年取

るのかな・・・)

人は、最初の驚きを過ぎれば後は、すぐに慣れてしまう。

つかさも例外ではなく、こんな事を気にするほどになっていた。

そんな、恐ろしい将来を予想するつかさを余所に、仕事とは、比較的

軽いことだった

「仕事って何するの?」

手の上に佇むララへと、つかさは、尋ねる。

するとララは、その天使の様な羽をはばたかせ、つかさの顔近くまで

やって来た。

「自分で考えて・・って、無理か。ヒントはねぇ、つかさの大切な人

に、関係があるよ。」

『大切な人』・・そう訊かれて、つかさが思いつく人物はただ一人。

 『関係がある』とは、どういう意味だろう。

 その時、つかさは、あることに思い当たり、慌てて尋ねる。

 「淳平君がどうしたの?!」


  〜淳平君の命を助けるために連れてこられた〜


 そんな、恐ろしい事が、頭をよぎる。

 だが、それも、ララの言葉を聞くまでだった。

 「何?そんな慌てて・・・ああ、命がどうとかなんて無いから安心し

 て。そうだなぁ、第二ヒントはぁ・・・淳平で、思い浮かぶこと・・ 
 ・・かな」

 「思い浮かぶこと?」

 淳平君で思い浮かぶこと、と言えばやっぱり・・・・・・・

 「映画、かな・・・」

 自信なさげに呟き出された答えだったが、それは、的を射たもの。 

 ララは、待ってましたとばかりに空中で一回転して、つかさの肩に飛 
 び乗った。

 「そう!映画。つかさは今から、淳平に会って、映画を作る。それ  
 が、『仕事』」

 奇妙なほど飛び跳ねる、その言葉には、つかさのみが、感じる重さが

 加わっていた。


  

    

















  だってこの頃は、東城さんも・・・さつきちゃんも・・・





































          言い訳場所



 なんか、サッパリ淳平出てきません。  変だな・・・・・
 しかも何かオリキャラまで出現しちゃって・・・
 でも後のことを考えると  
 まあとにかく、次回は淳平出てきます。(たぶん)

  ほんとすいません
  


[No.1273] 2006/03/07(Tue) 01:23:20
61-22-217-59.rev.home.ne.jp

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