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No.1285へ返信

all はじめのコトバ - りゅうか - 2006/03/06(Mon) 02:09:59 [No.1270]
時を越えて・・・【プロローグ    in現在 〜始まり〜】 - りゅうか - 2006/03/06(Mon) 02:18:06 [No.1271]
【1章  in過去 〜妖精と仕事〜】 - りゅうか - 2006/03/07(Tue) 01:23:20 [No.1273]
【2章   2年前の・・・・】 - りゅうか - 2006/03/08(Wed) 00:44:06 [No.1274]
【3章    2度目の初めまして】 - りゅうか - 2006/03/11(Sat) 02:40:29 [No.1276]
【4章  映画鑑賞と夢の違い】 - りゅうか - 2006/03/14(Tue) 23:51:25 [No.1279]
Re: 【5章  望みとその世界】 - りゅうか - 2006/03/26(Sun) 23:05:17 [No.1285]
[削除] - - 2006/03/13(Mon) 23:13:20 [No.1278]


Re: 【5章  望みとその世界】 (No.1279 への返信) - りゅうか

 







 


 「い、いや、べつに、俺、映画見るのは好きだけど、撮るのは・・・




 ・・・やらない・・・かな」

















 その声は、持ち主の部屋の中、溶けるように消え去った。













  5章   【望みとその世界】



 












 淳平の、その言葉を聞いた時、つかさの表情は、驚きに染まっていた



 
 淳平に、返す言葉も出てこない。




 いや、それどころか、声も出なかった。







 「ど、どうかした?」


 
 そう言ったのは、彼女より、さらに驚いている淳平。



 声も出ないつかさを心配して、何とか近づこうと奮闘している。




 足下を踏み分け、20秒も経っただろうか、ようやく、つかさの隣に



 たどり着くと、少し離れた場所に不安げな顔でしゃがみ込む。



 「お、俺なんか変なこと言った?」



 
 心配そうにそう言いながら、つかさの顔色を覗く。


 顔を赤く染めた淳平に目をのぞき込まれ、淳平ほどではないが、つか




 さの頬が、赤みを帯びた。



 「な、何でもないって!」




 
 慌てたように、そう叫ぶ。
 



 そして、窓のそばで寝ころんでいるララに、目で問いかけた。



 (何で、淳平君の夢が映画監督じゃないの?!)






 


 通常、目で何かを語りかけたとしても、それが通じることなど、まず




 無い。




 だが、今回のこれは、彼女にとって、予期していた質問事項のよう



 で、ほとんど即答と言った速さで返事が返ってきた。


 
 
 まあ、答えには、なっていないが・・・

 

 「そんなのあたし知らないよぉ。でも、映画は撮んなきゃ、帰れない



 よ」









 その、つかさにしか聞こえないその短い文章には、悪戯好きの子供の




 様な、皮肉めいた音が含まれていた。












 (ど、どうすればいいのぉ)








 そんな彼女の隣で、淳平は、先程から何もない窓を見つめ続けてい





 るつかさのことを不思議そうにみていた。








 「ほら、後つなげないと淳平が困ってるよ♪」






 ララが愉快げにそう言うが、当然何と言っていいか分からない。







 だいたい、何故、映画を撮る必要があるのだろう。







 



 未来に戻るため?











 















 今、冷静になって考えてみると、馬鹿げた事の様に思えてくる。







 きっとこれは夢か何かだろう。



 すぐに目が覚める。







 





















 でも、何でこんな夢を見るのだろう。















 それは・・・・・・それがあたしの今望んでいる事だから? 




 そう、今、あたしの一番望んでいること・・・・







 
 中学校3年生の夏。









 この頃は、悩みなんか無くて、進路のことも漠然としか考えてなかっ





 た・・・・・・・










 そして何より、もう一度、淳平君の彼女になりたい。












 あたしだけを見ていて欲しい。





 今のこれは、その願いを神様が聞き入れてくれた結果かも知れない。







 










 たとえそれが、すぐ覚める世界だとしても・・・









 たとえそれが、儚すぎる夢でも・・・・























 






 朝になるまで・・・・・・







 目が覚めるまで、この夢の中にいたい。






 ならば、映画を作るというのも良いかも知れない。




 
 


 淳平君と二人で・・・



























 






















































 「淳平君!あたしと一緒に映画作ってみない?」


































 


                           


[No.1285] 2006/03/26(Sun) 23:05:17
61-21-203-249.rev.home.ne.jp

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